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2013年6月10日月曜日

【子どもの甲状腺癌】アレクセイ・V・ヤブロコフ博士のメッセージ

65日に開催された福島県の「県民健康管理調査」検討委員会の場で、18歳以下の子どもたちの甲状腺癌が12人、その(ほぼ確定的な)疑い例が17人に急増したという甲状腺検査結果が公表されました。
参考までに、現在までの公表数値を時系列で並べてみましょう――
2012.09.11 第08回検討委 甲状腺癌:01 疑い例:01
2013.02.13
 第10回検討委 甲状腺癌:03 疑い例:07
2013.06.05
 第11回検討委 甲状腺癌:12 疑い例:15
こうしてみれば、診断調査の進展とともに甲状腺の悪性腫瘍が幾何級数的に増えていることが紛れもなく明確になっているはずです。
11回検討委員会開催の2週間ばかり前、520日に「ふくしま集団疎開裁判」の会が開催した講演会で「チェルノブイリ被害の全貌~福島への教訓」を語ってくださったアレクセイ・V・ヤブロコフ博士に、今回の公表結果についてのご見解をお願いしたところ、さっそくご返信をいただきましたので、往復Eメールの形でご紹介します。
(文責・翻訳:井上)
@Ustream 郡山講演会
2013.06.06【往信】
福島の子どもたちに増大する甲状腺癌診断
Thyroid cancer diagnoses increasing among Fukushima children
アレクセイ・ヤブロコフさま
あなたもすでにご存知でしょうが、福島県立医大が実施している調査によって、福島の子どもに甲状腺癌が12人、そのほかにも(ほぼ確定的な)疑い例が17人と診断されました;
http://www.japantimes.co.jp/news/2013/06/05/national/fukushima-survey-lists-12-confirmed-15-suspected-thyroid-cancer-cases/#.UbALH0BM_Tp.
わたしたち「ふくしま集団疎開裁判」の会は、ウェブサイトにて世界の人びとに見解表明を呼びかけています;
http://www.fukushima-sokai.net/action/opinion_after-e.php
あなたのご見解を同サイトのエントリー欄にご記入くだされば、わたしたちはとても幸甚に思います。あるいは、このEメールにご返信くだされば、翻訳のうえ、わたしたちのブログに掲載させていただきます。
感謝をこめて
イノウエ・トシオ
Dear Alexey Yablokov,
I guess you may already know the news, but I would like to inform you that an ongoing study conducted by Fukushima Medical College has found 12 Fukushima children with confirmed thyroid cancer diagnoses with 15 other suspected (almost confirmed) cases; http://www.japantimes.co.jp/news/2013/06/05/national/fukushima-survey-lists-12-confirmed-15-suspected-thyroid-cancer-cases/#.UbALH0BM_Tp.
We, the Fukushima Collective Evacuation Trial team, are asking people around the world to post comments at our web-site; http://www.fukushima-sokai.net/action/opinion_after-e.php.
If you can post your comment on the entry form at the site, we would be very grateful. Or otherwise, if you write yours as a reply to this E-mail, I would like to translate it for posting at our blog.
Thanking you with best regards,
Toshio Inoue

2013.06.07【復信】
Re: Thyroid cancer diagnoses increasing among Fukushima children AY
トシオさん
Eメール、ありがとうございます。甲状腺癌の増加――これは、チェルノブイリの経験からして不可避のなりゆきです。チェルノブイリでも、やはり3年以内にそのような増加がはじまり、5年目にはWHO(世界保健機関)・IAEA(国際原子力機関)さえも認めなければなりませんでした。これからの歳月――わたしは確信しておりますが――わたしたちは(福島県にとどまらず)日本でそのような増加を目に見える形で目撃することになるでしょう。
当局側の見解を予期するのは簡単――甲状腺癌は治癒可能である、というはず。わたしの見解をいうなら、確かに治癒可能――だが、人びとは一生を高価な薬品に縁切りがたく頼ることになる。
また、わたしたちは甲状腺癌の進行に留意しなければなりません――最も重要な点として、甲状腺癌がいくつか他の癌を進行させます。いつ、どこで、どのような頻度でそれが起こるか――これは、放射性降下物、食物連鎖、各個人の放射線感受性、人口密度など、などに依存します。
この見解をあなたがたのサイトに投稿してください。
Dear Toshio,
Thanks for your letter. Elevation of thyroid cancer -it is just what inevitable follow from Chernobyl experience. In Chernobyl also such elevation start in 3 years and even WHO-IAEA in five years have to accept it. In coming years -I am sure- we will have in Japan (not only in Fukushima prefecture) such visible elevation.
It is easy to predict what will be official response- thyroid cancer is curable. My comments: right, it is curable- but people all life will be deeply depending from expensive medicine.
And we have to mind that thyroid cancer elevation - the first mark that later it will elevate some other cancers. When, where and how many - depend on radioactive fallouts, food chains, individual radio-sensitivities, population densities etc. etc.
Please put it on your site.

New!【本稿の続編】
ヤブロコフ博士のメッセージ(第2信)甲状腺乳頭癌
【サイト内リンク】
【サイト外リンク】
ヤブロコフほか編著『調査報告 チェルノブイリ被害の全貌』(岩波書店、定価5,000円)

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