脱被ばく実現ネット(旧ふくしま集団疎開裁判の会)の基本情報

2011年12月30日金曜日

報告:12月27日判決不服従アクションin郡山(判決に対する異議申立)

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


今月16日、福島地裁郡山支部は、年1mSv以下の安全な環境で教育を実施せよという14人の小中学生の申立を認めない(却下する)という判断を下しました。これは子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残す最も恥ずべき判決(決定)です。
申立人はこの誤りをただすために、既に予告しましたとおり、27日(火)に異議申立(即時抗告)の手続をしました。

以下は、当日、裁判所に提出した即時抗告申立書と申立人のお母さん、支援者の皆さん、訴訟代理人の感想です。

1、即時抗告申立書
2、感想
(1)、申立人
お母さん「私たちは仙台高裁に抗告して必ず子どもたちを守ってみせます
(2)、支援者
井上利男さん(疎開裁判の会代表)「疑ってはいけない
(3)、訴訟代理人
①.安藤雅樹「裁判官の独り相撲判決
②.井戸謙一「ふくしま集団疎開裁判 抗告申立に際しての所感
③.柳原敏夫「『愛子さま』は疎開しないだろうか
人々をマインドコントロールできたとしても、放射能をマインドコントロールすることはできない

私たちは仙台高裁に抗告して必ず子どもたちを守ってみせます

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

12月16日の夕方、判決がでるということで原告の一人である私は柳原弁護士と郡山地裁へ駆け込みました。裁判所の方が私たちに差し出した書類に「却下」という文字が書かれてあるのを見て、一瞬目の前が真っ暗になりました。
本来なら10月末に判決がでるはずだったものが、約45日も遅れて出された結果がこのようなものだったことに対して次第に私はフツフツと怒りがこみ上げてきました。将来、福島県、いや日本を担う子どもたちを皆殺ししてしまうのか、と。今現在、子どもたちの体に症状が出ていないことをいいことに、司法は行政のやり方に同調しているではないか。100ミリシーベルトを持ち出してきたのには私も驚いてしまいました。

6月24日に提訴してはや半年、その間、中学3年の息子は体育の授業で外でソフトボールをやったりしていました。中学3年なので、部活動は6月に終わりましたが・・・。でも、中学1、2年生は外の部活動の子どもたちは普通に部活動をしているのです。聞くところによると鼻血が出てきている子どもたちもいるそうです。
子どもたちにも少しずつ何らかの変調が見られてきているのは確かです。早くて4ヶ月から症状が出てくるとも聞きました。チェルノブイリでは事故から4~5年後に甲状腺がんが多発してきています。どうして日本は、この福島はチェルノブイリの二の舞になろうとしているのだろうか。この判決を受けて私は司法へ怒りから恨みの感情へと変わってきました。
子どもたちを守ってやれるのは大人しかいないのではないか。郡山地裁の清水裁判長は子どもたちよりも国の方針に従った犯罪者ではないか、とまで思えてきました。

私たち原告は仙台高裁に抗告して必ず子どもたちを守ってみせます。

                                    抗告人の母

人々をマインドコントロールできたとしても、放射能をマインドコントロールすることはできない

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


昨年10月15日、郡山駅前から郡山市役所まで、疎開裁判支援のデモをやったとき、デモ終点の郡山市役所前で、「郡山市への申入書」を読み上げましたが、その中で、郡山市のお母さんの次の言葉が紹介されました。

風の便りで、市長さんには中学生のお孫さんがいらっしゃると聞きました。そのお孫さんを放射能から守るために自主避難させているということを知りました。
私にも同じ中学生の息子がおります。しかし、主人の仕事のため自主避難はできずにいます。せめて、市長さんが、ご自分のお孫さんと同様に、郡山の子どもたちも放射能から守るために集団避難させることにしてくださり、子どもたちの命を守ってくださればどんなにいいだろう、と願わずにはいられません


郡山市長が自分の孫を自主避難させている事実は、その後、市議会でも質問されましたが、市長は笑ったまま答弁せず、その質問自体が議事録から抹消されました。

郡山市長が自分の孫を自主避難させたのは全く正しい。なにしろ、今の郡山市(汚染マップ参照)のようにチェルノブイリ避難基準で強制的に避難させられる移住義務地域に住まわせておくわけには到底いかないと考えるのは真っ当な判断だからです。そして、それは、郡山市が疎開裁判の中で、終始、「自分たちも被害者なのだ」と述べた主張と首尾一貫しています。
そうだとしたら、なぜ、郡山市長は、被害者である郡山市民にむかって、子どもたちを安全な場所に避難させよう、と呼びかけなかったのか。

そこには、様々な圧力、利害打算が交錯し、最終的に、郡山市長は自分の孫と自分たちの市民とで二枚舌を使う羽目となりました。これが可能だったのは、ひとえに、ミスター100ミリシーベルトなどの様々な科学者集団やマスコミ等の尽力によって、人々を「子どもたちを郡山市に住まわせても心配ない」とマインドコントロールすることに成功したからです。これがチュニジアやエジプトだったら、そんな訳にはいかなかった筈です。

また、昨年12月16日の裁判所の判決(決定)の日、裁判所の周辺は、機動隊の装甲車が止まり、警察がものものしい警備をするという、いまだ見たことがなかった光景だったと裁判所の近所に住むお母さんが証言しています。というのは、裁判所は、この判決が何を意味するか、正しく見抜いていて、もし多くの人たちがこの判決の中身を知ったら、憤激した市民が裁判所に押しかけ、何をしでかすか分からないと予期して、厳重な警戒態勢を敷いたのです。
裁判所のこの認識は全く正しい。ところが、実際に裁判所に現れたのは数名の裁判関係者だけでした。

その上、この判決は、福島県のゴルフ場が東電に除染を求めた仮処分申立の却下決定のような泡沫事件ですら全国報道するNHKや朝日など既成の大手マスコミによって報道されず、多くの市民の目から隠されてしまいました。
つまり、疎開裁判もまた多くの人々をマインドコントロールすることに成功したのです。

しかし、疎開裁判の最も恐ろしいところは、御用学者やマスコミを動員して多くの人々をまんまとマインドコントロールすることに成功したとしても、放射能をマインドコントロールすることだけは決してできないということです、神のごとき活躍をしたミスター100ミリシーベルトも放射能の前では無力です。

これは放射能に限らず、すべての科学技術の宿命です。科学技術のトラブルが発生するたび、国側の決り文句は「ただちに安全上問題が生じることはない」が飽きもせずくり返されてきましたが、それは、かつて祭司や坊主共が神のお告げと称して神の権威で神政政治をおこなったように、今日では「科学者」が科学のお告げと称して科学の権威で政治決定をおこなっているのです、しかも、その科学はジャンク科学、似非科学と同然のインチキなものです(狂牛病に端を発した2005年の米国牛輸入再開に至る一連のドタバタ騒ぎの経過を思い出せば一目瞭然です。自分たちが引き出したい政治的決定の理由づけとして科学を用いるのですから、似非科学になるのは当然です)。

そして、それは善意だったり、無知だったりする市民をまんまとマインドコントロールすることに成功しました。しかし、人間界をマインドコントロールできたとしても、自然界はマインドコントロールすることは決してできません。自然界が沈黙しているので、人間界と同様にマインドコントロールできたかと思い込んだとしても、いつか必ず、自然界からのしっぺ返しが来ます。それが3.11の福島第一原発の事故そのものです。そして、それは福島第一原発の事故発生後の今も続いています。「100ミリシーベルト以下なら心配ない」というマインドコントロールは放射能には通用しません。放射能は情け容赦なく、己の自然法則を貫徹するだけです。その結果が必ず出ます。この意味で、私たちは見えない、臭わない、味もしない放射能を畏れるほかありません。ましてや、どんなに感覚を研ぎ澄ませても決して感じることができず、長い潜伏期間を経て初めてガン等の健康障害が明らかになる今回の低線量被ばくの放射能は畏れるしかありません。

思想家の柄谷行人は、放射能のおそろしさについて、こう語っています。

福島原発事故は、片づいていない。今後もすぐには片づかない。むしろ、今後に、被曝者の病状がはっきりと出てきます。また、福島の住民は永遠に郷里を離れることになるでしょう。つまり、われわれが忘れようとしても、また実際に忘れても、原発のほうが執拗に残る。それがいつまでも続きます。原発が恐ろしいのはそのことです。それでも、人々はおとなしく政府や企業のいうことを聞いているでしょうか。もしそうであれば、日本人は物理的に終り、です。」(デモが日本を変える

「100ミリシーベルト以下なら問題ない」ことを最大の論拠にして、申立を却下した裁判所もまた、放射能を畏れない人たちの席に加わることを表明しました。
このような席には未来はありません。
私たちは放射能を正しく畏れる必要があります。そして、人間どもに決してマインドコントロールされない放射能からあざ笑われないだけの判断を持つ必要があります。それだけが正しく生き延びる道です。

それを明らかにする試みが、この冬、東京とふくしまで開催される世界市民法廷なのです。
(弁護団 柳原敏夫)
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「愛子さま」は疎開しないだろうか

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異議申立にあたって、1つだけ感想を述べます。

疎開裁判をやる前からずっと疑問だったことは、福島市や疎開裁判の被告となった郡山市は福島第一原発からほぼ60キロ圏内ですが、もし都内から60キロ圏内の場所で福島第一原発と同様の事故が発生したなら東京の小中学生の扱いはどうなっただろうか、ということです。
「愛子さま」は間違いなく避難したでしょう。天皇の直系で二親等の皇族を、今の郡山市(汚染マップ参照)のようにチェルノブイリ避難基準で強制的に避難させられる移住義務地域に住まわせておくわけには到底いかないからです。
また、都内には元官房長官ほか政財界の子供たちが数多く住み、または通学していますから、彼らもまっさきに避難したでしょう。なにしろ年間1mSvだけでも「毎秒1万本の放射線が体を被曝させるのが1年間続くもの」(矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授)ですから、毎秒5~20万本の放射線の被ばくが1年間継続する年間5~20mSvのような強制移住地域で自分の子供を教育させておくわけにはいかないと正しく認識する政財界の人たちが自分の子供を避難させるのは当然だからです。
その結果、政財界の子供たちが通っている有名私立小中学校も学校ごと疎開せざるを得なくなるでしょう。
そしたら、私立が疎開するのに公立の小中学校はなぜ疎開しないのか、という問題が議論になるでしょう。
そのとき、ソ連崩壊直後の混乱の中で、ロシア、ウクライナ、ベラルーシのような貧しい国ですらできた集団避難が経済大国の日本でなぜできないのか?60年前、日本が人権保障に最も薄く経済的にも最も困窮していた軍国主義末期の時代ですらできた集団疎開が、基本的人権の保障を基本原理とする経済大国の今日においてなぜできないのか?という議論になるでしょう。その結果、東京では、チュルノブイリ周辺国や軍国主義末期の日本のときのように集団疎開が実現したにちがいない。

であれば、なぜ、それが福島県で実現できないのか、不思議でならない。
チョムスキーによれば、偽善者とは「他人に対して自分が適用する基準を、自分自身に対しては適用しない人間のこと」です。東京と福島で扱いを異ならせる政府と自治体は偽善者ということになります。
のみならず、「ふくしまのこどもたちは死ね」と宣言するにひとしい不条理極まりない差別です。
それは基本的人権の保障を基本原理とする国において政府と自治体の手で行われた「国家もしくは集団によって一般の国民に対してなされた謀殺、絶滅を目的とした大量殺人、奴隷化、追放その他の非人道的行為」(人道に対する罪)に該当する集団人権侵害行為です。
それは、国際刑事裁判所によって裁かれなければならない「国際法上の犯罪」を意味します。

そのような異常事態に対し、この人権侵害の暴走にストップをかけるのが「人権の最後の砦」である裁判所の本来の任務です。しかし、今回、裁判所は、政府と自治体の人権侵害の暴走をストップさせるどころか、その反対にこれにお墨付きを与えたのです。その結果、国際刑事裁判所の被告席に並ぶ席が増えました。

政府と自治体と裁判所が、こういう無気力・無関心・無責任で機能不全に陥っているとき、これまで、人類の歴史はどういう決着をつけてきたでしょうか。それは「退場」です(今日風の言い方をすれば「廃炉」です)。そのことは、近代の人権宣言の中にはっきりと表明されています。

政府は人民、国家または社会の利益、保護および安全のために樹立される。いかなる政府も、これらの目的に反するか、または不十分であると認められた場合には、社会の多数の者は、その政府を改良し、変改し、または廃止する権利、いわゆる革命権を有する。この権利は、疑う余地のない、人に譲ることのできない、また棄てることもできないものである。」(米国ヴァージニア憲法3条)

そして、この廃炉のあとに来る、きたるべき紛争解決機関が、「愛子さま」も福島の子どもたちも人間としてひとしく人権が尊重される、普遍的な原理に立脚した「市民の、市民による、市民のための市民法廷」です。

その最初の一歩を私たちは、勇気を奮って歩み出すことにしました。それが来年開催が決まった、疎開裁判の世界市民法廷の設置です。
全世界からの注目と支持に恥じない世界市民法廷を開催する決意です。皆さまの注目をお願いいたします。
(弁護団 柳原敏夫)

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裁判官の独り相撲判決

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私はこの決定を、「裁判官の独り相撲判決」と呼びたいと思います。

裁判官は、この仮処分申立には、望まない人も含めて郡山市の全員の子どもの疎開を求める「意図」があると勝手に判断し、
その意図からすると要件を厳しく解する必要がある、と述べています。
しかし、私たちはそのような主張をしているわけではないのです。
完全に、裁判官の独り相撲です。

裁判官は、いったい何と向き合っているのでしょうか。どこを見ているのでしょうか。
裁判官は、なぜ独り相撲をせざるを得なかったのでしょうか。
私は、裁判官が子どもたちと、また私たちの将来と、向き合っているとはとても思えません。

ただ、絶望してはいけないと思います。
この決定への怒りを次の動きへのパワーにしないといけない、そう考えます。
弁護士 安藤雅樹

ふくしま集団疎開裁判 抗告申立に際しての所感

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1 私は、本件仮処分事件で敗訴決定を受けるとすれば、直接の加害者は東電であって郡山市ではないこと、子供たちは自主的に転校できること等から、子供たちには、郡山市に対し、疎開を求める権利はないという理由付けだと思っていました。その点を乗り越えることができ、裁判所が、子供たちに対する健康被害の危険性の有無という実質的争点の判断に入れば、負けるはずはないと考えていました。それは、債権者側が、矢ヶ崎先生、松井先生、沢田先生、ヘルファンド医師等の意見書を提出し、詳細な主張、立証をしたのに対し、郡山市は、空間線量が下がってきていること、除染に努力していること等を主張するのみで、実質的な反論をほとんどしなかったからです。

2 しかるに、福島地裁郡山支部は、「債権者らの生命身体に対する切迫した危険性があるとは認められない」として、実質的争点の点で債権者らの主張を認めませんでした。その判断の過程は、都合のいい事実だけを拾い出し、債権者側が主張したチェルノブイリ事故被害との比較には全く触れない等、恣意的なものですが、特に、債権者らの申立は「実質的には、郡山市のすべての小中学生に対する教育活動の実施を求めるものである」として、被保全権利が認められるハードルを高くしたのは、不当であると考えます。私たちが求めたのは、債権者らを避難させることであって、児童生徒全員を避難させることではありません。裁判所が審理するのは、債権者らを避難させる必要があるか否かであって、児童生徒全員を避難させる必要があるか否かではありません。債権者らを避難させよという決定が出た場合に、債権者らだけを避難させるのか、債権者ら以外の希望者も避難させるのか、児童生徒全員を避難させるのかは、行政が考えることであって、裁判所が考えることではありません。

3 東大の児玉龍彦教授は、その著書「内部被ばくの真実」(岩波新書)において、「危険を危険だとはっきりいうのが専門家である。原子力政策の失敗の原因は科学者が科学者の矜持を捨て、政治家になってしまったことにある。」と喝破されました。私は、郡山支部の決定に同質の問題を感じます。裁判官がすべきことは、求められた事項について、提出された証拠だけから曇らない目で事実を認定し、認定した事実を率直に評価して結論を出すことであって、決定が出た後の社会的混乱を慮って政治的判断をすることではありません。

4 郡山の子供たちの大部分は、我が国の法律で、18歳未満の立入りが禁止される「放射線管理区域」とされる基準をはるかに超え、チェルノブイリ周辺で住民が避難を義務付けられた地域と同レベルの線量の中で生活しています。年20ミリシーベルトまでは安全であるなどというのはとんでもない話です。子供の8割が病気を抱えているというベラルーシやウクライナの今を、明日の郡山や福島にしてはなりません。今からでも遅くはありません。子供たちを逃がすべきです。
仙台高裁が賢明な判断をされることを期待しています。
以 上

ふくしま集団疎開裁判弁護団
滋賀弁護士会所属 弁護士 井戸謙一

『疑ってはいけない』 世界を変えた12月のできごと ~ ふくしま集団疎開裁判 12.16棄却決定に寄せて ~   井上利男

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3.11東日本大震災に端を発した東京電力第一発電所の大崩壊からこのかた、わたしたちの福島県は放射性プルームによる汚染に覆われただけでなく、政界・財界・学会が三位一体となった利権集団、いわゆる「原子力ムラ」勢力による放射能汚染地・戒厳令体制にも覆われてしまいました。利益共同体の一翼を担うマスメディアの協力によって、この戒厳令体制は、放射能や放射線と同じように不可視、裸の目には見えなくされています。
福島県内では、戒厳令体制下にあって、憲法や教育基本法、放射線健康障害防止法などのあらゆる国内法規、国連人権宣言、子どもの権利条約など、あらゆる国際法が無視され、県民の命、とりわけ子どもたちの身体生命が放射線被曝による危険にさらされたまま、顧みられることはありません。
12月16日の福島地方裁判所郡山支部による決定――郡山市内の小中学生14人が安全な場所での教育の実施を求める仮処分の申し立てに対して、裁判所は①御用学者たちの言説に頼って、「100ミリシーベルト未満の放射線量を受けた場合の癌などの晩発性障害の発生確率に対する影響については、実証的に確認されていない」と一方的に断定し、また、②訴訟の趣旨である債権者14人の生存権救済の訴えに対して、郡山市内の小中学生約3万人全員の強制疎開を求めるものであると勝手気ままに曲解して、「棄却」決定で応えました。法の番人たちが民事法制の原則をねじ曲げた結果、暗闇の戒厳令体制を照らすはずだった一筋の光が漏れでる扉が閉ざされてしまいました。
世も末だといいますが、3.11原発大震災以降のこの国は暗闇 …… 一寸先も見えない暗闇に閉ざされてしまいました。司法までもがグルになった戒厳令下の暗闇にあって、未来は見えない。しかし、一寸先が見えない世界だからこそ、希望の胚芽も宿るはずです。
1955年12月1日のことです。アメリカ・アラバマ州モンゴメリーの混みあった市営バスのなかで、42歳の黒人女性、ローザ・パークス夫人が、白人に席を譲るために立つように運転手に命じられましたが、彼女は屈服することにうんざりして拒否しました。運転手が警察を呼び、彼女はモンゴメリー市条例違反で逮捕されました。
この時、彼女は予見していたでしょうか? この事件がマーティン・ルーサー・キングJrの目に止まり、やがて市バス・ボイコット運動が燃え上がって、全米規模の公民権運動が勃興するきっかけとなることを…
あるいは、1989年12月21日、ルーマニアの首都ブカレストの共産党本部庁舎前広場の官製集会で、一人の青年が得意顔のチャウシェスク大統領に向かって「人殺し!」と叫びました。この一声が広場を埋め尽くす民衆の抑圧された怒りに火をつけ、次々と波及した結果、ルーマニア革命の流れが決定し、やがて独裁者は銃殺されるまでになりました。
また、2010年12月17日、チュニジア中部の街シディ・ブジドで一人の青年が警察の横暴に抗議して焼身自殺を図りました。この事件が、ジャスミン革命勃発のきっかけとなり、アラブの春を経て、現在でもオキュパイ運動として全米各地、さらにはヨーロッパ、プーチンのロシアに飛び火し、そしてこの日本でも虐げられた人びとの運動に影響を与え続けています。
一寸先は闇。でも、明日には、世界がどのように動き出すのか、わたしたちの誰にも予測することができません。わたしとしては、予見不可能性のなかにこそ、希望の胚芽を見つけだしたいと思います。
たったいま、わたしたちを覆い尽くしている暗闇の只中で、たったいま身体の内外から放射線で撃たれている子どもたち、孫たちを守るために、新たな一歩を踏み出しましょう。
米国の人類学者、マーガレット・ミードの言葉「疑ってはいけない。思慮深く、献身的な市民のグループが世界を変えられるということを。かつて世界を変えたものは、実際それしかなかったのだから」――この言葉にならって、わたしたちは子どもたち、孫たちが生きてゆける世界を要求し、またみずからの手で創造してゆきましょう!
マーティン・ルーサー・キングJrはワシントン記念塔広場で「I have a dream! わたしは夢を見ている。ある日、不正と抑圧という熱で苦しんでいる不毛の州、ミシシッピーでさえ、自由と正義というオアシスに変わることを」と訴えました。
わたしたちも夢見ようではありませんか。12月16日、福島地方裁判所郡山支部が下した不正と抑圧を告げる棄却決定でさえ、いつか、子どもたちの命を守れと叫ぶ声が天下に満ちるきっかけだったと振り返る日の来ることを。

2011年12月28日水曜日

寄付・カンパのお礼

2011年12月28日現在、128人の方より3,152,332円の寄付・カンパをいただきました。心よりお礼申し上げます。
これらは裁判と裁判支援の取組みに使わせていただきましたが、今後とも裁判の行方に注目し、引き続きご支援いただきますようお願いいたします。

2011年12月25日日曜日

判決不服従アクションin郡山:12月27日(火)判決に対する異議申立&判決勉強会「子どもたちを救わないという結論はいかにして導かれたか」

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今月16日、福島地裁郡山支部は、年1mSv以下の安全な環境で教育を実施せよという14人の小中学生の申立を認めない(却下する)という判断を下しました。これは子どもの人権侵害の歴史に永遠の汚点を残す最も恥ずべき判決(決定)です。
申立人はこの誤りをただすために27日(火)、以下の通り、異議申立の手続をします。
そして、なぜ、このような恥ずべき判決が出現したのか、被ばくした子どもたちを救わないという結論を導くためにどのような事実と理屈が採用されたのか、判決の中身を勉強したいと思います。
午後1時40分からネット中継→ USTREAM配信 IWJ Ch1

日  時   2011 年12月27日(火)午後1時集合
場   所   福島地方裁判所郡山支部 隣麓山公園入り口広場
(郡山市麓山一丁目347 番)
会場地図
スケジュール 午後1時 集合
午後1時10分 裁判所に即時抗告申立書を提出。
午後1時40分 労働福祉会館で記者会見
(2階中会議室 郡山市虎丸町7-7)
午後3時   同会議室 判決勉強会
講師 弁護団 柳原敏夫
資料 裁判所の判決(決定)
《参考》 裁判所の判決(決定)に対する
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連絡先 ふくしま集団疎開裁判の会
代表/井上利男  電話 024-954-7478
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
メール office.sokai*gmail.com(*を@に置き換えて下さい)

2011年12月21日水曜日

判決不服従アクションin郡山:12月23日(金)広河隆一さん講演会「子どもたちを救え!-チェルノブイリと福島-」疎開裁判の報告会「16日の裁判所の決定について」&報告会「『放射能からいのちを守る全国サミット』キックオフ ミーティング」

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申し訳ありませんが、広河隆一さんの急用のため、彼の講演会は延期となりました。
広河隆一さんの講演会を第3部に行います。

他方、先週16日(金)に、裁判所から「申立てを却下する」という判決(決定)が出ましたので、急遽、これについての報告会を行います。
ネット中継→ USTREAM配信 IWJ Ch1

1、福島地方裁判所郡山支部から、人権侵害の判決(決定)が出ましたので、これについて弁護団からの報告と関係者の皆さんのコメントを発表します。
2、12月11日、東京で開かれた『放射能からいのちを守る全国サミット』のキックオフ ミーティングの報告を、全国サミット事務局長の吉野裕之さんからしていただきます。→過去の吉野さんの報告動画(福島の子どもの避難・疎開をどうするか (前半) (後半))

いま、放射能の危険な環境に置かれている人たちを何とかしたいという思いから、全国の市民の力によって「つなぎたい~避難・疎開・保養~つながりたい」 というネットワークがじわじわと広がりつつあります。
そのひとつの取組みが『放射能からいのちを守る全国サミット』です。その第1回の準備会が12月11日、東京で開かれ、南は西表島、石垣島、北は北海道からと日本全国津々浦々から避難・疎開・保養開受け入れ先を表明する市民たち150名が集まり、自分たち市民がふくしまの人たちの避難・疎開・保養という公共事業を担うのだという意志を確認しました。
23日はその取組みの報告です。

日時 2011年12月23日(金)午後1~5時

第1部:報告会(1~2時半)
講師 吉野裕之さん(放射能からいのちを守る全国サミット事務局長)
アテンダー・クリスさん(米国 脱原発系ジャーナリスト)
演題 「つなぎたい~~避難・疎開・保養~~つながりたい『放射能からいのちを守る全国サミット』キックオフ ミーティングの報告」
「脱原発について、世界の最新情報」

第2部:裁判報告会(2時半~3時半)
報告者 弁護団 安藤雅樹(長野県松本からスカイプ) 井戸謙一(滋賀県彦根からスカイプ) 柳原敏夫
発言者 矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授 沖縄からスカイプ) 
松井英介さん(岐阜環境医学研究所 所長 ベルリンからスカイプ)
武藤類子さん(ハイロアクション福島)
黒田節子さん(ハイロアクション福島
井上利男さん(ふくしま集団疎開裁判の会 代表)
駒崎ゆき子さん(郡山市議)
酒井恭子さん(会津放射能情報センター)
橋本好弘さん(須賀川)

第3部:講演会(3時半~5時)
講師 広河隆一さん(映像ジャーナリスト)
演題「子どもたちを救え!-チェルノブイリと福島-」

会場 JR郡山駅西口 郡山ビッグアイ 7階 全大会議室
(郡山市駅前二丁目11-1  024-931-2700 )→地図

定員 先着160名
(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
※会場のビッグアイは今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは下記の連絡先までお願いします。

ネット中継 USTREAM配信 IWJ Ch1

主催 「ふくしま集団疎開裁判」判決前夜アクション実行委員会
連絡先 ふくしま集団疎開裁判の会
代表/井上利男  電話 024-954-7478
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
メール office.sokai*gmail.com(←*を@に置き換えて下さい)

2011年12月20日火曜日

「却下」決定に対するコメント(3)

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

以下は、「却下」決定に対する弁護団の柳原敏夫の私見の続きです。

*****************************

1、子どもたちはガン・白血病等を発病しない限り救済きれないという判断基準
裁判所は、避難が認められるためには、申立人の子どもたちの「生命身体に対する具体的に切迫した危険性があること」(決定書16頁5行目・20頁5行目)が必要だと判断基準を示した上、「生命身体に対する具体的に切迫した危険性」の目安とは、「100ミリシーベルト未満の放射線量を受けた場合の癌などの晩発性障害の発生確率に対する影響については,実証的に確認されていない」(16頁(6))ことだとして、本件では「空間線量が100mSv以下」だから、申立人の子どもたちには「生命身体に対する具体的に切迫した危険性がある」とは認められないとしました。
言い換えると、これは子どもたちが被ばくして直ちに健康障害が現われる急性障害の場合に限って避難を認めるというものです。急性障害ではない、長期間の潜伏期を経て現われる晩発性障害の場合には避難を認めないという立場です。
ところで、今回の《福島原発事故による主要な被曝は内部被曝によるもので、現在問題になる被曝量は急性症状ではなく、確率的な影響とされる晩発性障害》(甲82沢田意見書2頁21行目)です。つまり、《白血病のように数年で発症しはじめるものもありますが大部分の晩発性障害は20年〜30年あるいはさらに年月を経て現れるもの》(同頁21行目)です。だから、裁判所の上記の判断基準に当てはめれば、今現在、ふくしまの子どもたちには「生命身体に対する具体的に切迫した危険性がある」とは認められず、避難も認められないことになるのです。
ということは、ふくしまの子どもたちは今後、長期間の潜伏期を経て、白血病やガンなどの健康障害が発生してきたら、そのときに初めて「生命身体に対する具体的に切迫した危険性がある」として避難が認められる、それまでは我慢しろ、ということです。これはふくしまの子どもたちの命は見捨てると宣言したも同然です。そのため、16日の記者会見の席上、裁判の会代表の井上利男さんがこの判断基準に激怒したのは当然です。

2、申立人が最も力説した「チェルノブイリ事故との比較」の主張から完全に避難
私たちは、福島原発事故により申立人の子どもたちの生命身体にどのような危険が迫っているかは、、チョルノブイリ事故との対比により最も明らかにできるとして、それを裏付ける主張・立証を精力的に行いました。すなわち、
①.健康被害について、
ⓐ.矢ヶ崎意見書(甲49)
《福島原発事故による低線量被ばくの危険性(健康被害と避難の必要性)は、チェルノブイリ事故による低線量被ばくの危険性(健康被害の実態や避難基準)と比較検討することにより予測することができる。》(債権者最終準備書面11頁2、チェルノブイリ事故との比較
具体的には、《債権者らの住む郡山市の住民が、福島原発事故に基づく低線量被ばくによりどのような健康被害を受けるのか。それは、チェルノブイリ事故周辺で、郡山市と同レベルの放射能汚染地域に焦点をあて、その地域が、チェルノブイリ事故以後、どのような健康被害が発生したかを確認することによって予測することができる。
この分析をおこなったのが今般提出の矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授の意見書3~4頁である(甲49)》
ⓑ.松井意見書(甲72)
《福島県郡山市の環境放射線汚染度と近似の汚染が確認されているベラルーシやウクライナなどチェルノブイリ原発事故汚染地域における健康障害調査データから、郡山市で今後発症するであろう種々の健康障害=晩発障害を予測します。》(甲72第2章 郡山市における放射線による晩発障害の予測―チェルノブイリ原発事故に学ぶ)
②.避難基準について
郡山市が測定した空間線量の値に基づいて、申立人の子どもらが通う7つの学校の汚染状況をチュルノブイリの避難基準に当てはめたとき、《7つの学校の周辺はすべてチュルノブイリの避難基準で、住民を強制的に避難させる「移住義務地域」に該当する。》(債権者最終準備書面の補充書 (3)2頁。矢ヶ崎意見書(3)〔甲93〕。汚染マップ〔甲97〕)

しかし、チェルノブイリ事故との比較という核心的な主張・立証に対して、裁判所は判決(決定)で一言も触れませんでした。完全黙秘を貫いたのです。なぜ、私たちが本裁判の核心であるとこれほどまでに声を大にして主張したチェルノブイリ事故との対比という問題から、裁判所は徹底して逃げ出したのでしょうか。それはこの問題に一歩でも踏み込んだら、郡山市の子どもたちには避難するしかないほど、いま彼らの生命身体に差し迫った危険が迫っていることが赤裸々に明らかにされてしまうからで、それは何としてでも回避しなくてはならなかったのです。

3、揚げ足取りの代替手段論

私たちの避難の申立てに対して、郡山市の最大の反論は、子どもたちには転校の自由があるのだから危険だと思うのなら引っ越せばよい、郡山市はそれを妨害しない、だから申立は認められないという代替手段としての「転校の自由論」でした。
これに対し、私たちは、転校の自由を実際に行使することが多くの勤労市民にとってどれほど困難を伴うものであるか、郡山市が全く理解していないことを具体的に明らかにし(甲505152)、この自由は多くの勤労市民にとって「絵に描いた餅」にすぎないことを証明しました。
また、郡山市は、児童生徒は区域外通学(住民票を郡山市に残したまま、他市町村の学校に通学すること)ができるから申立は認められないと代替手段としての「区域外通学論」も主張して来ました。もちろん、私たちはこれにも2回にわたり反論しました(債権者最終準備書面8頁(3)。債権者最終準備書面の補充書 (2)3頁)
ところが、裁判所は、「区域外通学論」については、「債権者(注:申立人)らにおいて、困難である特段の事情の疎明(注:証明)はない」という理由でこれを採用しました(決定書20頁オ)。
しかし、転校して他市町村の学校に通学することを実行するのが困難である以上、住民票を郡山市から移そうが(通常の転校)、郡山市に残したまま(区域外通学)であろうがそんなことは関係ありません。私たちが「区域外通学論」に反論する証拠資料を提出しなかったのは、転校が多くの勤労市民にとって実行に困難を伴うものであることさえ証明すればそれで十分だからです。
それを鬼の首を取ったように、申立人は何も証明しなかったといって裁判所は「区域外通学論」を採用したのです。くだらない揚げ足取りをしているか、それとも頭が足りないかのいずれかとしか言いようがありません。

2011年12月19日月曜日

「却下」決定に対するコメント(2)

以下は、「却下」決定に対する弁護団の柳原敏夫の私見です。

*****************************
今回の判決(決定)は、次の通り、民事裁判の基本原則を踏みにじったものです。通常ではこのようなことはありません。なぜそのようなことが起きたのでしょうか。それはこのよう重大な違反をしない限り子どもたちの申立てを斥けることが不可能だったからです。その意味で、これはなりふり構わず、子どもたちの命を切捨て、彼等の人権を蹂躙した、永遠に弾劾されなければならない判決です。

1、「申立てざる事項につき判決なし」の原則違反
もともと民事裁判は市民の権利を保護するための制度ですので、民事裁判を利用するにあたって、裁判を起こすかどうか(訴訟の開始)、起こしたとき、どういう内容の裁判を起こすか(訴訟の範囲)、起こした裁判を終了するかどうか(訴訟の終了)については、裁判所ではなく、当事者にそれを決める権限を与えています。その結果、当事者が裁判を申し立てない事項について、裁判所が判決をすることは許されません。これは民事裁判の基本原則です(処分権主義)。近代の裁判制度は、当事者は、争点について裁判の審理の中で自らの言い分とその裏付けを提出して、それを踏まえて裁判所に判断してもらうという原則を取っています。従って、もし裁判所が当事者が申立てをしていない事項についていきなり判決を下したら、それは当事者は言い分を主張する機会を何も与えられないままいきなり判断が下されること、つまり「不意打ちの裁判」が行われることを意味しますから、憲法で保障された「裁判を受ける権利」(=市民の権利を保護するための権利)を当事者から奪うことになるので、許されないのです。これは誰でもすぐ分かるコモン・センスです。

しかし、16日の判決ではこの点で異常事態が発生したのです。なぜなら、私たちの申立てはあくまでも「14名の子どもたちの避難」であるのに対し、裁判所はこれを「郡山市の全ての小中学生(しかも彼らには疎開するしないの選択の自由が与えられず、一律に強制的な)の避難」であると申立ての内容をすり替えてしまい、その上で、そのような申立ては認めれられないと判断したからです。
疎開裁判は過去に前例のない裁判なので、当初、私たちは形式的な理由で門前払いされることを最も危惧しましたが、いざふたを開けたら、求めてもいない別の申立てを無理矢理作り上げられて、その挙句に却下されるという、門前払いではなくて門前ちがいの目に遭いました。それは刑事裁判になぞらえれば,Aという人の犯罪を裁く裁判で、裁判所が勝手にBという別の人の犯罪を裁く裁判だとすり替えて判決を下すようなものです。しかも、7月の審理の中で私たちは「郡山市の全ての小中学生の避難」を求める裁判ではないことを裁判所にきっぱりと申し上げました。裁判所は目の前で聞いていたにもかかわらず私たちの申立てを無視して、別の申立てに仕立てあげてしまったのです。これは民事の冤罪裁判であり、重大な誤判というほかありません。

2、証拠裁判主義の原則違反

判決の理由となる事実の認定は証拠によらなければなりません。かつて、証拠によらず恣意的な裁判がまかり通っていた暗黒裁判に対する反省から近代の裁判制度の大原則とされたものです(証拠裁判主義)。従って、裁判所は証拠に基づかないで事実を認定することは許されません。そして、民事の裁判で事実認定の基礎になる証拠とは当事者が自分たちの言い分を裏付けるために提出された証拠資料のことです。従って、裁判所は裁判に提出された証拠資料に基づいてのみ判決の理由となる事実を認定しなくてはならず、それ以外の資料に基づいて事実認定することは許さません。もし当事者が裁判に提出された証拠資料以外の資料に基づいて裁判所が勝手に事実を認定したら、当事者はその資料について何も批判・反論する機会も与えられないままいきなり判決の理由となる事実が認定されることになり、つまりこれも一種の「不意打ちの裁判」が行われることを意味し、憲法で保障された「裁判を受ける権利」を当事者から奪うことになるので、許されないのです。これもまた見え透いたコモン・センスです。

しかし、16日の判決ではこの点でも異常事態が発生しました。私たちは学校設置者の郡山市に子どもたちを避難させる義務が発生するのは「空間線量が年間1mSvを超えたとき」だと主張したのに対し、裁判所は「100ミリシーベルト未満の放射線量を受けた場合の癌などの晩発性障害の発生確率に対する影響については,実証的に確認されていない」(16頁(6).以下、本件事実といいます)と事実認定し、だから「空間線量が100mSv以下のとき」には郡山市に子どもたちを避難させる義務は発生しないとしました。しかし、裁判所の判断を左右するこの決定的な事実となる本件事実について、申立人はもちろんのこと相手方の郡山市も裏付けとなる証拠を全く出していません。このような最重要で大論争になる事実について、裁判所は全く証拠調べもせずに、いきなり判決の中で認定しているのです。私どもの開いた口がふさがらなかったのは当然です。

これに対し、裁判所はきっと「それは民訴法179条の顕著な事実だから、証明を要しない」と釈明するのでしょう。しかし、証拠裁判主義の例外である「顕著な事実」とは「裁判官が明確に知り、少しも疑念をさしはさまない程度に認識する事実」(三ケ月章「民事訴訟法」433頁)のことで、その具体例とは「歴史上有名な事件、天災、大事故、恐慌等」(同上。新堂幸司「新民事訴訟法」473頁)のことです。本裁判で、申立人は、「空間線量が100mSv以下のとき」でも、重大な晩発性障害の発生が予測されることをチュルノブイリ事故との対比の中で実証的に確認できると、その裏付となる証拠をいくつも提出しました(矢ヶ崎意見書〔甲49〕第1章。松井意見書〔甲72〕第2章。甲64の論文など)。いやしくもそれらの証拠資料を一度でも目を通した者なら、本件事実について、その後も「少しも疑念をさしはさまない程度に認識」を維持することは到底不可能です。最低でも、判決の行方を左右する最重要な事実を果して証拠調べもせずに認定してよいかどうか証明すべきです(公知であることの証明)。

裁判所は、証拠資料である矢ヶ崎意見書・松井意見書などを読んでいながら、この最低限度の証明すらせずに判決でいきなり本件事実を認定したのは、申立人からすれば、判決の行方を左右する最重要な事実について一度も主張・立証する機会も与えられずに、申立人の申立てを斥けられたものであり、「不意打ちの裁判」によって、憲法で保障された「裁判を受ける権利」を奪われたというほかありません。これでは近代以前の中世の暗黒裁判に逆戻りしたのも同然です。

この中世の暗黒裁判によって誰が最も被害を蒙るかは言うまでもありません。次の魯迅の言葉を引用するまでもなく、命を尊ぶことをやめない限り、私たちはこの判決が破棄されるまで永遠に弾劾し続けるでしょう。
(文責 柳原敏夫 2011.12.18)

いかなる暗黒が思想の流れをせきとめようとも、いかなる悲惨が社会に襲いかかろうとも、いかなる罪悪が人道をけがそうとも、完全を求めてやまない人類の潜在力は、それらの障害物を踏みこえて前進せずにはいない。」魯迅「随感録」の生命の道(竹内好訳・ちくま文庫「魯迅文集3」)

2011年12月16日金曜日

「却下」決定に対するコメント(1)

◎続き コメント(2)  コメント(3)
1 本日12月16日、福島地方裁判所郡山支部で仮処分申立に対する決定が出されました。
裁判所の決定(2頁に「判断の理由の要約」 13頁末行から最後までが判断の理由のポイント)

 以下その解説を述べるにあたって、一言、弁護団長(柳原敏夫)の感想を述べさせていただきたい。

      ********************
「子どもを粗末にするような国は滅びる、そのような国には未来はない」
これが真実であることの確認を求め、混乱と異常事態に陥っている国政の是正を「人権の最後の砦」を本来の任務とする裁判所に求めたのが疎開裁判です。
 しかし、本日、裁判所は自らその任務を放棄することを宣言しました。福島第一原発に劣らず、我が国の三権も首をそろえて混乱と異常事態に陥っていることを余すところなく証明しました。それが本日の決定の唯一の意義です。
 これに対しては、私たちは2世紀以上前のアメリカ独立革命の人権宣言の初心・原点に帰って、「子どもを粗末にするような国は廃炉にするしかない。未来は子どもを大切にする国作りの中にしかない」ことを宣言する。

政府は人民、国家または社会の利益、保護および安全のために樹立される。いかなる政府も、これらの目的に反するか、または不十分であると認められた場合には、社会の多数の者は、その政府を改良し、変改し、または廃止する権利、いわゆる革命権を有する。この権利は、疑う余地のない、人に譲ることのできない、また棄てることもできないものである。」(米国ヴァージニア憲法3条)
      ********************

 結論となる主文は「本件申立を却下する」というものです。

 決定中には「判断理由の要約」として、以下が記載されています。
「放射線による影響を受けやすい児童生徒を集団で避難させることは、政策的見地からみれば、選択肢の一つとなり得るものである。しかし、債務者には、郡山市に居住する他の児童生徒が存在する限り、教育活動を実施する義務があり、教育活動の性質上、債権者らに対する教育活動のみを他の児童生徒に対する教育活動と区別して差し止めることは困難である。債権者らの申立の趣旨は、事実上、債権者らが通学する小中学校の他の児童生徒に対する教育活動をも含め当該小中学校における教育活動の実施をすべて差し止めること等を求めるものと認められるから、その被保全権利の要件は厳格に解する必要がある。しかるに、債務者による除染活動が進められていることや放射線モニタリングの結果などを考慮すると、現時点において、警戒区域でも計画的避難区域でもない郡山市に居住し債権者らと同じ小中学校に通学する他の児童生徒の意向を問うことなく、一律に当該小中学校における教育活動の実施の差止めをしなければならないほど債権者らの生命身体に対する具体的に切迫した危険性があるとは認められない。また、債権者らに対する損害を避けるためには、債権者らが求めている差止め等が唯一の手段ではなく、区域外通学等の代替手段もある。したがって、本件申立てについては、被保全権利が認められない。」

2 今回の決定の骨子は次のようなものです。
① 債権者らは、債権者らを避難させることを求めているが、実質的には、各学校における他の児童生徒の教育活動の差止めを求めているから、その被保全権利の要件は厳格に解する必要がある。
② 現時点で、他の児童生徒の意向を問うことなく、一律に各小中学校の教育活動の実施の差止めをしなければいけないほど、債権者らの生命身体に対する切迫した危険性があるとは認められない。その理由は、①空間線量が落ち着いてきている、②除染作業によって更に放射線量が減少することが見込まれる、③100ミリシーベルト未満の低線量被曝の晩発性障害の発生確率について実証的な裏付けがない、④文科省通知では年間20ミリシーベルトが暫定的な目安とされた、⑤区域外通学等の代替手段もあること、等である。

3 裁判所は、まず、被保全権利がないこと、すなわち、子供たちに切迫した健康被害の危険がないことを理由に、申立を却下しようと考えたのだと思います。しかし、その点だけでは決定理由を書けなかった。そこで、他の子供達についても避難させようとしているなどということを持ちだして、「被保全権利の要件を厳重に解する必要がある」などということを言い出したのです。確かに、私たちは、14人の子どもの避難だけではなく、他の子供達の避難も実現したいと思っていました。しかし、それは、裁判所の決定が出た後の行政交渉で実現できることであって、司法で実現できることではないし、司法判断の対象になるものではないと位置づけていました。個人の権利救済を目的とする民事訴訟手続においては、それは当然のことです。審理の対象は、申立人の子供たちの健康被害を避けるために、申立人の子供たちを避難させる必要があるかどうかだけなのです。他の子供達に対する事実上の影響の問題を司法判断に持ち込み、厳しい要件を課したのは、民事訴訟の原則に違反するものであると考えます。

4 100ミリシーベルト以下での低線量被曝のリスクが証明されたとはされていないことや文科省の20ミリシーベルトの判断を理由に子どもの健康のリスクを否定した内容は、結局、行政の判断に追随しているだけであり、司法の役割を全く果たしていないというしかありません。チェルノブイリでの避難基準との比較、ベラルーシやウクライナの子供たちの現状、福島の明日は今のベラルーシやウクライナであること、多くの子供達が被害を受ける危険があることを、裁判所はどう考えたのでしょうか。科学的な証明のためには膨大なデータの収集が必要であり、そのためには長い時間がかかります。児玉龍彦東大教授が言っておられるように、科学的に証明できてから対策をとっても遅いのです。ことは子供たちの生命、健康の問題です。予防原則が徹底されなければなりません。我が国の政府は、国民に対し、年間20ミリシーベルトまでの被曝をさせる意思です。ウクライナやベラルーシでは、年間5ミリシーベルトを超える地域は強制避難地域とされました。それでも大変な健康被害が生じています。我が国における子供たちの保護が、旧ソ連の各国よりもはるかに劣っていること、そのことを我が国の司法すら安易に追認することに驚きを禁じえません。

5 司法の仕事は、苦しみの中で救済を求めている市民を救うことであって、市民を苦しめる行政の行為にお墨付きを与えることではありません。

 今回の裁判所の決定に対し、私たちは十分に検討の上、今後の道を探りたいと考えます。

【速報】ふくしま集団疎開裁判 決定は「却下」

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

ふくしま集団疎開裁判は16日、福島地裁郡山支部(清水響裁判長)により「却下」されました。決定の詳細などは、こちらで別途報告
裁判所の決定(2頁に「判断の理由の要約」 13頁末行から最後までが判断の理由のポイント)

【訂正】判決前夜アクションin郡山:12月23日(金)、広河隆一さん講演会の予定通り実施

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

以下の講演会は、予定通り実施することとなりました。

********************

写真家、ジャーナリスト、『DAYS JAPAN』編集長、チェルノブイリ子ども基金設立者の広河隆一さんが来週、郡山で講演をします。

日時 2011年12月23日(金)午後3時半~5時
演題 「子どもたちを救え!--チェルノブイリと福島--」(仮題)
会場:JR郡山駅西口 郡山ビッグアイ 7階 全大会議室
→詳細は、こちら

2011年11月19日土曜日

(12/4修正版)判決前夜アクション:いま 福島の子どもたちを救う疎開裁判賛同の表明を! 32日目(12/21現在)賛同者5411名(日本) 1339名(世界)

英語版-English  韓国語版-한국  ロシア語版-русский  中国語版-中国 スペイン語版-español フランス語版-française

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから

12月2日、裁判所に緊急提出された矢ヶ崎克馬氏の意見書(3)の立場に立って、文科省が8月30日に公表した「土壌の核種分析結果(セシウム134、137)について」の空間線量のデータに基づいて、疎開裁判を申し立てた14人の子どもたちが通う郡山市内の放射能汚染状況をチュルノブイリの避難基準に当てはめると、下の汚染マップとなります。

クリックで拡大

住民に避難(移住)する権利が認められる移住権利地域に該当する黄色丸が1箇所あるだけで、それ以外は全て住民を強制的に避難(移住)させる移住義務地域に該当する赤丸です。つまり、疎開裁判の子どもたちは、いま、チュルノブイリ事故だったら強制的に避難させられるような地域で教育を受けているのです。
子どもたちをこんな危険な状態に置くことは許されない、彼らを今すぐ安全な場所に避難させるべきだ--これがこの裁判の主張です。

日にちは未定ですが、まもなく疎開裁判は判断が下されます。この判断の結果いかんによって、14人の申立人の疎開だけではなく、福島県全体の子どもたちの集団疎開が実現するばかりか、内部被ばくの危険に晒されている日本中の子どもたちの安全について抜本的な見直しにつながります。

疎開裁判の判決前夜に、日本中、世界中の人たちが福島の子どもたちを救う裁判を支持していることを世に示して、私たちひとりひとりの意思で、裁判による世直しを力強く支えましょう。
今すぐ、下の「賛同」の□をチェックして、ネットで裁判賛同を表明して下さい         なお、疎開裁判をもう少し知りたい方は→2枚のビラ
          もっと詳細を知りたい方→提出書面一覧表主張対比表
賛同表明は□のチェックだけでOK。それ以上必要ありません。
賛同は署名とちがうので、既に署名した方も賛同表明をお願いします。
携帯からは賛同表明できません。パソコンからお願いします。

判決前夜アクション:矢ヶ崎克馬氏の警鐘「いま、申立人の子どもたちは全員、チェルノブイリ避難基準の移住義務地域で教育を受けている」

本日(12月2日)、琉球大学名誉教授の矢ヶ﨑克馬さんは「いま、申立人の子どもたちは全員、チェルノブイリ避難基準で、住民を強制的に避難させる移住義務地域で教育を受けている」ことを明らかにする意見書(3)を緊急に裁判所に提出しました。
これまで私たちは、文科省が8月30日に公表した「土壌の核種分析結果(セシウム134、137)について」のセシウムのデータに基づいて、債権者らが通う7つの学校の汚染状況をチュルノブイリの避難基準に当てはめてきました。その結果、
(1)、2校が住民が強制的に移住させられる移住義務地域に該当
(2)、4校が住民に移住権がある移住権利地域に該当
するというものでした(→これを地図にした汚染マップ)。
しかし、この汚染マップでは上記7つの学校の汚染状況を正しく反映していないことが判明しました(→その詳細は、債権者最終準備書面の補充書(3)2頁終わりから2行目以下。福島市役所と郡山市役所の空間線量の対比表福島県中通り汚染マップを参照)。
そこで、改めて、郡山市が測定した空間線量の値に基づいて、上記7つの学校の汚染状況をチュルノブイリの避難基準に当てはめたところ、
申立人らが通う7つの学校全てが住民が強制的に避難させられる移住義務地域に該当することが明らかとなりました。
これにより、申立人らの疎開は一刻も猶予がならないものであることが明らかです。
皆さん、判決前夜の今、一人でも多くの方が、ふくしまの子どもたちを救う判決を支持するネット賛同に参加して、世直しの声を表明して下さい。

以下に、矢ヶ崎さんの意見書のポイントを取り出しました。
******************************
1、空間線量の値に基づいたチェルノブイリ周辺国の避難基準について
チェルノブイリ事故後の避難(移住)基準は、周辺国のロシア、ウクライナ、ベラルーシでは、年間被曝線量、あるいはセシウム等の汚染濃度に基づいていますが(今中哲二編:『チェルノブイリ事故による放射能災害』48頁、62頁、74頁)。これらの国の移住基準は基本的には人工放射線量が年間1mSv 以上となる汚染濃度とされています。これらの国の法律 では年間1mSv以上で移住権利、 5 mSv以上が強制移住となっています。

(2)、チェルノブイリ周辺国避難基準を1時間あたりの空間線量率で表示
年間被曝線量は様々な形態の被曝のトータルの線量のことであって、空間線量だけではありませんが、今、議論を単純化して年間被曝線量を空間線量だけで考えることにします。
すると、年間被曝線量と1時間あたりの空間線量率の関係は
年間1mSvは 0.114μSv/h に、
年間5mSvは 0.571μSv/h に相当します 。
したがって、チェルノブイリ周辺諸国の法定汚染基準をこれに適用すれば、移住相当汚染は0.114μSv/h以上であり、移住権利汚染ゾーン:0.114μSv/h以上、移住義務汚染ゾーン:0.571μSv/h以上となります。

(4)、チェルノブイリ周辺国避難基準への当てはめ
これによると、上記の債権者らが通う7つの学校周辺の地域の空間線量の値は全て0.571μSv以上ですから、全てがチェルノブイリ周辺国避難基準の移住義務区域に該当することになります。すなわちこれらの国では住民の移住が義務付けられる汚染ゾーンにあるのです。

(5)、以上のことが意味すること
チェルノブイリ周辺国で移住義務とされる汚染が、我が国の学童生徒に対して身体に危険が及ばない値で無いはずはありません。日本で、年間1mSv が公衆に対する被曝限度値であるとされますが、7つ全ての学校地点で年間被曝限度の5倍 をはるかに上回って、最高危険地は何と15倍 近くなっています。
本件の債権者はおとなの数倍は放射能に対する感受性が高いと言われる学童生徒です。さらに、緊急事態では、放射線に対する人間の抵抗力が増強されるということはいささかもありません。また、一企業体の事故の責任を児童が負わなければならない道理は金輪際ないのです。

(6)、結論
主権在民を原理とする国においてならば、即刻学童の保護として避難を講じるべきです。

判決前夜アクションin新潟:12月10日(土)11日(日)、「子どもたちを内部被ばくから守ろう」矢ヶ崎克馬さん講演会と「TVに映らない福島のいま」&「疎開裁判の報告」講演会

ふくしま集団疎開裁判の判断を目前に控え、今、集団疎開の受入先として注目を浴びている新潟市で、連続判決前夜アクションのお知らせ。
第一日目:12月10日(土)、内部被ばく問題の第一人者で、ふくしま集団疎開裁判でチェルノブイリ事故による健康被害との対比を論じた意見書を作成された矢ヶ崎克馬さんから「子どもたちを内部被ばくから守ろう」という演題で講演。→チラシ
第二日目:12月11日(日)、郡山市からハイロアクション福島の黒田節子さんによる「TVに映らない福島のいま」の講演&ふくしま集団疎開裁判弁護団の柳原敏夫さんによる「疎開裁判の現状報告」→チラシ

第一日目
講演会
講師:琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬氏
演題:「子どもたちを内部被ばくから守ろう」
日時:12月10日(土)10~12時
会場:東映ホテル 一階白鳥の間
(新潟市中央区弁天2-1-6  025-244-7101 )→地図
定員:先着200名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
参加費:500円
※会場の東映ホテルは今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは下記の連絡先までお願いします。

第二日目
講演会&疎開裁判の現状報告会
講師:黒田節子さん(ハイロアクション福島。郡山市在住)
演題:「TVに映らない福島のいま」
日時:12月11日(日)14~16時30分
会場:本願寺 木揚場(きあげば)教会
(新潟市礎町上1の丁1957 025-229-1870)→地図
定員:先着50名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
参加費:無料
※会場の木揚場教会は今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは下記の連絡先までお願いします。
主催: 「ふくしま集団疎開裁判」判決前夜アクション inにいがた実行委員会
連絡先:ふくしま集団疎開裁判の会 長谷川 携帯 090-‥‥-‥‥

Voice of Fukushima's parents: Reasons why we are not evacuating voluntarily or not able to do

 Translation is Release Candidate)
The time of as long as half a year has passed like an arrow since the disaster of TEPCO’s Fukushima Daiichi nuclear plant had happened. In those days we have been trying to do our best as parents to protect our children from the influence of radioactive materials.
 

However, our misgivings have grown deeper day by day; “How long can we go on such a way of living?” And we have come to think, “When our government does not help us to evacuate, there is no way other than a voluntary evacuation”.
Kohriyama is already not the city which allows children live their healthy lives with confidence. Yet, our government has given higher priority to the need of economy than to lives of Fukushima prefectural citizens. Due to such a policy, how many people get badly hurt and wretched?
 

“After all, our voluntary evacuation is only the way”.
Such was a solution we, the couple, brought about.
However, it was not easy.
 

One of the reasons why we can not evacuate voluntarily is the issue of “money”.
Now, my husband is running a home business mainly on so-and-so. He became self-employed at the age of 35, and as long as 15 years have passed since then. He has been working as hard as he can for his family.
Yet, in this time of recession, our life can not be said to be an easy way. The situation also does not allow us make the savings.
In these days, when it is said even young people can not find jobs easily, if my husband, soon reaching the age of 50, quits his current works and moves out of the prefecture, is it possible that he really finds a new job?  Even if he is lucky enough, it would be almost impossible to maintain the present income. And, even though both of us work, can we keep up with that income?  The answer is “No”, I have to say.
Just in case we can not find any job, it is quite evident that atom of our savings will soon be exhausted. And then, what can we, the family, do?

In addition, my husband’s work is not only thing of what we loose as a result of our voluntary evacuation. It rips off from our children on so-and-so grades in the junior high school their familiar school life together with their ever cherished friends.
 

On the so-and-so grade of that school, three of students moved out during the last summer vacation. Before that vacation, I had an opportunity to talk with the mother of one, a male, of them. She told me that her family would take the courage to evacuate, as her husband had been in Tokyo as a job bachelor. But, she added that when she had told her son about the evacuation, he had said, “Why, must I move alone? None of all my friends would not dare to evacuate!”
 I believe undoubtedly, her son felt gut-wrenching, thinking unreasonable needs of being inhospitably departed from his good friends and transferring as an evacuation attempt.
Many of children evacuated voluntarily must have kept such unreasonableness in mind. Although it is true in fact that they had been given the “freedom of transferring”, it was never what they wanted.
Ever since my children were born, I have been putting the weight of my life on parenting. I have been doing so, for I have wanted to watch the growth of my beloved children in my daily life. I should have been granted such a wish in this land of Kohriyama, at least until my children would graduate from senior high schools.


But now after the nuclear disaster, it has become not allowed to wish parenting in Kohriyama. Even though I love the city of Kohriyama, I love the prefecture of Fukushima, I can never live there with peace of mind.
And yet, we see the high walls preventing our voluntary evacuation as intended. As parents we are full of miserable and frustrated feelings, and yet, the situation pins us here.
If such a situation goes on, the lives of our deer and sweet children would be threatened.
I desperately cry out (to our judges); please, understand parental concerns of the many people who want to evacuate voluntarily but still   tormented as they can never do so, and please, take a courage to make a bold decision in order to keep children with full of promise smiling brightly.
 
 


                    September 5, 2011

An urgent appeal to save the children of Fukushima! Support their evacuation lawsuit prior to the judgment day.

Voice of citizens: Application to Koriyama city

 Translation is Release Candidate)
Seven months has passed since the Fukushima Nuclear Plant Accident. But the accident is still going and there is no hope of solution.

 The facts that have been concealed are being revealed toward us in succession. The facts of contamination in the soil by cecium were revealed in the end of August. Detection of strontium and plutonium were revealed in the end of September. Changes in function of thyroid gland on ten children among 130 Fukushima children were reported on October 4. And on the day before yesterday, we have heard that "A mother who became pregnant in Koriyama city, gave birth at the refuge place. The baby turned out to suffer from Chelnobyl heart, in which there is a hole in the heart. So the mother was shocked and distressed."  I knew the feared fact and I lost words.
 At the Koriyama city council, the city answered that "Nobody knows health risk 10 years after, 20 years after, so we shall do remove contamination now. The fact of doing remove contamination means that Koriyama City notice this city is in the risk now. So, the city should evacuate children who are sensitive about radioactivity. It is clear that to remove contamination is not necessary effective and serious illness such as leukemia and thyroid gland cancer among children increase in four or five years after Three Mile Island and Chernobyl.

A mother writes as follow.
"I'm very afraid that children will receive radioactivity like present time after this. At least, temporarily evacuation is necessary for all the children in Koriyama. The fact that Koriyama city take effort to remove contamination means this city is in the risk. When we clean up our house, we put children out. The situation of Koriyama is like this.
We should not let children in Koriyama because radioactivity is spreading in this city. Please evacuate children in a group. Many children cannot evacuate from Koriyama because many parents, such as me, cannot afford to evacuate.
I cannot evacuate children because
1 Elder son will take an examination of high school in next spring ,
2 Children are anxious about "changing" school, and
3 we are not enough rich evacuate,
and so on.
Please save children in high radioactivity by whole Koriyama city."

And, another mother writes as follow.
"I have heard that mayor has a grandchild in junior high and he evacuate the grandchild to save from radioactivity.
I also have a son in junior high. But, I cannot evacuate him because of husband's job. I wish the mayor evacuate all the children in Koriyama to save them from radioactivity and to save their lives. "

After the accident, the mayor removed the surface soil of school grounds and declared the abolishment of nuclear plants, in which he took the initiative in Japan. His such actions are right. On October 11, the mayor of Tokai-mura in Ibaragi prefecture also expressed the opinion that Tokai-daini nuclear plant should be abolished, he was awakened with the accident, we can no longer depend on nuclear plants for the sake of developments of the town, and that we should think the way of the development instead of depending on nuclear plants.
Since our mayor of Koriyama also declared the abolishment of nuclear plants and took the right option of evacuation for his grandchild, he must “be awakened with the accident”. Please keep the attitude and declare the right option of evacuation in a group for all the children in Koriyama.
If he say so, not only Koriyama citizens, but also all the citizens in Japan  can cooperate to save the children hand in hand.
Our only wish is that “We want to save the children”. So, we take the following application to the city.

1. Please evacuate children in group where radioactivity is less than 1mSv in a year.
2. Please take economical and other care for children who have already evacuated voluntary.
3. Please evacuate and give life support for family with pre-school children, pregnant women, and pre-pregnant women.
4. Please set up system, by which adult people also can temporarily evacuate, with other communities.
5. Please set up system to guard vacant houses to enable us to evacuate being relieved.

Now, people all over Japan, and all over the world, are paying attention to the action of Koriyama city.

October 15, 2011

All the participants of the demonstration of“Save the children of Fukushima!”

An urgent appeal to save the children of Fukushima! Support their evacuation lawsuit prior to the judgment day.

코오리야마시에 드리는 건의서

후쿠시마 원자력 발전소 사고로부터 7개월이 지났습니다. 아직까지도 사고는 수습되지 않고 있으며, 전망도 불투명 합니다.
지금까지 알려지지 않았던 사실이, 그간 차례차례로 우리앞에 밝혀지고 있습니다. 8월말 공표된 세슘의 토양오염의 실태, 9월말 공표된 스트론튬과 플루토늄의 검출 결과, 후쿠시마의 어린이 130명의 건강 조사 결과, 10명의 갑상선 기능에 변화가 있다는 10월 4일의 뉴스, 그리고, 그저께, [코오리야 마에서 임신한 엄마가 피난처에서 출산, 태어난 아기는 체르노빌 하트라고 불리우는 심장에 구멍이 뚫리는 병으로 판명되어, 쇼크로 괴로워하고 있다] 라는 이야기를 들었습니다. 각오는 하고 있었지만, 두려워하고 있던 현실을 알게된 우리는 할말을 잃었습니다.
코오리야마시 의회의 답변은, 코오리야마시는 [10년 후, 20년 후의 어린이들의 건강 리스크는 아무도 알 수 없다, 그러니 지금 할 수 있는 오염제거조치를 취하겠다]는 것이었습니다. 오염제거조치를 취한다는 것은 바로 코오리야마시 역시 현재 상황이 위험하다고 인식하고 있다는 것입니다. 그렇다면, 오염제거조치를 취하기에 앞서, 먼저 방사능에 민감한  아이들의 피난이나 소개가 우선 실시되어야 할 것 입니다. 오염제거조치에
는 한계가 있다는 것이 이미 밝혀진바 있으며, 과거 쓰리마일섬사고와 체르노빌 사고를 통해, 원전 사고 후 4, 5년안에 아이들에게 백혈병이나 갑상선 암 등 중대한 질환이 증대하였다는 뚜렷한 사실이 있습니다.
아래 내용은 아이를 가진 한 엄마의 수기입니다.
[아이들이 받은 피폭량에 더하여, 앞으로도 지금의 양과 속도로 축적될 것이 매우 걱정입니다. 최소한 일시 피난은 코오리야마시내 모든 아이들에게 필요하다고 생각합니다. 코오리야마시가 오염제거에 노력하겠 다는것은, 위험하다는 것을 입증하는 사실입니다. 집안 대청소를 할때, 아이들을 밖에 내보내지 않습니까, 그것과 같은 것입니다.
방사능이 마구 산란하고 있는 지금, 아이들을 코오리야마시에 있게 해서는 안됩니다. 반드시 집단피난을 시켜주세요. 집단피난이어야 하는 이유는. 자율적으로 피난을 하지 못하고 있는 어른이나 부모들의 사정때문에, 코오 리야마시로부터 피난하지 못하고 있는 아이들이 많이 있기 때문입니다. 그것은 저희 집도 마찬가지 입니다.
자율적으로 피난을 할 수 없는 이유는
① 장남이 고등학교 수험생이라 매우 중요한 시기라는 점
② 아이들의 전학에 대한 불안감과 반발
③ 경제적인 부담
등등입니다. 높은 방사능에 노출된채 살아가는 아이들을 부디 코오리야마 시 전체가 지켜 주시길 부탁드립니다.]
또, 어떤 어머니는 이렇게 이야기합니다.
[소문으로, 시장님에게는 중학생 손자가 있다고 들었습니다. 그 손자를 방사능으로부터 지키기 위해 자율적인 피난을 시켰다는 것을 알았습니다.
저에게도 같은 중학생 아들이 있습니다. 그러나, 남편의 일 때문에 자율적인 피난은 못하고 있습니다. 시장님께서, 당신의 손자와 마찬가지로, 코오리야마의 어린이들을 방사능으로부터 지키기 위해 집단으로 피난을 시킴으로서, 아이들의 생명을 지킬 수 있다면 얼마나 좋을까, 라고 바라지 않을 수가 없습니다]

원자력 발전소 사고 후, 시장님은 전국에서 가장 먼저 학교 교정의 표토를 제거하였으며, 원자력 발전소의 「폐로 발언」을 하셨습니다. 그 생각과 행동은 옳은 것이었다고 생각합니다. 이번 달 11일에는, 이바라키현 토우카이무라의 촌장님께서도 [토오카이 제2 원자력 발전소를 폐로조치 해야한다]라는 자신의 견해를 표명하셨습니다. [사고를 통해 깨달았다. 원자력 발전소에 계속적으로 의존해 나가는 마을 가꾸기에는 한계가 있다. 원자력 발전에 의존하는 것이 아니라, 지금까지와는 다른 바람직한 마을의 방향을 생각해야만 한다]라고 이유를 말씀하셨습니다.
코오리야마 시장님께서도 전국에서 가장먼저 [폐로발언]을 하셨고, 중학생 손자분에 대해서도 피난이라고하는 올바른 조치를 취하셨으니, 토오카이무 라의 촌장님과 마찬가지로 [사고로 인해 깨달은] 바가 있으셨을 것입니다.
부디, 이 자세를 관철 하셔서, [코오리야마시의 초등학생과 중학생 전원을 집단 피난 시켜야 한다] 는 올바른 조치를 표명해 주십시오. 시의 결정이 아니라 하더라도, 개인의 견해로서 그 같은 표명을 해 주셨으면 합니다.
그렇게 되면, 코오리야마시민 뿐만이 아니라, 일본 각지의 시민이 손을 잡고 힘을 합하여, 모든 지혜를 모아 실현을 위한 길을 만들어 갈 것 입니다.
저희 시민들의 소원은 단 하나, [아이들을 지키고 싶다]는 것입니다. 그것을 위해, 다음과 같이 건의하는 바입니다.


1, 아이들을 방사능이 년간 1 mSv 이하인 지역으로 집단피난 시켜 주십시오.
2, 이미 자율적으로 피난하고 있는 아이들에게, 시급히 경제적 및 기타 필요한 지원을 실시해 주십시오.
3, 취학전의 아이들이 있는 가정・임산부・지금부터 임신의 가능성이 있는 분들에게 생활 지원을 포함한 피난을 실시해 주십시오.
4, 어른들도 일시적인 피난 혹은 일시적으로 휴양 할 수 있는 시스템을, 다른 지자체와 공동으로 만들어 주십시오.
5, 안심하고 피난 할 수 있도록, 부재중인 집을 경비 할 수 있는 지역 적인 대비태세를 만들어 주십시오.

일본 전체가, 그리고 전세계가 지금 코오리야마시의 행동에 주목하고 있습니다.

                                                                                          이상

                    2011년10월15일

               후쿠시마의 아이들을 지켜라! 코오리야마 데모 참가자 일동

판결전야의 액션: 지금, 후쿠시마의 어린이들을 살릴 피난 소송에 찬동을 표명합시다!

Appel d’urgence pour sauver les enfants de Fukushima, à la veille du verdict : soutenez le procès demandant leur évacuation

Selon les données spatiales pour la dose compilées dans le document “Analyse de la radioactivité du sol (césium 134 et 137)”, publié le 30 août par le Ministère de l’Education Japonais, la contamination radioactive de la ville de Koriyama, où 14 enfants vont encore à l’école, atteint les niveaux représentés sur la carte ci-dessous. (Cette carte utilise les critères d’évacuation de Tchernobyl).

Cliquez pour agrandir

Sur cette carte, les points rouges signalent les zones d’évacuation obligatoire, d’où les habitants sont forcés d’évacuer, et les points jaunes, les zones d’évacuation volontaire, dont les habitants ont le droit d’évacuer. Ces points rouges et jaunes couvrent la quasi-totalité de la zone. Autrement dit, selon les critères d’évacuation de Tchernobyl, les enfants au centre de ce procès vont actuellement encore à l’école dans une zone dont les niveaux de contamination devraient exiger ou autoriser leur évacuation. Dans ce procès, nous plaidons donc pour l’évacuation immédiate des enfants de cette zone dangereuse.

Le verdict de ce procès est attendu bientôt. Le résultat aura non seulement des conséquences pour les 14 enfants concernés, mais également pour tous les enfants de Fukushima, et tous les enfants du Japon exposés aux dangers d’une contamination nucléaire.

Alors que le jour du verdict approche, exprimons notre soutien aux enfants de Fukushima !
Pour exprimer votre soutien, marquez le carré (□) d’une croix ou d’un trait !
※ Il vous suffit de marquer le carré □.
※ Même si vous avez déjà signé, exprimez votre soutien en marquant le carré.
※ Votre soutien ne peut être enregistrer que depuis un ordinateur : Veuillez ne pas utiliser de portable pour marquer le carré.

Llamado Urgente para Salvar a los Niños de Fukushima: Apoya la Demanda Exigiendo su Evacuación Inmediata.

Catorce niños de Fukushima, los demandantes, van todos los días a un colegio donde el nivel de contaminación de Cesio es peligrosamente alto. Según el estándar de Chernobyl, esta zona debería ser de “exclusión” (evacuación obligatoria), o con derecho a pedir evacuación.(*)

(*) Según los datos del “análisis de radionucleidos en la tierra (Cesio 134 y 137)”, presentado el 30 de agosto por el Ministerio de Educación, Cultura, Deportes, Ciencia y Tecnología, la ciudad de Kiroyama, donde estudian los catorce demandantes, presenta contaminación por Cesio como aparece en el siguiente mapa (con el estándar de refugio de Chernobyl superimpuesto):

 ¡Pulsa aquí para agrandar!

Un círculo rojo es una zona de evacuación obligatoria donde según el estándar de Chernobyl los residentes deben evacuados. Un círculo amarillo indica una zona de evacuación voluntaria garantizada donde a los residentes se les brinda el derecho a emigrar. En esta demanda argumentamos que los niños de Fukushima no deberían permanecer en una zona tan peligrosa. Necesitan ser reubicados colectivamente a una zona segura de inmediato.

El veredicto se espera pronto. La decisión afectará no solo a los 14 niños que son los demandantes, sino a todos los niños en Fukushima expuestos al riesgo de contaminación interna.

Por favor únete a nosotros en este llamado a la gente de Japón y del mundo a apoyar la demanda para salvar a los niños de Fukushima. Por favor apoya nuestra acción para lograr justicia frente a niños y niñas cuyo derecho al bienestar y la sobrevivencia está siendo severamente violado.

Por favor marca □ la casilla de “aprobación” y expresa tu punto de vista.
Solo tienes que marcar. No se necesita más.
Firmar y aprobar no son lo mismo. Así hayas firmado por favor marca la casilla □ para expresar tu aprobación.

Esto no se puede hacer por dispositivos móviles. Por favor usa un computador.

判决前的声明活动: 现在,请为解救福岛儿童们的疏散审判表明您的赞同意愿!

本次疏散审判申诉的14名儿童所在的郡山市的铯污染情况,根据8月30 日文部科学省发表的「关于土壤的放射性核种的化验结果(铯134,147)」的核辐射量数据为准,按照切尔诺贝利核泄漏事故的避难基准,可制成以下的污染地图。

点击放大

除了1个表示准许居民避难(迁移)的黄色区域以外,其余的红色区域表示的是强制性要求居民撤离避难的区域。即,本次疏散审判的儿童们所在的区域,如果根据切尔诺贝利核泄漏事故的基准,都是应该受到强制避难的区域。
我们不允许让儿童们置身在如此危险的环境中,应该立即把他们撤离到安全的地方避难——这是我们本次的诉讼目的。

虽然日期还未确定,但是疏散审判的结果马上就能被判决下来。根据本次判决结果的好坏,不仅是14名申诉人得到疏散,福岛县的所有儿童得到集体疏散,还能彻底地重新审视正在面临体内照射危险的全日本儿童们的安全。

在疏散审判的判决前夕,向世人表明全日本,全世界的人们都在支持解救福岛儿童们的审判。通过我们每个人的意愿表达,强烈地支持由审判带来的社会变革吧。

请立即点击 □「赞同」,在网上表明您的赞同意愿。

※只要点击选择赞同就可以。不需要做其它的事情。
※赞同与签名不同,如果已经签名的朋友也请表明您的赞同意愿。
※不能使用手机表明您的赞同意愿,请使用电脑。

Срочное обращение о спасении детей из Фукусима: Поддержим их обращение в суд с требованием о эвакуации.

Применяя стандарт при эвакуации из чернобыльской зоны, уровень загрязнения цезием в городе Корияма, где 14 истцов – детей ходят в школу, на основе данных поглощенной дозы из отчета Министерства образования, культуры, спорта, науки и технологии Японии «о результате анализа радионуклидов в почве (цезий - 134 и 137)», опубликованным 30 августа, можно определить по карте.

Щелкнуть для увеличения

Тут можно видеть только один желтый кружок, который равен уровню загрязнения зоны гарантированного добровольного отселения. А все остальные – красные, где уровень загрязнения сопоставим с зоной принудительного (обязательного) отселения. Это значит, что дети, возбудившие судебное разбирательство против городской администрации, получают образование в районе, где по чернобыльскому стандарту их должны были принудительно эвакуировать. Нельзя позволить оставлять детей в таких опасных условиях, нужно немедленно их эвакуировать – в этом суть настоящего процесса.

Решения суда осталось ждать недолго. Данное решение может привести к эвакуации не только 14 истцов, но и всех детей из префектуры Фукусима, и, более того, коренным образом может быть пересмотрен вопрос о безопасности всех детей Японии, которые подвергаются опасности внутренного облучения.

Присоединяйтесь к нам и покажем, что люди всей Японии, всего мира объединились в поддержке спасения детей Фукусима. Воля каждого из нас поможет добиться справедливости.

Пожалуйста, подтвердите свое согласие прямо сейчас, пометив квадрат □ ниже.

※ Чтобы выразить свою поддержку, достаточно только сделать отметку в квадрате.
※ Просим выразить свою поддержку и тех, кто уже давал подпись, так как это разные процедуры.
※ Выразить свое решение о поддержке можно только через компьютер.

판결전야의 액션: 지금, 후쿠시마의 어린이들을 살릴 피난 소송에 찬동을 표명합시다!

시민의 소리: 코오리야마시에 드리는 건의서 (2011년10월15일)

문부과학성이 8월 30일에 공표한 [토양의 핵종 분석 결과 (세슘 134, 13 7)에 대하여]의 공간선량 데이터에 준하여, 피난 소송을 제기한 14 명의 어린이들이 통학하는 코오리야마 시내의 방사능 오염 상황을 체르노빌의 피난 기준에 적용해보면, 다음과 같은 오염 지도로 나타납니다.

 클릭하여 확대

주민에게 피난(이주)할 권리가 인정되는 이주 권리 지역에 해당하는 노란색 원이 1곳 있을뿐, 그 이외는 모두 주민을 강제적으로 피난 (이주)시켜야하는 이주 의무 지역에 해당하는 빨간색 원입니다. 즉, 피난 소송의 어린이들은 지금 체르노빌 사고였다면 강제적으로 대피시켜야 하는 지역에서 교육을 받고 있는 것입니다.
어린이들을 이런 위험한 상태에 두는 것은 허용할 수 없다, 그들을 지금 당장 안전한 지역으로 대피시켜야만 한다--이것이 이번 소송의 주장입니다.
일정은 미정입니다만, 머지않아 피난 소송은 판결이 내려집니다. 이 판결 의 결과 여하에 따라, 14 명의 신청인의 피난 뿐만 아니라, 후쿠시마현 전체 어린이들의 집단 피난이 실현될 것이며, 내부 피폭의 위험에 노출되어 있는 일본 전체 어린이들의 안전에 대한 근본적인 재검토로 이어질 것입니다.
피난 소송의 판결 전야에 일본을 비롯한 전세계 사람들이 후쿠시마의 어 린이들을 살리는 소송을 지지하고 있다는 것을 밝힘으로서, 우리들 한사람 한사람의 의사로 소송의 의한 개선을 힘차게 지지합시다.
지금 바로, 아래의 "찬동"의 □를 체크하여 인터넷을 통해 소송 찬동을 표명하여 주십시오!
※찬동표명은 □를 체크하는 것 만으로 완료. 그 이상은 필요하지 않습니다.
※찬동은 서명과는 별개의 것이므로, 이미 서명하신 분도 찬동 표명을
해주시길 부탁드립니다.
※휴대폰을 통한 찬동표명은 불가하오니, 컴퓨터를 통해 해주시길 부탁드립니다.

An urgent appeal to save the children of Fukushima! Support their evacuation lawsuit prior to the judgment day.

Voice of citizens: Application to Koriyama city  (10/15/2011)
Voice of Fukushima's parents: Reasons why we are not evacuating voluntarily or not able to do (9/5/2011)

14 children of Fukushima, the plaintiffs of the lawsuit, go to school everyday where the contamination level of radiation is dangerously high.

The map below shows air dose levels of radiation based on the data of “On the analysis of the radionuclide in the soil (cesium 134 and 137)”, announced by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology of Japan, August 30, in which we applied Chernobyl evacuation standard indicated as colored circles.

Click on the map to enlarge it!

Except only one yellow circle indicating a voluntary evacuation area where residents were granted the right to move, all circles are red indicating mandatory exclusion areas where residents were forced to evacuate according to Chernobyl evacuation standard.

The 14 children of Fukushima lawsuit live and go to school in these red areas where if at Chernobyl accident they would have been forced to evacuate by the government. Considering the strict measures the Russian government mandated, the children of Fukushima deserve the same care the Russian children were granted. They should not have to stay in such a dangerous area. They need to be relocated by the government en masse to a safe area immediately.

The verdict of our appeal is expected soon. The judgment will have consequences not only for the 14 children, who are the plaintiffs of the lawsuit, but also for all the children in Fukushima exposed to the danger of internal exposure.

Please join us in appealing people all over Japan, and all over the world in support of the lawsuit to save the children of Fukushima. Please support our action to bring justice to children whose right to safety and survival is unduly violated!

Please click in the check box □ next to “approve” to express your agreement with the appeal of the children.
※ You only have to click in the box □. Nothing else is needed.
※ If you have already signed the written petition you can still click in the “approve” check box as the two petitions are different.
※ This petition cannot be signed using mobile devices. Please use a computer.
※ The four other check boxes are “approve” written in Japanese, Chinese, Korean and Russian.
※ We encourage you to forward the URL of the post to all your friends where ever they may be in the world.

2011年11月14日月曜日

判決前夜アクション:11月23日(水)、「子どもたちを内部被ばくから守るために」松井英介さん講演会とリレートーク&野外ライブ

当日のネット中継をまとめました→こちらから

ふくしま集団疎開裁判の判断を目前に控え、11月23日(水)、放射線医学の専門医で、ふくしま集団疎開裁判でチェルノブイリ事故による健康被害との対比を克明に解説した意見書を作成された松井英介さんから、疎開裁判について講演していただくことに決定(第一部)。続いて、第二部として、リレートーク&野外ライブを実施。

琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏の推薦文
松井先生は内部被曝の危険を具体的に把握されている日本の誇るべき医師です。
松井先生は「見えない恐怖」という本を発行されていますが、この本の中には、松井先生ならではの放射能の被曝を防ぐ具体的な考察にあふれています。
郡山の学童をはじめとする幼児・市民の被曝防止についても、汚染状況に基づく具体的な考察から、命を守るためにどのような対応をすべきであるか、非常に明解な提案をされています。
ふくしま集団疎開の裁判も、松井先生のご提案なしには勝訴を獲得することは望めないほど松井先生のご考察は優れて貴重です。どうか裁判にかかわらない市民の皆さんも松井先生の優れたご賢察を放射線防護に活かしていただきたいものです。(2011.11.17)

日 時 2011年11月23日(水)午前10時開会
第一部 講演会(午前10時~12時)(開場9時30分)
講師:岐阜環境医学研究所 所長 松井英介氏
演題:「子どもたちを内部被ばくから守るために
会場:郡山市男女共同参画センター(さんかくプラザ)2階 集会室
(郡山市麓山二丁目9番1号  TEL 024-924-0900)→地図
定員:先着100名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
参加費:無料
質問:質問用紙とメールで受付。皆さんからの質問にできる限り答えたいので、質問のある方は次のいずれかでお願いします。
 (1)、事前に紙に記入して会場でスタッフに渡す。
 (2)、受付でお渡しする質問用紙に記入してスタッフに渡す。
 (3)、このアドレス(office.sokai@gmail.com)までメールで送る。
ネット中継:USTREAM配信 IWJ_FUKUSHIMA1
※開場のさんかくプラザは今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは下記の連絡先までお願いします。

第二部 リレートーク&野外ライブ(午後2時30分~6時)
会場: JR郡山駅西口広場(JR郡山駅中央口前)
発言者:疎開受入先の関係者(竹野内真理さん〔沖縄・低線量被曝者の会〕・早尾貴紀さん〔山梨・ブログ原発震災関連〕・庄司宜充さん(兵庫・兵庫教区長田活動センター)
    講談師の神田香織さん(東京からスカイプ中継)
    その他地元市民の皆さん
演奏家:リピート山中さん(神戸) 歌織さん(佐渡) 梅北陽子さん(横浜) 稲葉隆一さん(郡山)その他
ネット中継:USTREAM配信 IWJ_FUKUSHIMA1
主催: 「ふくしま集団疎開裁判」判決前夜アクション実行委員会
連絡先:ふくしま集団疎開裁判の会
    代表/井上利男  電話 024-954-7478
    子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国・県への対応部会
    世話人/駒崎ゆき子 携帯 090-2608-7894
    メール office.sokai@gmail.com

2011年11月12日土曜日

講談師の神田香織さん、俳優の山本太郎さんら11名のビデオメッセージを裁判所に提出

11月7日に、講談師の神田香織さん、俳優の山本太郎さんら各界の著名人11名の人たちによる、子供たちが安全な環境で教育を受けられるように裁判所の英断を求めるビデオメッセージを裁判所に提出しました。
以下、その入魂のメッセージです。
神田香織さん

山本太郎さん

2011年11月6日日曜日

命とお金のどちらを優先するのか?10月31日が最終締切りの裁判のご報告

10月11日に相手方郡山市から最終の書面と証拠が提出されたのを受け、10月末までに私たちの最終の反論を提出することになっていました。
この間、多くの方々から、10.15郡山デモへの参加、署名や裁判所へのメッセージなどの支援をいただきました。心よりお礼申し上げます。
10月31日、予定通り、私たちの最終の反論が以下の通り、提出されました。
最終準備書面の補充書 (2)
証拠説明書(6)
提出した証拠(甲70~91

この中で、私たちは、
1、このまま子供たちを郡山市で教育を受けさせた場合に、子供たちに将来発生するであろう深刻な健康被害の具体的な内容を、次の証拠により、低線量被ばくの過去の事例(チェルノブイリ事故、広島・長崎の原爆投下)との対比の中で明らかにしました。
医師の松井英介氏の意見書
ECRR科学事務局長クリス・バズビー氏の論文
名古屋大学名誉教授沢田昭二氏の意見書 など。
2、本年10月初め、ようやく公表されたストロンチウムとプルトニウムの検出結果に基づき、ストロンチウム、プルトニウムが子供たちの健康被害にどのような深刻な影響を及ぼすかを、次の証拠により明らかにしました。
琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏の意見書(2)
3、疎開の必要性・有用性について、除染には限界があること、疎開すれば放射性物質の体内蓄積量が劇的に減少することなどを、次の証拠により明らかにしました。
菅谷昭松本市長の講演『チェルノブイリから学ぶこと』(抜粋)。
神戸大学大学院山内知也教授の「放射能汚染レベル調査結果報告書 渡利地域における除染の限界
疎開によりセシウムの体内蓄積量が劇的に減少することをグラフで明らかにした書面
4、署名も、前回の9月9日以降9988人の署名が集まり、10月末日現在で32,056人の署名を裁判所に提出しました。

私どもの最終の主張を受けて、裁判所はこのあと、まもなく判断を下す予定です。
その際重要なことは、多くの市民の注視がこの裁判に注がれることです。お金より命を優先する正義の判断をすれば、多くの市民がこれを支持してくれるという確信が裁判所の勇気と決断を支えるからです。
裁判所の英断を支えるために、引き続き、一人でも多くの皆さんがこの裁判に注目していただけることをお願い申し上げます。

2011年10月17日月曜日

10.15 ふくしまの子どもを守れ! 郡山集会&デモの報告

予定通り、10月15日(土)に「10.15 ふくしまの子どもを守れ! 郡山集会&デモ」をやりました。
以下は、当日の報告です(テキストと動画。データは入手次第追加)。
◎参加者
 最年長:横浜から88歳男性(郡山駅から郡山市役所まで2.7キロを完歩) 正面  バック  完歩
<全編>
◎動画
 集会デモ   OurPlanetTV編集版(6分30秒)
◎写真
 その1(by HIROSHI UEKI)  その2(by 人見やよい)
<メニュー>
音楽
 関ジョニーさん 動画
裁判報告
 柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判弁護団)  テキスト 動画(7分30秒~) 動画(続き)
ひとことアピール
1.武藤類子さん(ハイロアクション福島) テキスト 動画
2.中手聖一さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 代表) 動画
3.佐藤幸子さん(福島子どものいのちを守る会 代表) 動画
4.橋本好弘さん(須賀川市) テキスト 動画(9分~)
5.菅澤邦明さん(兵庫県南部大地震ボランティアセンター) 動画(10分~)
6.名取知衣子さん(放射能から子ども達を守ろうみさと 代表)テキスト 動画(14分30秒~)
7.酒井恭子さん(会津放射能情報センター) テキスト 動画
8.駒崎ゆき子さん(郡山市議) テキスト 動画(2分~)
9.高畑宅二さん(平和と民主主義をめざす全国交歓会) テキスト 動画(7分~)
10.伊藤ちえさん(郡山から東京へ避難中) 動画(10分~)
11. 渡部貞美さん(船引町自立生活センター) 動画(12分4秒~)
12.福島市渡利に住むお母さん(代読) テキスト 動画(15分~) 動画(続き)
13.山本太郎さん(俳優) 動画(1分~) 動画1  動画2
   デモのあとのコメント
宣言文
 井上利男さん(ふくしま集団疎開裁判の会 代表) テキスト 動画(12分~) 動画(続き)
◎デモ
 開始 動画
 市街 動画
 解散 山本太郎さんのスピーチ(動画)
郡山市への申入書 
 駒崎ゆき子さん(郡山市議) テキスト

2011年10月1日土曜日

10.15 ふくしまの子どもを守れ! 郡山集会→本日、予定通り、実施

――14人の子どもを守る疎開裁判がふくしまの子どもを守る――
   裁判は大詰め、裁判所に私たちの思いを伝えましょう!
   JR郡山駅西口広場 10月15日(土)午後1時スタート

   山本太郎さん、参加決定!
   チラシ→ 「表裏2枚」
   ネット中継→ USTREAM配信 IWJ Fukushima Ch1

ハイロアクション福島・武藤類子さんからの呼びかけ(動画:You Tube)
→ 10月15日郡山集会・デモへの参加
「ふくしま集団疎開裁判」弁護団(柳原敏夫)からの呼びかけ
→ (文)ひとりひとりのつぶやきを大きな声と力に (動画用)核戦争と「レイテ戦記」
各界からの呼びかけ
鎌田慧さん (ルポライター、さよなら原発1000万人アクション呼びかけ人 9・19「さようなら原発集会」
矢ヶ﨑克馬さん (琉球大学名誉教授 内部被曝についての考察
沢田昭二さん (名古屋大学名誉教授 IWJ岩上氏との対談
松井英介さん (医師 岐阜環境医学研究所 所長 【FM797原発災害特別番組】岐阜環境医学研究所所長 松井英介先生に聞く
安斎育郎さん (安斎科学・平和事務所 所長 【福島原発】『レベル7』は妥当か?安斎育郎さんに聞く
生井兵治さん (筑波大学元教授・植物遺伝育種学 5/31ニュースの深層 伊藤洋一さんとの対談「内部被ばく」)

当日の発言者
武藤類子さん(ハイロアクション福島
中手聖一さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 代表)
佐藤幸子さん(福島子どものいのちを守る会 代表)
橋本好弘さん(須賀川)
菅澤邦明さん(兵庫県南部大地震ボランティアセンター)
名取知衣子さん(放射能から子ども達を守ろうみさと 代表)
酒井恭子さん(会津放射能情報センター
駒崎ゆき子さん(郡山市議)
高畑宅二さん(平和と民主主義をめざす全国交歓会
山本太郎さん(俳優)
井上利男さん(ふくしま集団疎開裁判の会 代表)
柳原敏夫さん(ふくしま集団疎開裁判弁護団)
 
 全国のみなさん、3月11日からまもなく7か月、無残な姿を世界にさらす東京電力福島第一発電所の危険な状況はいまだに収束に向かうどころか、まったく予断を許さず、環境に放出された膨大な量の放射性物質による汚染の途方もない拡大が日ごとに明らかになりつつあるありさまです。

 各種ヨウ素やセシウムの広域拡散に続いて、今ごろになってプルトニウムやストロンチウムの広域拡散のごく一端が公表されました。放射線による外部被曝に加え、空中に漂うチリの吸いこみ、飲み水や食べ物による内部被曝の深刻な実態も汚染地域住民の生活と健康に暗い影を投げかけています。

 まるでブラックボックスのような食品流通機構などを通じて、内部被曝の危険は全国に広がりつつあるのではないでしょうか。行き場のない放射性汚泥やがれき、除去残土なども違法に運搬・投棄される恐れもあるはずです。

 市民生活が底知れぬ危険にさらされている一方で、政・官・財・学・メディア一体となった安全キャンペーンが相変わらず繰りひろげられています。9月30日にはあろうことか、事故原発20キロ圏に隣接する福島県5市町村にまたがる避難準備区域が、破壊されたインフラの復旧もなされず、放射能除染も実施されないまま指定解除されました。これは、都市経済圏を形成する福島県中通り地方のチェルノブイリ事故「移住強制区域」「移住権利区域」に匹敵する放射能汚染地帯の住民を放置する棄民政策意志の表れといっても過言ではないでしょう。

 その時、生命・健康を最も脅かされ、最も被害を蒙るのは放射能に対し感受性が高い胎児、乳幼児、そして子どもたちです。今すぐ健康障害が出ないとしても、未来に、少なからぬ確率で彼等に健康障害が発生するのは確実です。このような時、人権侵害を防止する使命を果すのが「人権の最後の砦」と言われる裁判所です。6月、郡山市の14名の子どもたちは、裁判所が原点に帰り「人権の最後の砦」としての使命を果すことを求め、福島地裁郡山支部に、郡山市を相手に年1ミリシーベルト以下の安全な場で教育を実施するよう求める裁判(「(通称)ふくしま集団疎開裁判」)を申し立てました。

 時あたかも、この裁判の判断がまもなく下されようとしています。
 この切迫した状況のなか、準備期間もじゅうぶんでないまま、わたしたちは下記のとおり郡山10月行動に打って出ることを決意しました。というのは、裁判所はいま、裁判の原点に帰り「人権の最後の砦」としての使命を果すのかどうかという試練の前に立っているからです。
 もし、裁判所が勇気を奮って初心を貫いたなら、14人の子どもの命を守るだけではなく、福島県の子どもたちの命を守る判断となるでしょう。そして、この裁判所の勇気と初心を支えるのは、この疎開裁判の正しさを支持する全国、全世界の無数の皆さんの存在にほかなりません。
 10月15日、疎開裁判の正しさを支持する皆さんの声を裁判所に届けて、多くの市民が「人権の最後の砦」である裁判所と共にあることを示そうではありませんか。この日、皆さん一人一人の参加と声が14人の子どもたちの裁判の行方を決めます。そして、皆さん一人一人の参加と声が福島県の子どもたちの行方も決めます。
 どうか、全国のこころあるみなさんのご賛同、ご支援、ご参加をお願いいたします。
                記
名称: 「ふくしまの子どもを守れ! 郡山デモ」
会場: JR郡山駅西口広場(JR郡山駅中央口前)
日時: 2011年10月15日(土) 13:00~15:00
アクセス:
電車=>JR郡山駅中央口を出た目の前。 
       車=>郡山市役所駐車場 路線バスで「市役所」から郡山
       駅下車(10~15分)。
ネット中継:USTREAM配信 IWJ Fukushima Ch1

・ のぼり、バナー、プラカード、ポスター、ゼッケンなどを用意して集合。
・ 音楽ライブ♪ メッセージ、宣言に思いを込めて、デモに・・・!
・ 小雨決行(大雨中止) 雨具、それに被ばく対策! 各自ご用意ください。
・ 子ども・妊産婦の参加は、申しわけありませんが、ご遠慮ください。

主催:「ふくしまの子どもを守れ! 郡山デモ」実行委員会
    連絡先:080-3195-0229(黒田) 090-2608-7894(駒崎)
        yuima21c@gmail.com(井上)
共催ハイロアクション福島原発40年実行委員会
   子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
   子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
   ふくしま集団疎開裁判の会
   会津放射能情報センター
   兵庫県南部大地震ボランティアセンター
   はっぴーあいらんど☆ネットワーク
   食政策センター ビジョン21
   福島原発事故からいのちと食を守るネットワーク
   こども東葛ネット
   動的平衡基金
   チェルノブイリ救援・中部
   にいがた有機農業推進ネットワーク
   食の安全と環境を考える会
協賛:脱原発福島ネットワーク
                           文責:井上利男・柳原敏夫

バズビー博士支援基金 について

1、 バズビー博士支援基金発足の経過
 本年9月9日に私たちは最終準備書面を裁判所に提出しました。その中で指摘した重要な主張の1つが、以下の通り、ストロンチウム90等による内部被ばくの危険性でした。

 6月6日、原子力安全・保安院公表のデータ(13頁表5)によって、福島原発から大量のストロンチウムとプルトニウムの放出が判明した。
 しかし、ストロンチウム等の汚染状況について、4月12日、文部科学省が福島県で3月に採取した土壌と葉物野菜からストロンチウム90等を検出したと発表したきり、それ以後(海や原子力発電所敷地内は除いて)福島県内について検出の情報はない。しかし、これは明らかにおかしい。通常、セシウムが検出される時その一定割合でストロンチウムが検出されるが、福島県でその後もセシウムは検出されているのにストロンチウムだけ検出されない筈はないからである。真実は、その後、福島県内で、きちんとストロンチウムの検査を実施していない可能性が高い。
 その結果、福島県内の土壌と野菜にはストロンチウム90等で汚染されている可能性が極めて高く、3月11日以後も「地産地消」を変更せずに学校給食を実施した郡山市をはじめ福島県内の子供たちは、学校給食でストロンチウムで汚染されている野菜を食べ、摂取したストロンチウムによる内部被ばくの危険にさらされている可能性が高い。
最終準備書面15~18頁)

 この問題を解明するためには、早急に福島県内におけるストロンチウム90等の汚染状況を検査により確認する必要があります。しかし、日本政府は終始一貫、この検査をやろうとしません。というのは、3月17日に国が示した暫定規制値では、「ヨウ素」、「セシウム」、「ウラン」並びに、「プルトニウム及び超ウラン元素」が規制の対象で、「ストロンチウム」は対象外とされているからです。しかし、主要な放射性物質による内部被ばくの危険度は、プルトニウム239>ストロンチウム90>セシウム137>ヨウ素131の順であることは放射線生物学の常識です。にもかかわらず、日本政府は、ヨウ素とセシウムしか検査・公表していないのです。
 他方、本年7月に「ふくしま集団疎開裁判」支援のために緊急来日した欧州放射線リスク委員会(ECRR)の科学事務局長クリス・バズビー博士は、つとに、ストロンチウム、ウラン、プルトニウム等の放射性物質の検査の必要性を強調され、採取した自動車のエアフィルター、土壌、水のサンプルをイギリスに持ち帰りました。しかし、検査には多額の費用(約50万円)がかかるため、バズビー博士から検査費用の支援の要請がありました。
 そこで、本年8月29日、バズビー博士の友人であり、本疎開裁判の協力者の一人でもある森田玄さんが、この検査費用の捻出のために窓口となる場を立ち上げました。これがバズビー博士支援基金です。この基金に集められた募金はそっくり、バズビー博士らが1992年に設立した環境NGO「グリーン・オーディット」 の口座に送金されています。

2、バズビー博士支援基金の現状
 バズビー博士支援基金には、その後順調に、検査費用のための募金が集まり、森田さんの報告によれば9月20日現在で266,500円で、これらは「グリーン・オーディット」の口座に送金され、バズビー博士も確認済みです。
 言うまでもなく、検査を実施した結果は、分かり次第、バズビー博士から報告を受けることになっています。
 私たちも、疎開裁判の中で、福島県内におけるストロンチウム90等の汚染状況を証明したいと思い、いま、その検査結果を待ち望んでいるところです。

2011年9月19日月曜日

【ご注意】日本語のサイト「バズビー研究所」および「CBFCF」について

【ご注意】ふくしま集団疎開裁判の会は、日本語のサイト「バズビー研究所」および「CBFCF(Christopher Busby Foundation For Children of Fukusima)」とは一切関係がありません。また、「バズビー研究所」はECRR(欧州放射線リスク委員会)のクリス・バズビー博士が英国で主催するものです。現在、日本に「バズビー研究所」が実在するわけではありません(2011年9月19日)。

裁判の最終段階を迎え、皆さんへ最後の支援のお願い:10月末が最終締切り

10月11日に、相手方郡山市から最終の書面と証拠が提出されました。同日、裁判所から、これに対する私たちの最終の反論を、10月末までに提出するように連絡がありました。
そののちに、裁判所は判断を下すことになるものと思われます。

従って、これまで何度か区切りを設けて、皆さんにお願いしてきた署名、メッセージ(報告書)も10月末を最終の締切りとしたいと思います。
それまでの間、引き続き、皆さまのご協力をお願いいたします。

******************************
6月24日に郡山の裁判所に仮処分の申立をしてから、3ヶ月近くが経過しました。
そこで、この間の裁判のまとめをしました。
裁判のまとめ(要約版・詳細版)」

また、この間、債権者と債務者の双方から裁判所に提出された書面の一覧がネットでアップされたので、リンクを張りました。
提出書面の一覧

「裁判のまとめ」に述べられている、双方の主張と反論をご覧になって、皆さん、どう感じましたか。十人十色で、様々な感じ方があり得ると思います。
少なくとも私にとって、債務者の郡山市は、郡山市民である債権者からの主張に対して、何ひとつ真正面から答えてないのではないか、とりわけ転校の自由があるのだから、危険だと思えば引っ越せばよいという「転校の自由論」は、ふくしまの現実を見ない残忍酷薄な暴論と思わざるを得ません。

司法の根本理念である正義公平が実行されるのであれば、これまでの両者の主張・立証からして裁判の結論は明白です。

しかし、正義公平の理念は債権者たち一部の市民が掲げるだけでは不十分です。より多くの市民が支持し、これを掲げることによって、初めてその理念が力を持つのです。そして、それが裁判の結論に反映します。

今、疎開裁判は最終段階を迎えています。債権者と代理人は勝利を確信していますが、それが現実に実現するかどうかは、正義公平の理念がより多くの市民の手で掲げられるかどうかにかかっています。

私たちがこの裁判で明らかにしたことをくり返します。
1、子供たちは、3月の事故以来8月末までの積算値が7.8~17.16mSvに達するような環境で、教育を甘受しなければならないのでしょうか(甲54報告書(2))、
2、子供たちは、今後、チェルノブイリで、郡山市と汚染度が同程度の地域で発生した次の健康被害を甘受しなければならないのでしょうか(甲49矢ヶ崎意見書4~5頁)。
(1)、5~6年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増し、9年後の1995年には子ども10人に1人の割合で甲状腺疾病が現れた。
(2)、がん等の発症率は甲状腺疾病の10%強の割合で発病、9年後には1000人中13人程度となった。
3、子供たちは、チェルノブイリ事故による住民避難基準に基づいて作成された郡山市中心部の「土壌汚染マップ」(甲55の2)によれば、次のような避難指定地域で教育を甘受しなければならないのでしょうか。
 債権者らが通う7つの学校のうち、
(1)、2校が移住義務がある移住義務地域(土壌汚染マップの赤丸)に該当
(2)、4校が住民に移住権がある移住権利地域(土壌汚染マップの水色丸)に該当
4、結論
 このような異常な環境を認識し、異常な健康被害を予見しながら、債権者らをこのまま被ばく環境に置くことは本来、絶対に許されない。

これが万人の認めざるをえない真理であることを裁判所に伝えるのは、万人を構成する、この裁判を支援する市民の皆さんのひとりひとりの声以外にありません。

どうか、皆さんのひとりひとりの声を、署名、メッセージ(報告書)‥‥様々な方法で裁判所に届けていただくよう、ご支援をよろしくお願いいたします。

2011年9月11日日曜日

9月9日第4回裁判(第3回審尋期日)のご報告

 平成23年9月9日午後4時40分より、福島地方裁判所郡山支部において第3回の審尋期日が開かれました。当方からは債権者2名と代理人弁護士3名が出席しました。

 これに先だって相手方から前回の当方の釈明に対して回答する準備書面が提出され、当方から最終準備書面とその内容を裏付ける証拠を提出しました。
 当方の主張・証拠の内容の概要は次の通りです。
1、相手方の準備書面1に対する反論(仮処分を認める「保全の必要性」があるかなど)
2、現在、一部に「被ばくの事態は基本的に収束した」という雰囲気があるが、それは現時点における外部被ばく(空中線量)の測定値が徐々に低下しているという点だけ見て導き出した誤った認識であり、「低線量被ばくの危険性」を真にリアルに正しく把握するためには、
(1)、現時点だけではなく、3.11以来今日までの被ばくの積算を考えること、
(2)、外部被ばくのみならず内部被ばくの危険性を考えることが不可欠である。

この観点から、8月30日、文科省から各地のセシウムの土壌汚染の測定(6月6日~7月8日)の結果が公表され、これによりチェルノブイリ原発事故とのより具体的な対比が可能となりました。本書面では、
①.セシウムの土壌汚染が郡山市と同程度の地域(ウクライナのルギヌイ地区)に着目し、同地域で、子供にどのような健康障害(甲状腺疾病と甲状腺腫)が発生したかというデータを用いて、低線量被ばくにより今後、郡山市の子供たちの間で、どのような健康被害が、どの程度発生するのかを予測しました。
→ 5、6年後から甲状腺疾病と甲状腺腫の双方が急増、9年後に、子ども10人に1人の割合で甲状腺疾病が発病。がん等の発症率は甲状腺疾病の10%強の割合で発病、9年後には1000人中約13人。
②.チェルノブイリ原発事故では、セシウムの土壌汚染濃度に基づいて、4つの避難基準(特別規制地域・移住義務地域・移住権利地域・放射能管理強化地域)が設けられましたが、このチェルノブイリの避難基準を、郡山市の債権者ら通う学校周辺のセシウム土壌汚染濃度に当てはめた時、どのような結果が得られるかを明らかにしました。
→殆どの学校が、チェルノブイリの避難基準の、避難を義務づけられる移住義務地域か、避難を希望する場合には国がそれを保障する移住権利地域に該当。

 また、証拠として、
(1)、債権者の親の方から「なぜ自主避難しないのか、できないのか」 という陳述書、
(2)、土壌汚染濃度に着目して、郡山市と同程度の汚染程度にあったチェルノブイリのルギヌイ地区における健康被害との比較や内部被ばくの危険性について解説した琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬氏作成の意見書
(3)、チェルノブイリ原発事故による健康被害について、2006年にウクライナ政府が発表した公式報告書
(4)、3月16日までに、福島第一原発の1号機から3号機において、大量のプルトニウムとストロンチウムが放出していたことを試算した原子力安全・保安院公表(6月6日付)のデータ、
などを提出しました。

 さらに、全国・全世界から集まった署名についても提出しました。これまでに22,068通の署名をお寄せ頂いており、裁判所と郡山市に提出しています。さらに、皆さんの思いを記した陳述書も証拠として提出しました。

 これに対し、郡山市としては当方の最終準備書面に反論したいとの希望を出し、裁判所もこれを認め、10月7日までに反論の準備書面を提出することになりました。その内容によっては、こちらが再反論をする機会を求めるかもしれませんが、おそらく、郡山市の準備書面を最後として、裁判所が決定を出すことになると思います。その時期としては、「速やかに」とのことですが、恐らく10月末頃になるのではないかと思われます。
 
 審尋期日を実施するのは、さしあたり、今回で最後となりました。
 今後、政府・行政の動きを注視すると共に、裁判所の判断に注目したいと思います。また、署名・陳述書についても、少なくとも10月7日までは集めて、裁判所に届けて、裁判所の判断の最後の後押しになればと考えておりますので、宜しくお願いいたします。
 今後とも、引き続きご注目とご支援をお願いいたします。

2011年9月10日土曜日

「陳述書」作成のお願い

これまで署名についてお願いして参りました。皆さんにご協力いただき、これまでに合計2万2000人以上の署名が全国・全世界から集まって、裁判所と債務者郡山市に届けています。
署名について、債務者の書類の提出期限である10月7日までに集まった署名について、裁判所と郡山市に提出したいと思いますので、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

また、署名とは別に、裁判所に陳述書を提出したいと考えております。といいますのは、郡山市は現在は空間線量が下がってきている、また自主避難が可能であるから集団での疎開は必要がないなどと主張しており、裁判所が安易にこのような判断に流れないようにする必要があるからです。
決して過去の問題ではなく、今まさに起きている危機から子どもたちを守る必要があるということについて分かってもらうためには、現在皆さんが抱いている危機感を裁判所に伝える必要があります。

その方法が「陳述書」です。
表題は「陳述書」としていただき、裁判所に是非伝えたいこと等思いの丈を綴っていただいた上で、①書いた日付を書き、②住所・氏名を書いて、③印鑑(認め印で結構です)を押してください。これで「陳述書」としては完成となります。文書は手書きでもかまいませんし、パソコンで作成してもかまいません。ただ、署名は手書きで書いていただければと思います。便せんでも白紙に書いていただいても用紙は問いません。
形式張っていて申し訳ありませんが、裁判所に提出するものですのでご理解いただければと思います。

その上で、作成した陳述書は安藤法律事務所(弁護士安藤雅樹)宛ご送付ください。
ファックスの場合は0263ー39ー0700、郵送の場合は長野県松本市蟻ヶ崎1ー3ー7、メール添付の場合はm-ando@po.mcci.or.jpまでお願いいたします。
期限は署名と同様に10月7日までとします。
特に福島県や近県にお住まいの方、是非ともお願いできればと思います。勿論それ以外の場所にお住まいの方も大歓迎です。

皆さんの熱い思いを裁判所に伝えることが、最終盤を迎えた裁判を動かす力になりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2011年8月27日土曜日

8月26日第3回裁判(第2回審尋期日)のご報告

 平成23年8月26日午後4時30分より、福島地方裁判所郡山支部において第2回の審尋期日が開かれました。当方からは債権者3名と代理人弁護士3名が出席しました。

 これに先だって債務者郡山市から当方の主張に対する反論の準備書面が提出されております。
 内容は郡山市としては十分な対応を行っている、現在の線量は徐々に少なくなっているため避難する緊急性必要性は認められない、また自主避難する自由はあってそれを妨げることはないのであるから申立を認める緊急性必要性はなく、また被保全権利も認められないなどというものです。

 まず、債務者郡山市からの申立の趣旨が明確でないという指摘については、裁判所からは現在の特定としては大きな問題はないのではないか、議論もかみ合っていないわけではないのではないかという見解が示されました。
また、債務者郡山市は、本件は行政処分を求めるものであって民事仮処分での申立は認められないという主張を従前は行っていましたが、この主張については撤回するということになりました。
これにより、入り口論で却下される可能性は少なくなったものと判断されます。

 当方からは、債務者郡山市が今回提出した、文科省の指示に基づいて郡山市などの学校で行われた測定結果に関し、測定方法及び結果に関する疑義について債務者に問いました。
 また、上記測定結果があくまでも現時点のものであって、過去の累積についてのデータを何ら考慮していないことなどについて指摘しました。
 その結果、債務者において、測定の方法および計算方法等について確認して資料を提出することとなりました。

 次回は2週間後の9月9日午後4時40分から同じく郡山支部で期日が開かれます。
 次回が最終の期日となる予定であり、これに向けて相手方の主張に対する反論の準備書面を準備したいと考えます。
 最後の大きな山場となりますので、引き続きご注目とご支援をお願いいたします。

2011年8月25日木曜日

8月26日第3回裁判(第2回審尋期日)のお知らせ

 東日本大震災後次々に事故を起こした東電福島原子力発電所は放射能を空に海に放出し、5ヶ月過ぎるいまでもいつ終息するか分かりません。私たちは1時間あたり1.02~1.0マイクロシーベルトの空中放射線量の中で被曝を気にしながら生活をしています。特に放射線の影響を受けやすい、未来ある子どもたちへの影響を心配しています。福島県では、夏休みに入り自主避難などで福島の地を離れている子どもたちも多くいます。しかし、依然、大多数の子どもたちと親は、いろいろなりゆうで思い悩み不安な日々を送っています。自主避難をしたくてもできない家庭も多く、避難するか否かを各家庭の判断に任せるべきではないと考えます。今回、14人の勇気ある原告が郡山市を相手に「1mSv/年以下の安全な場所で教育を実施することを求める仮処分」を申し立てしました。そして第3回の裁判(審尋)が8月26日(金)にあります。
 つきましては、下記日程に、多くの皆様に裁判所にお集まりいただきご支援いただくと共に、この裁判を注目している市民が沢山いることを裁判所に分かっていただくことにより、迅速に、疎開を認める裁判所の判断が可能となります。裁判の行方はまさに皆さま一人一人の手にかかっています。
どうか、皆様のご協力、ご支援をお願い申し上げます。
                   記
日  時   2011年8月26日(金)午後4時集合
場   所   福島地方裁判所郡山支部 隣麓山公園入り口広場
      (郡山市麓山一丁目347番)
スケジュール 午後4時から集会
       午後4時30分 裁判(審尋)
       裁判終了次第(5時~5時半)労働福祉会館で記者会見
       二階 中ホール(郡山市虎丸長7番7号 TEL024-932-5279)

連絡先    ふくしま集団疎開裁判の会
       代表  井上 利男  電話 024-954-7478
       子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク 国、県への対
       応部会 世話人駒崎ゆき子 携帯電話090-2608-7894
       ふくしま集団疎開裁判 ブログ

2011年7月20日水曜日

7月19日第2回裁判(第1回審尋期日)のご報告

 第1回の審尋期日が7月19日午後4時30分から福島地方裁判所郡山支部で開かれました。
債権者(申立人)は、債権者親権者5名と代理人弁護士3名が出席し、相手方である郡山市側は代理人弁護士2名が出席しました。当方からは前回以降新たに集まった5000近くの署名を提出しました。

 郡山市から当方の申立書に対する答弁書が提出されました。その内容は、以下の理由などから、訴えの却下を求めるというものです。①申立書記載の「請求の趣旨」は、抽象的である。②請求の趣旨に記載された措置は公権力の行使そのものに該当する行為を求めており、民事保全法上の仮処分は認められない。③郡山市内において教育活動を実施すること自体に起因して、児童生徒の健康にどのような影響が生じるか明らかでなく、保全の必要性がない。④債務者は年間1ミリシーベルト以下を目指すため表土除去工事・校舎周辺の除染活動・屋外活動の時間制限などの放射線量軽減化措置をとっており、被曝線量が軽減化されているから、保全の必要性・緊急性が認められない。

 しかしながら、申立人の主張する請求の趣旨は十分具体的であり、また申立人らの提示する申立の趣旨はあくまで債権者個別の疎開措置であって、申立の趣旨自体で集団疎開を求めているわけではなく(認容決定を受けて、事実上郡山市が集団疎開を決断することを期待はしておりますが)、その点で相手方(郡山市) の主張は当を得ないものであります。ただ、この点についての誤解が生じないよう、申立の趣旨の一部の訂正をしたいと考えております。
 それを受けて相手方(郡山市)が上記答弁書の主張を見直し、再度主張を整理することとなります。
 そして、その上で当方から上記主張に対する反論をすることになります。

 答弁書によって郡山市の姿勢は明らかになりました。それは、門前払いを狙うことと、既に郡山市の行っている措置は十分なものであり疎開させる必要性がないというものです。しかしながら、現実には郡山市における空間線量は年間1ミリシーベルトに達するレベルが継続しており、実際に健康被害も生じ始めているのですから、その主張は空虚なものといわざるを得ません。
 郡山市の真摯な対応を引き出すべく、効果的な反論を加える必要があります。
 次回の審尋期日は8月26日午後4時30分から開かれ、次々回の審尋期日は9月9日午後4時40分から開かれる予定です。
 引き続き、裁判へのご注目と応援を宜しくお願いいたします。

2011年7月14日木曜日

ネット署名を始めました

子どもたちの集団疎開の決定を求める署名が携帯からでもパソコンからでもできるように、ネット署名を始めました。よろしくお願いいたします。

署名用紙

2011年7月11日月曜日

ECRR科学事務局長クリス・バズビー博士の日本講演スケジュール(7月17~21日)

ECRR(欧州放射線リスク委員会)の科学事務局長クリス・バズビー博士が7月17日に来日し、20日まで次のようなスケジュールで講演を行います。
 主催:ふくしま集団疎開裁判の会
     こども東葛ネット
     会津放射能情報センター
     放射能から子どものいのちを守る会・会津
     子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク
     としま放射能から子どもを守る会     

※日本語への逐次通訳がございます。
※当日、会場にお越しできない市民のためにリアルタイムでネット中継します。
※当日の講演をより正しく理解するために、事前に、以下の文献に目を通されることが有益です。是非、一読下さい。
  「美浜の会」ECRR2010翻訳委員会の「まとめ」(2011.5.14)
  矢ヶ崎克馬「隠された被爆」(2010.7.25 新日本出版社) 
※時間などの詳細は、決まり次第本ブログにて発表します。 

  1. 2011年7月17日(日)午後4時~8時(開場3時50分)
    対話者:矢ヶ崎克馬 琉球大名誉教授(ただし、スカイプ中継による参加)
    東京 会場:早稲田奉仕園 スコットホール講堂
    (新宿区西早稲田2丁目3−1 地図
    定員:先着200名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
    参加費:1000円
    ネット中継:USTREAM配信 OurPlanetTV
           USTREAM配信 IWJ Ch2
    連絡先:メール office.sokai@gmail.com
    早稲田奉仕園は今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは上記メールまでお願いします。
    ※駐車場の用意はございません。会場周辺の有料駐車場をご利用ください。

  2. 2011年7月18日(月)午後1時半~4時半(開場1時)
    千葉 会場:松戸商工会館 5F大会議室
    (松戸市松戸1879-1 地図
    定員:先着200名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
    参加費:無料
    ネット中継:USTREAM配信 IWJ Ch2
    連絡先:メール expose2011@mail.goo.ne.jp
    松戸商工会館は今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは上記メールまでお願いします。
    ※松戸駅西口より徒歩6分。駐車台数に限りがありますので、出来るだけ公共の交通機関をご利用ください。

  3. 2011年7月19日(火)午後6時半~9時(開場6時)
    対話者:沢田昭二 名古屋大名誉教授
    福島 会場:「アピオスペース」展示ホール
    (会津若松市インター西90番地 地図・駐車場
    定員:先着250名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
    参加費:無料
    ネット中継:USTREAM配信 IWJ_FUKUSHIMA1
    連絡先:0××-××××-××××(×× ただし、会津若松講演会に関してのみ)
    アピオスペースは今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは上記携帯までお願いします。

  4. 2011年7月20日(水)午後2時~4時半 4時(開場1時半)
             ※終了時刻が4時に変更になりました。
    東京 会場:千代田区立内幸町ホール
    (千代田区内幸町1-5-1 東京電力東京本店前 地図
    定員:先着183名(事前予約はしていません。当日会場にお越しください)
    参加費:1000円
    ネット中継:USTREAM配信 OurPlanetTV
           USTREAM配信 IWJ Ch2
    連絡先:office.sokai@gmail.com
    千代田区立内幸町ホールは今回の講演会とは関係がありませんので、問い合わせは上記メールまでお願いします。

ECRR(欧州放射線リスク委員会)科学事務局長クリス・バズビー博士の来日決定(今月17~21日)とカンパのお願い

 被ばくによる健康被害について、日本政府はもっぱら国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告した基準をもとに安全基準を考えてきましたが、しかし、この基準は大変問題のあるものでした。
なぜなら、それは「内部被ばくの危険性」を殆ど考慮しておらず、「核・原子力開発のためにヒバクを強制する側が、それを強制される側に、ヒバクがやむをえないもので、我慢して受忍すべきものと思わせるために、科学的装いを凝らして作った社会的基準であり、原子力開発の推進策を政治的・経済的に支える行政的手段」(中川保雄「放射線被曝の歴史」)だからです。
 しかし、このことを正面から指摘する科学者集団は長い間、存在しませんでした。1997年、ようやくそれが出現しました。欧州放射線リスク委員会(ECRR)です。その初代の議長は、1958年に世界で最初に低線量被曝問題(妊婦のX線撮影により小児ガン・白血病の増加)を発見した英国のアリス・スチュアートでした。
 つまり、ECRRは、それまで国際的権威とされてきたICRPの基準に対して、その非科学性を最も徹底して追及してきた唯一の国際的な科学者団体でした。そのECRRの科学事務局長をつとめるクリス・バズビー博士が英国から来週17日(日)に来日が決定しました。
 この来日を機会に、バズビー博士に、
(1)、昨今、放射線 「正しく恐れよう」と称して間違った安全神話を流布する学者先生たちがあとを断ちませんが、真に科学的にみたとき、被ばくの危険性はどう考えるべきか、
(2)、ICRPの基準は真に科学的な立場からみた場合、どう評価されるべきか。
(3)、ECRRの基準に従えば、今、福島原発事故によって住民は、今どのような被ばくの危険性にさらされているか。
など、現在最も緊急かつ切迫した課題について、講演の予定です。

 日常的な毒や事故と異なり、「放射能は見えない、臭わない、味もしない、理想的な毒です」(アーネスト・スターングラス博士)。言い換えれば、私たちは放射能を市民の日常感覚で考えてはいけないのです。放射能は、日常感覚で考えたとき、取り返しのつかない間違いに陥る恐ろしい毒です。だから、この問題では、市民は自らの身を守るためには、科学の素人といえども、日常感覚を脇に置き、科学的認識に向かうしかありません。

 ところが、日本には、ICRPを筆頭にして、科学者の背広を着たいかがわしい人々が市民の周りに数限りなく存在していて、「100ミリシーベルト以下なら安全」などという非科学的で有害な言説を放射線のごとく振りまいています。
 そこで、放射線のみならず、放射線安全基準の言説でもすっかり汚染されている日本において、市民が日常感覚を脇において、真に適切な科学的認識に向かうために、ECRR科学事務局長のクリス・バズビー博士の講演が極めて有益なものであると確信します。

今回、英国からバズビー博士の来日にあたっては、皆様の支援を必要としています。どうか、寄付、カンパをよろしくお願いいたします。    

2011年7月7日木曜日

ひとりでも多くの市民の「つぶやき」を福島地方裁判所郡山支部へ

 6月24日に提訴された「ふくしま集団疎開裁判」は7月5日に第1回の裁判がありました。その日までの数日間に、日本のみならず世界中から3000名の署名が集められ、裁判所に提出しました。
 この日の裁判で、裁判所は世界で初めての疎開裁判を「門前払い」とせず、「本格的な審理」に入る姿勢を明らかにしました。
 これは、福島県の子供たちがいま置かれている「被ばく」という極めて危険な現実に真正面から取り組もうとしたもので(今、どこにそんなまともな為政者がいるだろうか)、それは「真実から目を背けない」という裁判の原点に帰ったものです。それを可能にしたのはまずは裁判官の良心と勇気ですが、同時に裁判官の背中から後押した、ごく短期間に世界中から寄せられた3000名もの署名者たちの「つぶやき」でした。

 今から50年以上前、のちに冤罪事件の代表例とされた八海事件、松川事件で「真実を明らかにせよ」という世論の大きな声が沸きあがったとき、時の最高裁長官田中耕太郎は「世間の雑音に耳を貸すな」と訓示を足れました。しかしこの言葉には語られざる後半部分がありました。「政府、最高裁、財界の本音には耳を澄ませ」と。
 元々、裁判官は日常的に「政府、最高裁、財界の本音に耳を澄ま」すよう強いられています。例えば、原発差止裁判も、稀な例外を除いて、みな「政府、最高裁、財界の本音」を反映したものばかりでした。だから、本来であれば、「世間の雑音」が世におこって、それが裁判所に届けられて、かろうじて、正常な「様々な声の多様性」が確保されるのです。そして、多くの裁判官は、そうした「世間の雑音」を接したとき、初めて心安んじて、自分の良心に従った判断に従うことができるのです。

この集団疎開裁判も同様です。「本格的な審理」を進める中で、裁判官の良心と勇気は今後、様々な圧力を受けることでしょう。そのような困難な状況の中で、裁判官の良心と勇気を支えるのは、「真実から目を背け」ては、己の生命・健康を守ることができない福島県など多くの地域で被ばくした人たちです。そして「真実から目を背けない」ことの大切さを身を持って知っている世界中の市民の人たちです。

皆さん、裁判官が最後まで自己の良心と勇気を保って判決(決定)を書けるように、その日まで、世界中の皆さんの裁判を支援する「つぶやき」を裁判所に発信して行こうではありませんか。どうぞ、引き続き、皆さんの署名をお願い申し上げます。
                              (文責 柳原 敏夫)