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2012年4月20日金曜日

【速報】郡山市が答弁書提出。初めて科学論争を表明。だが、核心問題の矢ヶ崎意見書(4)には再び「不知」

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今週4月17日(正確には深夜23時20分)、相手方の郡山市から、私たちの抗告理由書証拠(甲102~119)に対する答弁書が提出されました。
昨年10月9日に準備書面3を提出して以来、6ヶ月半ぶりの書面です。

郡山市の提出書面(4月17日)
答弁書
証拠説明書 

例によって本文15頁と短いものですが、特筆すべきものが2つあります。
その1:科学論争に初めて発言
今回初めて、郡山市が科学論争に主張を表明したことです。というのは、疎開裁判は科学裁判にもかかわらず、また私たちがくり返し科学的裏付けに基づく主張を展開したにもかかわらず、これまで、信じ難いことに、これに対する郡山市の態度は終始一貫して「不知」(※)でした。

(※)不知とは法律用語の1つで、積極的に争うことはしない、しかし、さりとて相手の主張を認める積りもないという態度のことです。

2月と3月の世界市民法廷で疎開裁判の再現をやったときも、多くの参加者の感想はまっさきに「郡山市の不知、不知って、何それ?」でした。子どもたちを安全な環境で教育する義務を負う者としてあるまじき態度だったからです。

もはや、これ以上厚顔無恥の無責任な態度を続けることは不可能と悟ったのでしょうか、郡山市は100ミリシーベルト問題とチェルノブイリ事故との対比に関して、曲がりなりにも科学的証拠を持ち出して反論するに至りました。
しかし、これは何を意味するのでしょうか。
そもそも一審では、私たちはむろんのこと、郡山市ですら、小中学校の教育は100ミリシーベルト以下なら問題ないなどとは一度も主張も立証もしたことがなかったからです。
文科省が通知した昨年4月19日の年間20ミリシーベルトの新基準すら、福島県の親たちの猛反対、日本医師会の反対声明、東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏の抗議の内閣官房参与辞任声明などにより事実上撤回されたのに、郡山市は、自分を勝たせてくれた一審裁判所(福島地裁郡山支部)の判断を支持する余り、小中学校の教育は(たとえ年間20ミリシーベルトを超えたとしても)100ミリシーベルト以下なら教育上問題ないという途方もない立場に回ったのでしょうか。
もしそうだとすると、今後、余震により4号機使用済燃料プールが倒壊したら、プールの水が流出して使用済み核燃料が溶け出し、大量の放射性物質が環境中に放出されることになりますが、その場合でも、郡山市の立場だと100ミリシーベルトに達しない限り、教育上問題はない、ということになります。
これが、子どもたちを安全な環境で教育する義務を負う者のあるべき姿でしょうか。
今後、この問題をめぐって、科学的及び教育倫理的な立場から議論を深める予定です。

その2:二審の中心問題である矢ヶ崎意見書(4)に対する不知と不明
二審の審理の中心問題は矢ヶ崎意見書(4)です。
なぜなら、一審の審理の中心は「チェルノブイリ事故による健康被害との具体的な対比」からふくしまの未来を予測することでした。これに対し、
二審の中心は「福島原発事故後の健康被害の具体的なデータ」からふくしまの未来を予測することにシフトしました。その「福島原発事故後の健康被害の具体的なデータ」の意味を最も詳細に検討したのが矢ヶ崎意見書(4)だからです。
矢ヶ崎意見書(4)の評価によって、二審の行方が決まると言っても過言ではありません(そのことをいち早く見抜いた、世界市民法廷で234番目に評決を下した90歳の市民のコメント参照)。
しかし、或いはだからこそと言うべきか、科学論争に初めて意見表明に踏み切った郡山市は、最も論じて欲しい、或いは論じるべき矢ヶ崎意見書(4)に対し、またしても不知と不明(原発事故との因果関係、健康への具体的影響までは不明)の態度を取りました(答弁書7頁20)。

子どもたちを安全な環境で教育する義務を負う者として、自分の都合のいい科学論争には口出しし、都合の悪い科学論争には貝のように押し黙る、このような二重の基準(ダブルスタンダード)は許されるものでしょうか。

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