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2013年1月25日金曜日

1月21日裁判(第3回審尋)期日の報告:ロスタイムは3週間

 弁護団 井戸謙一 光前光一 柳原敏夫
 
1月21日、仙台高裁で開かれた第3回目の裁判(審尋)期日につきましては、今回もまた、過去2回の審尋のときと同様、地元仙台はもとより、遠く東京、郡山、福島をはじめ、全国各地(新潟、山形、北海道、静岡、兵庫など)から多数の方が支援のために集まって下さいました。事前の集会、デモ行進も、裁判中の交流会、事後の裁判報告会及び「みやぎ脱原発・風の会」代表・篠原弘典さんや兵庫県南部大地震ボランティアセンター菅澤邦明さんをゲストとした疎開・保養に関する交流会も、厳しい寒さと状況にもかかわらず、大勢の参加者の皆さんの熱い思いに満ちあふれ、弁護団としても大いに力づけられた1日でした。

尋期日は午後2時から約25分間、仙台高裁の審尋室で行われました。裁判所側は佐藤陽一裁判長を含め裁判官3名と書記官1名、抗告人側は、弁護士3名、相手方(郡山市)側は弁護士1名が出席しました。

 抗告人(原告)側は、南相馬市の吉田邦博さん、郡山市の武本泰さん、滋賀県の東昌子医師、北海道の松崎道幸医師等の陳述書、国連人権委員会の特別報告者アナンド・グローバー氏の声明文等を証拠として提出するとともに、子どもたちを福島で生活させることの危険性がますます高まっていること、国連においても福島の人権侵害問題について関心が高まっていること等を記載した準備書面を提出しました。
これに対し、相手方(被告)郡山市は、「抗告人の主張は否認、不知、争う」とだけ書いたペラ1枚の準備書面を提出しただけで、抗告人側が主張している低線量被曝の危険性についての具体的な反論は、全くしませんでした。
れに対し、裁判所は、郡山市に反論を促すこともなく、これで審理を打ち切りたいとの意向を示しました。
裁判所に対し抗告人から、子ども達の命や健康被害に関する新しい情報がどんどん出ていること、とりわけ、2月上旬には、福島県健康管理調査で郡山市の子どもたちの甲状腺検査の報告がなされることから、その結果等を踏まえて主張を追加したいと言って、主張・立証の追加を認めるよう求めました。裁判所は、しぶしぶ3週間の猶予を認め、今後3週間で、主張、立証を完結させることになりました。

いうことで、事件の審理を行なう審尋期日としては、この日で終了したことになります。裁判所は、早く決定(裁判所の判断)を出したいという口吻でしたので、おそらく、3月末までには決定が出るものと思われます。

 相変わらず、裁判所に低線量被曝の問題に真摯に取り組もうという姿勢を感じることができないのが残念ですが、一方で、裁判所が、決定を書くにあたっては、これまで多くの皆さんの協力によって準備し、提出してきた抗告人の詳細な主張・証拠に対して、裁判所なりの判断を示さなければなりません。また、日々刻々、福島で発生している健康被害の深刻な事態が、多くの人たちの「福島の子どもを今すぐ逃がせ」という声となって裁判所に届けられると、それによって裁判所は正しく耳を澄ますことが可能になります。そうした努力を通じて、可能な限り最善の内容の決定を引き出すように、引き続き、皆さまと共に残された3週間、力を注ぎたいと思います。

山の支援の皆さまからの情報提供、署名、裁判所への手紙等が正義を実現する力になっています。引き続き、よろしくお願い致します。

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