12月18日付け中日新聞によれば
福島原発事故により中古自動車と建設重機の一部から基準超えの放射性物質が検出され2011年からの5年間で1万3千台が輸出差し止めになっていたとのことです。
放射性物質で1万3千台輸出止め 中古車や建設重機
東京電力福島第1原発事故が起きた2011年から16年10月末までの約5年間に、全国の14港湾施設で輸出しようとしていた中古の自動車と建設重機の一部から国の基準を超える放射性物質が検出され、計約1万3千台が輸出差し止めになっていたことが18日、業界団体の集計で分かった。汚染源は特定されていないが、原発事故前は検出事例がなく、事故後に汚染された車両が各地に流通していた可能性が高い。
輸出を差し止められた車や重機の大半は、事業者が洗浄後に売却したとみられるが、原発事故の影響が改めて浮き彫りになり、国や事業者による対策が引き続き求められている。
★また、11月6日付けの東京新聞で
福島県内の自動車整備工場で洗車の汚水で大量の放射能汚泥がたまり最大5万7400ベクレルの数千トンの汚泥処理のために日本自動車販売協会連合会が独自に中間処理場新設する計画であるとなっています。
汚泥があふれないよう手作業でくみ上げる工場が続出しているなど
作業者の健康被害が大変心配です。
また、この問題は福島県内の問題だけではないでしょう。
車に付着していた放射能汚泥や貯水槽に溜まった放射能汚泥の問題は各地で実際に大変深刻な問題となっています。
★横浜でも17の小中学校で約3トンのキログラム当り8000ベクレルを超える放射性物質が5年間も置いたままになっていることが問題となり、市民から撤去の運動も起こっています。
2016年3月2日ANNニュースより
カナロコブログ↓詳しいです。
★各自治体の浄水場や焼却場から出た放射能汚泥の問題も深刻です。
下記(環境省 放射性物質汚染廃棄物処理情報サイトより)のように今年6月現在で、大量の放射能廃棄物が東北や関東各地にそのままになっています。
本来ならば1キログラム当り100ベクレルを超えた放射性物質は国が厳重に管理しなければならない筈でした。
事故後に、1キログラム当り8000ベクレル以上と大幅に緩和したにも拘らず、それすら管理する施設はないのです。
放射能廃棄物は貯蔵管理施設で保管しなければならないのに、貯蔵管理施設を作ることもせず(住民の反対もあり)そのままで8000ベクレルを下回るのを待ち、その後通常の廃棄物として処分するという大変危ない状況です。
上表では埼玉県はありませんが、8000ベクレル以上の汚泥の存在を計上すると施設を作らなければならなくなるので、計上していないそうです。
千葉市では平成28年6月24日の測定時点で保管廃棄物が8000ベクレルを下回ったとして指定廃棄物解除の申し立てをし国が受理したということで、「解除後の廃棄物をどうするのか? すぐに燃やすのか?」と質問したところ、「指定解除された廃棄物は、市民の安全・安心の確保、風評被害防止の観点から、当面、現状どおり新港清掃工場(美浜区新港226-1)内で保管を継続し、適正に管理して参ります。その後の処理に関しては、環境省と相談し適切に対応していきたいと考えております。」と回答してきました。現在の千葉市の保管している放射能廃棄物はばいじんが濃度4,020Bq/kgで、約4.2トン、ゼオライトが濃度6,100Bq/kgで、約3.5トンとのことです。
千葉県全体では依然として大量の8000ベクレル超えの廃棄物があります。
千葉市が早々と指定解除の申し立てをした背景には千葉県内の放射性廃棄物の貯蔵施設を千葉市に建設すべきとの意見に対して、千葉市には8000ベクレル超えの廃棄物がないのだから貯蔵施設を造ることには住民の理解が得られない、としたいとの意向ではないかと言われています。
東京都の放射性廃棄物は東京湾のゲートブリッジ沖の新海面処分場に埋め立てられているとのことです。2011年3月28日採取では、金町浄水場でヨウ素131が8万8,400Bq/kg セシウム134と137が1万4,650Bq/kgの浄水場発生土がありました。
とにかく、自治体にとって放射能廃棄物は大変な負担となっており、国は自治体に押し付けたままで、8000ベクレルを下回ったら公共事業に使おうなどとあまりにも酷い国民の健康・命を守らない政策を行おうとしています。
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