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2020年8月4日火曜日

子ども脱被ばく裁判 7月28日 原告代表、弁護団等書面 第2弾

7月28日の子ども脱被ばく裁判 結審につき、原告代表、弁護団、参加ボランティアからの書面、感想等をご覧ください。

●原告代表 今野寿美雄さん 最終意見陳述

 原告を代表して、最終の意見を述べさせていただきます。
 6年の長きに渡り審議が続いてきましたが、この裁判を通して不溶性の放射性微粒子の存在及びこの物質による内部被ばくの危険性が解ってきました。これは、当裁判や他の訴訟においても原告側の主張を裏付ける確固たる証拠であり、非常に重要なポイントだと思います。また、事故時から現在に至るまでの行政の間違った対応や「ニコニコ安全論」等により、無用な被ばくを受けることになりました。更に、福島県民だけが年間20ミリシーベルトの被ばくを受忍させられています。到底許されるものではありません。

 9年以上が過ぎた今でも、多くの親達が子ども達の健康に不安を抱いています。子どもを心配することは親として当然の行為です。
 9年以上が過ぎたからと言って、原発事故は終わったわけではありません。今尚、大量の汚染水を産み出し、放射性物質を大気へ海へと放出を続けています。原発事故は、今も続いていることを忘れてはいけません。原子力緊急事態宣言発令中です。 
 県民健康調査検討委員会では、今年3月末の集計で公表された小児甲状腺がんの患者
の数が、確定及び疑いのある者を合わせて240名になっています。また、この数に含まれない患者の存在も当裁判を通して明らかになりました。患者本人及び親、家族達の痛切な思いが察しられます。甲状腺検査でB判定と診断された子ども達が多数います。
子どもを被ばくから護れなかった親達の無念の声があがっています。
 子ども達は、子ども達で子ども達を護ることはできません。子どもたちを護ることができるのは、私達大人達しかいないのです。子どもを護ることは、私達大人の責任です。
それは私達に課せられた義務です。
 被告及び被告代理人の方々に申し上げます。皆さまにも子どもや孫達がいると思います。私達人間はそんなに賢くないと思うので、また同じような間違いを起こすと思います。ですから、皆さまは今回の事故について、国や行政の過ちを小さく見せようとするのでなく。将来を見据えた反省を、私達原告と共に被告の立場を越えて、親として大人として子どもたちを護っていく為に、どうしたら良いかを考えて行動していかなければなりません。それが、大人達の責任であり。義務であると思っています。

 子どもは未来からの贈り物です。かけがえのない宝物です。子どもの健やかなる成長が親の願いです。子ども達には、安全で安心な環境で教育を受ける権利があります。行政はこの権利を護らなければなりません。
 私達原告は、子ども達を護りたい一心で立ち上がりました。当法廷に出席できない親子の声を預かり、原告を代表しまして最後の意見陳述をさせていただき、ありがとうございました。裁判官の皆さまにおかれましては、原告の思いを受け止めていただき、子ども達に安全安心な環境と未来を提供できるような判決を出していただくことを切にお願いいたします。ご静聴、ありがとうございました。以上です。


●ご挨拶 子ども脱被ばく裁判・弁護団長 井戸謙一

子ども脱被ばく裁判は7月28日の口頭弁論期日で審理を終結しました。あとは来年3月1日の判決を待つだけです。約6年にわたり、多大なご支援をいただきありがとうございました。署名の最終期限が迫った時期、毎日のように全国津々浦々から多数の署名が私の事務所に届きました。最後の2~3日は多くの署名が速達で送られてきました。ほとんど報道もされない裁判ですが、多数の人々の熱い思いが伝わり、身が引き締まる思いがしました。

この国における被ばく問題の軽視は目に余ります。ヒロシマ・ナガサキ、ビキニから引き続く問題ですが、これによって切り捨てられた多くの被害者が存在したし、今、フクシマでも多くの人が切り捨てられようとしています。他方、これに対する闘いも営々と続けられてきたのであり、最近も「黒い雨」訴訟では見事な成果が出ました。被害者が声をあげ、それを心ある市民と科学者、そして法律家が支えることでしか、この問題を打開することはできません。

私たち弁護団は、原告の人たちの心からの叫びに背中を押され、科学者の方々の援助と支援者の励ましに勇気づけられ、400頁に及ぶ最終準備書面要旨を書きあげました。判決がどのような結果になるとしても、問題提起の役割は果たせたのではないかと自負しています。

今後も、被ばくに関連して、様々な問題が発生し、新たな訴訟も起こされるでしょう。被ばく問題は、ヒトが「核エネルギー」を手にし、一部の人間がこれを力として使いたいという野望を抱いた時に始まった問題であり、「核エネルギー」の政治的利用を断念するまで続く問題でしょう。私たちは目の前の出来事を問題にして闘っていますが、これは、世代を超え、国を超えた闘いの一環でもあります。これからも、次の世代のために、皆様方とともに、私たちの世代の責任の一端を果たしていきたいと念願しています。ありがとうございました。

弁護団提出 最終準備書面要旨
https://drive.google.com/file/d/1vegzfw7Xr1GBLeO3aNM1uQmmWtGex1gQ/view?usp=sharing


準備書面(76・最終)、要旨
被告ら準備書面、証拠(丙B14)
鈴木・山下両人の証人調書
http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.com/2020/08/blog-post_3.html



■IWJ 子ども脱被ばく裁判第27回期日 学習会・記者会見・報告集会



***裁判参加ボランティアの感想***

●宮口
法廷には参加しませんでしたが、裁判後集会、記者会見に参加しました。
子ども脱被ばく裁判、最終弁論に向けて、柳原さん弁護士さんたちの
理路整然とした正義あふれる思い、その日配付された原告ら最終準備書面要旨
ー安全な場所で教育を受ける権利の確認請求事件簿―、
子供だつ被ばく裁判、原告代表・今野寿美雄さんの最終意見陳述書をみて、
胸が詰まりました。

裁判後集会では、その日参加した弁護士さん、原告のみなさんの熱い思いの表明に、
この6年間を思いが滲み出ていました。

理路整然とした最終書面、憲法26条が「教育を受ける権利」
「安全な環境での義務教育の機会の保障」
教育基本法、、学校教育法、学校保健安全法を受けての
学校環境衛生基準が定められており、
放射性物質についての学校環境衛生基準が定められていない事から、
放射性物質についてのあるべき環境基準検討が、
あるべき学校環境衛生基準になるとして考察し結論を述べ、
国賠訴訟では、違法行為、情報隠蔽問題、安定ヨウ素剤、学校再開問題、
集団避難、山下発言問題、に整理され、損害、精神的苦痛の科学的根拠、
原告らの不安の裏付けとなる事象、について詳細に的確に主張しています。

様々な陳述書、陳述人弁論で明らかになった欺瞞性や真実。
裁判長がこれら膨大な問題を含んでいることを認識したのか、
判決日は2021年3月1日としたと報告を聞き、この裁判の重大性を再認識しました。
裁判長が真実を見る目で人間性を発揮した判決を期待したいです。

3,11以後この問題に関われて本当に良かったと思います。
朝からさわやかな風が駆け抜ける嬉しいニューありがとうございました!

新実を明らかにしたい思いを後押しする”風”が吹き始めていることを感じ、
希望を見ました。
弁護士のみなさん、原告のみなさんに感謝です!
●そらのますみ
あの福島原発事故から10年目の2020.7.28.、「子ども脱被ばく裁判」は 結審を迎えました。

「被ばく」や「放射能」を口にする人々を排除し、分断し、打ち棄てようとする権力に抗うことの困難さは筆舌に尽くせません。
しかし、子どもを護る一心で起ち上がった親たちの、そして 全ての子どもたちの未来を何としても護りたいと願う人々の思いが この裁判を支えてきました。

この約6年間の裁判は、かの福島の地にあって勇気を持って起ち上がられた原告の方々と この被ばくとその対応の理不尽さを 完膚無きまでに論破した書面を提出し熱く訴え 文字通り、全身全霊を込めて闘って来られた弁護団の皆さま、そして裁判の度に駆けつけて下さった、あるいは署名やカンパその他に、思いを託して下さった全国の方々の闘いでした。
皆様に感謝いたします。

私は入廷しませんでしたが、法廷での弁護団の最後の締めくくりの言葉は
「行政は正義を実行しなかったが せめて司法は正義を示すべきだ」だったそうです。

202131日の判決が 子どもたちの未来に希望を見い出せるものであることを願ってやみません。

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