2025年2月4日火曜日、参議院議員会館にて、子ども脱被ばく裁判総括集会開かれる。
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2025・2・4 子ども脱被ばく裁判総括集会(前半)https://youtu.be/s3cVUSZCTYU
2025・2・4 子ども脱被ばく裁判総括集会(後半)https://youtu.be/-b-l_4p-2dA
脱被ばく実現ネットボランティア 冨塚元夫
2月4日に参議院議員会館101号室で子ども脱被ばく裁判総括集会がありました。
集会参加者は約100人で会場満席でした。
裁判を支える会共同代表、弁護団、原告、各地の原発事故損害賠償訴訟団、国会議員等から発言がありました。
子ども脱被ばく裁判は昨年11月29日に最高裁が原告の上告を棄却したので終了しました。
2014年8月福島地裁に提訴された訴訟は、2023年12月18日の仙台高裁の判決が確定となりました。
福島地裁判決は2021年3月1日に出されました。
政府・福島県・県内市町村は子どもを被ばくから防護する対策を取らなかった、これは紛れもない違法行為であるから賠償すべきものを、「行政の裁量の範囲を著しく逸脱していないから、原告の主張は認められない」というもので、「福島の司法が福島の子供守らないでどうする!」という声が地裁前の路上でこだましました。
行政の裁量権は法律の枠内で行われるもので、違法な判断や行為は許されません。
一般住民の被ばくの限度は年1ミリシーベルトであって、20ミリシーベルトを強要することは違法な殺人行為です。
10万人当たりの被ばくによる死者数者は20倍に増加します。
昔朝鮮王国(李王朝)時代には、「司憲府」という「役人の違法行為を監督する官庁」があったそうです。
現在の検察庁にあたる組織のようですが、実は役人(貴族たち)の力が強く私腹を肥やすために民から搾り取るなど違法の限りを尽くしていました。
そうした貴族対して、命がけで違法を立証し裁判にかけようとしてきた司憲府の下級役人は
ヘチと呼ばれていたそうです。ヘチは「善と悪を判断し正義を守る想像上の動物」でソウルの光化門にいる像だそうです。
現代日本にはヘチはいないようです。
官僚の違法行為を検察は調査もせず、東電の違法行為者を起訴せず、検察審査会の決定で
起訴しても司法は無罪判決を出す始末です。
2014年8月に提訴した子ども脱被ばく裁判の前に、2011年6月24日に福島地裁郡山支部
に提訴した「ふくしま集団疎開裁判」がありました。
文科省の20ミリシーベルト下での授業再開決定に対し、郡山市の子ども14人が「年間1ミリシーベルト以下の環境での教育」を求めて仮処分の申し立てを行ったもの。
2013年4月24日仙台高裁は申し立てを却下しましたが、「低線量の放射線に長期にわたり継続的にさらされる結果、生命・身体・健康に関して由々しき事態の進行が懸念される」とまともな表明をしながらも、「現在直ちに不可逆的な悪影響があるとまでは認めがたい」という誤った結論に至るという不思議な判決でした。
しかし、いまになっては、一番ましな判決と言えるようです。
ふくしま疎開裁判の会代表の井上さんはがんで亡くなりました。
貸し切りバスで一緒に仙台に行ったこともある筑波大学の生井名誉教授も亡くなりました。
疎開裁判、子ども脱被ばく裁判のボランティア仲間も多数無くなりました。
福島の子どもを疎開させられなかった結果、現在400人近い(当時の)子どもが甲状腺がん
に苦しんでいます。チェルノブイリ事故の国々では疎開は法律上の権利です。ただチェルノブイリ法の成立以前に被ばくした多くの子どもが甲状腺がんになりました。
甲状腺以外のがんやその他の病気も法律によって治療・保養を保証されています。
日本にもチェルノブイリ法があったならばと思います。
しかし法があっても守る気がないのが日本の行政・司法です。
日本を憲法・国際人権法・国内法を守るまともな国にするために行動しましょう。
子ども脱被ばく裁判弁護団の柳原弁護士の2月4日、感想です。
柳原です。
2月4日に、子ども脱被ばく裁判の総括集会をやりました。参加いただいた皆さんには感謝申し上げます。
私は、内心、子ども脱被ばく裁判は負けてはいない、最高裁こそ敗北したと確信している人間です。ですが、その訳はきちんと説明しないと、「あいつ頭がおかしくなったんじゃないか」と思われる。
そして、私にとって課題は、その確信から「次のアクションは何」を明確に引き出すことです。
先日の集会ではそれについて語る積りで準備してきたのですが、前夜になって、その作業が暴走し、全部喋ったら私の分だけで、弁護団の持ち時間を使ってしまうというので、脇にいた井戸さんの訴訟指揮で、3分の1ほどしか喋れませんでした。
その結果、肝心要の
「子ども脱被ばく裁判が日本を変えた」
「最高裁判決は私たちの上告理由書に敗北した」
「法治国家の滅亡」
「この法治国家の滅亡から、何を引き出すのかーー市民による生成法の実現」
「私にとって生成法の実現は、チェルノブイリ法日本版とチェルノブイリ型の新たな保養事業です」
を語る時間がなく、80冊用意したブックレット「わたしたちは見ている」の説明もできませんでした。
これを補うのが、その原稿を短く6つに分けた、以下のブログ記事です。
ご参考までに。
2025年の振り返り:子ども脱被ばく裁判その可能性の中心その1「未来について語る」(25.2.5)
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525.html
同上その2「外圧の力」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_5.html
同上その3「狐につままれた二審決定」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_90.html
同上その4 「最高裁判決は理由をボイコット」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_92.html
同上その5 「法治国家の滅亡」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_74.html
同上その6 「子ども脱被ばく裁判が日本を変えた」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_28.html
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本日午前の投稿の番外編です。
それは、2012年7月、行き詰っていた私が、市民運動の旧人類から新人類に変化を遂げたーーそれも、サナギがチョウに変化したら元に戻らないように、後戻りすることのない変化を遂げた瞬間を振り返ったものです。
2025年の振り返り:子ども脱被ばく裁判その可能性の中心番外編「園良太さんが私を変え、新人類の仲間入りをさせてくれた」
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252525_47.html
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昨日の投稿の番外編その2です。
今度は井戸さんの2011年6月のふくしま集団疎開裁判申立時の発言。
この日、ずっと彼と行動を共にしていながら、こんな永久に胸に刻むべき言葉を、この時彼が喋っていたとは知らなくて、愕然と。
そして、この発言をこの時、拾い上げて記録していたクレヨンハウスの落合恵子さんに脱帽です。
子ども脱被ばく裁判その可能性の中心番外編その2「疎開裁判の申立の時、永久保存版の言葉を語っていた井戸謙一さん」(25.2.6)
https://contemplationon311japansociety.blogspot.com/2025/02/20252526.html