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2012年9月26日水曜日

【集団疎開体験者の声】ふくしま集団疎開裁判への連帯アピール

毎週金曜日の文科省前抗議行動に、大阪からここ毎回参加されている水戸喜世子さんが、9月19日、福島県の子どもたちの甲状腺検査結果(3回目)の発表を受けて開かれた緊急記者会見にメッセージを寄せていただきまして、神田香織さんに代読していただきました。
今回、ご本人の快諾を得て、以下に転載しました。

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「福島の子どもを集団疎開させよ!」訴訟への連帯アピール
                                  水戸喜世子

私には福島で酪農をする親戚があります。そこの若い夫婦は昨年の7月に二人目の男の子を生みました。彼らの日常を頭に思い浮かべながら この裁判にエールを送ります。

福島で3.11の後に産声を上げた赤ちゃんは約14千人います(福島県統計による)。原発事故をお母さんのお腹の中で過ごした赤ちゃん。産湯をつかっているときに事故に出遭った赤ちゃん。つかまり立ちがやっとできるようになって、家族の喝采を浴びていた最中の赤ちゃんもいたでしょう。
 こんな赤ちゃんの平和な日常が 3.11を境にどのように 変ってしまったか、私たちは想像しなければなりません。
埋め込まれた地雷のような ホットスポットに囲まれて暮らす 伸び盛りの子どもの生活が、どのようなものか、私たちは想像しなければなりません
15歳未満の子どもの数25万人(今年4月現在。福島県)を、私たちは 数字で見てはなりません。事故の前よりも15千人減っています。その一人一人が 生木を裂くようにして、親しい友と切り離された苦痛を 私たちは想像しなければなりません。
愛するわが子を いい環境で育てたくない親はいません。妨げているのは ひとえに経済的理由からです。暮らしが崩壊するからです。
過去の世界の原発事故は、多くの子どもを犠牲にした結果として 大切な教訓を残してくれました。
1.まず線量の低いところへ住民を移すこと。
2.治療は早ければ早いほど 細胞の癌化を防げること。
3.国家が保証して移住させなければ、経済力のない住民は生活のために必ず残らざるを得ないこと。

そうです。大増税の結果、10兆円の災害復興予算が通過しました。福島の子ども24万人に一人当たり200万円をとりあえず集団疎開費用に充当しても総額5000億円。たったの5パーセントです。 あとは時間の問題です。時間が経過するにつれて、赤ちゃんから順番に被曝量が増え、将来取り返しのつかない病気に進行することは周知の事実です。
9月に福島県が発表した回目の検査結果では、子供全体の43パーセントにのう胞または結節(しこり)が確認されました。アメリカの甲状腺学会次期会長のグライアン・ホーゲン博士は、被爆1年でこのような数値が出ることに驚き、なぜ世間に警鐘を鳴らさないのかと疑問視しています。

憲法、児童憲章を活用して 一刻もはやく 避難を実現しなければなりません。希望の持てる国にするために。
ただその場合、子どもには原則として最低1名の保護者が一緒であること。小学3年で集団疎開、縁故疎開を体験した私の世代からの 切なる提言です。

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