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2014年10月17日金曜日

【8.29提訴の紹介記事】みやぎ脱原発・風の会の会報「鳴り砂」に掲載

8月29日の提訴の記事が「みやぎ脱原発・風の会」の会報「鳴り砂」2-072号(通巻251号・2014.9.20発行)に掲載されました。


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       子ども脱被ばく裁判が始まりました

2011年8月に緊急に福島地裁郡山支所に仮処分申請(提訴)した「ふくしま集団疎開裁判」は、2012年10月に仙台高裁での第二審が始まり、当初の予想を裏切り2013年4月までかかって最終決定(判決)がなされました。子どもたちの安全な場での教育の権利を保障し、学校ごと集団で避難して教育を受けることを求める取り組みを続けてきましたが、一つの節目を迎えることとなりました。
仙台高裁は、郡山市の子どもたちが暮らす場では、放射能被害の可能性は避けられないと認定したにもかかわらず、自治体には疎開して安全な教育の場を確保する責任は、ないと判断しました。被害を避けたければ勝手に逃げろという、通常では考えられない無責任な決定でした。到底納得できない内容に、さらなる取り組みが始まりました。
その一つは、集団疎開のモデルケースともなる「まつもと山村留学(まつもと子ども基金)です。福島の子どもたちが松本市郊外の自然豊かな場所に立地した、基金の提供する寮に移り住み、地域の小学校に通っています。 
 
そして今年、8月29日には新たな裁判「子ども脱被ばく裁判」が、原告86名(子ども人権裁判と親子裁判で延べ110名)が福島地方裁判所に訴状を提出し、受理されました。みやぎアクション秋のつどいでお話しいただく、井戸謙一弁護士が弁護団長となる第二次提訴の出発です。第一次提訴が郡山市に仮処分を求める緊急の裁判であったものから、一歩進んで国・県・市町村を相手どり、広く原告を募って行われる、満を待した本格提訴です。福島の小中学性が原告となる「子ども人権裁判」と、被災当時18歳以下の子どもとその親が原告となる「親子裁判」の2つからなる裁判です。
「子ども人権裁判」は、福島県の小中学校に通う児童生徒が原告となります。地元の市町村に対し、年1ミリシーベ ルト以下の安全な環境で教育を受ける 権利があることの確認を求める裁判です。
「親子裁判」は、原発事故当時に高校生以下の子どもまたは原発事 故以後に生まれた子どもで、原発事故以後に福島県で被ばくをした子どもとその保護者(自主避難者含む) が原告となります。国と福島県に対し,国や福島県には子どもたちの健康を守る義務があるのに、原発事故のあと、子どもたちを被ばくから守ろうとせず、無用な被ばくをさせ、子どもとその保護者に筆舌に尽しがた い精神的苦痛を与えたことを理由とする慰謝料(10万円)請求の裁判です。単に慰謝料を得ることよりも、被害に対しての施策を受ける権利を明らかにし、今後の体制の整備につなげようという主旨です。
この裁判では、国や県をも訴えるわけですから、相当の反論を用意してくることが予想されます。私たちはこの抵抗に対して、広く市民の理解と支援を得て闘ってゆくことが必要です。原告の方たちの権利を勝ち取ることに留まらず、現に放射能被害に晒されているすべての人、そして将来原発事故が起こってしまった際に、被害を受けてしまう可能性のある人、つまりすべての人の安全を保障できる社会体制を構築するための、第一歩となる取り組みとなります。 
 
かつて、薬害エイズ裁判は、7年間の闘争の末18年前に和解にこぎつけ、すべての人が当事者となる可能性のある薬害とHIV感染について、一定の社会体制の構築につながる成果をもたらしました。これは、多くの被害を受けた人たちの努力と、これに自分ごととして共感した全国の市民による運動が展開されたことで、はじめて実現したものです。
みなさんのご理解を得ることから、さらに周囲の方に運動を広げていただき、全国民的・世界的なムーブメントを湧き起こす契機としてください。原告となってくださる方に呼びかけてください。日常生活で出会うあらゆる人に裁判を知らせてください。そして、市民が安全を判断するに足るだけの十分な情報開示を実現し、子ども被災者支援法が正当に運用され、誰もが自分の判断で主体的に行動できる、自分たちの安全を守ってゆける社会を、ともに作ってゆきましょう。どうかお力をいただけますように
                             小浜耕治

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