脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2015年5月15日金曜日

「火事場では まず人を救い、火元を断て!」 水戸喜世子

昨年5月の大飯原発再稼働禁止に続き、画期的な判決を勝ち取った高浜原発運転差し止め仮訴訟の原告であり、
「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表でもある水戸喜世子さんからの報告です。

京都から九州まで広い範囲に住んでおられる原告の皆さんと、西日本の熱烈な支援者をつなげて「子ども脱被ばく裁判」を支える会・西日本を結成されました!


2014年8月29日「子ども脱被ばく裁判」第1次提訴で福島高裁前の水戸さん

「火事場では まず人を救い、火元を断て!」 


2015,5,15 

414日、福井にしては珍しく晴れ。「高浜原発を動かしてはいけない」という、決定文を手にした時の、空に向かって駆け上りたくなるような晴れやかな歓び。この序章はちょうどまる1年前に始まっていた。521日、同じ福井地裁の1号法廷、午後3時。最前列で夫の写真と共にその時を待ち構えた。「大飯原発34号機を動かしてはならない」という主文に、法廷内は大歓声が巻き起こり、精魂傾けた弁護士初め、すべての人が涙の中で、判決要旨をきいた。


それは、一市民、樋口英明が、国と東電に心底いかりを表明しているかのようであり、また法服を着た樋口英明裁判長が、鬼となって、原発に通じる道を仁王立ちで 立ちふさがる姿に重なって見えた。手を合わせて拝みたくなる思いがした。


1年たつ今も、その思いは少しも色あせない。それどころか,加齢に逆比例するかのように私の足は軽くなり、活動範囲は広がるばかりだ。間違いなく樋口裁判長と、3人の家族にあとおしされている。


仮処分の決定が出る3日前の411日、高槻の市民交流センターは100名余の人の熱気に包まれていた。参加者は関西一円から。福島の子どもを今も被ばく状態に放置している国と自治体を被告に、人命軽視の事実を確認させる裁判。もう一つは事故直後正しい情報が隠されて、福島の子どもたちに無用の被ばくをさせた県、自治体の責任を問い、一人10万円の慰謝料を求める親子裁判の二つを合併した裁判がいよいよ623日に始まる。「子ども脱被ばく裁判」である。この日、原告のうち九州、岡山、京都など西日本に避難している全員が集まり、西日本原告団を結成し、同時に裁判を支える会・西日本が立ち上がった。


人と人がつながり、小さな市民グループがつながり、いま更に大きく広がろうとしている。運動が広がるとは、一人一人が内なる力に突き動かされ、外に向かうこと。樋口判決はそんな力を人に与えてくれている。高浜は止まっている。寸暇を惜しんで今日も「私」から「あなた」へ

               大飯原発34号運転さし止め訴訟原告
               高浜原発仮訴訟申立人
               「子ども脱被ばく裁判」共同代表 

                      水戸喜世子

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