【アクション告知】

■ 新宿アクション (第4の土曜日開催)
   日時: 11月25日 16時00分~(約1時間)  (開始時間を変更しました)
   場所:JR東口 アルタ前広場
   内容:街頭宣伝

■ 上映会 映画「知事抹殺」  => ここから (予約頂けると有難い) 
   日時: 12月9日 (1回目):13時30分~ (2回目):15時30分~
   場所: 渋谷 光塾 アクセス => ここから

■ 官邸前アクション (毎月19日を予定)
   日時: 12月19日 (時間未定)
   場所: 官邸前
   内容: 抗議

2012年5月27日日曜日

【裁判報告2】35.1%の子どもに「のう胞」が見つかった福島県民甲状腺検査結果(第2回目):3.11以前の山下見解を鏡にして3.11以後の山下見解を写し出した意見書を提出

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1、 第2回目の甲状腺検診調査結果について
本年4月26日、福島県は、福島の子どもの甲状腺検診調査結果(第2回目)を発表しました。本年1月25日に発表した第1回目の分(4市町村、約3000人)も合わせたもので、13の避難区域市町村の子ども3万8114人についての検査結果は以下の通りです(県民健康管理調査・14頁)。



 朝日新聞(4月27日)によれば、報告した福島県の検討委員会はこの検査結果に対して
通常と変わりない状況で安心できる
という見解を公表しました。また、朝日新聞は、検討委員会の記者会見を聞いて、
しこりがないなど問題ないとされた子どもが99.5%を占め、残りも良性の可能性が高いと判定
と報道しています。

 これは、本年1月25日の第1回目の発表と同様です。このときの検査結果は以下の通りでしたが(県民健康管理調査・資料2「甲状腺検査について」5頁)、











これに対し、読売新聞(1月26日)によれば、記者会見した鈴木真一・県立医科大教授は、
しこりは良性と思われ、安心している
と述べたと報じました。また、読売新聞は、検討委員会の記者会見を聞いて、
分析を終えた約3800人に原発事故の影響とみられる異常は見られなかった。甲状腺に小さなしこりやのう胞と呼ばれる袋状のできものがあった26人については、念のため2次検査を受けるよう通知している。いずれも良性とみられ、事故以前からあった可能性が高いとしている。
報道しています(矢ヶ崎意見書(4)別紙1参照)。

 この検討委員会には福島県立医科大学副学長で日本甲状腺学会理事長の山下俊一氏も入っています。つまり、甲状腺検査結果に対する検討委員会の見解は山下俊一氏の見解でもあります。

2、検査結果の問題点について
ところで、上記検査結果によれば、3万8000人余りの子どものうち、35.1%の子どもに「のう胞」が見つかりました。
では、科学の立場からみたとき、この検査結果はどう評価されるべきでしょうか。

(1)、まず、 検討委員会は、35.1%の「のう胞」を、なぜ「通常と変わりない状況」と言ってよいのか、なぜ「安心できる」と断言してよいのか、その証明(説明)を何も示していません。
  本来、科学とは証明(実証)されて初めて科学と言えるのであって、科学者が科学的な見解を述べるとき、証明もされていないことを、「通常と変わりない状況」とか「安心できる」とか軽々しく口にしてはいけない筈です。
証明が抜け落ちているという致命的な点で、 山下俊一氏も含めて検討委員会の上記見解は、科学的な見解ということはできません。精々、自己の信念或いは願望を語っているにとどまるでしょう。

(2)、しかし、 山下俊一氏は過去ずっと自己の信念或いは願望を語るだけの人間だったのでしょうか。むろんそんなことはありません。少なくとも3.11福島原発事故以前の山下氏は低線量被ばくによる甲状腺の健康障害の問題について科学的見解を語ろうとしていました。
その1つが、非汚染地域の子供たちの甲状腺の健康調査をおこなった2001年の論文
もう1つが、チェルノブイリ周辺の子供たちの甲状腺の健康調査をおこなった1999年の論文
です。
そこで、これらの論文の成果を踏まえ、3.11前の山下見解を鏡にして、今回の甲状腺検査結果とこれに対する山下見解を写し出したらどのように見えるだろうか?という視点から 検討したのが、北海道深川市の内科医松崎道幸氏の意見書(甲131号証)です。

3、 松崎意見書の概要
(1)、2001年の山下氏らの論文によれば、非汚染地域の
長崎県の7才から14才のこども250人中、甲状腺のう胞が見られたのは0.8%(2人)だった

In Nagasaki, only four cases showed goiter (1.6%) and two cases (0.8%) had cystic degeneration and single thyroid cyst..(2001年論文593頁の右3行目)

(2)、 1999年の山下氏らの論文によれば(論文中の下の図11を参照)、
チェルノブイリ地域の18歳未満のこどもの甲状腺のう胞保有率は0.5%だった。












図11 甲状腺超音波診断画像異常所見発見頻度(%)の年次推移(1991~1996)

(3)、主に米国人を対象にした甲状腺検査結果をまとめた論文によれば(論文中の下の図を参照)、
甲状腺のしこりやのう胞は、生まれた時はほとんどゼロだが、5才過ぎから徐々に増え始め、20才になると10人に一人が甲状腺にしこりやのう胞が出来る
















以上を表にまとめると、次のようになります(松崎意見書5頁)。









この検討結果をまとめると、次のようになります(松崎意見書6頁)。

 1. 内外の甲状腺超音波検査成績をまとめると、10才前後の小児に「のう胞」が発見される割合は、0.5~1%前後である。
2. 福島県の小児(平均年齢10歳前後)の35%にのう胞が発見されていることは、これらの地域の小児の甲状腺が望ましくない環境影響を受けているおそれを強く示す。
3. 以上の情報の分析および追跡調査の完了を待っていては、これらの地域の小児に不可逆的な健康被害がもたらされる懸念を強く持つ。
4. したがって、福島の中通、浜通りに在住する幼小児について、避難および検診間隔の短期化等、予防的対策の速やかな実施が強く望まれる。
5. 以上の所見に基づくならば、山下俊一氏が、全国の甲状腺専門医に、心配した親子がセカンドオピニオンを求めに来ても応じないように、文書
(※)を出していることは、被ばく者と患者に対する人権蹂躙ともいうべき抑圧的なやり方と判断せざるを得ない。

(※)日本甲状腺学会の理事長である山下俊一氏らは、同学会会員宛てに、甲状腺検査を受けた福島県の子どもたちのうち5mm以下の結節や20mm以下ののう胞が見っかった親子たちが、セカンドオピニオンを求めに来ても応じないように、文書を出していました。 これがどれくらい前代未聞の残忍横暴な振る舞いであるか、このあと真実の裁きが下されるでしょう。

4、呼吸機能と骨髄機能の問題
(1)、呼吸機能
 サウスカロライナ大学疫学生物統計学部のスベンセン博士らのグループは、2010年の論文で、セシウムによる高汚染地域に住み続けたこどもたちの肺の働きが悪くなっていることを明らかにしました(「チェルノブイリ核事故被害を受けたウクライナの小児におけるセシウム137曝露と呼吸機能の関連」Environ Health Perspect.(環境医学展望誌)118巻2010年5月号、720~5ページ)。

この結果を福島に当てはめると、現在福島の浜通りと中通りに住んでいる子どもは、肺の働きが数年早く低下(老化)するおそれがあることになります(松崎意見書8頁)。

(2)、 骨髄機能
4月に来日したウクライナ医学アカデミー放射線医学研究センターのステパーノヴァナ博士らのグループは、 2008年の論文で、高度汚染区域に住み続けたこどもでは、放射線被ばくで血液を作る働きが落ちて、白血球が減ったり貧血になることを明らかにしました(「チェルノブイリ事故による放射線汚染がウクライナ・ナロージケスキー地区の小児の赤血球数、白血球数、血小板数に及ぼす有害影響」環境医学誌.7巻2008年5月号、21ページ)。

福島についてこの論文から医学的に想定しなければならないことは、現在福島の浜通りと中通りに住んでいる子どもは、血液を作る骨髄機能が長期間妨害されるおそれがあるということです。白血球が減ると、細菌やウイルスに対する抵抗力が減ります。赤血球が減ると貧血になりやすくなります。血小板が減ると、怪我をした時に血が止まりづらくなります。

しかも、もしも何か別の病気や肉体的ハンディを持っている子どもさんが、現在の福島中通り・浜通りに住んでおられる場合には、この程度の骨髄機能への影響によっても、もともとの病気やハンディがさらに悪化する恐れを考慮する必要があります松崎意見書9頁)


5、松崎意見書の全文と別紙(山下氏らの論文)
以上のことを述べた松崎意見書の全文とそこで取り上げられた山下氏らの論文は以下の通りです。
(1)、本文
(2)、別紙1(甲状腺検査の実施状況と結果概要←県民健康管理調査13~14頁)
(3)、別紙2(非汚染地域の子供たちの甲状腺の健康調査をおこなった2001年の論文
(4)、別紙3(ニュー・イングランド・ジャーナルMazzaferri論文の1頁目
(5)、チェルノブイリ周辺の子供たちの甲状腺の健康調査をおこなった1999年の論文

6、参考文献
本年1月25日に発表された福島の子どもの甲状腺検診調査結果(第1回目)の問題点を詳細に検討したのが矢ヶ崎意見書(4)です。→これを報告したブログ記事『疎開裁判の今:「チェルノブイリは警告する」から「ふくしまは警告する」へ』。

 矢ヶ崎意見書(4))と今回の松崎意見書を合わせて読むことにより、福島の子どもたちが今、 甲状腺の疾病について、どのような危険的な状況に置かれているかを正しく理解することができます。そこから明らかなことは、いま、福島は
「チェルノブイリは警告する」から「ふくしまは警告する」の段階に進んだことです。
子供たちの疎開・避難は一刻の猶予もならない、最も差し迫った緊急の課題です。

1991年にチェルノブイリで正しい住民避難基準を作りながら、それができあがるまで事故から5年もかかってしまった、そのため、その5年間被ばくを余儀なくされてしまった、これが「チェルノブリ最大の悲劇」の1つです。
この「チェルノブリ最大の訓え」を学んで、その悲劇をくり返さないために、即刻、子供たちの疎開・避難を実現しましょう。

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