脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2014年7月17日木曜日

【速報】第二次裁判の概要決定。提訴は8月29日。子ども人権裁判に加えて、3.11以降の国と福島県の救護政策の違法性を問う親子裁判を追加。

 8月29日の提訴日には、現地福島市で記者会見、報告集会、その他のアクションを予定しています。東京からバスも予定しています。皆さんひとりひとりの市民の声・行動がこの裁判の行方を決めます。万障お繰り合わせのうえ、どうぞふるってご参加下さい。詳細は改めて報告します。

このたび、第二次疎開裁判の概要が決まりましたので、お知らせします。
第一次疎開裁判の時にも増して、裁判の行方と勝訴判決後の子どもたちの避難・救護政策を決するのは私たち市民の力です。
未来に戦争と棄民のビジョンしかない為政者に代わって、未来に命と人間性回復のビジョンを持つ私たち市民の手で、福島原発事故が生み出した21世紀最大の公共事業(子どもたちの命を救う)の取り組みに、共に手を携え、共に歩んでいくことと希望しています。

第二次裁判の具体的な支援活動について、これからブログでどんどん紹介、提案してまいります。
まずは8月29日の提訴に向け、どうぞ、よろしくお願いいたします。

1、提訴日
 8月29日(金曜日)
2、訴えの数
 次の2つ。
 ①.子ども人権裁判
 ②.親子裁判

①は基本的に、これまでやってきた第一次疎開裁判と同じです。小中学校の生徒が、地元の市町村を相手に、年1ミリシーベルト以下の安全な環境で教育を受ける権利があることの確認。

②は今回、新たに追加されたもの。
福島原発事故のあと、被害拡大防止に最善を尽す義務を負っている国と福島県は、その義務を全く実行せず、地元住民とくに放射能の感受性の高い子どもたちに無用の被ばくをさせ、子どもと親に耐え難い精神的苦痛を与えた。その慰謝料を支払え。
お金(慰謝料)が目的ではなく、3.11以後の国と福島県の救護政策に対し、正面からその違法性を問い、彼らのあやまった救護政策を根本から是正をさせることを目的とする裁判。

3、原告
①は、現在、福島県内に住む小中学生。
②は原発事故当時に高校生以下の子どもまたは原発事故以後に生まれた子どもで、福島原発事故のあと福島県で生活し、被ばくを余儀なくされた子どもとその親。

4、被告
①は原告が住む市町村
②は国と福島県

5、裁判所
福島地方裁判所(本庁)

6、原告を募集中
 以上の2つの裁判について、原告を募集しています。
とくに②は、原発事故後、福島県から自主避難した親子の方にも原告の資格があります。
国と福島県のあやまった政策をただせるのは最終的に私たち市民です。国と福島県のあやまった政策をただしたいと望む方は私たちの裁判にふるって参加下さい(連絡先は以下まで)。

 090-8494-3856(岡田俊子)    

nijisaibangmail.com*を@に置き換えて下さい

7、第一次疎開裁判と第二次裁判との関係
 基本的には連続しています。 原告こそちがいますが、弁護団も支援の会も同一です。
 ただし、原発事故直後と事故から3年以上経過した時点では避難のあり方がおのずと違ってくるため、裁判の中身も変化(進化)しています。
 その関係は、たとえていうと、次の写真のようになります。

 これは、2階の軒先の手前まで伸びたゴーヤのつるが、猛暑の太陽光線で先端が焦げて しまったそのあとに、脇から新しいつるが2本伸びて、軒先を目指して成長している光景です。


  私たちは、昨年4月、第一次疎開裁判の仙台高裁の判決で、「福島の子どもは危ない。避難するしか手段はない」という事実認定を勝ち取りましたが、結論は申立を却下され、頂上寸前で涙を飲みました。しかし、今度の裁判は、一からやり直すのではなく、仙台高裁で勝ち取った上記の事実認定を踏まえて、そこから頂上を目指します。
 しかも、今度は市町村の安全な環境で教育をする義務の確認の裁判だけでなく、新たに、国と福島県の3.11以来の救護政策のあやまりを正面から問い、その裁きを下すものです。
市町村の責任追及だけでは子どもたちの救護義務の全貌は明らかにされません。そのためには国と福島県の救護政策の間違いを明らかにする必要があります。
この二刀流が、今度の裁判の特徴です。ただ、あくまでも第一次疎開裁判の成果の上に立った二刀流です。

8、裁判の名称
 検討中です。早急に決めて公表します。→「子ども脱被ばく裁判」と決まりました。


9、第二次裁判の概要と原告募集の呼びかけ文
PDF版-->こちら  

以下はその全文です。

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私たちが8月29日に起こす2つの裁判

1.安全な環境で教育をうける子どもの権利を確認する裁判 (子ども人権裁判)
小中学校に通う子どもが原告になり,小中学校の設置者である市町村に対し,安全な環境で教育を受ける権利があることの確認を求める裁判。

2.原発事故後の国と県の放射能政策の違法性を問う裁判 (親子裁判)
原発事故のあと福島県内に居住していた子どもとその保護者が原告になり,国と福島県に対し,国や福島県には子どもたちの健康を守る義務があるのに,原発事故のあと,子どもたちを被ばくから守ろうとせず,無用な被ばくをさせ,子ども及びその保護者達に筆舌に尽しがたい精神的苦痛を与えたことを理由とする慰謝料請求。

 請求額は1人10万円(家族3人が原告になれば30万円)を予定。10万円としたのは,多額の金銭の支払を受けることよりも,国や福島県がとった政策が違法であることを司法の場ではっきりさせることを目的としたからです。

私たちが2つの裁判を起こす理由
あの忌まわしい原発事故から3年半が経過しようとしています。事故発生の責任は,想定できる危険を無視して地震対策,津波対策を怠った東京電力,そして東京電力の怠慢に対し適切かつ必要な監督を怠った国にあります。その責任は重大です。しかし,私たちは,それ以上に,国や福島県が許せないと思うことがあります。事故発生のあと,国や福島県が住民の被害拡大の防止に最善を尽す義務を負っているのに,国や福島県は,住民を,とりわけ放射能に対する感受性の高い子どもたちを安全な場所に避難させようとせず,無用の被ばくをさせたからです。むしろ積極的に被ばくさせようとしたのではないかと思えるほどです。国は,「スピーディ」の情報を隠ぺいし,安定ヨウ素剤を配布せず,線量に関する情報もほとんど与えず,多くの住民は,放射能の危険性を知らされることもなく,無為無策のまま被ばくさせられました。福島県は,「専門家」を招いて放射能安全宣伝をして回ったため,多くの住民は警戒心を解いてしまいました。2011年4月,小中学校の授業は,例年通り始まり,文科省は,年20ミリシーベルト以下であれば,通常どおり校庭,校舎を利用してよいとの通知を出しました。その結果,子どもたちは,一般公衆の被ばく限度である年1ミリシーベルトよりもはるかに高く,少なからぬ地域では18歳未満立入り禁止とされる放射線管理区域よりも高い線量を浴びることを事実上強制されたのです。

今年3月末現在,福島県で小児甲状腺がんの子どもが89人発見されました。子どもの人口が福島県より5倍のベラルーシでチェルノブイリ原発事故後3年間で11名だったのと比べても大変な発症率です。しかし,国も福島県も放射能との因果関係を認めようとせず,被ばく対策をとろうとしません。さらに,鼻血が止まらない,風邪が治りにくい,疲れやすい,免疫力が落ちたといった子どもたちの健康不良の情報が方々で聞こえてきます。ウクライナやベラルーシの汚染地域では,今でも,子どもたちの多くが病気を抱えており,健康な子どもは2割しかいないとのことです。このままでは福島も同様の状況になる可能性を否定できません。

日本よりも経済的にはるかに貧しい国であるウクライナやベラルーシは,チェルノブイリ原発事故のあと,年5ミリシーベルト以上の地域に居住する住民を強制的に避難させ,年1~5ミリシーベルトの地域に住む住民に対しては避難の権利を与え,それぞれの住民に,避難に伴う仕事,住居,教育などを国が保障しました。それと比べ,経済大国である我が国の被災者に対する冷たさは際立っています。

私たちには憲法25条によって,健康で文化的な生活を送る「生存権」が保障されています。子どもたちには,憲法26条によって,国や自治体に対し,義務教育を安全な環境で行うよう求める権利が保障されています。憲法は国の最高の規範であって,決して絵に描いた餅ではありません。まして,国は,福島第一原発事故発生に責任がある加害者です。

今でも,条件が許せば親子で避難したい,子どもだけでも避難させたいと願っている親たちがおられます。その願いを実現するためには,小中学校を設置している市町村に,義務教育を受ける子どもたちを安全な場所で教育するという彼らの義務を実行させる必要があります。そして,国や福島県に対し,低線量被ばくの危険性という問題から目をそらすことなく向き合わせ,子どもたちを守る政策を取らせる必要があります。そのためにはまず,国や福島県の今までの政策が誤りであったことをきちんと認めさせる必要があります。

私たちは,8月29日,国,県,市町村を相手取って,冒頭に掲げた裁判を起こす予定で,準備をすすめています。2つ目の裁判は既に自主避難した親子の方も原告になることができます。この裁判は私たち市民の力で子どもの命を守る世直し裁判です。ひとりでも多くの方に原告になっていただきたいと念願しています。皆さんの参加とご連絡(連絡先は末尾に記載)をお待ちします。

【備考】
(1) 原告対象者
1の子ども裁判は福島県内に住む小中学生。
2の親子裁判は福島原発事故のあと福島県で生活し、被ばくを余儀なくされた子ども(0~18歳)とその親(自主避難者を含みます)
(2) 適宜,集会や記者会見を行います。その場で原告としてご自分の気持ちを訴える,訴えないはご自由です。訴えられる場合は,マスコミに対し撮影をしないように要請できます。
(3) 裁判所に納める印紙代として原告になられる方1人につき千円の支払をお願いします(家族3人なら3千円)。それ以外の費用は,支援する市民グループの寄付やカンパで賄います。

2014年7月15日

             「子どもを被ばくから守れ」裁判 原告予定者一同
                  同          弁護団弁護士一同

               (文責) 弁護団長 弁護士  井 戸 謙 一                                                                  同    光 前 幸 一
               同   柳 原 敏 夫

          (連絡先)090-8494-3856(岡田俊子)
              nijisaibangmail.com*を@に置き換えて下さい

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