脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2013年3月18日月曜日

【裁判速報】ロスタイムに入った裁判所に、緊急書面の提出(11):被ばくの実態と安全配慮を忘れた郡山市の施策の武本報告書(4)

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これまで、郡山市の被ばくと除染等の施策の実態について、最新情報を提供してもらった武泰さん(報告書報告書(2)報告書(3))に、今回も、最新の郡山市の開示文書等から見えてきた郡山市の被ばくと施策の実態の報告書(4)(甲229)と開示文書(甲230)を重要書面として裁判所に提出しました(2月20日)。


これに基づいて、弁護団の準備書面(9)で、次のように主張しました。
1、一層、深刻化する郡山市の放射能汚染
抗告人準備書面(4)10~11頁で指摘した通り、郡山市をはじめとする福島県中通りでは、高濃度のおそれがある放射性物質が、ちり・ほこりとして空気中に存在するとして警鐘が鳴らされているが(甲192~194)、この警鐘を裏付ける証拠を追加する。
今回提出の武本報告書(4)(甲229)第4で次の事実が明らかにされた。
《今年1月10日から2月9日間の県内10か所の放射線量測定値では、平均値の高い順に飯館村>郡山市>川俣町山木屋地区>福島市の順です(別紙資料⑧〔福島民報2013年2月11日〕)。このことから、郡山市は県内の居住可能な地域では飯館村に次いで環境放射線量が高く、郡山市の放射能汚染は時間の経過とともに明確且つ深刻化しています。》(5頁)
すなわち、直近の郡山市の空間線量は、大部分が依然避難の継続が求められる「居住制限区域」である飯舘村に次いで2番目に高い値となっていて、まさしく「郡山市の放射能汚染は時間の経過とともに明確且つ深刻化している」。

 
2、一層明らかとなった郡山市の除染対策の破綻
この深刻化する放射能汚染に対し、原審決定が、抗告人らの生命身体に対する具体的な危険性を否定する際の有力な拠り所とした「今後,除染作業の進捗により,さらに放射線量が減少することも見込まれること」(19頁エ)つまり除染対策は武本報告書(4)(甲229)第3が指摘した通り、ますますその破綻が明らかになった。
本来であれば、子ども部屋に隣接しやすい屋根やベランダ・バルコニーは最も除染の必要性が高い場所であり、最優先に除染対象とすべきである。それが「除染して安心して住める」という除染推進のキャッチフレーズに相応しい態度である。にもかかわらず、郡山市は、屋根やベランダ・バルコニーを除染の対象外とした。郡山市はなぜ、このような尋常ならざる決定をしたのか。武本氏は、郡山市のその決定の経緯を明らかにするため公文書開示請求をしたところ、次の事実が判明した。
《屋根やベランダ・バルコニーを除染対象外と決定した経緯が判明する文書類は存在しませんでした》(4頁)
《郡山市は何等の適切な根拠もなく、庁内での会議等を経ないで、住宅除染において屋根、ベランダ・バルコニーを除染対象外としたこととなります。》(同頁)
言い換えれば、郡山市は最初から、真面目に「除染して安心して住める」ようになるとは考えておらず、原審決定が期待した「今後,除染作業の進捗により,さらに放射線量が減少することも見込まれること」など実は歯牙にもかけていなかったのである。
それは、次の、郡山市の住宅除染の進行状況を見ても明白である。
《郡山市における昨年12月末における住宅除染実施率は、わずか1.1です(別紙資料⑦〔福島民報2013年1月22〕)。》(甲229武本報告書(4)5頁)
この調子で百年以上かけて住宅除染を完了するというのであれば、初めから真面目に除染する積りがないのにひとしい。
さらに、郡山市の上記姿勢と歩調を合わせるかのように、今週17日から、福島県をはじめとする福島県の自治体の首長らは、「除染作業が破綻したのなら、除染の安全基準を引き上げればよい」という安全基準の大原則[1]を無視する考えを口にし始めた(甲240。20130218日河北新報「放射線量「新たな安全基準を」 福島県知事、政府に要請」)。
以上の通り、郡山市の除染対策の破綻は誰の目にも明白であり、これを根拠とした原審決定もまた破綻を免れない。

3、一層明らかとなった郡山市の屋内遊び対策の破綻
さらに、原審決定が、抗告人らの生命身体に対する具体的な危険性を否定する際の有力な拠り所とした「屋外活動の制限」(18頁ウ)対策つまり「『屋外活動の制限』に代わる代替措置としての屋内遊び」対策も、武本報告書(4)(甲229)第2が指摘した通り、ますますその破綻が明らかになった。
郡山市在住の武本氏は、常々、《低線量被ばく下で生活する郡山市の子どもたちには外遊びが減少することによる様々な健康被害が懸念されることを指摘しました。》(2頁)
ところが、この懸念はひとり武本氏にとどまらず、「『屋外活動の制限』に代わる代替措置としての屋内遊び」対策を積極的に推進してきた側の人々の中で、むしろ武本氏以上に、「屋内遊びでは到底、屋外遊びの代替にならない」という現実の深刻さをシビアに認識していることが、同人が公文書開示請求を通じ入手した開示文書により明らかとなった。この開示文書(甲230)は例えば次のように訴えている。
《生涯にわたって様々な影響を与えることを示しています。そして、それは身体や体力への影響のみならず、学力低下、生活習慣病への易罹患、コミュニケーション能力の低下など多岐にわたっています。「運動不足の行く末(039ページ)」》
《外遊びができないことで、転びやすい、歩き方が不自然、姿勢が悪いという園児が見られる。特に0から2、3歳児が生まれてから一度も大地を踏みしめたことがないということは、将来どのような影響を及ぼしていくのか、甚だ不安である。「子どものメンタルヘルスケアに関する検討会第1回議事録(067ページ)」》 

4、郡山市の被ばく対策の本質について
 以上の通り、郡山市のますます深刻化する放射能汚染とこれに対する対策の破綻が誰の目にも明らかであるが、では、なぜこのような「対策の破綻」が生じるのか。その根本的な原因は、武本報告書(4)(甲229)がラスト6頁に指摘した通り、彼らの対策の目的が最初から住民の命と健康を守ることにはなく、地元の経済復興と人口流出防止しか頭にないからである。だからこそ、いくら「屋内遊び」対策を進めても「屋外活動の制限」に代わることはできないと分かっていても、依然、屋内遊び場を市内の東西南北に計4カ所新築するという無意味な計画をやめようとしない。それはもっぱら経済復興=ゼネコン・建設業者の繁栄しか考えていないからである。その結果、住民の命と健康はないがしろにされ、踏みにじられていく。しかし《行政の最大の責務は住民の生命の安全の確保にあるはずで》あり、これが重大な人権侵害行為にあたり、許されないのは今さら言うまでもない。
 

[1]「危機管理の基本とは、危機になったときに安全基準を変えてはいけないということです。安全基準を変えていいのは、安全性に関する重大な知見があったときだけ」である(2011年11月25日「第4回低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」での児玉龍彦東京大学アイソトープ総合センター長の発言〔21分~〕)つまり、
基本原則1: 危機になったときに安全基準を変えてはいけない。
基本原則2:安全基準値の変更が許されるのは、「安全性に関する重大な知見があったときだけ」「安全についての新しい知見が生まれた」(甲120号証。児玉龍彦VS金子勝「放射能から子どもの未来を守る」157頁)ときだけである。


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報告書 (4)
――安全配慮を忘れた郡山市の施策――


武本 泰

2013年2月21日
 


目 次
○ 第一  略歴

○ 第二  はじめに

○ 第三  屋外活動の制限を解除しながら・・・

○ 第四  除染して安心して住めるといいながら・・・

○ 第五  郡山市民の外部被ばく線量は・・・

○ 第六  終わりに


○ 第一  略歴
 既に提出した私の報告書(甲137)に述べた通りです。


○ 第二  はじめに
 これまでの私の報告書()()(甲137、155、206)において、福島原発事故後の郡山市に住む子どもたちを取り巻く様々な問題点について指摘しました。その中で、放射性物質に囲まれて、外遊びも十分に出来ないまま健康被害が懸念され、県外への自主避難の家賃補助の新規受付けの打ち切りや、地産地消を法制化することが予定されている状況下では、郡山市の子どもたちを一刻も早く「ふくしま収容所」から脱出させる必要があると述べました。
 そして、郡山市の子どもたちの外遊びの減少、それに伴って生じるであろう様々な健康被害、特に、乳幼児の外遊びの不足が、生涯にわたって負の影響を与えかねない深刻なものと論じてきました。事実、外遊びの減少に起因する体力の低下が教育現場から指摘され、学校保健統計調査でも福島県の子どもたちの肥満傾向が注視されています。
 今回、「郡山市震災後子どものケアプロジェクト」に関する会議文書等から、当局側は子どもたちの外遊びの減少について、どのように捉えているか判明しました。そこで、今回は福島原発事故後の郡山市の子ども施策を安全配慮上の問題点について、客観的証拠資料(公文書や報道資料)に基づいて具体的に例示し、併せて若干の意見も述べることとします。


○ 第三  屋外活動の制限を解除しながら・・・
1 私の報告書()(甲206)において、低線量被ばく下で生活する郡山市の子どもたちには外遊びが減少することによる様々な健康被害が懸念されることを指摘しました。そして、郡山市情報公開条例に基づいて「郡山市震災後子どものケアプロジェクト」関連文書を開示請求し取得したところ、当局側は、外遊びの減少による健康被害について、専門家の意見なども踏まえつつ、より深刻にとらえていることが判明しましたので、代表的な箇所を以下に適示します(甲230〔開示文書:開示請求件名『これまでに開催した郡山市震災後子どものケアプロジェクトチームの代表者会議及び実務者会議、ペップキッズこおりやまの運営に関する検討会、遊びと運動に関する検討会、子どものメンタルヘルスケアに関する検討会の議事録と資料』〕)。
(1)「子どもの遊びと運動検討会(031ページ)」で、小中学校の教員が子どもたちが屋外で遊ぶことが出来ないことに不安を訴えています。
(2)「運動不足の行く末(039ページ)」で、生涯にわたって様々な影響を与えることを示しています。そして、それは身体や体力への影響のみならず、学力低下、生活習慣病への易罹患、コミュニケーション能力の低下など多岐にわたっています。
(3)「制限された屋内生活の行く末(039ページ)」では、幼児期には自然界離れ、紫外線不足、学童期は自然科学離れ、対人恐怖、メラトニン不足、ビタミンD不足、青年期には引きこもりや自殺の増加、精神睡眠障害などが挙げられています。
(4)「ペップアップこおりやま-郡山の子どもたちを日本一元気に!-プロジェクト(047ページ)」では、現状から将来を予測して①~⑪まで健康被害を予見しています。
(5)子どものメンタルヘルスケアに関する検討会第1回議事録(067ページ)では、…外遊びができないことで、転びやすい、歩き方が不自然、姿勢が悪いという園児が見られる。特に0から2、3歳児が生まれてから一度も大地を踏みしめたことがないということは、将来どのような影響を及ぼしていくのか、甚だ不安である。…と記載され、教育現場から極めて深刻な報告がなされています。
(6)PEPスタッフが保護者からよく聞く話(107ページ)」では、外遊びが出来ない現状について保護者が…今まで外の砂は汚いから触ってはいけないと娘に言ってきたお母さんが、Pepの砂場に来て、お母さんに「このお砂はさわっていいの?」と聞いてきたので、「ここのお砂はきれいだからさわっていいよ」と言ってあげたときの娘の本当に嬉しそうな顔をみて、私は今まで娘のやりたいことを制限させてきてしまったんだと気づき、涙してしまった。…と述べ、保護者への影響も大きいことが示唆されます。

2 2012年度の「体力・運動能力調査」で、郡山市内の小学5年~中学3年までの男女の平均値が、各学年とも全体的に前年度を下回る結果となりました。そのため、郡山市教育委員会は対策に乗り出すこととし、保健体育の授業の充実、外遊びの奨励などを重点的に取り組むこととしました。
 さらに、郡山市震災後子どものケアプロジェクトマネージャーの菊池信太郎医師は…通常の2倍の運動時間や遊ぶ場所の確保などが必要…と述べています(別紙資料①〔福島民報2013年2月2日〕)。
 そして、郡山市は、外遊びを奨励する一方で、福島定住緊急支援交付金などを活用し、本県からの人口流出を防ぎ、復興を加速させるため、「ペップキッズこおりやま」と同様の屋内遊び場を、市内の東西南北に計4カ所整備する方向で検討に入っています(別紙資料②〔福島民報2013年2月14日〕)。設置場所は、市農業センター、大安場史跡公園、郡山カルチャーパーク、富久山地区を想定していますが、これらの内、農業センターで毎時0.91マイクロシーベルトであり、この環境放射線量測定値は、県内で住民が実際に居住している他地域と比較しても最も高いものです(別紙資料③〔福島民報2013年2月13日〕)。



○ 第四  除染して安心して住めるといいながら・・・
1 郡山市では、福島原発事故後1年8か月を過ぎた昨年11月中旬から、放射線レベルが高い地域から順次、一般住宅等の本格除染に着手しました。この一般住宅等除染では、屋根、ベランダ・バルコニーを除染対象外とし、その理由として、屋根については、池の台地区のモデル除染で吸引式高圧洗浄で効果が乏しかったためとしています。また、ベランダ・バルコニーを除染対象外とした理由については、所有者の日常の清掃で対応すべきとし、効果が高い表土除去を優先すると述べていました。
 そのため、私は…郡山市で行われている一般住宅等本格除染で、原則として屋根やベランダ・バルコニーを除染対象外と決定した経緯がわかる文書類のすべて…について郡山市に公文書開示請求を行いました。その結果、一般住宅等除染業務(1-1工区)の契約の相手の公募についての起案文書が一部開示されたのみでした。このことから、一般住宅等の除染で屋根やベランダ・バルコニー以外を除染することについての公文書の一部開示はありましたが、そもそも、開示請求者が求めていた、屋根やベランダ・バルコニーを除染対象外と決定した経緯が判明する文書類は存在しませんでした(別紙資料④〔一部開示決定通知(郡山市2013年1月30日〕)。つまり、郡山市は何等の適切な根拠もなく、庁内での会議等を経ないで、住宅除染において屋根、ベランダ・バルコニーを除染対象外としたこととなります。

2 福島原発事故から間もなく2年目です。放射線汚染対処特措法で定める汚染状況重点調査地域に指定された県内40市町村(郡山市も含む)の住宅除染が進んでいない現状が明らかになっています(別紙資料⑤〔福島民報2013年2月3日〕)。
 報道によれば、今年度の計画数を達成しても、除染完了は当該地域全体の2割弱にとどまり、郡山市は県内で初めて導入した吸引式高圧洗浄機の研究や実証に時間がかかり、住宅の本格除染計画に遅れが生じています。さらに、中間貯蔵施設や仮置き場が決まらないことも一般住宅の除染に遅れを生じさせた要員の一つとされています。
 そして、郡山市における昨年12月末における住宅除染実施率は、わずか1.1%です(別紙資料⑥〔福島民報2013年1月22日〕)。


○ 第五  郡山市民の外部被ばく線量は・・・
1 今年1月10日から2月9日間の県内10か所の放射線量測定値では、平均値の高い順に飯館村>郡山市>川俣町山木屋地区>福島市の順です(別紙資料⑦〔福島民報2013年2月11日〕)。このことから、郡山市は県内の居住可能な地域では飯館村に次いで環境放射線量が高く、郡山市の放射能汚染は時間の経過とともに明確且つ深刻化しています。

2 福島原発事故直後も、郡山市民に対しては行政による避難や屋内退避等の指示は一切ありませんでした。そのため、大半の郡山市民は郡山市に留まり、東日本大震災後の後片付けや断水のため給水目的で、相当の時間を屋外で活動しました。
 県民健康管理調査・基本調査による外部被ばく線量推計結果(今年1月末現在)によれば、1~2ミリシーベルトに回答者のピークをみる市町村が飯館村、福島市、二本松市、伊達市、本宮市、桑折町、川俣町、大玉村、郡山市、天栄村である(別紙資料⑧〔福島民友2013年2月14日〕)。警戒区域(相双地区)の住民の外部被ばく線量推計値よりもこれら中通り地域の住民の被ばく線量が高いことが明らかです。


○ 第六  終わりに
1 福島原発事故を受けて、郡山市も市民の更なる被ばく防止のための様々な施策を講じてきました。中でも、子どもに対する主な施策としては、児童・生徒の屋外活動の制限(後に解除)、市内小中学校の校庭の表土除去、学校給食の食品放射線量測定、個人積算線量計の配布、学校敷地内の複数回にわたる除染、屋内遊び場の設置などです。
 これら郡山市の施策を概観しますと、共通項は、決して予防原則に立つことなく、事故直後から郡山市に住み続けることが安全との前提に立脚したものです。しかし、実際には郡山市は深刻な放射能汚染に見舞われていることは述べた通りです。そのため、福島原発事故から2年を経過しようとしている今、時系列に沿ってこれら施策を検証すると施策間に様々な矛盾が生じています。

2 郡山市は、福島原発事故直後から児童・生徒の屋外活動を1日3時間に制限し、昨年3月にその制限を解除しました。そして、外遊びを奨励しながら、201112月に大型の屋内遊び場を設け、更に今後は市内4か所に同様の施設を増設予定です。これら増設の屋内遊び場は、市内でも有数の高線量地域を候補地としています。
 郡山市震災後子どものケアプロジェクト関連文書から、外遊びの減少が、様々な健康被害を惹起し、その影響は生涯にわたるという点からも、いかに深刻な問題であるかが理解できます。また、上記第三の1の(6)から、保護者の苦悩はいかに計り知れないものであるかが示されています。
 郡山市は、そのような健康被害が予見されながらも積極的な回避策である避難・疎開などの施策は選択せず、消極的な回避策である屋内での運動を工夫する、屋内遊び場を増設するなどに留まっています。しかし、上記第三の1の(3)(6)などから、到底、消極的な施策では回避困難な状況下にあることは明らかです。

3 郡山市の一般住宅等の除染の実施率は、昨年末時点でわずか1.1%であり、福島原発事故後1年9か月を経ても殆ど住宅等除染が進捗していないことが分かります。さらに、環境省の手法別除染効果によれば、屋根については拭き取りで0~20%減、デッキブラシなどで洗浄すると2060%減、高圧洗浄では4080%減と報告されています(別紙資料⑨〔毎日新聞2013年1月19日〕)。しかし、郡山市は屋根の除染効果は低いとしてこれを理由に除染対象外としていますが、除染効果の評価に関して環境省との間に齟齬を生じています。
 そのため、郡山市の子どもたちは福島原発事故後も漫然と被ばくさせられていると申し上げても過言ではないでしょう。

5 平成24年の人口移動報告(総務省)によれば、福島県は最大の転出超過(13843人)であり、年齢層別では0~14歳の子どもとその親世代の2544歳が全体の半数以上を占めています。また、市町村別では、郡山市が千葉県市川市に次ぎ全国2位でした(別紙資料⑩〔福島民報1月29日〕)。このことからも、子育て世代からの行政への信頼感が如何に低いか理解できます。

6 以上、述べましたように福島原発事故後の郡山市の施策は、住民の生命の安全よりは、むしろ人口流出防止に重点を置いたものであり、施策間に様々な矛盾が生じることとなりました。その結果、住民の生命や健康が形骸化されていると考えています。そもそも、行政の最大の責務は住民の生命の安全の確保にあるはずです。その見地からも、福島原発事故後の郡山市政は住民に対する安全配慮に欠けたものと指弾せざるを得ません。
以 上



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