脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2023年5月11日木曜日

20230517 5.21新宿デモ 呼びかけ人からのメッセージ 2

 皆様

 5.21新宿デモ 呼びかけ人の皆様からのメッセージ 第二弾です。

呼びかけ人の皆様、ありがとうございます!


崎山比早子さん

18回新宿デモにお集まりのみなさま今日は! 崎山です。

今日は都合で集会に参加できませんので、ご挨拶をお送り致します。


 原子力問題は煎じ詰めれば放射線被ばく問題です。事故前は原子炉と使用済み核燃料冷却プールに閉じ込められていた放射性物質が、今や東電敷地内外の環境にむき出しになり,時間が経過すればするほど拡散していきます。これを人の生活圏に入らないようできるだけ閉じ込めるのが政府と東電のなすべきことです。しかし、政府も東電も汚染水海洋放出や汚染土ばらまきによって放射能の拡散を加速させようとしているのです。加えて一般社会に低線量被ばくを気にかけないよう電通その他の広告会社を使って大々的に宣伝しています。

 今年になって更に重大なことが東電から発表されました。それは重さ440トン、高さ20メートルもある原子炉が乗っている土台(ペデスタル)のコンクリートが溶けて鉄筋がむき出しになっていることです。地震などでこれが倒壊する危険性が指摘されていますが東電は「事故後12年間倒れなかったので大丈夫、今後原子炉が傾いたり沈下したりするかもしれないが落ちても30センチくらいなので周囲の環境に汚染が広がる可能性は低い」と言っています。原子炉が倒壊ないし沈下すれば、それに連なる核燃料冷却プールの破損が起きる可能性があます。そうなった場合、その後どのような事態が進展するのか想像もできません。最悪の事態にならないように当局に働きかける必要があります。それと同時並行で、放射線に感受性の高い子ども達はもちろんのこと大人も現在汚染されている場所、更には新たな放射能の放出が懸念される事故現場からは、できるだけ離れた方が安全です。裁判官には政府に忖度せず原告の健康,人権を守る判決を出すよう要請致します。


 政府も東電も放射能を拡散させることによって子ども達の未来を閉じるのではなく、放射能を閉じ込めることこそしなければなりません。そうさせるために力を合わせこれからも戦い続けましょう。よろしくお願いいたします。




神田香織さん


21日は講談会があり参加できませんので、メッセージを送らせていただきます。

 

2月半ばの広島市教育委員会による「はだしのゲン」削除騒ぎ以降、長年講談で語っている私としては黙っておられず、この漫画の素晴らしさを訴えるため各地を飛び回っています。

「はだしのゲン」のテーマはどんな目に遭っても「生きて生きて生き抜くぞ」で、いま最も教育的なテキストと言えます。なぜ削除するのかさっぱりわかりません。

作者、中沢啓治さんは若いとき、広島出身と言った途端、周りの空気が変わったそうです。そう、この国はたいへんな目に遭った人をいじめるのです。

沖縄を見ても、原発事故後の福島を見てもわかるようにそれは今も変わっていません。

まずはそこを変えなきゃ!!私がゲンから教わったのは「庶民には等しく幸せになる権利がある」ということです。

幸せな生活を奪った原発事故の責任を問い続け、被害を訴え続け、きちんと償わせることが、後に続く人たちを守ることにもなるのです。

 

新宿デモにご参加の皆さん、堂々と胸をはって権利を主張し、ゲンのように「生きて生きて生き抜く」ことの大切さを訴えましょう。

 




ノーマ・フィールドさん



18回新宿アルタデモへのメッセージ



 18回目のデモにご参加のみなさん、こんにちは。通りがかりのみなさん(聴こえたらいいな!)、こんにちは。旧「福島集団疎開裁判」の時から関わってこられた原告や支援者のみなさん、「311子ども甲状腺がん裁判」の原告や支援者のみなさん、こんにちは。合衆国で最も原発依存度が高いイリノイ州のシカゴ市からのご挨拶です。まずは、このデモが18回目を迎えたことに深い尊敬と感謝の気持ちをお伝えしたいです。大変な決意と忍耐なくしては続くものではありません。

 311後のかなりはやい時期から、国が住民を守ることを最大の使命として捉えていないことは読み取れましたね。その後、帰還政策、除染対策、教育や司法の現場―ありとあらゆる側面でー命と健康が蔑ろにされることが顕在化しました。そして最近、その傾向に拍車がかかったかのように、事故からたった12年でなんの臆面もなく、岸田政権は原発回帰を宣言してしまいました。ウクライナ戦争がもたらすエネルギー危機と気候変動が方針転換の正当化としてあげられています。原発所在の地が戦場と化すことの恐ろしさを岸田首相や経産省の官僚は全く感じなかったのでしょうか。

 気候変動に関しては、私も危機感を抱いています。だからといって、あまりにも有害な原子力発電の使用を正当化することは決してできません。原発はだれかを傷つけずにはおかない技術であること。そして、その「だれか」が権力者、社会の多数派の利益のために犠牲にされる人たちであることが反対する一番の理由です。同時に、近年、原発がいかに気候対策になり得ないか、繰り返し証明されてきたことも無視できません。代替可能なエネルギーの効率も抜群とよくなり、コストも下がる一方です。資本主義の論理からすれば、原発はもう退陣すべき存在です。なのに、です。ここ2年ほどで、大変な巻き返しがあるではないですか。割に合わない技術がこうも推奨されるのには膨大な利潤と権力が付随し、国家にとっては軍事力とつながるから、としか考えられません。それなのに、「気候変動対策」に欠かせない、と謳われ、多くの心ある人を惑わし続ける姿は許し難いです。

 漁業者との約束を実質的に破棄して汚染処理水の海洋放出を強行しようとする。G Xと謎めいた名称を掲げて、原発の再稼働、増設、そして老朽したものの延命を図る。こうした政策をお役人さん、よく真顔で説明できるものだ、と今更ながら思うのです。311後の数知れない苦悩のなかから生まれた裁判では、優れた判決もあることはありますが、目の前の人間をひととしてみていない判決を読み上げる裁判官の姿も忘れられません。甲状腺がんで苦しむ子もがいくら増えても、事故との関係を丁寧に調べよう、ではなく、関係は「考えにくい」の一点張りの専門家。とにかく子どもを守ることが優先事項、と捉えようとしない様子には目に余るものがあります。どういう教育を受ければこうまで自分で自分を蔑むことができるようになるのでしょう。

 権力者が一番大切なことが見えなくなるような教育を受けてきたとすれば、一般人の教育もその延長線上にある気がします。福島では「復興」教育が徹底されているのではないでしょうか。311後、「風評被害」は強力な(自己)検閲の装置として、不安の表現を抑え込んできました。現実を捉えようとする言葉が隠れてしまうなか、現実それ自体も遠のいて、見えにくくなっていったのではないでしょうか。そういう環境で311を朧げにしか覚えていない子どもたちや、311以後生まれた子どもたちはどんな教育を施されているのか、大変気がかりです。また原発安全神話を教え込まれかねない世代です。まさにあの事故が「なかったこと」とされる世界が彼ら、彼女たちの現実になってしまうのでは。それは、自分たちの健康といのちが大事にされていないことに気づくことすらできないことを意味します。

 311後の2年間ほどでしたか。日本中で多くの人が身を持って原発反対を表明しました。そういう活動に参加したことがない人も多かったはずです。それが潮の引くように消えて行ってしまいました。こうして過去とは決してよべないない現状が消されていくなか、この新宿デモに足を運ばれる方の行為がますます貴重に思えます。ご自身の、お互いの、社会全体の命を守ろうとする行動に他なりません。

 遠くから「ご苦労さま」と申し上げるのも申し訳ありませんが、心から感謝しております。


 



渡辺一枝さん


 私たちが掲げているのは、「子どもたちを被ばくから守りたい」「子どもの健やかな成長を望みたい」こんな当たり前の願いなのです。

 常識も良識もない政治家が物事を決め、保身にうつつを抜かす役人がそれに追随している社会では、私たち市民は子どもたちの命も、また私たち自身の命も脅かされるばかりです。

 命よりも金儲けを優先する社会は、破堤します。

「命が大事」、どうぞご一緒に、願いを高く掲げて歩きましょう。

 


 


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