告知

2012年2月26日日曜日

2.26世界市民法廷(東京):閉会のことば なぜ福島の集団疎開は実現しないのか

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


9ヶ月間疎開裁判をやってきて、ずっと分からなかったことがあります。
--もし福島原発事故が火山噴火のような自然災害だったら、とっくに集団疎開は実現していただろう。
--もし60年前の東京大空襲のような戦争被害だったら、とっくに集団疎開は実現していただろう。
郡山と福島第一原発の距離はちょうどこの会場から成田や三浦半島になります--もし成田や三浦半島で福島原発事故が発生したら、東京ならとっくに集団疎開は実現していただろう。
なぜ、福島では集団疎開が今なお実現しないのか。

その訳が、世界市民法廷の準備をしていて分かりました。
それは、集団疎開の義務を負う人たちが福島原発事故という人災を引き起こした加害者だからです。加害者だから、集団疎開の問題を冷静に受け止め、責任をもって考えられないのです。

集団疎開の問題を最後まで考えられるのは誰か。それは福島原発事故の被害者である私たち市民です。世界中の市民です。
この問題を解決するために、世界中の皆さんと一緒に考え、行動していきたいと思います。
本日はありがとうございました。
柳原敏夫(疎開裁判 弁護団)

2.26世界市民法廷(東京):ふくしまの子どもの声

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


私は、放射能をばら撒いた東京電力、国策として原発を推進してきた国や自治体、それを許してきた無関心な主権者達に怒りを感じています。そして、原発が爆発し、放射能・放射性物質が降り注いだ今も、「仕方がない」や「わからない」、「自分には関係ない」など、無関心な人が沢山いることに違和感を抱き、腹が立ちます。私は、一番守るべきものは、命そして未来だと考えています。国策として進めてきた国や自治体には、全ての国民、子ども達の命と未来を守る責任があります。
それらを守らせるためには、一人でも多くの人が考え関心を持ち行動することだと思います。これは命を脅かすものに対しての闘いであり、政治や思想などの壁を壊す覚悟が必要ではないでしょうか。
もうすぐ一年が経つ今、関心がある人とない人の意識の差は、広がる一方に感じられます。被曝の問題や避難については、人それぞれの生き方や選択の問題だからと言われることがありますが、目にも見えない匂いもしないどうなるかよく分らないものに対して判断を迫る事自体残酷でおかしい事だと思います。だから、考える人とそうでない人が生まれてしまうのです。子どもだけでは避難はできません。
一人ひとりが一人の人間として純粋に何をするべきか、何を守るべきか考えるべきです。大人の様々な事情や経済の発展よりも、命や未来を大切に考えて欲しいです。命のスペアは無いのです。
うえまえ まゆこ

2.26世界市民法廷(東京):開会のあいさつ         井上 利男

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


みなさん、「世界市民法廷」にご参加くださり、ありがとうございます。

福島県民の多くは、放射能について「目に見えない」物理的事実、「見させない」安全宣伝、「見たくない」人間的弱さがあいまって、「見ザル、聞かザル、言わザル」の三猿状態を強制されています。郡山の街では、子どもたちがマスクもせずに通学したり、親子連れでショッピングに出かけたりといった姿が日常風景となっています。

子どもたちの命と健康を守りたいという福島の親たちの必死の願いの最後の拠り所が「ふくしま集団疎開裁判」でしたが、福島地裁郡山支部の判事たちは法の番人たる護民官の地位を投げ捨て、被曝民を閉じ込める原発推進勢力の包囲網に加わりました。

みなさん、わたしたちは「原発ムラを包囲する世界市民」となりましょう! 世界の人びとを前に、命の不可侵、人間の尊厳を宣言しましょう! 今日の世界市民法廷が子どもたちの命と健康を守るための壮大な闘いの第一歩となると確信しようではありませんか。ありがとうございました。
2011年2月26日 井上利男

2012年2月20日月曜日

世界市民法廷:「ネット陪審員」の事前登録、スタート

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


裁判所が「人権の最後の砦」として本来の任務を果たさない時、機能不全に陥った裁判所を正す「人権の真の最後の砦」は私たち市民一人一人です。
それが「ふくしま集団疎開裁判」で、子供たちの申立を却下する裁判所の判断(昨年12月16日)に対して、司法の機能不全を正すために、英語による同時通訳で全世界に中継される「市民の、市民による、市民のための市民法廷」、世界市民法廷です。

ここの主役は世界中の市民です。世界中の市民が、世界市民法廷の場で再現された「ふくしま集団疎開裁判」を自らの目と頭で検討して、自らの裁きを下すのです。その裁きは、「世界市民の良心とコモン・センスによって下された判断」として、裁判所に大きな影響を与え、裁判所を正しい方向に導くでしょう。

そこで、「世界市民による世直し」のため、世界市民法廷に一人でも多くの市民が自ら判断を下す陪審員として参加されることを希望します。
2月26日の「世界市民法廷」東京裁判の終了と同時に、ネット上から陪審員の皆さんの裁きを書き込める場所を用意します。
それまでに、世界市民法廷に参加を希望する皆さんには、陪審員として事前登録をお願いします。
本日から、以下の方法で、陪審員の事前登録を準備しました。
ひとりひとりのアクションが、疎開裁判を支え、世直しを支え、子どもたちを守ります。
まず、陪審員の事前登録を!
1、投稿の末尾の賛同の□にチェックを入れて、世界市民法廷への参加を表明して下さい。
2、可能な方は、その下の「コメント欄」に、世界市民法廷に、ネット上で裁きを下す陪審員として参加することを、「ネット陪審員として登録します!」と表明して下さい。
3、フェイスブック(Facebook)による事前登録->こちらから
4、ツィター(Twitter)による事前登録->こちらから

※ コメント欄は自分のブログかGoogleアカウントを持っている人だけが書き込めます。Googleアカウントを手に入れる方法は->こちらから

The World Citizens’ Tribunal: Registration for Internet Jury has started.

Now express your judgment as a jury -->Here
When a court does not carry out its role, rectifying such a mal-functioning court is the role of each single citizen, who can preserve the “the last bastion of true human rights.” This was the aim of the Fukushima Children Collective Evacuation Trial.
On February 26, 2012, the World Citizens’ Tribunal is going to be covered live with simultaneous translation to rectify the judicial mal practice, which was embodied in the December 16, 2011 dismissal against the claim for Fukushima children’s collective evacuation right.
For the World Citizens’ Tribunal, citizens of the world are the main players. Any citizens in the world are invited to examine what took place in Fukushima Children Collective Evacuation Trial with their own eyes and mind and to bring judgment of their own. Such judgment shall give an enormous impact on the court, and shall even give a guidance to the right direction for the court.
The Tribunal welcomes as many citizens as possible as an internet jury who can bring justice of their own to “help rectifying today’ s society through citizens”.
On February 26, when the World Citizens’ Tribunal is ended, there will be some fields on the webpage for each jury person to fill in for his/her judgment.
Please register yourself in advance to act as a jury member. Each single person’s action can support the Trial, which will lead to a rebuilding of our society and to protection of children’s future.
The following are the procedures to take part in the Tribunal as an internet jury.
1. Put a check mark on Support Box at the end of comment column to designate your participation to the World Citizens’ Tribunal.
2. Please write, “I would like to register myself as an internet jury.” In the comment box below.
3. You can also make a pre-registration through Facebook. Please go to Facebook
4. You can also make a pre-registration through Twitter. Please go to Twitter
(Only those who have google account or have own blog can fill in the comment box.)

※English relay net(on February 26th Sunday, 1 pm at Japan time)
→ OurPlanetTV    IWJ Ch6 ‥‥more
※Related information
Announcement by The "Fukushima Evacuate Children Lawsuit Group". Twelve angry citizens decide to hold an "International Citizens' Tribunal" to save the children in Fukushima as their lives are at urgent risk. (2012.1.4)
Message from Noam Chomsky (2012.1.12)
Message from Dr Vandana Shiva (2012.2.9)
Comment from Noam Chomsky (2012.2.15)
Message from Mark Engler(2012.2.16)
Court documents (excerpt)
The map about radioactive contamination (2011.12.2)

The World Citizens’ Tribunal English relay net

The World Citizens’ Tribunal can be watched on time through a live internet coverage on February 26th Sunday, 1 pm at Japan time in the following internet channels.
OurPlanetTV
IWJ Ch6

The recorded video can also be watched at the following URL(Please wait a moment)

世界市民法廷ガイドブック(総集編)

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


陪審員として裁きの表明
主権者である世界市民は、世界市民法廷をご覧になって、ネット上で陪審員として裁きを下すことができます。あなたの裁きが世の中を動かし、子供たちを救います。
是非、このアクションに参加下さい。その裁きは->こちらから

世界市民法廷の映像
1、2月26日東京裁判
【第一部】法廷劇 OurPlanetTV  IWJ アーカイブ  映像ドキュメント編集
【第二部】ゲストのコメント、意見表明  OurPlanetTV

2、3月17日郡山裁判
【第一部】法廷劇 
【第二部】ゲストのコメント、会場参加者同士のミニ討議、意見表明

世界市民法廷のあいさつ・発言
1、2月26日東京裁判
開会のあいさつ(井上利男)
第一部のラスト:ふくしまの子どもの声(上前まゆこ)
閉会のことば (柳原敏夫)
2、3月17日郡山裁判
開会のあいさつ(駒崎 ゆき子)
閉会のことば (武藤 類子)

記者会見 動画(2月17日東京裁判)
(3月10日 郡山裁判)
中継 同時通訳とインタ-ネットにより全世界に同時中継
OurPlanetTV 日本語放送→ USTREAM配信 2月26日放送分 第1部(法廷劇) 第2部(討論・意見表明)
英語放送→ USTREAM配信
IWJ        日本語放送→ Ch5 2月26日放送分
英語放送→ Ch6 2月26日放送分
日程・会場
東京裁判:2月26日(日)12時半開場 1時スタート
日比谷コンベンションホール(千代田区立日比谷図書文化館)
地下1F 日比谷公園内→地図
定員:先着207名
郡山裁判:3月17日(土)12時半開場 1時スタート
郡山市男女共同参画センター(さんかくプラザ)2階 集会室
(郡山市麓山二丁目9番1号  TEL 024-924-0900)→地図
定員:先着100名
ビデオ出演(敬称略)
・原告の親
・矢ヶ﨑克馬(琉球大学名誉教授 内部被曝についての考察
・松井英介(岐阜環境医学研究所所長 【FM797原発災害特別番組】松井英介先生に聞く
ゲスト(敬称略)
東京裁判
・上杉隆(ジャーナリスト 「原発事故」取材の報告
・生井兵治(元筑波大学農林学系教授 5/31ニュースの深層 伊藤洋一さんとの対談「内部被ばく」)
・野中ともよ(NPO法人代表) 
汐見稔幸(白梅学園大学学長 子育てに大切ないくつかのヒント前編
・メリー・ジョイス(ピースボート)
郡山裁判
・齋藤貴男(ジャーナリスト)
・おしどりマコ(芸人)
・生井兵治(元筑波大学農林学系教授)

世界から寄せられた声(敬称略)
・大江健三郎  メッセージ  記者会見映像(外国人特派員協会記者クラブ)
・柄谷行人 「新たな“東京裁判”を
・崎山比早子 「確信犯的なふくしま集団疎開裁判の判決
・チョムスキー メッセージ  市民法廷へのコメント
・バンダナ・シバ メッセージ
・マーク・エングラー メッセージ

どんなテーマを取り上げるの?(予告編)
子供たちの倫理1「僕たちが遊んで原発をこわしたんだろうか
子供たちの倫理2「それは僕たちにとって『ちょっとのちがい』なの
子供たちの倫理3「それは僕たち子どもが選択する個人の問題なの

ふくしま集団疎開裁判でどんな書面が提出されたの?
仮処分申立書
申立の記者会見資料
親の声 申立の理由(   ) 自主避難しない理由( ) 
最終準備書面
裁判所の決定
裁判所に提出された書面一覧表
裁判の争点一覧表

2.26世界市民法廷の予告編3:子供たちの倫理「それは僕たち子どもが選択する個人の問題なの」

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或る人から、東京の有名な大学の名誉教授で日本学術会議とかいう学者の団体の幹部の人が、こんなことを言っていると教えてもらいました。

100ミリシーベルト以下でもリスクはないわけではない。‥‥そのようなリスクをどのように判断するのかは個人の選択の範囲だ 「放射線を正しく恐れよう

リスクって、何のことだか、ちゃんと説明してくれないから、僕たち子どもでも理解できる言葉で置き換えてみよう。
(1)、100ミリシーベルト以下の被ばくで、子供たちに健康障害が起きない、つまり安全(白)とは証明されていない。
(2)、100ミリシーベルト以下の被ばくで、子供たちに健康障害が起きる、つまり危険(黒)とも証明されていない(但し、論議の真っ最中で、「限りなく黒に近い灰色」の見解が有力です)。
(3)、だから、100ミリシーベルト以下の被ばくで、子供たちに健康障害が起きるか起きないかは分からない(灰色だ)。
(4)、この「灰色」の状態のことをリスクと呼ぶ。

すると、この偉い先生が、僕たち子供たちに向って言っていることは次のようになります。
100ミリシーベルト以下で「灰色」であるとき、どうするかは、君たち個人の責任で判断し、選択しなさい。

でも、そうなの? 今回の福島原発事故も、本当に、僕たち子どもが(百歩譲っても、親と相談して)自分で判断して、選択する問題なの?

なんでこれを取り上げるか、というと、疎開裁判の裁判所の判断(決定)でも、同じことを言ってるからです。裁判所の判断を、僕たち子どもでも理解できる言葉で置き換えるとこうなる。

(1)、原告の子ども等は、もし被ばくにより危険だと思うなら、自分の判断で、郡山市から安全だと思う場所に転校(ここでは住民票を郡山市に置いたまま転校する区域外通学)すればよい。子ども等にはこれを選択する自由がある。
(2)、しかも、郡山市は子供たちのこの選択の自由を妨害していない。
(3)、だから、裁判で、避難の救済を認める必要はない。
決定20頁)

もちろん僕たち子どもは、簡単に自分だけ転校なんかできない。子どもにも子どもなりの大切な「つなが」があるんだから、そう簡単にバラバラになるわけにはいかない。さらに、親の仕事、生活の都合もある。

でも、百歩譲ってそれらを全て無視したとしても、そもそも次の疑問がある。
被ばくで健康障害が発生するかどうか「灰色」のとき、そこでどうするかは、本来、僕たち子どもが個人個人で判断して決めるべきことなの?

僕たち子どもたちにも主体性と責任はあります。子どもはつい、危険な遊びをしたがります。オモチャも、本来の使い方を無視して、ヤバイ使い方をしてしまうときがあります。そのとき、ひょっとして危険な結果が起きるかもしれない(=灰色の状態)とき、そこでどうするかは、本来、オモチャを使う君たち子どもが個人個人で判断して決めなさい、と言われるのなら納得します。その結果に対しても、それを使った君たち子どもにまず責任があると言われたら納得します。

でも、原発は僕たち子どもがヤバイ使い方をしてこわしたんじゃない。
僕たち子供たちは、原発事故に対して、何も責任はない。
なのに、原発事故によって、危険かどうかははっきり分からない、でもひょっとして取り返しのつかない辞退が発生するかもしれないという大変な事態に巻き込まれた時、それにどう立ち向かうかは、ひとりひとりの個人で判断すべき問題だから、君たち個人の責任で判断し選択しなさい、その選択のみちがあるんだから裁判で避難の救済を認める必要はないって、根本的におかしいんじゃないの?

もちろん、僕たち子どもだって、原発事故でもどんな困難なときでも、自分の目と頭で判断することを決して手放さない。他人を言うことをそのまま鵜呑みにするような依存症候人間には絶対ならない。それは全ての不幸の根源だから。

だけど、それと、一般市民が巨大な人災である原発事故に巻き込まれたとき、危険かどうかが灰色の状態に対して、本来は誰が責任をもって判断すべきかというのは全然別な問題です。

転校しない僕たち子供が本来の責任者なのか?

本来の責任者とそれに連なる人たちはどこだ!

2.26世界市民法廷の予告編2:子供たちの倫理「それは僕たちにとって『ちょっとのちがい』なの」

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去年の9月19日、ふくしまから次の声が届けられました(福島から あなたへ)。
3.11・原発事故を境に、その風景に、目には見えない放射能が降りそそぎ、私たちはヒバクシャとなりました。‥‥
大混乱の中で、私たちには様々なことが起こりました。
すばやく張りめぐらされた安全キャンペーンと不安のはざまで、引き裂かれていく人と人とのつながり。‥‥
そして、今。半年という月日の中で、次第に鮮明になってきたことは、
・真実は隠されるのだ
・国は国民を守らないのだ
・事故はいまだに終わらないのだ
・福島県民は核の実験材料にされるのだ
・ばくだいな放射性のゴミは残るのだ
・大きな犠牲の上になお、原発を推進しようとする勢力があるのだ
・私たちは棄てられたのだ


すばやく張りめぐらされた安全キャンペーンの最大のものは100ミリシーベルト問題です。
しかも、耳をすましたら僕たち子供には、2つの声が聞こえてきました。
「100ミリシーベルト以下は影響ない・心配ない」
「100ミリシーベルト以下は被ばくによる健康障害を証明するデータはない」

その声は同一人物から発せられたときでも、時と場所によって、巧みに使い分けられていました。
一方は、ふくしまの市民に向けての一般大衆の場所で、他方は、専門家、有識者に向けての特殊な場所で。

でも、どうして、そんな使い分けをする必要があるんだろうか?
その使い分けって、いったい、何んだろうか?
僕たち子供にも分かるように説明してほしい。

すると、どこかから、こんな声が聞こえてきます。
「いや、どっちもたいした違いじゃない。同じようなもんでしょう」
「ちょっとのちがいだから、時と場合によって、ついどっちの言い方も出てしまうだけさ」

でも、そうなの? 本当に、それは『ちょっとのちがい』なの?

「100ミリシーベルト以下は影響ない・心配ない」って、安全(白)だ、と言うことです。でも、
「100ミリシーベルト以下は被ばくによる健康障害を証明するデータはない」って、「安全(白)だ」じゃない。単に、安全か危険か分からない(灰色だ)と言っているだけです。
ということは、ひょっとしたら危険かもしれない、あとから大変な病気になるかもしれない、最悪の場合には命を落とすことがあるかもしれないと言っているのです。

それが僕たち、ふくしまの子供たちにとって灰色の意味です。
地獄に落ちるかもしれないという分かれ道の意味です。

どうして、これが安全(白)と『ちょっとのちがい』なんですか?

安全キャンペーンのために、はるばるふくしまにやってきた人は、自分の家族や子どもは安全な場所に置いてきたから、安心して『ちょっとのちがい』だなんて、言えるのではないですか。

科学者の良心と倫理を持った人なら、正しく次のように言ってほしい。
(1)、「100ミリシーベルト以下は影響ない」と「100ミリシーベルト以下はデータはない」とは天国と地獄を隔てるくらい、ちがう意味です。
(2)、だから、両者を『ちょっとのちがい』だとして振舞うのは子供たちを地獄に突き落とす犯罪的なことです。

※参考 今中哲二「“100 ミリシーベルト以下は影響ない”は原子力村の新たな神話か?

2.26世界市民法廷の予告編1:子供たちの倫理「僕たちが遊んで原発をこわしたんだろうか」

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世界市民法廷では、市民の目線・コモンセンスで、ふくしま集団疎開裁判を考え、昨年12月16日に下された裁判所の判断(決定)を問い直します。

以下は、「裸の王様をわらう」子どもの目線・コモンセンスで、裁判所の判断を問い直したいと思った予告編その1です。

裁判所は、次のように判断しました。
(1)、放射能が100ミリシーベルト以下なら、被ばくした子供たちの生命・身体に障害が発生するかどうか、これを裏付ける証拠を、原告の子供たちが提出していない。
(2)、だから、原告の子供たちの生命・身体が危険にさらされているとは言えない。
(3)、だから、原告の申立は却下する。
決定19~20頁)。

でも、裁判所は、
放射能が100ミリシーベルト以下のとき被ばくした子供たちの生命・身体は安全だ、
とも言っていません。つまり、裁判所は、
放射能が100ミリシーベルト以下のとき被ばくした子供たちの生命・身体に障害が発生するかどうかは、分からない(灰色だ)、
と言っているのです。

ふくしまの多くの子供たちは、漠然とにせよ、100ミリシーベルト以下のときでも被ばくしたら、生命・身体に障害が発生するか可能性はかなり高い、と不安に感じています。だから、外出時にマスクをしたり、屋外の活動を控えています。

でも、仮に百歩譲って、
100ミリシーベルト以下のとき被ばくした子供たちの生命・身体に障害が発生するかどうかは、分からない(灰色だ)、
としても、重要なことは、
灰色のとき、それが危険(黒)だという証明を、ふくしまの子供たちの側で証明できない限り、危険(黒)だと考えて対策を撮ることはしない、と裁判所が判断したことです。

それって、倫理的に、根本的におかしくない?

僕たち子どもの中には、ひょっこりひょうたん島の「博士」のような秀才もいないわけではないけれど、彼ですら科学や放射能の専門家ではありません。また、僕たちの親だって、普通の市民です。放射能の科学技術に通じている親なんていません。そんな僕たち子供たちや親たちが、どうして、放射能の専門家でも不可能に近い、難しい証明をしなくてはいけないんでしょうか。その証明ができない限り、僕たちが求めている避難の救済は認められないことになるんでしょうか。

僕たち子どもたちにも倫理はあります。
もし、僕たちがふざけて遊んでいる最中にまちがって原発をこわしたんなら、それでもって被ばくしたときには僕たちにも責任があります。
だから、避難の申立をするとき、「100ミリシーベルト以下で危険だという証明をあなたたちでしなさい」と言われたらそれは納得します。

でも、僕たちが遊んで原発をこわしたんじゃない。
僕たちはまるっきりの被害者です。
どうして、まるで僕たちが原発をこわした加害者であるかのように、僕たち子供たちに、こんな困難な証明を押し付けるんでしょうか。
そして、どうして、僕たち子供たちを安全を環境で教育する義務を負っている大人たちが「100ミリシーベルト以下でも安全である」という証明をしないで、のうのうとしていられるのでしょうか。

子どもの倫理に照らして、僕たちはこの裁判所の判断にどうしても納得できない。

もし子どもの倫理を持った裁判官なら、こんな裁きをしたでしょうか?

大江健三郎さんからのメッセージと記者会見映像

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2.26世界市民法廷に参加予定でしたが、スケジュールの都合で参加できなくなった大江健三郎さんから以下のメッセージをいただきました。

『一市民としての関心を持ちつづけ、敬意を込めてお子さんたちの勇敢な奮闘を見守りたい』

以下は、大江さんが記者会見で「ふくしま集団疎開裁判」を取り上げた動画です。
「さようなら原発1000万人署名」記者会見(2月8日、外国人特派員協会記者クラブ)

2012年2月17日金曜日

「世界市民法廷」記者会見(2月17日)

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◎記者会見の動画->こちら
◎出席
武藤類子(ハイロアクション福島 福島から あなたへ
高橋幸子(経産省テントひろば) 
神山美智子(疎開裁判 弁護団・「食の安全・監視市民委員会」代表)
柳原敏夫(疎開裁判 弁護団)

2012年2月16日木曜日

チョムスキーからのコメント「 世界市民法廷に向けて」

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「ふくしま集団疎開裁判」の英文の基本資料に目を通したノーム・チョムスキーが、 昨日、以下のコメントを寄せてくれましたので紹介します(2012.2.15)。

********************
「ふくしま集団疎開裁判」を支持します。この裁判は福島原子力発電所事故の被害者のうち、最も痛ましい被害者である子どもたちを守るという、極めて重要なものであり、賞賛すべき努力です。
この子どもたちの命は危険にさらされ、その後の世代も同じ恐怖に直面することでしょう。
福島の惨事が破滅的結果をもたらすことは、事故直後に明白だったわけですが、その後、その驚くべき規模がさらに明らかになり、今後もっと悪い結果が予測される事態です。
専門家の研究では、現時点ですでに、被害の規模はチェルノブイリのグロテスクな規模に匹敵するか、上回ることが明らかになっています。
今こそ原子力エネルギーへの依存に終止符を打つ時です。原子力は人間の命を代価・犠牲として必要とする破壊的な可能性を秘めたものだということが、福島事故が改めて、これほどすさまじく明らかにしたのです。
核兵器が使用された唯一(今までのところ)の国という悲劇的な歴史の観点から、東京の世界市民法廷ほど、日本における原子力災害に終止符を打つにふさわしい場所と時は他にないでしょう。 
この目的に向かって、みなさまの献身的な努力があることを願っています。

ノーム・チョムスキー
マサチューセッツ工科大学 名誉教授
ケンブリッジ、マサチューセッツ州、アメリカ合衆国

《原文》
To the Tokyo World Citizens Tribunal

I am writing in support of the Fukushima Save Children Lawsuit, a laudable and I think critically important effort to protect the most heartbreaking victims of the Fukushima nuclear disaster, the children whose lives are being destroyed, and coming generations that may face the same horrors.  It was evident at once that the Fukushima disaster would have catastrophic consequences, but its shocking scale has become far more apparent since, with worse to come, very likely.  Expert studies already reveal that the scale may reach or even surpass the grotesque level of Chernobyl.  Surely the time has come to put an end to reliance on nuclear energy, with its devastating potential human costs, so dramatically revealed once again at Fukushima.  In the light of the tragic history of the sole use of nuclear weapons ? so far ? there could be no more fitting place and time to end the scourge of nuclear power in Japan than the World’s Citizens Tribunal meeting in Tokyo.  I hope dedicated efforts will be undertaken at the Tribunal to this end.

Noam Chomsky
Institute Professor (Emeritus)
MIT, Cambridge MA USA

Comment from Noam Chomsky about support to the Fukushima Evacuate Children Lawsuit(2012/02/15)

To the Tokyo World Citizens Tribunal

I am writing in support of the Fukushima Save Children Lawsuit, a laudable and I think critically important effort to protect the most heartbreaking victims of the Fukushima nuclear disaster, the children whose lives are being destroyed, and coming generations that may face the same horrors. It was evident at once that the Fukushima disaster would have catastrophic consequences, but its shocking scale has become far more apparent since, with worse to come, very likely. Expert studies already reveal that the scale may reach or even surpass the grotesque level of Chernobyl. Surely the time has come to put an end to reliance on nuclear energy, with its devastating potential human costs, so dramatically revealed once again at Fukushima. In the light of the tragic history of the sole use of nuclear weapons ? so far ? there could be no more fitting place and time to end the scourge of nuclear power in Japan than the World’s Citizens Tribunal meeting in Tokyo. I hope dedicated efforts will be undertaken at the Tribunal to this end.

Noam Chomsky
Institute Professor (Emeritus)
MIT, Cambridge MA USA

Message from Mark Engler

"Those affected by the nuclear disaster at Fukushima have a right to receive a fair hearing for their grievances--including the serious charges that their government did not adequately protect the health and safety of their children. I support the World Citizens' Tribunal on the Fukushima Evacuate Children Lawsuit with the hopes that it will provide such a hearing and that it will ultimately help to secure justice for the victims of this disaster". -- Mark Engler

DemocracyUprising.com

崎山比早子さんからのメッセージ

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


崎山比早子さん(高木学校・医学博士)から、「世界市民法廷」に次のメッセージをいただきました。

確信犯的なふくしま集団疎開裁判の判決

文部科学省が線量限度の科学的根拠として依拠しているのは国際放射線防護委員会(ICRP)の報告である。ICRPのモデルに従って100ミリシーベルトの被ばくでがん死率が0.5%上昇するといっても、その根拠が正しいのかどうか、疑問のあるところだ。科学的にはICRPの予測は過小評価であるという見解もあり、リスクはそれより多い可能性も否定できない。
現にドイツ、英国、フランス、スイスの原子力発電所周辺では5才以下の小児白血病が増えていると報告されている。原発周辺の線量は年間1mSvにも満たない。またスエーデンにおける疫学調査によるとチェルノブイリ事故以来固形がんが土地の汚染度に比例して増加している。この汚染による被ばくは、高いところでも年間1mSv 以下である。
これらの報告からもわかるようにICRPの予測モデルと矛盾する現実がある。その計算が間違えていたら政府は責任のとりようがないではないか。しかも放射線に感受性の高い子供が対象なのだからなおさらである。
100ミリシーベルトの被ばくで1000人に5人のがん死が上乗せされても疫学的に検出できないからとして、無視しようとするのが今の政府、司法の論理なのだ。この政策を支えているいわゆる専門家も多い。検出不能だから我慢せよという。これは国をあげての倫理の崩壊である。

マーク・エングラーさん『世界市民法廷』支援メッセージ

2月26日(日)東京、3月17日(土)郡山で開催予定のふくしま集団疎開裁判に関する「世界市民法廷」に対して、新たに海外から支援メッセージを寄せていただきましたので紹介します:

"Those affected by the nuclear disaster at Fukushima have a right to receive a fair hearing for their grievances--including the serious charges that their government did not adequately protect the health and safety of their children. I support the World Citizens' Tribunal on the Fukushima Evacuate Children Lawsuit with the hopes that it will provide such a hearing and that it will ultimately help to secure justice for the victims of this disaster". -- Mark Engler
「フクシマ核惨事で被災なさった人びとは――自国政府がわが子たちの健康と安全を適正に保護しなかったと告発する深刻な声など――抗議の申立てを公正な耳に聴いてもらう権利があります。わたしはふくしま集団疎開裁判に関する世界市民法廷を支持するとともに、この法廷がこのような聴聞の機会となり、最終的に、この惨事の犠牲者のために正義を実現するのに役立つことを、と願っています」 ――マーク・エングラー

マーク・エングラー氏プロフィール Bio of Mark Engler
アイオワ州デス・モイネス出身。1998年ハーバード卒。2010年までニューヨーク、現在はフィラデルフィア在住のライター、フリーランス・ジャーナリスト。対外政策専門家ネットワーク"Foreign Policy in Focus"(「対外政策を見据える」)の上席アナリスト。
  • How to Rule the World: The Coming Battle Over the Global Economy (Nation Books)『世界を支配する方法~グローバル経済に対する来るべき闘い』(ネーション・ブックス)著者。
  • 報道・評論サイト DemocracyUprising.com(勃興するデモクラシー)主宰。   http://www.democracyuprising.com/
  • ザ・プログレッシブ、ザ・ネーション、ニューズデイ、サンフランシスコ・クロニクル、クリスチャン・サイエンス・モニター、トムディスパッチなどに寄稿。記事は世界15ヶ国語に翻訳。
日本語版記事の一例:
Mark Twain in Iraq, by Mark Engler, published on November 7, 2003.
マーク・エングラー「マーク・トウェインがイラクに赴けば」2003年11月http://www.democracyuprising.com/2003/11/mark-twain-in-iraq-japanese/
Capitalism as Catastrophe A review of Naomi Klein’s The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism.
破局の資本主義:ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン~惨事便乗型資本主義の正体を暴く』http://www.democracyuprising.com/2008/03/capitalism-as-catastrophe/

2012年2月11日土曜日

【速報】世界に発信!みんなでつくる「世界市民法廷」に参加しませんか?

あなたの評決が子どもたちを救います。まだの方は今すぐ-->こちらから


【お詫び】申し訳ありません、大江健三郎さんがスケジュールの都合により2月26日に参加できなくなりました。

 福島第一原発の事故が起きてからもうすぐ1年。
福島での出来事はあたかも収束したかのように、新聞でもテレビでもあまり報じられなくなってきています。

 一見すると日常が戻ったかにみえる福島市や郡山市などの原発周辺地域。とはいえ放射線量は高いままで、郡山市の線量を1年間で概算すると年間5ミリシーベルトを超えています。年間5ミリシーベルトというのはチェルノブイリ原発事故の場合の強制避難区域にあたるのです。
 ところが郡山市ではこういった状況下でも、通学区域にそれより高い線量のところがあっても子供達は普通に通学し、部活も再開されています。
 「ふくしま集団疎開裁判」は、郡山市の中学生14人が郡山市に対して安全な場所での教育を求めて起こした裁判です。それに対して一審は政府の「冷温停止宣言」とともに申し立てをしりぞけました。こうして今でもほとんどの子供は転校も本当に安全といえる環境を保障されることもないまま、かつてのように学校に通っているのです。
 私たちは、郡山市の現状と予測される未来、そして裁判がどのようなものだったのかを陪審劇で再現し、当日参加してくださるみなさんと、もう一度この裁判について考え直す機会を持ちたいと思っています。
 福島の問題を、福島だけの問題にすることなく、一緒に考えてみませんか?私たちの住む世界を少しでもよくしていくために、一人でも多くの方の参加をお待ちしております!
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『世界市民法廷』のご案内
〈日時〉 2012年2月26日 12時半開場 1時スタート
〈会場〉日比谷コンベンションホール(千代田区立日比谷図書文化館)地下1F
日比谷公園内(旧・都立日比谷図書館)
丸の内線・日比谷線・千代田線「霞ヶ関駅」C4・B2出口より徒歩約5分
〈定員〉先着200名
〈資料代〉一人1000円お願いいたします。
ただし、福島県在住の方、福島県から避難されている方は無料とさせていただきます。
〈プログラム〉
12時半開場 13時スタート
【第一部】
ふくしま集団疎開裁判とは?
世界市民法廷陪審劇(約1時間)
【第二部】
ゲストのコメントその他
  • 上杉隆 さん (ジャーナリスト)
  • 生井兵治 さん (元筑波大学農林学系教授)
  • 野中ともよ さん (NPO法人代表) 
  • 汐見稔幸さん (白梅学園大学学長)
  • メリー・ジョイス さん (ピースボート)
【第三部】
会場参加者同士のミニ討議、意見表明
16時半終了

世界市民法廷の陪審劇では、実際に行われたふくしま集団疎開裁判の法廷での 様子を再現しながら、どういったことが行われたのかを参加者のみなさんに わかりやすくお伝えし、もし市民が陪審員であったらこんな意見が交わされるのでは? という視点から陪審員たちに意見を述べてもらいます。これらの やりとりを観て、みなさんご自身が陪審員の立場だったらどんな判決を下すだろうかとこの機会に考えていただけたらと思います。また、会場内の方の意見をなるべく「市民法廷」として反映できるようにするつもりです。

あなただったら「ふくしま集団疎開裁判」についてどんな判決を下すでしょうか?
それはどんな理由で?
子供達は避難すべきなのでしょうか?
それとも除染をしていたらそれで安心なのでしょうか?
2月26日、みんなで一緒に考えてみませんか?

〈インターネット中継〉
同時通訳とOur Planet TVにより全世界に同時中継いたします。現在世界中の市民に対しても、世界市民法廷についての賛同を呼びかけています。

〈世界の識者からも応援メッセージが届いています!〉

◎思想家・活動家のバンダナ・シバさん
「世界市民法廷を全面的に支持し連帯します」(2012.2.9)

◎思想家・活動家のノーム・チョムスキー氏から
「ふくしま集団疎開裁判」を支持します。この裁判は福島原子力発電所事故の被害者のうち、最も痛ましい被害者である子どもたちを守るという、極めて重要なものであり、賞賛すべき努力です。
この子どもたちの命は危険にさらされ、その後の世代も同じ恐怖に直面することでしょう。
福島の惨事が破滅的結果をもたらすことは、事故直後に明白だったわけですが、その後、その驚くべき規模がさらに明らかになり、今後もっと悪い結果が予測される事態です。
専門家の研究では、現時点ですでに、被害の規模はチェルノブイリのグロテスクな規模に匹敵するか、上回ることが明らかになっています。
今こそ原子力エネルギーへの依存に終止符を打つ時です。原子力は人間の命を代価・犠牲として必要とする破壊的な可能性を秘めたものだということが、福島事故が改めて、これほどすさまじく明らかにしたのです。
これまで核兵器が使用された唯一の国という悲劇的な歴史の観点から、東京の世界市民法廷ほど、日本における原子力災害に終止符を打つにふさわしい場所と時は他にないでしょう。 
この目的に向かって、みなさまの献身的な努力があることを願っています。」(2012.2.12)

「ふくしま集団疎開裁判」に個人的な支援ができることを光栄に思います。社会が道徳的に健全であるかどうかをはかる基準として、社会の最も弱い立場の人たちのことを社会がどう取り扱うかという基準に勝るものはなく、許し難い行為の犠牲者となっている子どもたち以上に傷つきやすい存在、大切な存在はありません。日本にとって、そして世界中の私たち全員にとって、この法廷は失敗が許されないテスト(試練)なのです。」(2012.1.4)

◎思想家・文芸評論家の柄谷行人氏から
3.11以後まもなく、私は"東京裁判"のことを考えた。もちろん、それは第二次大戦後の東京裁判ではなく、東京電力・経産省など原発に関係する当局を裁く法廷である。当局は最初から、この事故の実態と被害の実情を隠蔽した。それによって生じる被害は甚大なものになるから、必ずその罪が問われるだろう。さらに、当局のやり方は、福島の住民あるいは日本人全般を欺くだけではない。放射性物質を空中に飛散させ海中に廃棄するこの事故は、広く海外の人たちに被害を及ぼすものであり、日本だけではすまない問題である。ゆえに、これは国際的な裁判になるだろう、と私は考えたのである。
同時に、私はこう考えた。それはかつての東京裁判のようなものではあってはならない、と。東京裁判は戦勝国が敗戦国を裁くものであった。しかし、一つには、それは、日本人が自ら戦争指導者を裁くことができなかったからである。また、その結果として、戦勝国に服従して原発を推進するような勢力の存続を許してしまった。したがって、原発事故の責任を問う"東京裁判"は、市民自らが担うものでなければならない。
それが「世界市民法廷」である。(2012.1.30)

〈主催〉ふくしま集団疎開裁判の会

〈協賛〉
日本環境法律家連盟(JELF)
グリーンピース・ジャパン
原発訴訟弁護団
チェルノブイリ子ども基金
原発はいらない屋久島の会

〈お問い合わせ〉光前法律事務所 03ー5412ー0828