脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2012年5月25日金曜日

【裁判報告1】ウソツキはWHO?の告発者ミシェル・フェルネクス医学博士の講演「福島の失われた時間」を提出


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1、この間の経過
ふくしま集団疎開裁判は、いま、二審の仙台高等裁判所に係属中で、
2月末  私たちから抗告理由書の提出
4月17日 郡山市から答弁書の提出
を受け、
5月20日に、私たちから、答弁書に対する次の反論を提出しました。
①.抗告人準備書面(1)
②.証拠説明書(10)
③.甲12号証の4・ 同120~146号証

以下は、その報告です。

2、スイスのバーゼル大学医学部名誉教授のミシェル・フェルネクス氏講演「福島の失われた時間」の提出
チェルノブイリの重要な警告の1つとして「遺伝的影響」という問題があります。これは、低線量の内部被ばくによる健康障害が直接被ばくした本人のみならず、その第二世代により強く現れ、第三世代にはもっとより強く現れるという深刻な遺伝的影響のことです。

この問題の重要性を訴えているのがスイスのバーゼル大学医学部の名誉教授で、元WHO専門委員の ミシェル・フェルネクス氏(※)です。

(※) 2011年11月30日緊急提言「人々が被曝から身を守るために-福島の即時の影響と後発性の影響を予測すること-

彼の最新の講演「福島の失われた時間」( 今月12~13日、ジュネーブで開かれた「WHOの独立を求める会」→その解説)を、いま福島の子どもたちが直面している深刻な遺伝的影響の問題を証明する重要な証拠’(甲132号証)として提出しました。
  講演「福島の失われた時間」(日本語)  (英語)(その説明は→証拠説明書(10)の132)

3、 チェルノブイリの「遺伝的影響」の問題を取り上げた映像
また、近日中に、 チェルノブイリの「遺伝的影響」の問題を取り上げた映像「真実はどこに? 」を証拠として提出予定です。

ドキュメンタリー「真実はどこに? 」(2004年)

これは、 チェルノブイリ事故により「遺伝的影響」を受けた第二世代以後の子どもたち、そして2001年6月、WHOの後援を受けて開催されたキエフでの「チェルノブイリの惨事の医学的影響に関する国際会議」の様子を描いた映画です。

この映画の冒頭に登場するのが、「福島の失われた時間」の講演をしたミシェル・フェルネクス氏です。
彼は次のように語ります。

WHO私は協力関係あります。 
マラリアとフィラリアの研究委員会で熱帯医学者として15年間いたからです。
WHOには大きな尊敬念を持っていますが、
1986年から年間WHOチェルノブイリの現場に不在であったことを大変悲しんでいます。
年間 彼らは現場に一切姿を見せなかった。
WHOは国際原子力機関IAEA現地調査を一任した。
残念なことです。

フェルネクス氏も参加した上述の2001年6月のキエフの国際会議には、疎開裁判の重要な証拠の作成者たちが次々と登場します。

アレクセイ・ヤブロコフ(16分~・18分~・45分)
ワッシーリ・ネステレンコ(27分30秒~30分30秒・35分~37分)

疎開裁判の最も重要な証拠の1つである松井意見書、それは、
チェルノブイリ事故により、郡山市と汚染度が同程度の地域で発生した様々な健康障害が郡山市でも今後予想されることを明らかにしたもの(11頁以下)ですが、この意見書がベースにしたいわゆるヤブロコフ・ネステレンコ報告(報告書『チェルノブイリ――大惨事が人びとと環境におよぼした影響』(Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment))の作者が上記の2人です(この報告書に関する動画は→ジャネット・シェルマン博士のインタビュー)。

ユーリ・バンダジェフスキー(20分~23分・46分~47分30秒)

上記松井意見書(22頁以下)がベースにしたもう1つの文献が「チェルノブイリ事故による放射性物質で汚染されたベラルーシの諸地域における非がん性疾患」ですが、その作者がバンダジェフスキー氏です。
ちなみに、この映画の監督によれば、、《バンダジェフスキーは、(キエフの国際)会議の翌日に、牢獄にぶち込まれた。軍事裁判所で、8年の収容所収監の判決を受けた。》

 ECRR(欧州放射線リスク委員会)科学事務局長のクリス・バズビー(38分30分~41分30秒)

昨夏、ふくしま集団疎開裁判の会の招きで来日し、「福島の子どもたちの放射線被曝と心臓発作」という意見書の作成者であるクリス・バズビー氏も登場し、低線量被ばくの健康障害についてこれまでの評価の見直しを迫ります。
これに対し、議長団のメンバー中嶋宏元WHO事務局長が「あなたの表明は正しいと思うので、この勧告により正確に挿入されるべきでしょう」と表明したにも関わらず、会議の最終決議文には追加されませんでした。

ヤルモネンコとヤブロコフとのやり取り(23分~25分)
ヤルモネンコと女医達の対話(31分30秒~35分)

以上の人たちの見解に真っ向から反対するのがヤルモネンコ(47分~)氏。
彼の議論を注意深く聞いていると、彼の話が昨今「東大話法」と命名された次の話法と殆んウリ二つであることに気がつく。今年4月、ベラルーシから来日し、全国で講演したM.マリコ博士が1997年の論文「国際原子力共同体の危機」で喝破したように、日本の原子力ムラが国際原子力ムラの模範的な一員であるのと同様、「東大話法」が国際原子力ムラの模範的話法であることが分かります。
  • 規則 1: 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
  • 規則 2: 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
  • 規則 3: 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
  • 規則 4: 都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
  • 規則 5: どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
  • 規則 6: 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
  • ‥‥

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