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2016年11月2日水曜日

放射能は体温を0.0024度しか上げないエネルギーで死をもたらす 落合栄一郎講演会に参加して

★この報告について、誤字等の改訂を加えました。(11月4日) 
 個人の感想ですので内容詳細についての確認は動画及び落合先生の著作を参照願います。→http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2016/10/blog-post_31.html


     落合栄一郎氏の講演会に参加して
                             宮口高枝

 20161030日、脱被ばく実現ネットとたんぽぽ舎との共催で落合栄一郎氏の講演会『放射能は人類を滅ぼす』が開催された。




1部、「放射線の健康への影響」
落合さんはカナダに移住24年。(バンクバー・ブリテイッシュコロンビア大学)移住前の1979年・スリーマイル島の原発事故があり、その影響は100km地点にまで及んだ。それ以後、アメリカとソ連をはじめとする核実験が行われ、移住後の1986年にチェルノブイリ原発事故が起こり、20113月には福島原発事故が起った。2012年に、前日まで元気でゴルフをしていた町田在住の弟さんが心筋梗塞で倒れ急死されたとのこと。落合さんは専門家ではないと前置きの上、発言しておられる。福島原発事故後に放射線について学習した。

<放射能は人類と相容れない> これらを科学的な面から研究してきたことを基に、科学的に知って自信をもって行動する大切さを話された。
私たちの身体はで構成される、その中の有機化合物は体の必須物質。身体の中の有機化合物で放射線を出す主なものはカリウムk40がある。これは自然放射能で身体に取り込んでも排出される性質がある。自分はこの有機化合物以外の元素化合物を主に研究してきた。元素化合物は身体の中で挙動し変化する。酸素を扱う様々なたんぱく質酵素の放射線の脅威をテーマに研究して来た。
キューリー夫人が発見したポロニウム・ラジウムの放射性物質の人体への影響を考えたい。放射線は、高速に動く微小な素粒子レベルの粒子、中性子、陽子、へリュウム核、α線、電子のβ線、γ線、電磁波などがある。α線などの波長が短いほど、エネルギーが高い性質があり、これが人体への内部被ばくの脅威となっている。
人体のK40は通常60ベクレル/kgの内部被ばくを身体に与えている有機化合物で身体の全体に分布する必須物質。生物の元素は殆ど安定しているが、K(カリウム)は不安定で命を考える時、生物化合物の挙動を学習する事が大切だ。
地球に存在する天然の放射能はウランまで。天然放射能と人口放射能がある。
人体への影響では、放射線障害の様々な原因、バックグランド、放射能の影響について5mSv以上の放射線は命に危険とするイギリスの研究は良く知られている。
子どもの白血病の発症率が高くなるバックグランドにも放射能の影響がある事も指摘されている。
1969年には米国のロッキーフラット原爆製造工場の臨界寸前まで行った火災やカナダや日本の人形峠のウラン鉱山やの労働者に鉱石の微粉末による肺への内部被ばくは大きな問題となり、現場は危険すぎて立ち入り禁止となったままだ。
1951年にはアメリカのネバタ州の核実験が始まり、作業員、兵士、風下の住民に被ばく影響出た。その後に生まれた子どもたちには、大学受験時で英語の点数低下が見られ、乳がんが多発した。その地区の原発立地地図を重ねると附合する事実がある。5km圏内に住む子どもたちのがん発症率も2倍になったと報告がある。
イギリス、カナダ、日本、アメリカの原発近辺の子どもに白血病の発生が増加している。
チェルノブイリ原発事故後ベラルーシでは小児甲状腺がんなどが増加。日本の福島原発爆発事故後の小児甲状腺がんの多発も間違いない事実だが、国や福島県はその事実を表面化させないために健康調査の縮小方針を示している。放射線の影響でないとすれば、なぜこれほど増えているのか全国で子どもたちの甲状腺癌の検査をするべきだろう。
現在、福島では放射能の影響と思われる様々な事が起こっている。
例えば妊産婦の調査では、子どもの入院や病気の頻度が多くなったと答える人が増加。福島、岩手、宮城県では周産期死亡率(妊娠22週から生後10日まで)は事故後10ヶ月で急に15.6%(3年間で165人)と増加。千葉、東京、埼玉の地域では6.8%(153人)の増加で推移し、その他の地域では増加は見られていないことから原発事故の影響と考えられる。全国で、甲状腺癌、心筋梗塞、白血病も増加している。他の生物、蝶の異常(琉球大・大古査氏)鳥などの個体数では66%の減少(メラー・ムソー教授)や異常、奇形もでており、植物もそれに続く。
チェルノブイリ事故と比べたら福島原発からの放射性物質の放出量は1桁低いから違うのではないかと指摘するひともいるが、小児甲状腺がんの発症率は、等価線量100mSv以下で51%、10mSv以下でも16%
小児甲状腺がんの潜伏期間は最低1年であることは周知の事実である。
福島県の38万人の子どもの調査で1年半後に1巡目で100人以上の小児甲状腺がんが見つかり、2巡目もおこなわれ、2016年までに38万人中、174人の小児甲状腺がんが見つかった。76%がリンパ腺に転移し、肺転移は5%.(133人が手術)通常の3040倍も多いが、県も検査機関も放射線の影響を否定する。チェルノブイリと比べて福島は早すぎる、チェルノブイリでは5歳以下の子に多発したが福島では1巡目の検査では5歳以下の子どもに甲状腺癌はいない(2巡目で1名出ている)と指摘されるが、明石昇二郎氏の、心筋梗塞での死亡の増加、小児甲状腺がん多発は放射線量率との関係がありとの調査結果がある。
小児甲状腺がんは大人の甲状腺癌の経過(良性癌が多い)とは違う。甲状腺がん発症数の男女比はチェルノブイリ事故や福島原発事故の前は、14.3の割合で女性の方が甲状腺癌になる率が多く見られたが、チェルノブイリでは11.62、福島では11.4~2で男性比率の上昇がみられ、放射線の影響は十分にでていると考えられる。
福島原発からは今も放射線が出続けているのを忘れてはいけない。

2部 「どうして放射線は生命に影響を及ぼすのか」
これを証明するのは難しい作業だ。しかし影響は充分に出ている。
放射線は生命と相容れない事を実感して欲しい。
放射線は核反応に基づき、地球上の現象は(生物を含めて)化学反応に基づく―
事を放射線の基礎から理論的に話したいと話した。
地球上のあらゆる現象は、化合物、化学反応に依拠し、安定な原子からできている。
(原子)核反応・核力の強い力と化学反応の違いについて基礎的な説明があった。
核反応→原子の核の周りを電子が回っている。中心の核はとっても小さい。その中に多くの中性子と陽子が詰まっていて強い力で支配される。その強い力が核の力、核の廻りを電子が回り、β崩壊、核分裂が起こる。エネルギーはべらぼーに大きく、化学反応と比べたら数百倍の違いがある(放射能の生命の基本)
化学反応の核は動かないが電子は+-で反発し合い動き、物質は化学統合でくっついている。(電磁気力)
不安定核は核反応して、α崩壊、β崩壊する過程で陽子と中性子を出し放射線が放出。
生命現象:数千~数万種の化合物の化学反応に基づく。
化合物の99.99%は放射線のない安定した化合物で出来ている。
地球上のあらゆる現象は化合物、化学反応に依拠しており、地球はそういう風に出来ているので、生物が生きていられる素晴らしい星。
私たちは化学反応の中で生きている!

典型的な化学反応のエネルギー
電磁波→炭素と水素の化学結合を切るときのエネルギー
    水素と塩素の化学結合を切るときのエネルギー
    水素から電子を取出すエネルギー
 これらのエネルギーは1100eV(エレクトンボルト)

しかし、放射線のエネルギーはとてつもなく大きい!
  トリチウムのβ線崩壊時のエネルギー 18.6KeV(キロエレクトンボルト)
  セシウムの崩壊時のエネルギー         1.18MeV
  ストロンチウム           546KeV0.5メガ)
  プルトニウム            5.245MeV
               (1eV1.60218×1019乗J   k1000 M1000000

核反応は、化学反応で反応できない世界だからチョウキケン!

可視光線が見えるわけ。
可視光線(光子)が生物の分子に作用すると分子の中の電子を動かすが、蹴りだすわけではない。励起された状態の分子はその影響を他の分子に及ぼす。そうした化学反応によって神経系の細胞に情報が行き光り(色彩)が認識される。
μ波もγ腺も、エネルギー値が化学反応のそれとかけ離れているので化学反応では、対応できない。
可視光線(赤~紫)のネネルギー1.83.1eV化学反応の世界に入る。可視光線(光子)が生物の分子に作用すると分子の中の電子を動かす(励起する)が、蹴りだすわけではない。
励起された状態の分子はその影響を他の分子に及ぼす。そうした反応系によって、神経系の細胞に情報が行き光り(色彩)が認識される。
μ波もγ腺もエネルギー値が化学反応とかけ離れているので、化学反応では対応できないし、生物はそれを感知できない。

被ばくとは何? 
放射性粒子の生体内分子作用=いわゆる電離作用(放射性粒子が電子を蹴りだす)
蹴りだされた電子は個立し対がなくなるとフリーラジカルになる。
個立したフリーラジカルは他の原子を取り込む作用がある(フリーラジカル→けりだしたり、結合したりする。・悪さする)
* 見えず、臭いもなく、触れない、感じられない。

地球上の生命は放射能を防御できない!
生命は科学反応に(電磁気力)基づく。これら2種の力には100万倍の差が有る。
化学系はこうした放射線の破壊力に対抗手段をもてない。

生命は放射能を防御できないがある程度修復できる。
DNAの修復: 様々な機構がある。放射能損傷が既存の損傷と同じ場合は修復可
  しかし、放射線損傷は既存と違うものもあり、修復できない場合もある。
放射線により生じるフリーラジカルを打ち消す作用を持つ化合物はあり、その存在を高めると効果は期待できる。打ち消す作用をする化合物の主なもの:ピロガロール・アスコルビン酸(ビタミンC)グルタチオンなど。
その他の細胞修復機構(オートファージなど)免疫機構などが放射線によってガン化した細胞を取り除くなど。
体からの免疫:ペクチン、プルルシアンブルー、DPTAなど

フリーラジカルのOH以外のものは体内に処理する酵素があり、生体が処理できる。
 (鼻血論争の時にこの理論が使われた、放射能のせいではないとの世論形成に利用された) 活性酸素:スーパーオキシドール、過酸化水素

生命と放射線は相容れない!
 化学反応の世界のエネルギーは  1100eV
 放射線のエネルギーは        4.3MeV100万倍)

放射線の即死レベルの線量の影響
 10Sv10Gy・グレイ=10J・ジュール/kg
   人間の1日のCalSvを比べてみると
2000kcal=約14Sv  10Svは約11万とエネルギーはとても少ない
即死レベルの10Svでも体温を0.0024度しか上げない
エネルギーは少ないのに10Svの放射線で即死する疑問
 10J1MeV放射性粒子に依るとすると、6.25×10の13乗個
 人体1kg1012乗個の細胞がある。
 放射性粒子が均等に、分布したと仮定。各細胞は60個の放射性粒子を受ける。
少なく見積もって、1000個(実際は数倍)の分子を壊すと、各細胞では6万個の分子が壊される。細胞膜や重要成分が壊され、細胞死→死

放射線による体組織破壊の例
例1 広島の被爆直後に医師として観察(肥田医師)
  火傷のあとも無い人が40度以上の熱を出していた。そうした人達は、目から、口から、血を流していた。何が起こっているか口の中をのぞこうとしたが、体内の臓器が腐った臭いで、彼らは約数時間後にみな死亡した。

2 1999930日、東海村にある核燃料加工会社(JCO)の臨界事故で大量の放射線を中性子で17Sv(推定)を浴びた社員の死に至るまでの83日間の観察報告(週刊現代20001.15)この患者を看取った医師の話。
  DNA2重螺旋がズタズタに切断されていた。白血球がゼロになった。尿が出なくなった。心臓の停止、多機能不全という事でなくなった。
多くの分子の(DNAを含む。)細胞臓器が破壊されたという事。

10mSvで、DNAが壊される確率は、100mSvのおよそ110 ガンの発症も110仮説
 (LNT仮説・しきい値なし)
チェルノブイリ事故後、生体への影響をバンダジェフスキー博士・セシュウムによって切断されたゴメル地方の患者の組織顕微鏡写真。腎臓の例、肝臓の例など

放射線の人体への影響・因果関係
 以上の例により、放射線の影響は広範囲にわたる事。
特に心臓、腎臓、脳(内出血)甲状腺癌、白血病、他の多くの疾患を引き起こす可能性がある。
人間の間である種の疾患が事故後、通常より多いようだという場合には、放射線との因果関係は疫学的、統計的に検討できるが、個々の人の因果関係は判断できない。
放射線が原因かも知れない、その可能性は統計的に、こうだとは言える。

内部被ばくの危険
放射性物質の被ばくには、外部被ばく(γ線)と内部被爆(α線・β線)がある。
外部被曝は人間の身体を透過し、DNAのラセンを切断する。
内部被曝は呼吸や食物で身体に取り込み臓器や細胞の近くから放射線を出し続ける)
ホールボディ・カウンターは体全体から出る放射能を計側。外に出てきた放射能だけ(γ線)計れる。α線、β線の計測は出来ない。検査時間をかけて計側限界値を低く設定しないと正確ではなく、現在、計側の方法は人数を多く計るので1人に時間を掛けられないので、計測限界値が高い。

落合先生の講義は意義深かった。
脱被ばく、脱原発などを進める方々に科学的な見地から導き出されたお話しを届け、自信を持って行動し、生き抜きたい!!
落合先生が精魂こめた新刊書が出版される。
 『放射線は人類を滅ぼす・脱核(兵器、発電)が人類の唯一の選択肢』


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