脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2013年1月31日木曜日

【お知らせ】 2.1ふくしま集団疎開裁判文科省前抗議行動はお休み

今週金曜日(2月1日)の文科省前アクションは「ふくしま集団疎開裁判の会」の会議のために、お休みとなります。
来週8日の金曜アクションは従来通り開催の予定です。
また、2月23日(土)午後、東京で初めての、新宿デモをやる予定です。詳細は近日中にお知らせします。
支援者の皆様方にはよろしくご承知おき下さいますようお願い申し上げます。

2013年1月25日金曜日

1月21日裁判(第3回審尋)期日の報告:ロスタイムは3週間

 弁護団 井戸謙一 光前光一 柳原敏夫
 
1月21日、仙台高裁で開かれた第3回目の裁判(審尋)期日につきましては、今回もまた、過去2回の審尋のときと同様、地元仙台はもとより、遠く東京、郡山、福島をはじめ、全国各地(新潟、山形、北海道、静岡、兵庫など)から多数の方が支援のために集まって下さいました。事前の集会、デモ行進も、裁判中の交流会、事後の裁判報告会及び「みやぎ脱原発・風の会」代表・篠原弘典さんや兵庫県南部大地震ボランティアセンター菅澤邦明さんをゲストとした疎開・保養に関する交流会も、厳しい寒さと状況にもかかわらず、大勢の参加者の皆さんの熱い思いに満ちあふれ、弁護団としても大いに力づけられた1日でした。

尋期日は午後2時から約25分間、仙台高裁の審尋室で行われました。裁判所側は佐藤陽一裁判長を含め裁判官3名と書記官1名、抗告人側は、弁護士3名、相手方(郡山市)側は弁護士1名が出席しました。

 抗告人(原告)側は、南相馬市の吉田邦博さん、郡山市の武本泰さん、滋賀県の東昌子医師、北海道の松崎道幸医師等の陳述書、国連人権委員会の特別報告者アナンド・グローバー氏の声明文等を証拠として提出するとともに、子どもたちを福島で生活させることの危険性がますます高まっていること、国連においても福島の人権侵害問題について関心が高まっていること等を記載した準備書面を提出しました。
これに対し、相手方(被告)郡山市は、「抗告人の主張は否認、不知、争う」とだけ書いたペラ1枚の準備書面を提出しただけで、抗告人側が主張している低線量被曝の危険性についての具体的な反論は、全くしませんでした。
れに対し、裁判所は、郡山市に反論を促すこともなく、これで審理を打ち切りたいとの意向を示しました。
裁判所に対し抗告人から、子ども達の命や健康被害に関する新しい情報がどんどん出ていること、とりわけ、2月上旬には、福島県健康管理調査で郡山市の子どもたちの甲状腺検査の報告がなされることから、その結果等を踏まえて主張を追加したいと言って、主張・立証の追加を認めるよう求めました。裁判所は、しぶしぶ3週間の猶予を認め、今後3週間で、主張、立証を完結させることになりました。

いうことで、事件の審理を行なう審尋期日としては、この日で終了したことになります。裁判所は、早く決定(裁判所の判断)を出したいという口吻でしたので、おそらく、3月末までには決定が出るものと思われます。

 相変わらず、裁判所に低線量被曝の問題に真摯に取り組もうという姿勢を感じることができないのが残念ですが、一方で、裁判所が、決定を書くにあたっては、これまで多くの皆さんの協力によって準備し、提出してきた抗告人の詳細な主張・証拠に対して、裁判所なりの判断を示さなければなりません。また、日々刻々、福島で発生している健康被害の深刻な事態が、多くの人たちの「福島の子どもを今すぐ逃がせ」という声となって裁判所に届けられると、それによって裁判所は正しく耳を澄ますことが可能になります。そうした努力を通じて、可能な限り最善の内容の決定を引き出すように、引き続き、皆さまと共に残された3週間、力を注ぎたいと思います。

山の支援の皆さまからの情報提供、署名、裁判所への手紙等が正義を実現する力になっています。引き続き、よろしくお願い致します。

それでも、伝えたい福島の親の声:どんな犠牲を払って自主避難したのか(1)

はじめに:なぜ、それでも、福島の親の声を伝えたいのか->こちら

続いて、原告のお母さんが、どのような犠牲を払って自主避難を敢行したのか、率直に、胸の内を語ったものです(公開用に、一部、修正してあります)。

この方は、11月26日、仙台高裁の第2回目の裁判の前日、徹夜して書面を書き上げ、裁判当日の朝、弁護団に送ってくれました。 

そのあと、書いた原稿を郵送していただいたとき、次の言葉が添えられていました。
次の言葉は、あるマンガの中に出てくるセリフらしいのですが、とても共感したので、ご紹介させて下さい。

「人の足を止めるのは、絶望ではなくて 諦め。
 人の足を進めるのは、希望ではなく  意志。」

次の審理まで、諦めないで 頑張りたいと思います。
私にできることを 私らしく やっていきたいです。
誰もがこんな風に共感し、行動したいと思うようになれば、集団疎開は必ず実現する。

  **************************************
     原稿をクリックすると拡大します。













2013年1月24日木曜日

【お知らせ】子どもたちを核戦争から守れ! 1.25ふくしま集団疎開裁判文科省前抗議行動→IWJ・CH未定

7月27日(金)からスタートした文科省前~官邸前抗議行動(そのアピール文)、これまで、毎週金曜日、実施してきました(過去の行動の動画は末尾に掲載)。
今週金曜日(1.25)も、文科省前で次の通り実施します(今回、財務省上ではやりません)。

今回の目玉は、今週21日に仙台高裁で行なわれた第3回の裁判(審尋)の報告です。

【重要なお知らせ】
 福島からの声
 今回、福島から現地の声を伝えるのは次のお二人です。

吉田邦博さん(南相馬市 安心安全プロジェクト代表 
 福島の子ども等の衣類と頭髪の放射能汚染を調べて見えてきたもの
  
  21日に、仙台高裁に提出した吉田さんの報告書をご自身から解説してもらいます。
  
・武本泰さん(郡山市) 
 行政施策という目に見えない鉄条網で囲まれた「ふくしま収容所」の実情について

  21日に、仙台高裁に提出した武本さんの報告書(3)を電話中継で、ご自身から解説してもらいます。

遠方からの声
  今回、北海道からメッセージを伝えるのは次の方です。
・ 松崎道幸さん(深川市立病院内科・医学博士)
 いま、福島と周辺の子どもたちの健康にどんな異変が起きているか、最新情報について

  21日に、仙台高裁に提出した松崎さんの意見書(4)を電話中継で、ご自身から解説してもらいます。

演劇班による寸劇
 次の3題(仮題)
・21日の仙台高裁の第3回裁判(審尋)の報告
福島の「ペイフォワード」♥天使大量出現計画
・ 耳の穴かっぽじってよーぐ聞け「二人のヤマシタ」

仙台高裁の第3回裁判(審尋)の報告
・光前幸一(弁護団)

18日の院内集会の報告
 ・柳原敏夫(弁護団)

日程・場所
 1月25日(金)午後6時~7時半 文科省前 地図(青文字で表示)

国内遠方・海外からの参加
  国内遠方の皆さん、海外の皆さんからも、この抗議行動に参加ください。このブログの以下のコメント欄で、またはメール(→sokai*song- deborah.com【*を@に差し替えて送信ください】)で抗議の声を表明して下さい(ブログで紹介させていただきます)。

主催 ふくしま集団疎開裁判の会
 連絡先
ふくしま集団疎開裁判の会代表/井上利男  
電話 024-954-7478
メール sokai*song-deborah.com
    (メールは*を@に差し替えて送信ください) 

過去の抗議行動の動画
 7.27(->動画
 8.3 (->動画) 
 8.10(->動画
 8.17(->動画
 8.24(->動画 紙芝居 井戸謙一さんのスピーチ
 8.31(->動画
 9.7 (->動画
 9.14(->動画 文科省前 財務省上
 9.21 (->動画 文科省前 財務省上
 9.28(->動画 文科省前 財務省上
 10.5 (->動画 文科省前 財務省上
 10.12 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上
 10.19(->動画 文科省前 財務省上
 10.26 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上


【報告】1.21福島やその周辺で起こっている健康被害の真相について松崎意見書(4)を提出

これまでに、主に、甲状腺検査結果について、
松崎意見書(2)
松崎意見書(3)
を作成された北海道の松崎道幸医師に、今回、健康被害に関する以下の最新情報について、意見書(4) を作成、裁判所に提出しました。

1、血液疾患と血液検査結果の公表のボイコット(->おしどりマコさんの「血液検査の現状報告」)
2、循環器疾患と取手市で小中学生の心電図異常の増加(->東京新聞の記事「73人が『要精密検査』 取手市内24校心臓検診
3、甲状腺に多数ののう胞(->検査を担当した医師の陳述書

PDFの全文は->こちら

  *************************************
意見書 ()

松崎 道幸

(深川市立病院内科・医学博士)
2013年1月19日


目 次
第1.略歴
第2.福島県は一昨年行われた福島の子どもたちの血液検査をすぐに公表してください
第3.空間線量率が事故前の10倍近くになった取手市で、子どもの心電図異常が増えています
第4、放射線被ばくが甲状腺のう胞を増やしているおそれがあることを直視すべきです

第1.略歴
甲131号証の記載の通り。

第2.福島県は一昨年行われた福島の子どもたちの血液検査をすぐに公表してください
201112月までに福島の7割近くの子どもたちの血液検査が終了しているのに、その結果は公表されていません。大人のデータは昨年公表されているのです。
福島県内には、チェルノブイリのゴメリのような高度汚染地区に匹敵するセシウムによる土壌汚染のある地域も多いため、子どもたちへの健康影響がとても心配されます。
ちなみに、ゴメリ地区の子どもたちの血液疾患は、事故前に比べて、4年後に9倍、10年後に約20倍に増えました。


ゴメリ地方(ベラルーシ)の小児の疾病発病率(10万人当り)
調査年
1985
1990
1993
1994
1995
1996
1997
血液疾患
54.30
502.40
753.00
877.60
859.10
1,066.90
1,146.90
1985=1
1
9.3
13.9
16.2
15.8
19.6
21.1

出典:核戦争防止国際医師会議ドイツ支部:チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害(2012年 合同出版)86ページ


ゴメリ地方の子どもの血液疾患の増加度
核戦争防止国際医師会議ドイツ支部:チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害(2012年 合同出版)86ページの表7-3より作成。


以前、私の意見書(甲131)8頁以下でも述べたように、福島中通りに匹敵する放射能汚染地帯に居住するチェルノブイリの子どもたちでは、放射線被ばくによって起きたとみられる貧血、白血球数低下、血小板数低下等がはっきり現れていました。事故直後の福島の子どもたちの血液検査がどうなっていたのかを知ることは、被ばくの影響の大きさを知った上で、適切な対策の行われることを切望している住民の基本的権利です。


第3.空間線量率が事故前の10倍近くになった取手市で、子どもの心電図異常が増えています

放射性セシウムは心臓の筋肉細胞を傷つけますので、不整脈や心不全、様々な心電図異常をもたらすと考えられています。
原発事故前の茨城県の空間線量率は0.05マイクロシーベルト/時 前後でしたが、事故後取手市では、その数字が一桁大きな値となりました。毎年小学校と中学校の新一年生に行われる心電図検査で、詳しい検査が必要と判定された児童の率が、2011年の福島事故後23倍に増えていることがわかりました。

取手市において心電図検査で要管理者と判定された児童の比率(%)

QT延長症候群(疑いも含む)と判定された取手市の児童の人数
QT延長
(疑いも含む)
2008
2009
2010
2011
2012
初発
0
1
1
2
6
継続
1
0
0
0
2
上2点の出典:取手市立 小中学校 心臓検診結果集計(2013/1/1)(教育委員会より、県・国:政府統計HPより)一般公開用

 QT延長症候群:心臓の収縮後の再分極の遅延がおき、心室頻拍のリスクを増大させるまれな心臓疾患です。これらの症状は、動悸、失神や心室細動による突然死につながる可能性があります。)

ちなみに、福島県では、児童生徒の心電図異常の比率が、全国平均あるいは福島県の事故前のデータと比べて増えているとは読み取れません。しかし、異常」の詳しい内容と全県ではなく各市町村単位のデータが不明であるため、これだけでは放射線被ばくによる心臓の筋肉に対する傷害が本当に増えていないかどうかを断定することはできないと考えます。
福島県児童生徒の心電図異常率(%)の推移
検査年度
小学校
中学校
高等学校
H14
2.1
3.7
2.6
18
1.9
2.5
3.3
19
2.6
2.6
3.8
20
2.2
3.5
3.1
21
2.0
2.6
3.2
22
2.9
2.8
3.9
24
2.1
3.3
3.1
全国H24
2.3
3.3
3.0

出典:「福島県統計課編 平成24年度学校保健統計調査速報から抜粋


チェルノブイリ事故後、放射能汚染の著明なゴメリ地区の子どもたちに、心臓病などの循環器疾患が10倍以上増えたことを想起すべきです。

ゴメリ地方(ベラルーシ)の小児の循環器疾患(10万人当り)
調査年
1985
1990
1993
1994
1995
1996
1997
循環器疾患
32.30  
158.00
375.10
379.80
358.20
422.70
425.10
1985=1
1
4.9
11.6
11.8
11.1
13.1
13.2

ゴメリ地方の子どもの循環器疾患の増加度
核戦争防止国際医師会議ドイツ支部:チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害(2012年 合同出版)86ページの表7-3より作成。





































 福島の子どもたちにおいても、児童生徒の心電図の異常を詳しく分析して、注意深くモニタリングすることが必要なことはもちろん、これ以上の放射線被ばくを避けることのできる、移住疎開を含めた抜本的な対策を急ぐことが望まれます。
 
第4.放射線被ばくが甲状腺のう胞を増やしているおそれがあることを直視すべきです

滋賀県の滋賀勤労者保健会ぜぜ診療所が、昨年8月に福島県と東京都から避難してこられた29名の子どもの甲状腺検査を行ったところ、19名にのう胞が発見され、うち17名は甲状腺の左右の葉に多数ののう胞が見られ、さらに7名では、多数のコロイドのう胞が検出されたということです(甲208陳述書)。

松崎意見書(2)(甲190)で示したように、甲状腺のう胞は放射線被ばくによって増加することが明らかになっています(下図参照)。従って、甲状腺のう胞の数もまた放射線被ばくによって多数となる可能性があることは否定できません。


放射線被ばくの有無別甲状腺のう胞頻度
松崎意見書(23ページ目の表から作図

原発事故で過去に例を見ない態様の放射線被ばくを受けたこどもたちの検診をきめ細かく続けるとともに、これ以上の放射線被ばくを防ぐために、移住、保養等の対策を根本的に強めることが必要です。
以 上


【報告】1.21福島の子どもらの衣類と頭髪の汚染調査と東電マニュアルから見えてきた報告書を提出



吉田邦博さんについて
南相馬市在住の吉田邦博さん(安心安全プロジェクト代表)は、「市民と科学者の内部被曝問題研究会」のメンバーとして、これまで、モニタリングポスト検証チームの中心メンバーの一人として、文科省が福島県に設置したモニタリグポストの測定値について検証して、昨年10月5日、記者会見をおこないました(以下がその映像。その会見報告は->こちら)。


また、昨年暮れに放送された、第2ドイツテレビ(ZDF)の番組「フクシマの子供たちの放射線障害」で取材を受けた吉田さんが登場します(以下の1分~)。



その吉田さんが、東京電力第一原発事故が福島県でどのような放射能汚染をもたらしたかを、
①.事故前に東京電力が作成し、原発作業員に渡してきたマニュアルを通して
②.福島の子ども等が着ている衣類と頭髪の汚染調査を通して
はっきりと見えてくることを明らかにした書面を作成し、裁判所に提出しました。
それが、以下の報告書(甲205)です。

PDFの全文は->こちら

  *************************************
報告書
環 境 汚 染 を 調 べ て 見 え て き た も の
 
2013年1月20日

安心安全プロジェクト
吉田 邦博

目 次
1.略歴                                    
2.福島県を測定して見えたこと
3.東京電力のマニュアルから見えるもの――福島県の多くは管理区域C 区域以上――
    3-1.管理区域とは
   3-2.管理区域境界線とは
   3-3.事業所境界線
   3-4.管理区域区分
   3-5.管理区域内での衣類装備について
   3-6.電離放射線健康診断(電離検査)
   3-7.管理区域と汚染地の比較
4.福島県農業試験センター発表のデータから
   空気中の塵に含まれる放射性物質の有無                 
5.環境汚染調査                                
   5-1.衣類の汚染調査
   5-2.頭髪の汚染調査
6.環境汚染調査結果報告――ベクレル(Bq)から考える――             
7.使用機器の紹介                               
終わりに 
                                  
 1.略歴 
昭和53年4月~ 東京で建築関係の仕事を自営。
平成元年 6月  東京から南相馬市に移り住む           
平成19~20年  東京電力福島第二原発で下請け会社の作業員として勤務
平成23年3月  赴任先の福島県広野町にて東日本大震災に遭遇
平成23年4月  福島第一原子力発電所事故による被災地の広野町より
         南相馬市にてボランティア活動を開始
平成23年7月     放射線の影響を危惧し安心安全プロジェクトを設立
         京都精華大 山田國廣教授、日本環境学会 畑明郎先生より
除染のレクチャーを受ける
平成23年8月  低減率70%以下を基準にした除染活動を開始
         除染場所:保育園4カ所、個人宅9カ所
         岐阜環境医学研究所所長・座禅洞診療所所長 松井英介先生より
             放射線医学のレクチャーを受ける
平成23年11月  国内外の放射線の影響について調査開始
平成24年10月  モニタリングポスト数値の異常を
          市民と科学者の内部被曝問題研究会と共同で発表
         衣服の汚染調査開始
平成24年11月  国連人権理事会 特別報告アナンド・グローバー氏から調査報告依頼
を受ける


.福島県を測定して見えてきたこと
この報告書は、東京電力第一原発事故が福島県でどのような放射能汚染をもたらしたかを示すものです。事故以前と事故以後とを比較することによって、事故がいかに深刻な重大な放射能汚染をもたらしたかが分かります。それが東京電力が事故以前に作成し、原発作業員に渡してきたマニュアル「放射線作業と遵守事項」(甲215.2001年に一部改訂。以下、本マニュアルといいます)です。

 事故以前、東京電力が原発作業員に渡してきた本マニュアルでは、放射能汚染程度に応じて様々なエリアに分け、作業員を内部被曝させないために高性能なマスクをさせるなど、放射線被曝から徹底的に防御するように指導してきました。
 本マニュアルのエリア区分によれば、事故後の福島県の多くの地域は管理区域のC区域に相当します。このエリアで作業を行なう作業員は、8頁の写真のような装備を義務づけられています。しかし、事故後、福島県の大半の地域はこのC区域に相当するにもかかわらず、そこに住む住民は、このような装備はおろか何の防護も指導されず、事故前と変わらない日常生活を送っているというのが現状です。

また、福島県中通りの切干大根から高濃度の放射性セシウムが検出された問題で、平成24年10月に発表された福島県農業試験センターの「平成24年度農業分野における放射性物質試験研究成果説明会」資料(甲192)は、高濃度の放射性セシウムの原因として放射性物質が大気中に飛散していることが報告しました。この報告によると、高さでの違いはあるものの、空間線量と空気中の放射物質の含有量は比例していません。つまり、空間線量が相対的に低いとされている場所であっても、大気中のチリとなって浮遊する放射性物質の量が多いことがあり得るということです。しかし、現在、福島県内の学校では、放射性物質からの防護策としてのマスクは必要ないと指導しています[1]。その結果、子どもたちは知らない間に呼吸によりチリとともに放射性物質を体内に取り込んでいる恐れがあります。いま、この切干大根のケースから、内部被曝をもたらす体内に取り込まれる放射性物質の問題に注目する必要があります。この問題を明らかにしようとしたのが衣服と頭髪の放射能汚染調査です。

 衣服と頭髪の調査では、放射性物質が大気中に存在する環境にあって、常に身体に密着している衣類・頭髪がいかに汚染されているかを明らかにしようとしたものです。
 中学生の衣服の調査で、普段着一式から0.7~0.8μSv/hの被曝が予想される、という結果が出ました。これでは学校をいくら除染しても衣服からの被曝からは逃げることはできません。ただでさえ高い空間線量の中で暮らす子どもたちにさらに加わる衣服からの放射線被曝の影響は深刻に考えなければなりません。なぜなら衣類の汚染は、身体に密着しているという意味で内部被曝に準じて考える必要があり、空間線量よりもはるかに影響が大きいと考えられるからです。
以上の現状に対して、放射線防護に関する法的な基準に依拠するならば、高性能のマスク、何重にも重ねた防護服を装着し、靴下は2重にし、手袋を3重に重ねて子どもたちを登校させなければならないでしょう。しかし現実の状況は、原子力発電所なら1日10時間までしか働いてはいけない放射線量の場所で、妊婦や子ども達が何の防護もないまま毎日、日常生活を送っているのです。


.東京電力のマニュアルから見えるもの――福島県の多くは管理区域C 区域以上――
 以下、東京電力は事故以前に作成し、原発作業員に渡してきた本マニュアルで、不要な放射線被曝をしないように、どのような放射線防護を指導してきたかを紹介します。
3-1.管理区域とは
本マニュアルによると、
  ・法令で実効線量当量が1週間に0.3mSv(1.78μSv/h)を超える恐れのあるところを管理区域とする。
※管理区域での労働は1日1mSvを超えてはならないと指導している。
  (我々は労働者ではない一般人は法で定めている年1mSvでなければならない。)
※管理区域には1日10時間以上入所してはならないと指導している。
  (被害者は24時間である。)
※体の表面に放射線物質が付着すると、それから出る放射線で更に被曝が増え、ケガを
  すると傷口から体内に取り込む恐れがあると指導している。
(被害者達には、何も放射線の教育も防御の知識も与えておらず、したがって、衣服の被曝が、どのように危険か、そして、怪我をすると内部被曝の危険があることすら知らない。)

3-2.管理区域境界線とは
  ・管理区域境界線とは実効線量が3ヶ月で1.3mSv(0.6μSv/h)とされている。
※管理区域には18歳未満は入所させてはならないと定めている。
  (妊婦を含めた多くの未成年者がこの線量の中で生活している。)
※管理区域境界線には、管理区域であることの標識を表示し立ち入りを制限しなければ
  ならないと定めている。 
(街中にいくらでも同じ放射線量の所があるが標識どころか、立ち入りが自由にできる。20Km内に入れないようにしているだけである。)
※管理区域での喫煙、飲食は禁止されている。
  (何も禁止されるものはなく、寝泊まりすることなど考えられない。)

3-3.事業所境界線
  ・管理区域を持つ事業所の人を立ち入り制限をしなければならないが(受付守衛所)、
   3ヶ月で250mSv(0.11μSv/h)と定めている。
※被曝労働者の作業時間外を含め、一般人は年間1mSv以下であり(0.11μSv/h)、法でそれを守るよう定めている。
  (世界的には放射線による影響にはしきい値がないとされ、年間1mSvが一般人の許
  容範囲とされている)


 











周辺防護区域の外側にしか、居住施設は作れない。
関東から北側の東北を含めた多くの地域が、周辺防護区域以上の放射線量となり、本来、居住エリアとしては認められない場所にあたる。

3-4.管理区域区分
管理区域の区域分け
・管理区域は、放射線レベルによるものと汚染密度の双方で厳格に区分され、人体が放射線をできるだけ受けず体内に汚染物質を取り込まないように徹底されている。
※放射線量より汚染密度が高いほうが危険と考えている。 
(チェルノブイリ法で定めた土壌の汚染による避難の概念と一致する。)


では、以上の管理区域区分を福島原発事故による放射能汚染状況を当てはめてみるとどうなるでしょうか。
次頁の。文部科学省やアメリカの科学アカデミーの発表セシウム沈着量マップから見ると、ほとんどの福島県、宮城県南部、群馬県沼田市、栃木県日光市、千葉県柏市、茨城県北部、岩手県と宮城県県境などが放射線管理区域C地区以上の汚染と確認できます。
しかも、原発爆発直後は福島県の多くの地域がD地域であった可能性があり、文部科学省の報告などでそれを確認できます。D区域とは、後に説明します重装備が必要とされる区域のことです

3-5.管理区域内での衣類装備について 
通常時に東京電力が用意している装備では、内部被曝を避けるための装備、放射性物質を外に持ち出さないようにするための装備と手順を指導している。(外部被曝については、防護のための装備は規定されていない。)

汚染区分
装着する装備
A
B帽子、B軍手、B靴下、一般服もしくはB服、B靴(青)
B1
B2
B帽子、B軍手、B靴下、ゴム手袋、B服、B靴(黄)履き替え
C帽子、綿手袋、ゴム手袋2重、靴下2重、C服、場合によってはC服の上にタイベック、水を使う場合アノラック(カッパ)、タイラック
C帽子、綿手袋、ゴム手袋2重、靴下2重、C服、場合によってはC服の上にアノラック(カッパ)、タイラック
B区域には2通りあり、B1:0.04Bq/c㎡未満、B2:~4Bq/c㎡


上の写真がC区域の装備である。どちらも外部被曝は防げない。
外に放射線物質を持ち出さないようにするためと、皮膚や頭髪、衣類に付着させ長い時間を過ごすと余計な被曝をするために完全な防備となる。
内部被曝からの防護のために、写真のようなマスクをさせている。放射線汚染地域でこのような装備は一切無いため、衣服や頭髪の汚染が進んでいる。
多少の内部被曝でも危険があるため、作業環境によってこのようなマスクを装着することになっている。建屋内には、風は吹かないため汚染物質が舞い上がることは少ないが、通常、屋外では汚染物質が風によって舞い上がり、住民はそれを吸引する。それは内部被曝を意味する。
原発労働者は、ホールボディカウンターだけでは内部被曝を検査しきれないため、電離検査という検診も行われる(P.9表)。
D区域の装備


 福島県浜通りや福島第一原発よ30Km圏外でも管理区域のD区域に値する数値があったことを示すデータ[2]が文部科学省より発表があり確認されています。


3-6.電離放射線健康診断(電離検査)
電離放射線健康診断(電離検査) 電離放射線の健康診断項目
(「電離放射線障害防止規則」で6ヶ月に1度義務付けられている)
1
被ばく歴の有無の検査
2
白血球数及び白血球百分率の検査
3
赤血球数及び血色素料又はヘマトクリット値の検査
4
白内障に関する目の検査
5
皮膚(爪を含む)の検査
白血球、赤血球などの検査のみならず、目や皮膚への影響も想定されている。

「電離放射線(被曝)で起きる健康障害は、放射線を受けた直後~数日以内に起こるものと、受けてすぐには発生せず、数週間~数年経過してから発生するもの、上に挙げた奇形や流産のように、次の世代に影響が出るものの3つのタイプがあります。
あざができやすくなる。貧血や、感染症への抵抗力が低下して風邪をひきやすくなる。不妊の原因となることもあります。発がん性や特に白血病の発生率が高くなります。予防保健協会調べ 電離放射線健康診断から予防保健協会調べ 電離放射線健康診断から」(予防山口県保健協会「電離放射線健康診断」[3]より)

3-7.管理区域と汚染地の比較
原発事故の被害地の多くはC区域以上にあたり、本来なら管理区域とされ、標識を立て、一般人は入ることすら許されないエリアです。管理区域に入る場合は、放射線の影響に対する防御など様々な教育を受けていなければなりません。管理区域内には10時間以上いてはならないし、肌の露出は極力抑え、ケガなどしないようしなければなりません。タバコや飲食も内部被曝の恐れがあるため禁止となっています。トイレも防護服やマスクをはずさなければならないため、管理区域外に行かなければなりません。
原発事故によって、広範な地域がこのC区域以上になっています。本来なら立ち入りを禁じられるはずの汚染の中に、放射線防御に対する指導もされることなく、防護服も高性能のマスクもなしに、多くの人びとが生活することを強いられているのです。
更に、放射線業務従事者は、その健康管理のために毎日の被曝の管理と6ヶ月ごとの健康診断と電離検査(30年保管管理)、内部被ばく検査などによる健康管理が義務付けられています。
管理区域では、現在シーベルトで示されている空間線量より空気中と物体のベクレルで示される汚染密度を重要視しています。それは被害地を土壌の汚染によって、エリアを管理しなければならない事を意味し、大雑把な空間線量だけで管理することが適切ではないことを示します。
また、外部被曝より内部被曝を重視し、少量の汚染でも高性能のマスクの着用を義務付けています。喫煙や、食事などを禁止しているのはそのためです。
さらに、現在、国は被災地の一部の子どもにだけ、ガンマ線だけしか測れない積算放射線量計を付けさせていますが、原子力発電所ではC区域以上では、すべての人間にベータ線・ガンマ線双方を測定する積算放射線量計を渡し、より正確な被曝線量を計測し管理しています。これは ベータ線が人体に影響を与える影響があることを証明するものです。
 また、衣類などに付着してしまうと更に余計な内部被曝や外部被曝を加算することになるため、何重にも衣類を重ね着替えることで、余計な被曝と汚染の拡大を防ぐよう指導しています。
しかし、上記のように、原子力発電所で定めている管理区域で必要とされてきた防護策は、同じ汚染密度の原発事故の被災地の地域では全く配慮されていないのです。


.福島県農業試験センター発表のデータから――空気中の塵に含まれる放射性物質の有無――
福島県農業総合センターが平成24年に行った研究―汚染されていない大根で切干大根を作る過程で、屋外で干した大根に放射性物質が付着した―は、空気中の汚染は空間線量とは関係ない事を示し、東京電力福島第一原発から30Km圏外でも空気中の汚染が深刻であることを示しています。

*福島県農業総合センター「平成24年度農業分野における 放射性物質試験研究成果説明会資料[4]」(甲192の2)より

福島県農業総合センターの実験で切り干し大根を作る過程での放射線物質の付着が認められました。空間線量と大根の汚染は比例していません。

干した場所 
空間線量(μSv/h)
切り干し大根の汚染(Bq/kg)
①松の木の樹幹地表  
1.8
220
②乾燥小屋地
0.5
892
③鉄筋ビルの軒下地表  
0.6
3421
④乾燥小屋地表1
0.5
165
⑤乾燥小屋地表2m    
0.5
90

⑤の「乾燥小屋地表2m  0.5μSv/h  90 Bq/Kg」の放射性物質を食物の経口と吸入で人体への影響を比較してみました。

ICRP Publ.72の係数使用
http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP%20Publication%2072
セシウムの比率を セシウム137とセシウム134 6:4と考えて計算。
      食物の経口摂取として計算:90Bq=1.386μSv
           吸入として計算:90Bq=2.826μSv

ICRP(国際放射線防護委員会)の食物の経口摂取と呼吸による吸入の影響を算出するための係数は、呼吸による吸入の影響を大きく見積もっています。呼吸による内部被曝の人体への影響は大きいという認識です。切り干し大根に付着したものと同量のセシウムを、呼吸により吸入したとすると、食物として経口摂取したときよりも2倍以上の被曝量となります。



.環境汚染調査
5-1.衣類の汚染調査
本マニュアルでも衣服の放射能汚染は、被曝量の増加につながるため、極力減らす対策を取るよう指導しています。
では、現在、福島県の衣服の汚染はどの程度なのか、それはどの程度の影響を人体に与えているのか、福島県郡山市、南相馬市で調査してみました。

結論として、室内で洗濯物を干したり、コインランドリーの乾燥機で乾かすなど、涙ぐましい努力をしても、その効果はなく、衣類の汚染はかなり酷い状況であることがわかりました。

※注:写真の測定画面の日付や時間は測定ソフトの性質で実際の測定日や時間とは関係ない日付が表示されているが、測定日は写真上の表記通り。

    私の衣類
(1)、去年も着ていた長袖Tシャツ(右の写真)(測定日2012年9月22 日) 
測定結果:放射性セシウム 134と137の合算で130.7 Bq/1枚

 
(2)、同じTシャツ(前回測定後、肌着として使用、洗濯を3回繰り返した)(測定日2012年11月18 日) 
測定結果:放射性セシウム合算で173.65Bq/1枚(前回の測定130.7Bqから42.95Bq増加)


 
    山市の子どもの服や下着計測
(1)、(小学校高学年着用外で干したパーカー(右の写真)(測定日2012年11月28日)
測定結果:放射性セシウム合算40.76 Bq/1枚



(2)、小学校低学年着用室外で干した肌着(右の写真)(測定日2012年11月28日)
測定結果:放射性セシウム合算6.93 Bq/1枚





(3)、小学校低学年着用室内で干した肌着(測定日2012年11月28日)
測定結果:放射性セシウム合算8.5 Bq/1枚
 
(4)、新品のシャツ2枚を他の洗濯物と一緒に5回洗ったもの(測定日2013年1月15日)
測定結果:放射性セシウム合算で、シャツ1枚あたり22.28 Bq



(5)、(中学生着用)ナイロン製ジャージ(※ 右の写真)(測定日2013年1月15日)
測定結果:放射性セシウム合算で 114.02Bq /1枚

※ 一般には放射性物質が付きにくいといわれている。
一般的にはこのようなナイロン製の表面がツルツルした衣類を着ている場合、室内に入るときに 服の埃を払うと良いと言われたりしましたが、セシウムの付着は払い落とせるようなものではなくなっています。ジャージ上下で同様の汚染であれば、放射線の影響は倍になり、下着からも検出されています。

(6)まとめ
今仮に、この中学生が以上のすべての服(肌着、Tシャツ、ジャージ上下、パーカー)を着ていた場合にどれくらい放射能汚染されているでしょうか。各の衣類の値を合算すると、
22.28(下着シャツ)173.65(長袖Tシャツ)114.02×2(ジャージ上下)40.76(パーカー)464.73
464.73 Bqの物を身につけているということになります。居住地の空間線量に加え、この数値から身体が受ける放射線量が加算されることになるのです。しかも現実には、さらに、パンツ、靴下、頭髪の汚染も加わります。

 
5-2.頭髪の汚染調査
南相馬市の市民の頭髪。市内の理髪店で採集(測定日2012年10月 11日)
測定結果:放射性セシウム合算130.37 Bq/Kg

頭髪が100gであれば13.037Bq、やや長めで200gとすれば26.074Bq程度の放射性物質を頭に載せているということになります。女性のロングヘアであれば1Kgを超える場合もあるでしょう。1Kgであれば、シーベルトに換算すると、0.24μSv/hの放射性物質を頭に載せて生活していることになります。
リンスを使うと放射性物質がより結合しやすくなるといわれています。
理髪店で採集した頭髪をシャンプーで除染しようと試みましたが、シャンプーではなかなか落ちません。微量放射能測定装置 FNF-401での測定下限値にまで数値を下げるには、食器用洗剤が有効でしたが、現実にこの方法は使えません。


.環境汚染調査結果報告――ベクレル(Bq)から考える――
今までのデータからベクレル(Bq)をどう考えるかが、ポイントになります。
ベクレル(Bq)は1秒間に崩壊する放射性同位体がどれくらいあるかを表わしている単位です。
カウント・パー・セコンド(cps)は1秒間に検出器に何個の放射線が検出されたかという単位です。
両者の関係はさしあたり1Bq=1cpsといえます。また、セシウムはガンマー線で測定されますが、セシウムは崩壊の過程で、ベータ線を出します(*出典:放射線影響研究所[5]
内部被曝を計算する上では、ベータ線による人体における影響を考えることが必要不可欠であり、東京電力の指導でも、C区域以上ではベータ線とガンマ線両方の放射線積線量計を持たせています。
政府は地上1m地点で空間測定を行っていますが、政府が設置している機器、あるいは一般的に使われている放射線測定器の多くは、シンチレーションタイプで、これはベータ線はほとんど測定できません。
また、地表面にある放射性物質の崩壊で出るベータ線は、そのほとんどが1mの距離まで届かないため、もしベータ線を測れる機器であったとしても、地上1mでは測定が困難です。
しかし、内部被曝については、飛距離が短く体内に取り込むと人体に深刻な影響を与えるベータ線を無視することはできません。人体への影響を精確につかむためには、ガンマ線とベータ線の両方を測定する必要があります。セシウムは1回の崩壊で2本以上のベータ線を出すため、1Bq≒2cpsとなり、これを1時間で考えると2cps×60秒×60分=7,200cps/時間(h)、すなわち、1Bqは内部被曝の場合、1時間に7,200本以上の放射線の影響を受けるということを意味します。

汚染した衣服は、身体に密着しているため、限りなく内部被曝に近い外部被曝と考えていいでしょう。先の衣服の汚染調査の中学生のケースで、測定した衣服の数値443.21Bqに頭髪の測定結果の短めの毛髪量26.074Bqを合算した値は469.247Bqとなります。
そして、上記の測定値にベータ線を加え、1時間で換算すると、
469.247Bq×2(ベータ線を加える)×60秒×60分=3,378,578.4cps
となる。ガンマ線1本の放射線で2万個の分子の切断をするともいわれ、この数値は非常に大きいものです。
たとえば、衣類、頭髪の合計で500cpsだとすると、日立アロカでの計測では0.8μSv/hとなります。
そこから考えると10時間では8μSv、24時間では19.2μSv、1ヶ月では576μSv、1年では6,912μSv=6.912mSv となります。その服を着ているだけで、単純計算では、年間で約7mSvの放射線を受けていることになります。つまり、学校や公園だけを除染して数値を下げたとしても、衣服や頭髪からこれだけの数値の放射線を受け続けているのです。

参考 シーベルト換算
日立アロカTcs-172BでのcpsとμSv/hの関係  


100cps≒0.13μSv/h
130cps≒0.24μSv/h
500cps≒0.8μSv/h
2000cps≒2.7μSv/h


.使用機器
 今回の測定にあたっては、以下の機器を使用しました。
●日立アロカTCS-172B
Thermo RadEye B20ER
POLIMASTER PM1710A
● 応用光研工業株式会社 微量放射能測定装置: F N F – 401


終わりに
放射能はどんなに微量でも、確実にDNAを傷つけるものであるということは、国際的にも常識となっています。しかし、現在、様々な放射線による影響は過小評価されています。
 福島第一原発事故以前は危険とされ、法的に厳重に規制されていたことが、事故以後は多くの住民は事故以前は立ち入ることを法的に禁じられていたような放射線汚染地域で、何の防護の手段さえも講じられず、日常生活を送っています。つまり、放射線被災地の住民には被曝から防護するための法律が適用されないという不平等が起きているのです。これは明らかに何の根拠もない差別です。
国は原発事故による被害を住民に押し付けるのではなく、事故以前と同様に、生命や健康をすべての国民に対し平等に公平に実現すべきです。国はすべての国民に対して、健康的で安心できる環境で生活する権利を保障すべきです。ましてや、放射能に対する感受性が高い子どもについては言うまでもありません。裁判所にそのような判決を強く期待するものです。
以 上


[1](独)日本原子力研究開発機構作成の資料「放射線に関する御質問に答える会」14頁に「普通の生活で、内部被ばく防止のため、マスクをする必要はありません。」と記載。
[2] http://radioactivity.mext.go.jp/ja/contents/5000/4764/24/1750_1215.pdf
[3] http://www.yhoken.jp/htm/denri.htm
[4]http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika/h24_radiologic/121029_siryou.pdf
[5] http://www.rerf.or.jp/radefx/basickno/whatis.html