【アクション告知】

■ 霞ヶ関アクション (原則毎月19日に開催
 
  日時:8月19日(水) 
 18時30分~19時30分
   場所:首相
官邸前

   内容:抗議行動

■ 
新宿アクション (第4の土曜日開催に変更しました)
   日時: 8月26日 18時~19時   (開始時間を変更しました)
   場所: 新宿JR東口 アルタ前広場 (雨天決行)
   内容: 街頭宣伝


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2012年5月28日月曜日

【裁判報告6】食品・水の安全基準の基本原理は「最善を尽くすこと」であって、「がまん量」ではないことを明らかにした証拠を提出

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2、食品・水の安全基準の基本原理は「がまん量」(武谷三男)ではない
(1)、食品・水の安全基準をめぐる3.11以後の混乱とその原因
3.11以後、新たに、食品・水の安全基準値が定められ、その値をめぐって混乱が続いています。しかし、その混乱の最大の原因は、従来の食品・水の安全性の基本原理に対し、それとは本来相容れない、全く異質な考え方を無理矢理持ち込もうとしたからで、「無理が通れば道理が引っ込む」のは当然です。

では、 食品や水の安全性に関する従来の考え方とは何か。
それは、安全な食品や水を提供するために「最善を尽くすこと」です。
例えば、食品添加物の許容量を出すために以下のような方法を取ります。

さまざまな動物を使って安全性試験を行い、各試験におけるその動物に悪影響を示さない量(無毒性量)を求めます。
 次に、各試験の無毒性量のうちで最も低い無毒性量をもとに、一日摂取許容量(ADI※1)を設定します。ADIは、『無毒性量÷安全係数※2(通常100)』で算出されます。》(甲122号証。食品安全委員会作成「食品添加物のリスク評価を考える」1頁中段)

ここで、「動物に悪影響を示さない量(無毒性量)」とは、「実験動物が一匹も健康被害を起こさない投与量」のことを意味します。言い換えれば、実験動物で一匹でも健康被害を起こすような投与量を基礎とすることは許されず、この無毒性量を元にして、さらに念には念を入れて、安全係数として100で割って許容量を導き出すのです。すなわち、もっぱら食品添加物が人体に被害を与えないことだけを考え、そこから許容量を導き出す。これが食品の安全基準値の基本原則です。

これに対し、放射線の許容量はその基本原理が全く異なります。放射線の許容量とは放射線の利用によってもたされた利益を一方においた上で、その利益のためにどれくらいの被害をがまんできるか、その「がまん」の限度として許容量が決められるからです(それゆえ、物理学者の武谷三男は放射線の許容量を「がまん量」と呼びました〔武谷三男編「原子力発電」(岩波新書)14~15頁参照〕)。
「がまん量」論とは、放射線による被害(リスク)とこれによりもたらされる利益(ベネフィット)という対立し衝突する2つの要素を天秤にかけてどこかで折り合いをつけるものです。別名、「リスク-ベネフィット論」のことであり、ICRPも1965年勧告でこの立場を採用しました(甲12号証の4。中川保雄「放射線被曝の歴史」第7章「核実験反対運動の高まりとリスク-ベネフィット論」参照)。

(2)、 食品・水の安全基準の従来の基本原理を鏡にして眺めた3.11以後の基準値
その意味で、食品や水の安全性について定めた食品衛生法や水道法に、3.11以前に、放射能に関する定めがなかったのは当然です。なぜなら、「どんなに低線量の被ばくであっても人体に悪影響を及ぼす」ものであることは今日の科学的知見の到達点ですから、たとえどんなに低線量の被ばくも「無毒性量」と言うことはできず、安全な食品や水として許容できないからです。

にもかかわらず、3.11以後、新たに、政府は食品・水の安全基準値を定めました(放射性セシウムにつき「一般食品」は1 Kg当たり100ベクレル、水道水は10ベクレル)。これは何を意味するか。厳密に言えば、それは、許容量ゼロからの安全基準値の引き上げに該当します。
従って、先ほどの【裁判報告5】の

基本原則2:安全基準値の変更が許されるのは、「安全性に関する重大な知見があったときだけ」「安全についての新しい知見が生まれた」(甲120号証。児玉龍彦VS金子勝「放射能から子どもの未来を守る」157頁)ときだけ。

が適用されます。つまり、食品でも水でも、安全基準値の変更が許されるのは、「安全についての新しい知見が生まれたとき」だけです。しかし、食品に関して、水に関して、3.11以後、なにか「安全についての新しい知見」が明らかにされたでしょうか。科学雑誌 ネイチャーやサイエンスでもどこでもいいですが、どこに、それを明らかにする画期的な論文が発表されたのでしょうか。
何ひとつ明らかにされてないのではないか。もしそうなら、政府のこの間の食品・水の基準値の変更は、食品の安全に関する基本原則2を否定したものです。

また、食品・水の安全基準値の本来の基本原則からすれば、もっぱら放射能が人体に被害を与えないことだけを考え、そこから許容量を導き出すことになります。従って、食品でも水でもゼロベクレルが本来の安全基準値です。それを「安全についての新しい知見」もなしに、引き上げることができるとしたら、それは唯一、食品・水の安全基準値に関する基本原理を、従来のそれを捨て、放射線による被害(リスク)を「がまん」しろという「がまん量」に転換したからと説明するしかあり得ません。
食品・水の安全基準値の基本原理に関するこれまでの何十年の歴史を一挙に失うことになるような、そんな基本原理の大転換を、3.11以後のドサクサまぎれに乗じて、やってよいものでしょうか。

(3)、まとめ
以上から、 3.11以後、政府の食品・水の安全基準値の定めは、
①.「最善を尽くす」という従来の基本原理を否定して、「がまん量」という相容れない基本原理を導入するものであり、なおかつ
②.安全基準値の変更に関する基本原則2を否定して、「安全についての新しい知見」に拠らないで安全基準値を変更したものであり、
この2点において、これもまた、膨大な市民を極めて危険な状態に陥れる重大な侵害行為=「人道に関する罪」(※)と言わざるを得ません。

(※)「国家もしくは集団によって一般の国民に対してなされた謀殺、絶滅を目的とした大量殺人、奴隷化、追放その他の非人道的行為」のことで、ジェノサイド、戦争犯罪とともに「国際法上の犯罪」の1つとされる。

以上を、今回の抗告人準備書面(1)第1、はじめに、食品安全委員会の資料その他の証拠で主張・立証しました。

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