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2016年1月22日金曜日

1・17 木幡ますみ・飛田晋秀 講演会 詳報

1月17日、渋谷光塾で木幡ますみさん、飛田晋秀さんの講演が行われました。

御参加の皆さまありがとうございました。

飛田晋秀さんの講演(UPLAN提供)


木幡ますみさんの講演(UPLAN提供)




なんと78名の皆さんが来て下さいました!
実は椅子のご用意は43の会場でしたので予約はそれでぎりぎりでしてボランティアの席は途中からない状態で申込みを受け付けていました。
直前での申込み、及び直接来て下さった皆さんには 畳に座るか立ち見になる事をご説明し、それでもいいから是非にと参加して下さいました。
会場では木幡さん、飛田さんへのカンパを呼び掛けさせて頂き16,200円が集まりましたのでお二人に受取って頂きました。 
講演後の交流会も沢山の方が残って下さり、親交を深める事が出来ました。
飛田さんの写真集も25冊完売になり、後日希望している方の分は発送をお願いする事になっています。
又、子ども脱被ばく裁判の2月25日の福島地裁での口頭陳述の告知とバスで行く支援参加をお願いし、ブックレット、カレンダーも販売しました。

この中で、後半の木幡さんの講演を録音してテキストにして下さるという申し出をしてくださった方があり、大変ありがたくお願いいたしましたので後日、講演内容のテキストもアップできる予定です。
以下にボランティアの感想を掲載いたします。


また、ボランティア大庭さんによる撮影動画もアップされましたので、ごらんください。
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講演に先立つ、飛田晋秀さんと木幡ますみさんの紹介

 

放射能汚染地の実態を写真で伝える(飛田晋秀さん)


一番心配しているのは(放射能)除染労働者です(木幡ますみさんの講演)

   
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以下は
脱被ばく実現ネットのボランティア赤坂さんの感想です。

今回も、準備段階から参加しました。会場前から、ぞくぞくと来場者が来られ、事前申込みでない方の多さに、心の中で嬉しい悲鳴を上げながら受付をしていました。
以下、講演順に、お話しに対する感想を書かせていただきます。
飛田さん
飛田さんは、とてもダンディーな方です。そして、とても強い意思のもとに行動をしていらっしゃる方だなぁという印象を受けました。
写真も本当に素晴らしいです。きっと、気持ちがこもっているのが、写真に乗り移っているのだと思います。
交流会後に、一緒にご飯を食べに行ったのですが、お酒が好きな飛田さんなので、今度はゆっくりお酒を飲みながらいろいろなお話しを聞かせてもらいたいと思いました。
(飛田さんは写真家でいらっしゃるので、モニターで写真を写しながら、一枚一枚、福島の現状を話してくださいました。)

・小学校2年の女の子の話
飛田さんが、福島の写真を撮り続け、現状を伝え続けていくという決意をしたのは、20128月に、当時小学校2年の女の子が、「私、大きくなったらお嫁さんにいけるの?」と聞かれたことがあったからだそうです。
「ごめんなさい。」としか言えず、涙が止まらなかったと仰ってました。小学校2年の子供さんでも、何が起きているのか、自分の体にどういう影響が及ぼされるのかを、把握したということですよね。そんな思いをさせた、原発事故。
そして、飛田さんも福島県民として、事故の被害者であるにも関わらず、責任を感じている状況。
こんなことが許されていいのか、なぜ、小学校2年の子供さんが原発の危険性を感じられるのに、大人がわからないのか、と思ってしまいました。

・津波で流された車を、不法投棄とみなしている
 あり得ない話です。なぜ流されたのかが省かれ、不法投棄とする行政の対応に怒りがこみ上げてなりませんでした。

・仮設住宅は6畳間・プレハブ・天井は低い 
震災から5年が経ち、孤独死、自殺が増えているのに見捨てられているのが現状です。
阪神淡路大震災のときもそうでした。いつも弱者が置き去りにされます。オリンピックに何千億という税金を使うなら、いまだに自分の家をもつことが出来ない人たちに補償するほうが、税金を払っている国民も納得するのではないでしょうか。
そうなっていない現状に対し、周りも含めて、声を上げ続けるしかないのだと改めて実感しました。

7000億かけて焼却炉を作り、3.4年で壊すといっている
焼却炉から出る大気はどういう影響を及ぼすのか。影響が出てからでは遅いのに、国・県・東電は知らん顔と言った感じです。
それでいいのはずはないのに、そんな話ばかりが進められていく現状に、やはり怒りがこみ上げきました。

・新築家屋の基礎工事の段階で震災に見舞われた方
1200万前払いしていたので、東電に請求。しかし、支払われたのは、たったの60万。耳を疑いました。弁護士を立てて請求したところ、しぶしぶ1200万払ったそうです。やはり、あきらめずに請求しないとだめということと、飛田さんは仰ってました。
1200万が空中分解したのに、最初に支払った東電の額は60万なんて、バカにしているのも甚だしいです!

・白鳥やカモメの飛来
線量が高いところに白鳥がきてえさを食べて、どこかに飛んでいく。つまり、放射能まみれの白鳥がいろんな地域に飛んでいき、フンなどにより放射能をまき散らすことになる。かもめも同じ。魚がたくさんいるところに飛んでいるので、放射能まみれの魚を食べ、飛んでいき、他のところに放射能をまきちらす。こんな恐ろしいことになっていることを、知っている人、感じている人は少ないですよね。
だからこそ、飛田さんが写真を撮り、それに基づいて話してくださることの意義が本当に大きいと感じました。




木幡さん
印象としては、とても可愛らしい方という感じです。シャイな中に、飛田さんと同じように意思の強さがあり、大変な環境の中にいても明るさがある、お顔はいつもニコニコというイメージが沸く方でした。

・成人式
成人式に参加したが、新成人たちは家に帰りましょうなんていう人は一人もいなかったそうです。これが、本当の福島の姿を表しているのではないでしょうか。
みんな、福島に帰りたい、でも帰れないというのが本当の思い。そうさせてしまった、東電・国は復興と言って、事故がなかったことのようにしています。根本を見つめず、と言うより、見つめるつもりは全くないのだろうというのが、一部の裁判所(裁判官)を含めて、原発再稼働を推進しているところに現れているなと思いました。

・除染作業者
薄いマスクしか付けず危険。しかし、作業者の人は「今死んでないでしょう」というそうです。あたりまえのことなのですが、この当たり前が作業者の人たちには当たり前とされていない。そこが大問題であり、放射能の恐ろしいところであるのにも関わらず、正しい知識を伝えないために、無防備な人は体を壊されるリスクを背負う。確かに、すべての人に体の異変が起きるわけではありません。
しかし、異変が起きてからでは遅すぎるのです。とするなら、適切な情報を伝え、予防することを発信するのが、原発事故を起こした東電・国の責任だと思います。それをしないのであれば、やはり私たち国民が、声を上げ続けて、国・東電の責任を追及し続けるしかないのだと思います。

5年目にして、中通りの除染作業が始まった
 今さら、というのが多くの人の感想ではないでしょうか。逆に言えば、なぜ始めたのか、なぜ原発事故後すぐにやらなかったのか、
 あまりにも対応が不可解です。住民の方は疑問に思わないのだろうか、と思ってしまいました。


・飼っていた犬の死
あまり話していないそうですが、木幡さんが飼っていた犬は、突然ぐるぐると回りだし、頭がおかしくなったような感じで死んだそうです。
犬の生態はわかりませんが、話を聞いているだけだと、一般的な死に方ではないと思いました。とするなら、原発事故の影響が動物にも及んでいるのではないかと考えるのが、必然と感じます。

・みんな不安があるはずなのに、それを言えない。マスクをすると何か言われる。
木幡さん自身は、肺を患っているのでマスクができないそうです。また、年配者の方の中には、マスクをすると苦しいと感じる方も多くいらっしゃるとのこと。
マスクをしたほうがいいと思いますが、苦しくてやりづらいとなると、その選択を強いられている環境自体にやるせなさを感じます。
ただ、不安があるはずなのに言えないということが大問題とも思いました。

・だれにでも、幸せに生きる権利がある。楽しいことを考えて生きていきたい。
きっとその気持ちの表れが、木幡さんに対して笑顔の印象を与えるのではないだろうかと、感じました。

・被爆者、もしくは避難者手帳
若い人は、町を去っていく。何年か経ち、体に異変が起きたとき、被爆者手帳もしくは避難者手帳があり、自分がいつ、どこにいたかが記されていれば、過去のことがわかるようにしておけば、原因を探れるようにできる。
それが、放射能の影響はすぐに生じないというリスクを少しでも和らげる手段と考えているそうです。
そうしなくてはいけないという強い気持ちの表れを、感じました。記していくことは大変だと思いますが、原発事故の影響が、いつ、どうなるかわからない状況であるのなら、やはり自分の状況を残しておくことが、方法として最善なんだろうと思います。

私がいろいろなところで福島の方たちの話を聞いて共通して感じるのは、大人のみなさんが「子供たちに申し訳ない」と仰ることです。
どの方も、必ず仰います。今回講演された、木幡さん、飛田さんもやはりそういう思いを仰ってました。私はそういう言葉を聞くたびに、「みなさんの責任ではない。安心・安全と謳ってきた国と東電の責任なんだから、そんなに責任を感じないで欲しい」と思うんです。
そうでないと、大人のみなさんがあまりにもつらくなってしまうと思うので。その気持ちを東電・国へ向けて欲しいと、恐らく向けていらっしゃるとは思うのですが、もっともっとそちらに向けて欲しいと思います。
つらい戦いですが、私たちも一緒になって戦うので、あきらめず、東電・国の都合のいいようには絶対にさせないという気持ちでいきたいと、改めて強く感じる講演会でした。

最後に、もっともっと多くの人に福島の現状を知ってもらい、原発がいかに恐ろしいものかを知ってもらい、国・東電がどんなにひどい対応をしているかを知ってもらい、世界から原発がなくなることを訴え続けていくことが、自分の使命だと思いました。微力ながらも、これからも発信し続けていきたいと思っています。

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