脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2015年5月25日月曜日

【5.23新宿デモ】(感想)「命と平和」という人道を取り戻す誓約のデモ

                                                柳原 敏夫
1、なぜデモをやるのか
 チョムスキーは、こう言っています。
--多くの市民は実情を知っています。 社会機構に私たちの関心事や利害要望が反映されることはないこと、政治システムに本当には参加できないこと、
他方で、メディアは真実を告げず、市民の関心を無視すること。
その結果、市民たちは制度の外に出て活動する。(「メディア・コントロール」)。

 それがデモです。そして市民集会(例。先日の5.17沖縄の県民大会)です。

 私たちも、3.11以後、国は責任をもって子どもたちの命と平和を放射能から守って欲しいという最低限の切実な要求すら日本政府や福島県に全く反映されなかったこと、子どもの避難を最優先課題に掲げて当選した山本太郎さんがいくら奮闘しても、日本の政治システムでは無視されるのだということを知りました。
他方で、日本のメディアは、子どもを守れという私たちの切実な要求や疎開裁判の判決を全く取り上げず、無視するものであることを、いやというほど思い知らされました。
 その結果、私たちは、既存の制度の外に出て、道行く市民一人一人に向け、直接行動することにしたのです。その1つが今回の5.23新宿デモです。 

2、これは何のデモか--「命と平和」という人道を取り戻す誓約のデモ--
 核(放射能)による攻撃から命と平和が守られることは、主義主張を超えた人道上の要請です。
とりわけ、どんな主義主張を持った政府であれ、人道上最優先に実現しなければならないのが「子どもたちの命と平和」を守ることです。
これが今、福島原発事故の放射能によって、3.11以後、数多くの子どもたちの命と健康が脅かされ続けています。こんなことが許されるはずがない。
原発事故の放射能から「子どもたちの命と平和」守れ!
これが、今回のデモのスローガンです。
そして、非人道的な核兵器廃絶のために努力することを誓約したオーストリア政府(※)の「人道の誓約と同じく、子どもたちの「命と平和」という普遍的な人道を取り戻すため、最後まで努力し続けることを誓約したのが今回のデモです。

(※)オーストリア政府は疎開裁判の会に「賛同メッセージ」を寄せた唯一の国であり、日本政府の人権侵害状況を審査する2012年10月31日の国連ジュネーブの人権委員会で、「福島原発事故について、住民の健康の権利を擁護するよう求める勧告」を出した唯一の国です。

3、沖縄福島は戦争状態にある
今、日本は(核戦争も含む)戦争に向かってまっしぐらに突き進んでいます。中には、「いや、本気でそんなことするはずないだろう」と信じない人もまだ沢山います。少し前まで私もそうでした。
しかし、そう思う人はメディアが流す情報しか知らず、沖縄と福島のことを知らないのです。

沖縄では、戦後ずっと、戦争の入り口に立っていました。最近も、1962年のキューバ危機で米国が沖縄米軍に、中国に向け核攻撃命令を下したことが明らかになりました(2015年3月15日東京新聞)。戦争と隣合わせに生きてきた沖縄県民は「命こそ宝」を掲げ、基地縮小を叫び続けてきました。だから、これに全く応じようとしない日米政府の本質を知り抜いています(阿波根昌鴻(あはごん・しょうこう)さんの「米軍と農民」をまだ読んでいない人は読んでみて下さい)。
沖縄県民は、今後、集団的自衛権の戦争になった時でも、日本政府が私たち市民(沖縄県民)を決して助けることはないことを過去の経験から学び尽くしています。

福島では、3.11以後、戦争状態にあります。放射能という目に見えない人体への情け容赦ない攻撃にさらされ続けているからです(※)。その中で、福島県民は日本政府の本質を知り抜いています。日本政府は、戦争状態にもかかわらず放射能の感受性の高い子どもすら避難をさせようとしなかったどころか、学校の安全基準を20倍に引き上げて、(自分たちの子弟は避難させても)子どもらを福島に閉じ込めたからです。
避難を口にしない福島県民でも、今後、集団的自衛権の戦争になった時、日本政府が私たち市民(福島県民)を決して助けないことを3.11以後の経験から学び尽くしています。

 (※)(年間1mSvだけでも「毎秒1万本の放射線が体を被ばくさせるのが1年間続くもの」(矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授))

4、 沖縄と福島が変わらなければ日本は変わらない、沖縄と福島が変われば日本も変わる
 戦争の本質と悲惨さを知り抜いている沖縄の人々の「命と平和」を求める「島ぐるみ」の声が、今後、日米政府を圧倒し、辺野新基地建設を阻止できたとき「命と平和」を求める市民の勝利です。それは、「命と平和」と真逆な戦争に向かおうとする日本政府に対して、最も強烈なノーという声になります。
 3.11以後、戦争の本質と悲惨さを知り抜いている福島の人々の「子どもたちの命と平和」を求める声が、今後、日本政府を圧倒し、子どもたちの避難その他の脱被ばく対策を実現できたとき、「命と平和」を求める市民の勝利です。それは戦争に向かおうとする日本政府に対して、最も強烈なノーという声になるでしょう。

戦争はいやだと思う人は、今すぐ、沖縄と福島の「命と平和」を求める運動、沖縄の辺野
新基地建設反対と福島の「子どもたちの避難実現」の運動に注目して下さい。そしてできる範囲でいいですから、参加して下さい。
私たちの日本の行方と運命は、沖縄と福島の「命と平和」を求める取り組みにかかっているのです。

市民一人一人の皆さんが参加することで、福島をはじめとする全ての汚染地の「子どもたちの命と平和」を実現するばかりか、私たちの日本が戦争に向かうことを阻止し、私たちと子どもたちの「命と平和」の実現しましょう。
「命と平和」を求める沖縄と福島は日本の未来そのものなのです。
 
以上のことについて、最も情熱を込めて語れる語り部の一人が、昨日のデモの山本太郎さんのスピーチです。

1 件のコメント:

  1. フクシマの子どもたちの甲状腺がんは、もう、300人近いと、SNSなどで報じられています。残念なことに、フクシマの現状を、新聞もTVも、現場の悲惨、苦難を、最近ほとんど報道しません。私はfacebookの友達や、パソコンのけんさくによって、フクシマの状況情報をしるのみです。どなたか、おひとりでも、facebookでわたくし、前 川 敞(たかし)を見つけていただき、ご投稿くださいますようお願いいたします。皆様の、ご健闘を、心より、応援いたしております。(googleのメールに、ご連絡がとどくのをお待ちしております)

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