脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2012年11月3日土曜日

【報告】11.2国連の人権理事会(作業部会)、日本政府に対し「福島住民の健康の権利守れ」 という報告書を採択

ジュネーブ国連の人権理事会(作業部会)は、11月2日、日本政府に対し「福島住民の健康の権利守れ」 という次の勧告を盛り込んだ報告書を採択しました(->朝日の記事)。

Take all necessary measures to protect the right to health and life of residents living in the area of Fukushima from radioactive hazards
and ensure that the Special Rapporteur on the Right to Health can meet with affected and evacuated people and civil society groups
(訳)
放射能の危険から福島の人々の命と健康に関する権利を守るために、必要なあらゆる措置を取ること、
そして、(来日する)健康の権利に関する特別報告者が、日本において、被ばくした市民、避難した市民、市民運動のグループたちと面談する機会を保障すること

これは、福島の人権問題が国連の文書に初めて登場した画期的な瞬間です。
なぜなら、それまで、国連に登場する文書は、福島原発事故によって、原子力の安全性が損なわれので遺憾だ、国際原子力機関(IAEA)を支援する(甚大な被害を蒙った福島の被害者の人たちを支援するとは一言も言わない)と言うだけで、今後、核テロ防止のための取組みを行なうとしか述べていないから、あたかも福島原発事故で犠牲者は一人もいなかったかのような記述だからです(例えば、2012年国連事務総長の報告書にたった1箇所登場する福島問題〔15頁81→(*)〕)。

勧告の後半は、国連の人権理事会が、福島第一原発事故による子どもをはじめとする住民の命・健康に関する人権侵害を調査するため、健康に対する権利の専門家である特別報告者アナンド・グローバー (Anand Grover) 氏を日本に派遣することを決めたのを受けて、日本政府がグローバー氏の十分な調査を妨げないように、勧告したものです。

 (*)2012年国連事務総長の報告書15頁
81. Nuclear safety and security is an issue that was unfortunately brought to the forefront of the international agenda by the accident at the Fukushima Daiichi nuclear power plant in 2011. The Organization is supporting the International Atomic Energy Agency in leading international efforts to enhance nuclear safety and security, as well as international emergency preparedness and response. The international community must give more attention to nuclear security. To this end, in September 2012, I will convene a high-level event aimed at strengthening the legal framework on preventing nuclear terrorism.

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