告知

告知 ①12.14(第2土曜日)新宿アルタ前 街頭宣伝 14時~15時  ~「東海第二原発いらない一斉行動」第14弾に参加~

2016年4月29日金曜日

ちばてつやさんイラストの新しいチラシ

ちばてつやさんが新しく描いて下さったイラストでプラカードを作成しましたが、
5月1日のメーデーなどに配布するようにこのイラストを使った新チラシを作成しました。

代々木公園のメーデー集会にて配布の予定で、以後、街宣等で配布いたします。

また、各地にて配布していただける方はご連絡いただければ送らせていただきます。
福島原発事故から5年がたち、放射能による健康被害は顕著になってきていますが、それに反比例するように「放射能安心安全キャンペーン」が一層強まっています。
街頭宣伝にてチラシをお渡しすると殆どの方が「本当ですか?」と驚かれます。
真実の情報をより広く伝えることが大変重要になっています。

よろしくお願い申し上げます。

 20160425チラシおもて

 20160425チラシ裏

4月24日(日)チェルノブイリ事故から30年 新宿街宣



 「福島原発事故を経験した私たちの未来は、原発事故の起源=チェルノブイリにある。今、チェルノブイリの事故を考えよう!」とやってきた新宿通りのホコ天は、夜半からの雨も上がった424日(日)のこの日、自動車が普段通り行き交う通りだった。なぜホコ天でないの??? 
 急遽、街頭行動を新宿東口のアルタ前に変更した。
 若者が行きかうアルタ前の一角の石垣の壁を借りて、メンバーは飛田晋秀さんの写真を立てかけ、ちばてつやさんが直筆で、脱被ばく実現ネットに描いてくださった新しい絵やプラカード、チェルノブイリ原発事故と福島原発爆発事故による放射能汚染地図、赤ちゃんの写真による放射能核種の人体への影響ポスター、汚染地に暮らした人々に現れている被害、311福島原発3号機の爆発写真と原発事故は終っていない・子供たちは被ばくし続けている!パネルなど等を展示した。

2016年4月26日火曜日

今日でチェルノブイリ原発事故から30年:福島原発事故を経験した私たちの未来は、原発事故の起源=チェルノブイリにある。「チェルノブイリの犯罪」を「福島の犯罪」としてくり返してはならない。

 柳原 敏夫
チェルノブイリ原発事故から30年目の今年、次のことを訴えたいと思います。

今から30年間、旧ソ連、現在のウクライナとベラルーシの国境付近にあったチェルノブイリ原子力発電所で事故が発生しました。
チェルトコフチェルノブイリの犯罪によれば、この原発事故は次のことを意味します。

・チェルノブイリ原発のうち一基で実施された40秒足らずの実験で、ヨーロッパ全土を人が住めない土地に帰するほどの大惨事になる可能性があったこと。
・その大惨事を防いだのは、
事故直後のチェルノブイリ上空をヘリで飛び、原子炉の土台の下に液体窒素を注入することで大惨事を防げると突き止めた1人の科学者(ヴァシーリ・ネステレンコ)と、
ヴァシーリ・ネステレンコ

その科学者のプランを実行するために灼熱と高濃度の放射能地獄の現場に送られた何万人の炭鉱夫たち(リクビダートル〔後始末をする人という意味〕と呼ばれた)の尽力によるものだったこと。

http://www.belarusguide.com/chernobyl1/liquidators.htm
 しかし、
その科学者に与えられたのは、それまでの所長の地位解任とKGBによる二度の暗殺計画だった。
彼は「パニックを煽るろくでなし」と警告されたにもかかわらず、放射能を感知する器官を持たない汚染地の住民たちが無防備なまま取り残されているのに対し彼らの保護を訴え続けたから。
他方、原発事故から欧州大陸を救った何万人の炭鉱夫たちに与えられたのは、事故被害者の統計から除外され、「存在しないもの」として扱われることだった。
この抹殺政策の中で、彼らの若者の殆どが身障者となった。多くは30、40代で命を落とした。

なぜこのようなことになったのか。
国際原子力ロビー(IAEAの事務局長ブリックス)は事故直後から断言していた、チェルノブイリのような事故が毎年起こっても我々はびくともしない、と(アレクセイ・V・ヤブロコフの証言)。
このとき、原発事故の収拾のシナリオが作られた。それが直ちにチェルノブイリに適用され、事故とその被害は徹底的に小さくさせられた()。

そのシナリオは、その後の原発事故にも適用されることになった。それが福島原発事故だった。
もちろん今後発生する原発事故にも適用される。川内原発でも伊方原発でも浜岡原発でも、どこで原発事故が起ころうとも我々はびくともしないから。
そのシナリオによれば、汚染地の大多数の住民は事故被害者の統計から除外され、「存在しないもの」として扱われる。なぜなら「チェルノブイリ・福島のような事故が毎年起こっても我々はびくともしない」のだから。
今、日本で粛々と進められている帰還政策、これは原発事故の被害者はすみやかに「存在しないもの」として扱われるシナリオに沿った想定通りの展開だ。

しかし、これはまごうことなき犯罪ではないか。人道上、最も卑劣な、最も残酷な犯罪ではないか。
いま、この犯罪が福島原発事故で被ばくした、放射能を感知する器官を持たない住民たち(避難した人もしていない人にも)に襲いかかっている。

もしこのような犯罪がまかり通るとしたら、人類は既に滅亡しているのと同じではないか。
命ほど大切なものはないという私たちの価値観は到底この犯罪と両立することはできない。
命を守るために、私たちは、この犯罪の撲滅に立ち向かうしかない。
福島原発事故の犯罪を撲滅するために、私たちは、この犯罪の起源である、30年前に始まり今なお継続中の「チェルノブイリの犯罪」に注目し、この撲滅と取り組む。

「チェルノブイリの犯罪」は、2011年3月、ICRPからのお見舞い勧告以来、「福島の犯罪」としてくり返されており、将来、日本と世界のどこかで必ず起きる「原発事故の犯罪」としてくり返される。

だから、これは全世界の問題です。
先ごろ、「チェルノブイリの犯罪」を知っているトルコの人たちは、トルコの黒海沿岸に建設予定の原発の中止を求めるデモを行ないました(->日本の真実は報道しないが世界の真実は時たま報道するNHKニュースより)。
 このデモの参加者は、先月下旬来日し、日本、ウクライナをはじめとする世界中の市民と交流・連帯の機会を持ち、「チェルノブイリの犯罪」と「福島の犯罪」をじかに聞き、これをトルコでくり返してはならないと決意を新たにして帰国しました(「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」)

このように、全世界の市民が連帯して、国際原子力ロビーのシナリオを告発し、撤回させる必要があります。
それは全世界の大人の責務です。子どもの命を守りたいと思う世界中の人々が参加して、ヴァシーリ・ネステレンコの遺志を継ぎ、史上最悪の犯罪の阻止を実現しようではありませんか。


 ()それはチェルトコフの映画「真実はどこに?」とチェルノブイリの犯罪につまびらかにされている。 

2016年4月15日金曜日

ちばてつやさん 新イラストのプラカード

皆様、3月6日付けの活動ブログ記事で
いつも応援してくださる
ちばてつやさん宅を訪問し、皆さんの感謝の色紙をお渡しして
また、ぜひ新しいイラストを描いてくださいとお願いしたことを
紹介しました。
http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html

また、世界社会フォーラム分科会にてちばさんが新しく描いてくださった
素晴らしいイラストを紹介しました。

今回、ボランティアで案を出し合い、2つのプラカードを作成することに
なりました。

これからこのプラカードを印刷して使用したいと思います。
皆様、よろしくお願い申し上げます。


 新縦プラカード

2016年4月12日火曜日

世界の物差しで福島原発事故を再定義するための必読文献「チェルノブイリの犯罪」:福島原発事故を経験した私たちの未来は、原発事故の起源=チェルノブイリにある。

世界中で20年来推進されている、徹底した隠ぺい政策のおかげで、結局のところ、チェルノブイリはさほど深刻な惨事ではなかったと信じられるようになってきている。
事故から十日後、モスクワで開かれた記者会見の席上、ソ連最高会議の副議長シチェルビナは、原子炉に隣接する地域の放射線量は毎時150マイクロシーベルトであると断言した。
しかし実際の値は、毎時1億5000万マイクロシーベルトだった。
その後取られた政策は、ロシアの西部、ベラルーシ、そしてウクライナ北部の住民にとって、実に残酷な結果をもたらすものとなった。》(チェルトコフチェルノブイリの犯罪(上巻)57頁)

私の人生をほんとうに変えてしまったのは、子どもたちの被ばくという衝撃的事実でした。‥‥
(子どもたちがたいへんな目に遭っている現場を目撃し)このとき、私は思ったのです。原子力というテクノロジーは何十万人もの人間をこれほどまでに不幸な目に遭わせるものならば、それはこの世に存在する権利を持たない、と》(チェルトコフチェルノブイリの犯罪(上巻)191~193頁ネステレンコの証言)

私たちはかつてないほど矛盾をはらんだ時代に生きている。若い人には愚かな間違いを繰り返してほしくない。命ほど大切なものはない》《他人を破壊してまでエゴを満たしてはいけない》(来日中のウルグアイ元大統領ホセ・ムヒカの発言から)
  
              ***************

今回の「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」がもたらした、世界の物差しで福島原発事故を再定義する結果の1つは次のことだった。

《IAEA事務局長ハンス・ブリックスは「チェルノブイリのような事故が毎年起こっても人類は大丈夫だ」と宣言した》(チェルトコフチェルノブイリの犯罪(上巻)194頁ネステレンコの証言)

《IAEAの事務局長ブリックスは「原子力産業はチェルノブイリ級の事故に毎年でも耐えられる」と断言した》(映画「真実はどこに?」でアレクセイ・V・ヤブロコフの証言)

これはジョークではない。国際原子力ロビーは、これを大真面目に検討し、そのためのシナリオを用意周到に練り上げた--チェルノブイリ級の事故に毎年起こっても大丈夫と思わせるほど「事故を小さく見せる」シナリオ、すなわち「無知の戦略」。これをチェルノブイリに適用した。これこそ本当の意味で、人災による過酷事故である。これは他人を破壊しても省みないウルトラエゴであり、「チェルノブイリの犯罪」と呼ばずにどう呼んだらいいだろうか。

そして、この事故を小さく見せる「無知の戦略」がチェルノブイリ以後の原発事故収拾のモデルとなった。
2011年、これが福島でも適用された。私たちは原発事故のあと、目にも止まらぬはやわざで、ICRPからお見舞い勧告をいただき、文科省はこれを錦の御旗にして、子どもたちの集団避難を阻止するため学校の安全基準の20倍引き上げ(年間20ミリシーベルト)を行ったことを思い出す必要がある。
以後、国際原子力ロビーのチェルノブイリ級の事故に毎年起こっても大丈夫と思わせる「事故を小さく見せる」シナリオに沿って、汚染地に住む人々の運命が弄ばれている。
いま、福島と東日本では、チェルノブイリの犯罪が福島での犯罪として反復されている。

しかし、これは福島原発事故に限ったことではない。
国際原子力ロビーは次のことを今後の想定内の出来事として、原発事故収束のシナリオにさらに磨きをかけている。

再稼動して、今後日本のどこかで原発事故が発生しても、チェルノブイリでの犯罪がその地の犯罪として反復されること。
同様に、今後、世界のどこかで原発事故が発生しても、チェルノブイリでの犯罪がその地の犯罪として反復されること。
だから、チェルノブイリ級の事故が毎年起こっても人類は大丈夫だ、と。

福島原発事故を経験した私たち人類の未来は、原発事故の起源=チェルノブイリにある。

この悪夢のような愚かな間違いをくり返さないためにどうしたらよいだろうか。
そのためには、まず、原発事故の起源=チェルノブイリで、どんな犯罪が行われたかを知る必要がある。それは今、福島と東日本で実施されている犯罪のモデルである。そして、将来、原発事故が発生した地で実施される犯罪のモデルである。

このチェルノブイリの犯罪を知るための必読文献の1つが、この「世界社会フォーラム2016」参加のため、イタリアから来日した「真実はどこに?」の監督 ウラディーミル・チェルトコフ「チェルノブイリの犯罪」である。
この本を読むことを通して、人は、チェルノブイリの犯罪を、福島と東日本で絶対くり返さないという信念に到達できる。さらに、原発立地の日本各地と世界でもこれをくり返さないという信念に到達できると思う。それほどの力をこの本は秘めている。


)動画
 核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「エートスと国際原子力ロビー:無知の戦略~核惨事の線量基準・ロビー・共同管理~

配布資料のアップ:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」分科会「福島の犯罪と命の救済」

 「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016(3月23日~27日)が在日韓国YMCA(千代田区猿楽町)を中心に開催され、27日に分科会「福島の犯罪と命の救済」を脱被ばく実現ネットの主催で開催しました。
以下は、当日の発言者のスピーチ原稿が載っている配布資料です。

英語版  ->こちら。

日本語版->こちら。

             ***************
 【開催趣旨】 
 原発事故後の日本政府の政策の根本原理は「事故を小さく見せること」、その結果。最大の犠牲者は子どもたちだった。5年間の巨大権力犯罪の核心を紹介し、子どもと被災者の命を守るための新たな行動を提起する。

1、福島を撮り続ける写真家 飛田晋秀さんの発言



時が止まったかのように人っこひとりいない町に信号機だけが動いている
それを見た時、ぞっとした、そう話す飛田さん。
原発事故が町をどう変えてしまったのか発信し続ける飛田さんには
ある少女の言葉が胸に突き刺さっているそうです。

質疑応答では飛田さんが関わっている「311甲状腺がん家族の会」についての質問もされました。

2.郡山市からの避難者 松本徳子さんの発言



3.11の直後から、避難するまで、また最近も郡山の自宅の放射線量を測定に行って、事故から5年経ったにも関わらず、自宅脇の道路が2.3マイクロSv/hあったこと。3月8日付けの雑誌「女性自身」に掲載された記事で福島の複数の学校で土壌測定をした(1月)ところ8割以上が放射線管理区域以上であったこと。その中で松本さんのお子さんが通っていた学校でもいまだにチェルノブイリ基準では移住の権利区域以上の汚染であったことなど、資料や写真などを使って詳しくお話してくださいました。
世界でもすでに福島事故は終わった事と思っている人が多い中、ご自分の体験から真実を世界の人たちに発信することは大変意義のあることです。

3、法律家 柳原敏夫さんの発言


柳原敏夫さんの発言(英語)の和訳
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               「もう1つの救済は可能だ」

 この場で私が言いたいことは「もう1つの救済は可能だ」ということです。
私は311まで原発について特に考えたことのない、日本の普通の市民でした。ですから、日本に原発事故が発生するとは夢にも思っていませんでした。
だから、福島原発事故が発生した時も、最初、信じられませんでした。そのあと、これがどれくらい深刻な事故であるかも理解できませんでした。ずっと夢を見ているようでした。
福島原発事故の重大さを初めて理解したのは、チェルノブイリ事故と対比した時でした。同時に、チェルノブイリ事故で現地の人たちがどれほど大変だったかを初めて知りました。
いま私たちに必要なことは被ばくから命を守ることです。これが最も重要な救済です。
しかし、救済は祈りではありません。
私にとって、救済とは正義と平等を伴う、持続可能なものを意味します。
現在も、福島と東日本で放射能被害が続いています。その中で、私たちは、単に被害の現実を訴えるだけではなく、放射能被害に苦しんでいる人たちに対する具体的な救済策を積極的に提案しなければと思いました。
それが次の4つのアクション「もう1つの救済は可能だ」です。

①.人権法である チェルノブイリ法日本版(原発事故における避難の権利法)の制定
②、人権条約であるチェルノブイリ法国際条約(原発事故における避難の権利条約)の成立
   →そのモデルは地雷禁止国際キャンペーン による対人地雷禁止条約の成立。
③.刑事責任の追及:世界各国で、日本政府の責任者を「人道上の罪」で刑事告発
   →その実例がすでにスペイン(ピノチェットチベット人法輪功)やアルゼンチン(法輪功)にある。
④.貧困に苦しむ避難者の生活再建-市民の創造的相互扶助の自立組織=連帯経済・社会的経済(協同組合、ワーコレ)の創設 ex.モンドラゴン

 福島原発事故は日本史上、最悪の人災です。それは資本主義経済が行き着いた最悪の結果の1つです。その結果、日本の多くの人々が希望も持てず、苦しんでいます。
今、世界社会フォーラムが掲げてきた「もう一つの世界は可能だ」という希望が原発事故で苦しんでいる被害者の人たちにとって本当の救いになるのか、それとも絵に描いた餅なのか、その真価が問われているのだと思います。
私たちは上記の4つのアクション「もう1つの救済は可能だ」をこれからスタートさせます。これが成功するかどうかは、私たち日本の市民運動の努力によりますが、同時に世界の世論の関心と連携と支持が得られるかどうかにもかかっています。
私たちの願いと希望が一歩でも前進できるように、一緒に協力していけたらと願っています。
念のため、この4つのアクションを推進する団体はこの分科会の主催者「脱被ばく実現ネット」という訳ではありません。
最後に、2人の人を紹介させて下さい。一人は阿部健太郎さん。彼はチェルノブイリ法日本版と国際版の制定に熱心に取り組んでいます。瀬戸大作さんは貧困に苦しむ避難者の生活再建に熱心に取り組んでいます。
 よろしくお願いします。
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『福島での犯罪と命の救済』(通しの映像)

 「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」27日のその他の分科会の映像:
 (UPLANの提供
 クライメート・ジャスティスの観点からCOP21交渉を、そして原発再稼働を考える
 原発を輸出しないで!?アジアの人びとの叫び
 被曝労働問題の現状?フランス・ウクライナ・韓国・日本
 エートスと国際原子力ロビー

2016年4月11日月曜日

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告8。王俊秀「台湾からの報告:第四原発の完全廃止をともにめざす」

《 毎年、大規模なデモ
 台湾では国民党軍事独裁の38年間およぶ戒厳令の下、いっさい反対・批判の声をあげられない中で、(核一=金山、核二=国聖、核三=馬鞍山)に二ずつ計六基の原発が建設された。

87年に戒厳令が解除され、民主化闘争が高揚していったが、その大きな軸が核四反対運動であった。台湾環境保護連盟など多くの団体によって、毎年一万人規模のデモが行われた》(「原発をとめるアジアの人々」の「四原発の完全廃止をともにめざす88頁)

http://blog.livedoor.jp/v_w/archives/24545062.html

映画「こんにちは貢寮」



台湾から来日した国立清華大学社会学研究所教授、「台湾環境保護連盟」の王俊秀さんは、核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」で、四原発)に反対し続けてきた市民運動について、次の通り、スピーチしました。

「台湾からの報告」


) 四原発(ウィキペディアの解説)

ニュース記事->台湾が第4原発の建設を凍結、住民が反原発の大規模デモ

第四原発建設に反対する市民運動の写真一覧->こちら

             
                  ウィキペディア

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告7。ファブロス「フィリピンからの報告:《バターンの怪物》をとめ続ける不屈の人々」

《 完成されたのに動かされない原発
 フィリピンには原発が一基あるが、その原発はいまだかつて一度も運転されたことがない。》(「原発をとめるアジアの人々」の「バターンの怪物》をとめ続ける不屈の人々106頁)

http://tokuhain.arukikata.co.jp/manila/2014/10/_4.html
バターン原子力発電所 GNU Free Documentation License

http://blog.goo.ne.jp/isshin3_jph_m/e/251989fb90e471ea93ea665d72fe1e4a
         2011年3月15日・福島第一原発の事故を受けて反原発・非核デモ…

フィリピンから来日した「非核フィリピン連合」のコラソン・ファブロスさんは、核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」で、バターン原発()の稼動に反対し続けてきた市民運動について、次の通り、スピーチしました。

「フィリピンからの報告」


  
バターン原発

 ニュース記事->稼働させない原子力発電所 バターン原子力発電所
 
                  首都マニラから約80km西に位置する

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告6。イ・ホンソク「韓国からの報告:住民投票で原発をとめる」

《 民主化運動を背景にした反原発運動
 韓国では軍事独裁時代に4箇所、古里、霊光、月城、ウル珍に原発が建設されてしまった。しかし、1987年の大闘争以降の民主化運動を背景にして反原発運動も開始され、力強い各地住民の実力闘争で原発新規立地も、核廃棄処分場建設も許してこなかった。
》(「原発をとめるアジアの人々」の「住民投票で原発をとめる121頁)

http://www.nonukesasiaforum.org/jp/411.html

http://www.nonukesasiaforum.org/jp/040203.2.html


http://www.nonukesasiaforum.org/jp/115a.htm

韓国から来日した「エネルギー正義行動」のイ・ホンソクさんは、核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」で、国内の反原発と原発輸出に反対する市民運動について、次の通り、スピーチしました。

       「韓国からの報告



 ニュース記事-> 韓国-プアン郡ウィ島を核のゴミ捨て場にするな!2003.12.8号
           -> プアン(扶安)自主住民投票  

プアン核廃棄処分場建設に反対する市民運動の写真一覧->こちら

が核廃棄処分場候補とされたプアン郡ウィ島

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告5。ギュルブズ「トルコからの報告:チェルノブイリ事故の記憶に突き動かされて」

《 チェルノブイリ原発事故が与えた衝撃
 チェルノブイリ原発から放出された放射能雲は、トルコの上空を通過した。事故の5日後に、黒海西部では通常の20倍の空間線量、トルコ西部のトラキアでは通常の1000倍の線量となった。東欧諸国の被害は報じられたが、トルコは、政府が正式な調査を許可しなかったためその被害の全貌が明らかになることはなかった。

黒海沿岸ではチェルノブイリ事故後に、がんなどを発症する人の数が激増し、人々は原発事故がもたらす帰結の恐ろしさを身をもって知ることになった。後になってわかったことだが、トルコ政府は事故の際に汚染された約5万トンの茶葉を、前年に収穫された茶葉と混ぜて市場に流通させていた。》(「原発をとめるアジアの人々」の「チェルノブイリ事故の記憶に突き動かされて」58頁)

http://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2014/01/post-231.html


■ 女性たちの参加ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.128より) 

トルコから来日した「シノップ反原発プラットフォーム」のメディン・ギュルブズさんと「脱原発プロジェクト」のプルーナ・デミルジャンさんは、核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」で、黒海沿岸に初めて建設されるシノップ原発()に反対する市民運動について、次の通り、スピーチしました。

「トルコからの報告」

 

) シノップ原発(->ウィキペディアの解説

シノップ原発とこれに反対する市民運動の写真一覧->こちら

◎ ニュース記事->シノップに原子力発電所はいらない

             シノップで4万人の叫びトルコ「緑の新聞」2015.4.25) 


             「【トルコ発】 原発道路、建設急ピッチ 安倍首相訪問後、法改正」
田中龍作ジャーナル

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告4。ラームダース「インドからの報告:《非暴力・直接行動》で立ちむかう」

《 福島原発事故が与えた衝撃
2011年8月、ウダヤクマールさんは、日本での第14回NNAFに参加し、福島、広島、祝島を訪問した。彼が帰国して、日本での見聞きしたことを現地で詳しく伝えたことから、クダンクラムでの(反原発)運動は爆発的に広がった。‥‥(「原発をとめるアジアの人々」の「《非暴力・直接行動》で立ちむかう」46頁)

http://www.countercurrents.org/sunder090912.htm
 "20,000 Villagers Occupy Koodankulam Nuclear Power Plant" By Joseph John Sunder

       
http://www.dianuke.org/pucl-police-atrocity-in-koodankulam/
DiaNuke.org"PUCL Statement against Police Atrocity in Koodankulam"

インドから来日した「核廃絶と平和のための連合」のラリター・ラームダースさんと写真家で「反核運動全国連合」のアミルタラージ・スティフェンさんは、核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会「原発を輸出しないで! 〜アジアの人びとの叫び」で、インド最南端のクダンクラム原発()に反対する市民運動について、次の通り、スピーチしました。

この中で、インドから福島原発事故の現地を訪れ、帰国後、福島の実情を詳しく報告したことが、地元住民のクダンクラム原発に反対する運動大きく盛り上がるきっかけになったことが報告されました。
      「インドからの報告



) クダンクラム原発(->ウィキペディアの解説

ニュース記事->インド津波被災地の原発、正式に商業稼働へ(2014.12.22)

クダンクラム原発とこれに反対する市民運動の写真一覧->こちら

支援者(チョムスキーら)の連帯のメッセージ->こちら

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%A0%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80
                       (ウィキペディアより)

  

2016年4月8日金曜日

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告3。チェルトコフ「エートスと国際ロビー」

 ヴァシーリ・ネステレンコがいなかったら、チェルノブイリ事故はなかったにひとしい--真実は人間の努力によって初めて存在し得る。福島原発事故の真実はどうなのだろうか(福島原発事故を再定義する試み)。

ヴァシーリ・ネステレンコは、国際レベルの物理学者であり、チェルノブイリ事故の際、初期段階でリクビダートルとして参加しました。また放射線防護の専門家でもあり、ベラルーシの土壌汚染にも精通している人物です。‥‥(彼は)SAGEプログラムの国際刊行誌に論文を書きました。‥‥ところが、ネステレンコの論文は、まったく掲載されなかったのです。‥‥私は、ネステレンコが結論としてあげた推奨対策で、ジャック・ロシャールが検閲しカットした対策をここでお話ししたいと思います。
1. 放射能事故の際、原発から300-500km圏内に住む住民にとってより有効な防護策としては、ヨウ素剤をそれぞれの家庭に常備しておくことが不可欠であ る。ヨウ素剤は定期的に交換されなければいけない。また、原発事故後の最初の数時間はヨウ素剤を使って予防を行わなければならない。
2.原発を保有する国もしくは、原発が近隣にある国では、あらかじめ環境及び食品の放射線管理システムを作ることが不可欠である。
3.原発周辺では、100km圏内に、自動放射線検査システムを創設し、放射線の危険が生じた際または放射線防護対策について直ちに住民に対して情報を発信しなければならない。‥‥」
(ウラディーミール・チェルトコフ「エートスと国際ロビー」)
 

イタリアから来日した映画「真実はどこに?」の監督ウラディーミル・チェルトコフさんが「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の「院内集会」で次の通り、スピーチしました。

 「エートスと国際ロビー


                      ***************
(以下、チェルトコフさんのスピーチ) 

2008年6月、私は南仏エクサンプロバンス近郊にある国立消防士官学校で1週間を過ごしました。それは、映画「サクリフィス」と「真実はどこに」の上映と講演会のためでした。私が扱うテーマは、「放射線のリスクと原子力、危険防止と危機管理」でした。
  私は、フランスの消防士が森林火災に立ち向かう、その科学的なアプローチと戦略に非常に感銘を受けました。それは、「火災が発生する」その段階の現象を ターゲットにするのです。ヘリコプターを使って、24時間体制で監視体制を敷き、見張りのネットワークを密にして、森林での最初の煙を発見しようと努めま す。

 さて、なぜ、消防士の話などをして、横道にそれたかをこれからお話しいたします。

  それは、原子力分野で行われていないこととの違いを皆さんにお見せするためです。というのも、フランスでは現在58基の古い原子炉が稼働していますが、国 が森林火災に関してフランスの消防士に与えている知識や手段に類似したものは、将来起こるかもしれない原発大事故の危険については何一つ存在しないからで す。

教 育レベルが高いプロである消防士学校の学生と数日間話しているうちに、私には次のことがわかりました。それは、チェルノブイリのような大事故があれば第一 線で働くことになるこのフランスの消防隊は、このたった一回限りの仕事が何をもたらすことになるのか何も知らないということです。

 私は、ベラルーシの汚染地域で行われた犯罪について学生たちに話しをしました、モルモットにされた人々のこと、核分野における防護評価研究センター(CEPN), エー トス、ムタディスコンサルタントなどフランスの専門家たちが、健康被害が増え続ける貧しいベラルーシの「現場を占領」しにやってきたことを話しました。ま た、その専門家たちが、現地の研究者を支援するどころか彼らを追放して、ただデータだけを取りに来たことも、また予防措置が被ばくした子供にとっては有効 にもかかわらず、それを拒否したことも話しました。独立した立場からの科学調査に対して、国連の安全保障理事会の常任理事国及び原子力と健康に関する国連 の専門機関が検閲と妨害をしていることも話しました。

  目の前にいた消防士たちは、まず最初に召集される事故処理要員であり、いうなればソ連のリクビダートルに値するのですが、その彼らに対して、「無知という 戦略」と「国連機構の犯罪」について詳しく話しをしました。国連は、体内の低線量ひばくが健康に影響を与えることを隠ぺいし、80万人の事故処理作業員リ クビダートルの集団を疫学的調査から排除しているのです。彼らは、チェルノブイリ原発の核爆発を食い止め、ヨーロッパを救ってくれたにもかかわらずです。

 キエフ会議では、IAEAに 所属する高官であるゴンサーレス氏が次のように言明したことを皆さんは映画の中で見たと思います。「低レベルの放射能があるからといって、放射能と病気の 因果関係の証拠とすることはできない。それは、解決不能な「認識論上の問題だ」と言いました。ゴンサーレス氏は「このレベルにおいては、直接に知識を得る いかなる手段も持っていません。私たちは知らないのです」と言いました(「真実はどこに?」の該当シーン参照)。
‥‥

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関連情報:来日した
チェルトコフさんが西宮で行ったスピーチです。


『サクリファイス』(チェルノブイリの事故収束作業員=リクビダートルのドキュメンタリー)について


‥‥これから、異なった分野のふたりのリクビダートルをご紹介しましょう。ベルヌ・シンポジウムのパネラーの一人、ヴァシーリ・ネステレンコというリクビダートルです。
彼は例外的な科学者で、彼なしにはチェルノブイリの真実は知ることができなかったでしょう。そしてそのことについて、私たちはここで語ることができます。

信じられないことですが、彼なしには、私たちは何も知りえないのです。そうでなければ、チェルノブイリに関する嘘を語るための正当な証拠がないので、私は、今日、皆さんの前でお話しすることはなかったでしょう。‥‥

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2016年4月7日木曜日

世界の物差しで福島原発事故を再定義する:「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」報告2。フィリップ・ビヤール「《放射性肉》と呼ばれる人びとのたたかい」

他の人たちが快適に生活するための電力をつくりだす仕事をしている私たちがなぜガンになって苦しまなければならないのか。
 他の人たちがよい生活を送るために、なぜ私たちが病気にならなくてはならないのか。
 反原発運動は、「自分たちが病気にならないために」闘うのではなく、「他の人が病気にならないために」闘うべきだ。そうしなければ自分たちのための闘いに勝てないのだから。
原発下請け労働者がガンになることを放置しておくような闘いは、自分たちの闘いでも勝てないだろう》(フランスの原発下請け労働者 フィリップ・ビヤール「《放射性肉》と呼ばれる人びとのたたかい」

核と被ばくをなくす世界社会フォーラム2016」の分科会 『被曝労働問題の現状〜フランス・ウクライナ・韓国・日本』で、フランスから来日した、1985年から原発下請け労働者として働いてきたフィリップ・ビヤールさんの「被ばく労働問題の現状」についての発言と、彼のインタビュー記事「《放射性肉》と呼ばれる人びとのたたかい」です。

フィリップ・ビヤールさんの略歴->分科会の配布資料
  
分科会「被曝労働問題の現状」での発言


2011.9.25のインタビュー記事「《放射性肉》と呼ばれる人びとのたたかい」(稲葉奈々子)より

 原発事故は既に起きている

 ビヤールさんは、反原発運動の主張に共感しながら、他方で、「もし原発事故が起きたら」を前提にする運動の論理を支持しない。なぜなら、「原発事故は(フランスでも)すでに起きているから」。
 人々が危惧する事故というのは、要するに自分や自分の家族が病気になることへの危惧だ。しかし、原発のリスクをすべて引き受けている下請け労働者はすでに病気になっている。つまり、原発事故はもう起きている。放射性物質が大気中にまき散されるような事故が起きなくても、私たちにとっては、原発事故はすでに起きている。私たちはすでに病気になっているからだ。一人が病気になるたびに事故は起きている。人々が真剣に考えるようになるまで、何件の事故が起きればいいのか。私たちの団体は反原発運動とも手を結んでいるが、私は彼らの運動は誤りを犯していると思う。反原発運動は、原発事故が起きることを恐れるのであれば、何よりもまず現時点で、原発で働いている労働者の権利を擁護すべきである。
これは単なる労働運動ではない

 ただし、ビヤールさんが求める、原発下請け労働者の健康を守る運動は単なる労働運動ではない。
  だからといって、労働運動にコミットしろと言っているわけではない。これは労働組合だけの闘いではない。それに、たったひとつの労働組合が取り組むだけで勝てるような闘いではない。すべての人たちの闘いだ。労働組合は「私たちは地球を救うために闘う」とはいえない。ひとつの労働組合が地球を救えるわけはなく、人々のごく一部だけが関与する闘いではない。すべての人が関与しなくてはならない闘いだ。
 原発を止めるための運動と、今現在原発で働いている人の健康を守るための運動は同時進行しなければ意味がないと思う。
 私は電力労組のあり方を許さない。自分たちの組合員が被ばくするような労働を雇用主に許容する労働組合などあり得ない。だから原発を止めなくてはならないことは明白だ。しかし明日すぐに止まらないことも明白だ。だから、労働者が被ばくしないために闘わなくてはならない
 「人間としての思考」で活動したい

  ビヤールさんが、原発下請け労働者の健康を守る運動の主体を、労働組合ではなく、「市民団体」にしたもう1つの理由は、労働組合に依存しないことにある。労働組合に依存せずに、原発下請け労働者が病気になったとき、みずから権利を行使するためである。「労働組合としての思考」ではなく、「人間としての思考」で活動したいから、とビヤールさんは言う。
  ビヤールさんはそれまで1箇所の原発が職場だったが、会社から全国の原発を渡り歩く雇用形態変更を命じられ、これを拒否し、その不当性を訴える裁判を起した。しかし、裁判にあたって複数の労働組合の協力を得たが、どの労働組合が主導権を握るかで対立となり、肝心の物事が先に進まないことから、「労働組合としての思考」を見限ったという。
 私たちの役割は、原発下請け労働者の健康への権利行使だ。そして、私はその点について雇用主と交渉するつもりはない。私たちは法律が厳格に適用されることを求めるのみだ。原発下請け労働者の健康への権利を侵害する雇用主に対して「正義」が下されることを求めることが目的だ。私たちの団体の目的は、雇用主と交渉することではなく、労働者が病気になったとき、自分たちの権利を行使するための団体だ。
 他人の不幸の上に成り立つ私たちの幸せ

 「社会的に許容しうる程度」として、原発下請け労働者の健康被害は簡単に片付けられてしまう。その必要性は「多少の犠牲」を伴っても、社会全体にもたらす利益のほうが大きいという論理である。
  ビヤールさんはこの論理に反駁する。
 原発に賛成する人たちは、たとえば国の安全保障のためだったり、生活の便利のためだったりする。多くの人たちにこれだけの利益をもたらすのだから、原発は必要だ、と。しかし、そう言う人たちには、実際に病気になった労働者たちの姿を見せて、
「これがあなたたちが望んでいることなのか。多くの人たちの利益のために、これが必要だというのか」
と問いたい。自分の
幸福のために他人の不幸を必要とするのはおかしい。
 他の人たちが快適に生活するための電力をつくりだす仕事をしている私たちがなぜガンになって苦しまなければならないのか。
 他の人たちがよい生活を送るために、なぜ私たちが病気にならなくてはならないのか。
 反原発運動は、「自分たちが病気にならないために」闘うのではなく、「他の人が病気にならないために」闘うべきだ。そうしなければ自分たちのための闘いに勝てないのだから。原発下請け労働者がガンになることを放置しておくような闘いは、自分たちの闘いでも勝てないだろう
  ビヤールさんは、原子力推進派の人々に対して、ガンで闘病している仲間の凄惨な写真を見せてやりたいと言う。
  これをいつまで必要とするのですか、と。
 原発下請け労働者の健康への権利とは、人間としての尊厳への権利にほかならない。