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2012年8月25日土曜日

8.24官邸前スピーチ「なぜ福島の子ども達の集団疎開は検討すらされないのか」

8月24日(金)、予定通り、文科省前、官邸前、財務省上で抗議行動を実施しました。

 順次、その報告をしますが、以下は、官邸前と国会前でおこなった弁護団の柳原敏夫のスピーチです。
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 今週の22日、私たちがこの間取り組んできた「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」、この申入書を野田首相に手渡すことができました。これは首都圏反原発連合とここに集まった大勢の皆さんひとりひとりの力のおかげです。ありがとうございました。

 しかし、今日現在まで、野田首相は、集団避難の即時実現を検討するように閣僚に指示していません。野田首相は誰ひとり住んでいない竹島問題ならすぐ動くのに、大勢の子どもたちが住み、彼らの命がいま危険にさらされている福島問題でちっとも動こうとしない。それはなぜか。
 
 その訳は、日本政府がチェルノブイリ事故から学び尽くしていて、子どもたちの集団疎開はタブーとすると決めているのです。なぜなら、チェルノブイリ事故でソ連政府が最もタブーにした1つが子どもたちの被ばくデータだからです(七沢潔「原発事故を問う--チェルノブイリからもんじゅへ」137頁)。いま私が手にしているのはチュルノブイリ事故で多重先天障害を負った子どもたちの写真ですが、このような子どもたちの被ばくに関するデータが明らかになると、原発事故で子どもたちがどれほど深刻な、どれほど悲惨な被害を受けるか、これが人々の前に明らかになります。なおかつ、深刻な被ばくから子どもたちを救うために集団避難を実施するとどれくらい大規模なプロジェクトになるか、これが人々の前に明らかになります。その結果、誰もが、二度と、決して、原発事故はあってはならないと、深く確信するようになるからです。そして、二度とこのような悲惨な事故を起こさないために二度と原発は稼動してはならない、廃炉にするしかないと、深く確信するようになるからです。多くの人々がこの不動の確信をすることを、ソ連政府も日本政府も最も怖れているのです。だから、子どもたちの被ばくデータを隠すのです。

 そうであれば、皆さん、今こそ、「ふくしまの子どもたちの集団避難」を多くの人々に訴え、日本政府がいま最も恐れている、たとえどんな迫害を受けても決して脱原発の決意を曲げない、不屈の絶対平和主義者ならぬ、不屈の絶対脱原発の信念を持った人(=絶対脱原発主義者)に多くの人々になってもらおうではありませんか。

 ソ連政府は、事故から5年後に子どもたちの深刻な健康被害が明らかになってから、ようやくまともな住民避難基準(参考:これと同一のウクライナ法)を採用しました。しかし、それでは遅すぎました、98万人もの貴い命が失われたからです。そして数ヵ月後にソ連も崩壊しました。子どもの命を粗末するような国に未来はないからです。
 この事実こそ日本政府はチェルノブイリ事故の最大の教訓として学ぶべきです。つまり、5年後ではなく、今すぐふくしまの子どもたちの集団避難を実行すべきです。さもなければチェルノブイリより人口密度が15倍の福島県で(たとえ福島第一原発の東半分が海だとしても)どんな悲惨な被害が生じるか、それは年を経ずして35%もの福島の子どもたちの甲状腺に異変が見つかったひとことからも明らかです(その分析をした松崎道幸医師の意見書参照)。もちろん日本政府も崩壊です。こんな粗大ゴミ、誰も支持しないからです。
 しかし、こうした異常な事態は今だったら、まだ間に合うのです。防げるのです。
 最後にもう一度、言います。日本政府は粗大ゴミになり果てたくなかったら、今すぐ、ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現に向けて行動せよ。

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