告知

告知 ①官邸前抗議 12.19(木)14時30分~15時30分 ②最高裁前抗議集会・「子ども脱被ばく裁判」棄却決定に抗議 2025年1月7日(火)14時~15時

2012年12月30日日曜日

日本の宗教者の皆さん、そして全国のこころある皆さんへ

2012年11月26日、仙台高裁へ向かう

日本の宗教者の皆さん、そして全国のこころある皆さん
未曾有の原発震災から1年9か月が過ぎました。福島は、放射性物質という見えない極小の微粒子爆弾が、生活の場、家の外壁に、庭に、道に、田畑 に、川に、山に、公園に、バラまかれ、いのちといういのちにその「破壊力」を行使する大地となりました。さまざまな放射性核種からは、止むことなく細胞を切る放射線が発せられ、未来の永きにわたって、それが生活の場に存在するのです。それはまさに目に見えない弾の飛び交う「戦場」と呼ぶにふさわしいものです。
そこに1年と9か月、子どもたちは放置されています。成長しようとする細胞を、その破壊しようとする力が24時間貫いていることを想像してください。細胞の遺伝子が切断され、そのたびに体は懸命に修復しようとしては、再び切断されるのです。そのような破壊が何度も繰り返されれば、いのちの力はその働きを全うできるでしょうか? 成長しようとする力は、誤って修復された遺伝子を増殖してしまうこともあるのです。さまざまな意味で子どもの背負うリスクは大人の100倍ともいわれています。いわば子どもに集中して当たる機関銃の見えない弾丸が飛び交う真っ只中に子どもを置いているということです。大人なら誰も見過ごすことはできないでしょう。ソ連では強制移住となった汚染レベルの土地に、日本の子どもが放置されているのです。子どもたちの修復力はもはや限界にきています。これ以上放置すればどのようなことになるか、チェルノブイリの子どもたちが、そのいのちで教えてくれています。
ところが、そのチェルノブイリ以上のことが福島では起きる可能性があるのです。福島県は実施した甲状腺検査で、4万2千人の子どものうち、6~10歳の女子の54.1%、11~15歳の女子の55.3%に「のう胞」または「結節」が、男女合わせた全体でも44%に「のう胞」または「結節」が見つかったと911日に発表しました(資料1)。この数値がいかに異常なものであるか、放射線に詳しい世界の医師、学者が驚き、警告し、そしてそれが大きな報道にならないということが大変な驚きである、という強い指摘をしています。知らないあいだに、大変な事態が進行しつつあるのではないでしょうか・・・。
振り返り私たちは、広島長崎で、原爆投下後に降った「黒い雨」(放射性物質がたくさん含まれた真っ黒な雨)に当たった日本の子どもたちが、どのような苦しい人生を歩んだのかを知らねばなりませんでした。放射線の害は、その時から一貫して世界の大きな力によって隠されてきました。広島長崎原 爆の被害者は、GHQによって治療されることなく症状の経過を調査され、その上その病状を人に言うことを禁じられました。医者も、治療及びその因果関係を研究したりすることを禁じられました。そして「核の平和利用」原子力発電が怒涛のごとく推進されました。原発労働に伴う被曝も、原発立地での放射能漏れなども、大きな問題にされずにきました。それがまさしく今の福島の現状につながっているのです。
今再び世界の大きな力の思惑どおり、放射能汚染の現実に目をつむればどのようなことになるか。未来へ果てしなく続く惨禍を、子どもたちに刻み続けるのではないでしょうか? 福島の子どもたちをそのまま放置するということは、日本中の子どもたちをやがてそうすることでもあります。放射能の危険性がきちんと認識されなければ、空気はもちろん、食べ物、建材、肥料・・・などを通じて、どんどん拡散させていってしまうからです。
私たちは、私たちの国が戦時中したように、安全な地へ、危機に瀕している子どもたちを、集団で疎開させてほしいとこころから望みます。個この避難は、大変厳しく高いハードルがあります。親の経済的問題はもちろん、子どもにとって友達と別れる悲しみ、友達を置いていったことの罪の意識、新しい土地でのストレス、経験を共有できない孤独感、そして中には差別されることも・・・。それが幼い身にどれほど過酷であるか、想像していただきたいのです。なにより、避難できる子とできない子、というものがあってはならないはずです。
放射線管理区域には、人は無用に立ち入ってはいけない、ましてやその中で暮らしてはいけないと、この国の法律で定められています。放射線管理区域とは身近には病院のレントゲン室で、空間線量が0.6μSv/h以上である場所です。福島にはそのような場所は無数にあります(資料2)。即刻そこから子どもたちを出さなければならないのです。であるにかかわらず、国は「緊急事態宣言」の中、放射線の基準値を20倍に上げ、人々を逃がすことをしませんでした。
しかしその「緊急事態宣言」はいつ終わるのでしょうか? 福島第一原発からは未だ毎時1000万ベクレルの放射能が漏れ出ているそうです。これ以上 累積する被曝を子どもたちに強要して良い訳はありません。せめて除染の目処が立つまで、原発の収束が進むまで、何らかの形で集団避難させていただきたいと切望いたします。
私たちは14人の子どもたちと親を原告とし、2011年6月24日、福島地方裁判所郡山支部に、原発事故からの被ばくから守るため、子どもたちに対する 「1ミリシーベルト/年以下の安全な場所での教育活動の実施」を求める仮処分の申し立て、つまり実質的には危険な地域にある小中学校などの集団疎 開を求める、通称「ふくしま集団疎開仮処分」を提起しました(資料3)。福島地裁郡山支部では数回の審尋を経て、昨年12月16日、奇しくも当時 の野田佳彦総理大臣が福島第一原発事故の「収束」を宣言したのと同じ日に却下の判決が下されました。私たちはこれを大変不当な判決だと考え(資料4)、上級裁判所に即時抗告を行ない、これまでに仙台高裁の公告審で2回の審尋が行われ、3回目が1月21日の予定になっています。
裁判所の判断には世論の後押しが大変重要です。私たちは提訴以来、琉球大学の矢ヶ崎克馬名誉教授や北海道深川市立病院の松崎道幸内科部長等の先生方に科学的な意見書の提出をお願いするとともに、様々な情報の拡散を努力してまいりました。多くの方々の賛同を得、集団疎開民衆法定を開催し、集団疎開の即時実現を求める緊急署名を22886筆裁判所に提出、毎週金曜日に文科省前でアピールし、全国、世界へ向けて映像配信し、10月30日にはジュネーブで開かれた国連人権理事会へ子どもたちの窮状を訴えてきました(資料5)。その結果《放射能の危険から福島の人々の命と健康に関する権利を守るために 必要なあらゆる措置を取ること(略)》という日本政府への勧告、調査がなされ、より具体的な声明が発表されました(資料6)。
そしてこの度、日本の宗教者の皆さん、そしてすべてのこころある皆さんへこういった事実を伝えようと、お手紙を書かせていただきました。何とぞ福島をはじめとする各地の放射能汚染地域に生きる子どもたちのことを知っていただき、周りの方々へお伝えいただきたいと存じます。そして、できることなら1月21日までに何らかの形 で声を上げていただけないでしょうか? 宗教者の皆さん、こころある皆さんの声こそが、3.11以降、混乱した社会のあちらこちらにうずくまる立場弱き人々が、待ち望んでいるものであると確信します。私たちの社会が、これからどうあるべきなのか、私たちはどう生きればいいのか、頼りにしていたものは全て消え失せたような心寒さの中、いのちに寄り添う宗教者、こころある方がたの言葉を聞かせていただきたい、と切に願う次第であります。
2012年12月30日
「ふくしま集団疎開裁判」の会代表 井上利男
絵と詩:「あとりえとおの」 関連FB:いのちというあかり

【資料集】


6.【世界が注目】11.26福島の子どもたちの人権侵害に対し国連人権理事会が見解を表明
【ビデオ】国連人権理事会特別報告者、アナンド・グローバー氏の記者会見

2012年12月26日水曜日

【資料2】12.28日比谷屋内集会「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」

続いて、12月28日に行なう屋内集会「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」の配布資料その2、「疎開裁判の取組みの変遷」以下です。

 ***********************************

疎開裁判の取組みの変遷

 一審では伝統的な科学裁判の枠組みの中で徹底すれば道が開けると確信して取り組んだ。
しかし、一審判決はそれでは不可能であることを告げた(矢ヶ崎氏のコメント)。
人類の歴史が示すように、問題が極めて困難な状況の時、その状況は新たな方法を要求するものである。かくして、疎開裁判の二審は新たな方法で問題に立ち向かうほかなかった。それが本年2月と3月に開催した世界市民法廷であり、本年7月からスタートした官邸前抗議行動であり、本年10月からスタートした国連人権委員会への直訴だった。あとから思えば、それは
専門家によるお任せ民主主義から市民の自己統治(直接民主主義)へ
国内問題から世界問題(世界市民運動)へ
 だった。

対 裁判所
対 市民社会(サイレントマジョリティ)

従来

科学裁判への取組み
専門家の協力
集会・講演会
署名
ブックレット


New


【国内】
情報公開請求(ホットスポット 県民健康管理調査

【国内】
情報公開請求

【国際】

【国際】
世界からの支持(チョムスキーバンダナ・シバ
世界署名



   疎開裁判の論点の背景

論点
背景
100mSv

山下俊一 ← IAEA
20mSv

ICRP 2007年勧告
甲状腺疾病のみ

山下俊一 ← IAEA
除染による現地復興

福島県 ← エートス・ICRP・IAEA
自主避難・転校の自由

新自由主義(自由放任・弱肉強食)


「年間1ミリシーベルト」の法的根拠
仮処分申立書2011.6.24)の12~17頁参照

【資料1】12.28日比谷屋内集会「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」

以下は、12月28日に行なう屋内集会「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」の配布資料その1、「ふくしま集団疎開裁判」資料です。

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◎「ふくしま集団疎開裁判」資料
2012年12月28日
1、 はじめに
裁判制度の最大の特色は、当事者は言い分を単に主張するだけではダメで、言い分を証明することまで求められる点にある(説明責任の徹底化)。
 そのため、当事者は訴状等の主張書面のみならず、その裏付けとなる証拠を提出しなっければならない。
(以下、便宜上、ここでは申立人を原告、相手方郡山市を被告、裁判所の判断を判決と呼ぶ)

2、一審の主張1(申立の結論について)
(1)申立書で原告(14人の小中学生)が求めたこと
郡山市に対し、14人の原告が空間放射線量が年間1mSv以下の安全な環境の地域で教育を受けられるように避難すること。
 
(2)、被告(郡山市)が求めたこと
原告の申立を却下する。

3、一審の主張2(申立の理由について)
(1)、原告の主張
ア、原告らが通う7つの学校は「郡山合同庁舎」の空間線量の値から推計(線量グラフ)
昨年3月12日~8月31日の空間線量の積算値は7.8~17.16mSv
②昨年3月12日以来1年間の空間線量の積算値は12.7~24mSvと推定。
③一審裁判の審理終結日(昨年10月末)から年間1mSv以上と推定。
イ、チェルノブイリ事故との対比による健康被害の予測(矢ヶ崎意見書〔甲状腺疾病〕、松井意見書〔甲状腺以外の様々な疾病〕)
チェルノブイリ事故で旧ソ連とロシア等3国が定めた住民避難基準を郡山市に当てはめると、原告らが通う学校周辺は、昨年10月末の時点で、全て移住義務地域に該当(汚染マップ)。
 
(2)、被告の主張(答弁)
 すべて不知。
 
(3)、被告の反論
第1の反論:平成23年6月と7月に実施した、原告が通う学校で積算線量計で測定した結果によれば、空間線量は毎時0.08~0.2μSv
第2の反論:学校滞在中の年間推定被ばく線量について
学校滞在時間を1日8時間、年間200日と仮定した年間推定被ばく線量は、
0.  08μSv×8時間×200日=0.13mSv
0.2μSv  ×8時間×200日=0.32mSv  いずれも1mSv以下。
 
(4)、原告の再反論
第1の反論に対し:積算線量計を携帯したのは子どもでなく、教職員。子どもが校庭で過ごす時、「教職員」はコンクリートの校舎内で過ごすことが多いのが実態であり、測定結果子どもの被曝線量
第2の反論に対し:木造家屋の低減係数を原子力安全委員会の「原子力施設等の防災対策について」により、木造家屋0.9とし、登校日は登下校に1時間を要し、帰宅後は自宅から出ないものと仮定し、休日は1日に3時間を戸外で過ごし、その他の時間は自宅ですごすものと仮定すると、年間の被曝量は2.5~6.3mSV。1mSvをはるかに超える。

3、2011.12.16 一審裁判所の判断(決定書
(1)、結論
原告の申立てを却下。
(2)、その理由
ア、生命身体に対する切迫した危険性の発生
100ミリシーベルト未満の放射線量を受けた場合における晩発性障害の発生確率について実証的な裏付けがないこと、4月19日付け文科省通知において年間20ミリシーベルトが暫定的な目安とされていたことを踏まえると、原告に過去の被ばく量と併せて年間1ミリシーベルトを超える被ばく量が見込まれるとしても,切迫した危険性は認められない。
イ、他の代替手段について(仮処分の必要性)
(転校の自由については、これを理由に原告の申立を否定しなかったが)、住民票を郡山市に残したまま転校する区域外通学について、この方法により原告らは損害を避けることができるのだから、本件差止を認める必要がない。
ウ、内部被ばくについて
 個々の原告について,その具体的な内部被ばくの有無及び程度は明らかにされていない。
エ、3.11以来の過去の被曝について
過去の被ばくそれ自体は,本件申立てにより防止することができる性質のものではないから、考慮する必要がない。

4、 二審の主張
(1)、原告の主張
ア、判決批判(100mSv問題・20mSv問題、区域外通学問題、内部被ばく問題‥‥抗告理由書
イ、福島からの警告(甲状腺検査結果の意味。矢ヶ崎意見書(4)松崎意見書
ウ、学校内の空間線量の現実(詳細に測定した山内意見書
エ、3.11以後の安全神話の崩壊:除染の破綻・限界、ホットスポットの現実、モニタリングポストのウソ(武本報告書など)県民健康管理調査のウソ(毎日新聞のスクープ
カ、世界からの警告(Business Insider記事 ウクライナは訴える 核戦争防止国際医師会議勧告 国連連人権理事会UPR作業部会の報告書 国連連人権理事会特別報告者の声明
 
(2)、被告の反論
一審では口にもしなかった100mSv問題を含め、一審判決を全面支持

2012年12月25日火曜日

【お知らせ】子どもたちを核戦争から守れ!12.28ふくしま集団疎開裁判文科省前抗議行動&日比谷屋内集会「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」→IWJ・CH7

【速報】 明日の文科省前と日比谷屋内集会のIWJのネット中継は チャンネルはCh7です。

7月27日(金)からスタートした文科省前~官邸前抗議行動(そのアピール文)、これまで、毎週金曜日、実施してきました(過去の行動の動画は末尾に掲載)。
今週金曜日(12.28)も、文科省で次の通り実施します。
 
そのあと、疎開裁判をともに振り返り、ともに展望を語り合いませんか?という屋内集会を次の通り開催します。
ふり返りのための資料->【ふり返り】ふくしま疎開裁判の歩み(2011.4~2013.1(12.25追加)  
 
【重要なお知らせ】
福島からの声
 今回、福島から現地の声を伝えるのは次の方です。
森園かずえさん(郡山市)

文科省前抗議行動の日程・場所
 12月21日(金)午後5時~6時 文科省前 地図(青文字で表示) 
 6時に終了。そのまま、徒歩およそ10分の屋内集会(以下です)に移動します。

屋内集会
 ・日時・場所:
12月28日(金19時~21時30分(
18時半開場
日比谷図書文化館(旧・都立日比谷図書館) スタジオプラス(小ホール)

 東京都千代田区日比谷公園1−4 日比谷公園内
03-3502-3340
日比谷公園内→
地図  
 最寄り駅 (東京メトロ)日比谷駅・霞ヶ関駅 (都営地下鉄)内幸町駅 (JR)新橋駅


・内容:
○基調報告「『集団疎開裁判』と福島の今までとこれから」

 弁護団 柳原敏夫、ほか

それを受けて、どうすれば裁判に勝ち、避難を実現できるか、私たちはいま何をすべきか話し合う。
金曜アクション・演劇班による多彩な演劇。
○質疑応答 ほか


主催 ふくしま集団疎開裁判の会
 連絡先
ふくしま集団疎開裁判の会代表/井上利男  
電話 024-954-7478
メール sokai*song-deborah.com
    (メールは*を@に差し替えて送信ください) 

過去の抗議行動の動画
 7.27(->動画
 8.3 (->動画) 
 8.10(->動画
 8.17(->動画
 8.24(->動画 紙芝居 井戸謙一さんのスピーチ
 8.31(->動画
 9.7 (->動画
 9.14(->動画 文科省前 財務省上
 9.21 (->動画 文科省前 財務省上
 9.28(->動画 文科省前 財務省上
 10.5 (->動画 文科省前 財務省上
 10.12 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上
 10.19(->動画 文科省前 財務省上
 10.26 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上


2012年12月21日金曜日

【IAEAについて学ぶ】広瀬隆さんの講演動画より

12月14日に、郡山市で、広瀬隆さんの講演会が開かれました。

「~IAEAとICRP、国際原子力マフィアによる被曝強制の歴史と福島県内の深刻な被曝の現実~ 」

IAEAについて学ぶ最高の文献がまた1つ、私たち市民の財産目録に付け加えられました。

【報告】11.26裁判と次回1.21裁判について

11月26日に、仙台高裁で第2回目の裁判(非公開の審尋)が開かれました。当日までに、
主張として、準備書面(3)と(4)
証拠として、甲 169~204

当日の裁判の結果、
来年1月21日(月)午後2時~
に第3回目の裁判(非公開の審尋)をやることになりました。
引き続き、多くの皆さまの注視と支持をお願いいたします。

以下が、当日の裁判の報告です。

このあと、提出した書面をブログにアップします。しばし、お待ち下さい。

   ***********************
           2012年11月26日審尋期日報告
                           弁護団(井戸謙一 光前幸一、柳原敏夫)

抗告人弁護団は,本期日に際し,準備書面2通および証拠を提出しました。証拠の中には,松崎道幸先生が新たに書かれた意見書2通が含まれます。1通は,福島県の多数の子どもたちに発見された甲状腺嚢胞についての考察,1通は,我が国における原発労働者のデータからでも,10ミリシーベルトの被曝でガン死のリスクが3%高まることが判ることが記載されたものです。また,前
回期日において,裁判所から,自主避難ができない事情を補充主張するようにとの指示があったのに対し,抗告人らの保護者が,自主避難がいかに困難であるかを記載した陳述書を提出しました。これらの陳述書には,自主避難が困難な事情として,経済的問題,仕事の問題,年老いた親の介護の問題,子どもたちが,友達が残っているのに自分だけ自主避難することを嫌がる問題等が記載されています。

弁護団としては,更に,
①裁判所に対し,山下俊一氏,矢ヶ崎克馬氏,松崎道幸氏の証人尋問又は参考人審尋を実施するよう改めて求めること,
②相手方郡山市に対し,抗告人らの主張に対する反論をするよう求めること,
③裁判所に対し,抗告人らから更に補充主張・立証の機会を与えるよう求めること等
を方針としました。

期日において,裁判所は,
①については実施するつもりはないと言明しました。
②について,相手方郡山市は,反論する意思を見せず,裁判所は,郡山市に対し,反論することを求めませんでした。
③については,裁判所は,抗告人弁護団にその機会を与え,また,教育活動をしてはならないと抗告人らが求める各学校施設の所在地を特定することを求め,次回期日を2013年1月21日午後2時と指定しました。

裁判所が,専門家の証人尋問ないし参考人審尋をする意思を示さなかったこと,郡山市に対し,原告の主張に対する反論を求めなかったことは,裁判所が,低線量被曝の問題について,本格的に取り組む気持ちがないのではないかとの疑念を抱かせました。しかし,仮にそうだとしても,我々は,次回期日までに,福島の子どもたちの置かれている危険な状況について,更なる主張,立証を行い,裁判所に,この問題の深刻さを認識させるとともに,この問題に,正面から取り組まなければならないという覚悟を決めさせるよう,取り組んでいきたいと考えています。

                                                以  上

【IAEAについて学ぶ】なぜIAEAと福島県の覚書なのか(おしどりマコさん)

先週15日、IAEAと福島県が福島原発事故を受けて、原子力の安全性向上に向けてと除染や住民の健康管理の分野などで協力に関する覚書を締結したと報じられています(NHK 朝日)。

しかし、もともと「IAEAとは、加盟国の政府の利益と意向を代表する組織であり、各国の国民や、世界の市民のための組織ではありません。」(チェルノブイリ事故当時のIAEA事務局長ハンス・ブリックス。七沢潔「原発事故を問う」240頁)

これは「加盟国の政府の利益」に関する原子力の安全性向上に向けての覚書だという。では、なぜ、日本政府ではなくて、福島県がIAEAと覚書を締結するのか。 チェルノブイリ事故で、ソ連政府ではなく、たとえばゴメリ州とIAEAが原子力の安全性向上のための覚書を締結しただろうか。
 
また、 これは除染や住民の健康管理の分野の覚書だという。では、なぜ、WHOではなくて、IAEAと締結するのか。
IAEAはもともと、「原子力の平和利用を推進」つまり、原発を推進する目的で設立されたものであり、日本でいえば経済産業省に該当する。他方、人々の健康管理を担うために設立された国際組織こそWHOであり、日本でいえば厚生労働省に該当する。
人々の健康管理を行なうために、なぜ、WHOが出てこなくて、原発を推進するIAEAが出てくるのか。
奇々怪々のことだらけです。 

その謎を解く材料として、おしどりマコさんから貴重な情報を提供してもらいましたので、紹介します。

 【速報】IAEA天野事務局長と佐藤福島県知事との覚書(おしどりマコ) 

 【速報】IAEAと福島県立医科大との実施取決め(おしどりマコ)

 【速報】福島県立医科大学とIAEAとの実施取決め全文(おしどりマコ)

【IAEAについて学ぶ】「終りのない惨劇」ミシェル・フェルネックスさんのインタビューから

今年3月に出版された「終りのない惨劇--チェルノブイリの教訓から--」(ミシェル・フェルネックス、ロザリー・バーテルほか。訳 竹内雅文)(緑風出版)は、IAEAについて学ぶ最高の文献の1つです。

1979年に民間の国際的な法廷である常設人民法廷(PPT)がイタリアで設立さました。1996年、ウィーンでその第26回目の人民法廷として、いわゆるチェルノブイリ人民法廷が開かれました。
この本にはその法廷で、チェルノブイリ事故でIAEAが行なったことを証言したロザリー・バーテルやミッシェル・フェルネックスさんの貴重な証言が収められています(第3部)。

是非、この書物を手に取って、読んで欲しいと思いますが、ここでは、 ミシェル・フェルネックスさんが昨年3.11以後に受けたインタビューから、さわり部分を紹介します。

 WHOは、1959年5月28日にIAEAと協定「WHA12-40」を締結しました。
この協定には、次のような内容が盛り込まれています。

第1条 協力と協議
‥‥
3 両者の一方が、他方にとって大いに重要性のある、あるいはその可能性がある分野でのプログラムに着手する際には毎回、前者は合意の上で課題を解決するために、後者の意見を求める。

第3条 情報および資料の交換
1 国際原子力機関と世界保健機関は、提供された情報の守秘性を保つために、ある種の制限措置を取らざるを得ない場合があることを認める。‥‥


なぜこのような協定を結んだのか、その理由・背景について、 フェルネックスさんはインタビューでこう語っています。

--WHOとIAEAの1959年合意は、WHO12-40という文書ですが、どういう経緯で生まれたのでしょう。

ミシェル・フェルネックス
1956年に、WHOは遺伝学者たちを集めて、こういう設問をしました。
「原子力産業が発達していき、人々が被ばくを受ける機会も増えていこうとしている。被ばくは人体にどんな遺伝的な影響を与えるか」
作業グループには有名な医者が何人も入っていて、うち1人は遺伝学でノーベル賞を受賞しています。報告書の結論はこうでした‥‥。原子力産業は放射能を増大させ、結果として一般の人々の間に変異を引き起こす。個々の人々にとって有害であるばかりか、子孫にも害は及んでいく‥‥というのです。

この警告は国連をだいぶ不安にさせました。そして、国際原子力機関(IAEA)が1957年に設立されました。わずか1年後です。

IAEAは国連のあらゆる下部組織と協定を締結しました。この時に、いろいろとおかしなことになったのですね。まあ、協定の存在そのものは別に特別なことではないかもしれません。しかし、このWHOとの協定は、他のとはちょっとちがったのです。
例えば、機密を要する分野がある、と言うのですが、どの分野とは言っていません。こういうことは、WHOの憲章とまるで相反するものなのです。核の危険性という口実のもとに秘密が維持されていくと、世論はどうなりますか。それはあってはならないことです。

この合意文書につはもう1点、こういうのもあります。2つの機関は双方が共に関心を有するプロジェクトについては必ず、合意していなくてはならない、というのです。それがどういうことを意味するか、チェルノブイリのときにはっきりしたのです。
          (「終りのない惨劇--チェルノブイリの教訓から--」40~41頁)

 チェルノブイリのときに、どのようにはっきりしたのか。 フェルネックスさんはドキュメンタリー「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染を巡って 」の中でこう語っています。

WHO私は協力関係あります。 
マラリアとフィラリアの研究委員会で熱帯医学者として15年間いたからです。
WHOには大きな尊敬念を持っていますが、
1986年から年間WHOチェルノブイリの現場に不在であったことを大変悲しんでいます。
年間 彼らは現場に一切姿を見せなかった。
WHOは国際原子力機関IAEA現地調査を一任した。
残念なことです。

これについて、 フェルネックスさんはインタビューでもこう述べています。

--チェルノブイリの惨事の時と、今日、福島に対してとで、WHOの動きに似た点があるとお考えですか。

ミシェル・フェルネックス
不在という点が共通しています。奇妙な不在です。データを収集し、提供するために、やるべきことが沢山あるでしょう。それなのに、WHOは何もしていません。IAEAが出したきた数値を、そのままくり返してみせただけなんです。日本に行って、WHOを探してご覧なさい。影も形もありません。WHOはいません。初めからずっといるのは、IAEAです。
原子力の大事故が新たに起こっているのに、WHOは完璧に姿を消してしまったのです。WHOはそのうち、病人の数が40人だとか50人だとか、5000人だとか、あるいは50万人だとか言うことでしょう。何人になるかは、IAEAの出してくる数値次第ということです。

--死者や病人の数を、誰か人が「決定する」とおっしゃりたいのですか。

ミシェル・フェルネックス
チェルノブイリでは、まさにそういうことが起こったのです。‥‥私は2004年のジュネーブでのWHOのフォーラムに行きました。IAEAを代表している人物が、3日間にわたって、フォーラムの座長を務めていました。
冒頭の話で、彼の説明によれば、これから私たちはチェルノブイリでの死者が40万人いたのか40人なのか、決定するのだと言うのです。そして、3日かかって私たちは38人という結果を手にしました。どうやってか?ですか。問題点をひとつ、丸ごと消去するのです。ご説明しましょう。

何の準備もしていない一人の小児医学者にいきなり質問をぶつけて、答えられなかったからと言って、科学者たちは、討論から小児医学を排除しました。
          (「終りのない惨劇--チェルノブイリの教訓から--」42~43頁) 

こんなことが本当にあったのかどうか、誰もが一瞬、我が目を疑うでしょう。しかし、2001年のIAEAとWHOが主催したキエフ国際会議におけるIAEA代表者の次の発言(その動画は->こちら)を聞いて下さい。
我々は現在何を知っているのか?
実は新たな情報など何も無いのです

こで賞金100万ドル級の難問を一つ
予想できない影響は測定もできないのに、本当にあると言えるのか

よくある質問です

私の回答はこうです
これは解決不能な科学認識論の問題で、直接理解する術はない
私達は知らないのです
既に50年以上前に、また、25年以上前のチェルノブイリ事故のときに、先週15日から福島県郡山市でおこなったIAEAの閣僚会議の原点・原型が存在したことが理解できる筈です。 




2012年12月20日木曜日

【お知らせ】子どもたちを核戦争から守れ! 12.21ふくしま集団疎開裁判文科省前&財務省上抗議行動→IWJ・CH7

【速報】 本日、山本太郎さん20時半より電話中継決定です。
【速報】 本日のIWJのネット中継は チャンネルはCh7です。

7月27日(金)からスタートした文科省前~官邸前抗議行動(そのアピール文)、これまで、毎週金曜日、実施してきました(過去の行動の動画は末尾に掲載)。
今週金曜日(12.21)も、文科省前と財務省上で、次の通り実施します。

【重要なお知らせ】
福島からの声
 今回、福島から現地の声を伝えるのは次の方です。
渡辺隆行さん(南相馬市から自主避難。治療家。避難先で専門家養成の学校を起業)->財務省上
 注目!いま、福島の子どもたちのからだでおこっていること

遠方からの声
今回、遠方からお越しいただき、メッセージを伝えるのは次の方です。
・フランスから、クリストフ・エランさん(Christophe Elain  IndependentWHO)->財務省上
 日本政府とIAEAの福島閣僚会議への抗議行動に参加して

IAEAについて
田島直樹さん(内部被曝問題研会員)->文科省前
 今回の閣僚会議で締結したIAEAと福島県の「覚書」の署名(英文仮訳)と「覚書」(英文仮訳)と3つの「実施取決め」(→外務省HP)の不思議な中身について 

総選挙と「子どもの集団避難」という争点について
・丸子安子さん(服飾デザイナー)->文科省前
・山本太郎さん(電話中継の調整中)

さらに明らかにされた「ふくしまのウソ」
 ・演劇班 新作の寸劇
 ①.世界中の国前で、WHOではなく、IAEAと結婚式をあげた福島県(仮題)

財務省上の開始時間と終了時間
開始は7時半頃。
終了時刻は今回は9時です。

財務省上の場所の変更
財務省建物側(これまでの場所から財務省建物に向かって信号を渡ります)でやります。→地図

文科省前の終了時間
7時すぎには終わる予定です。間に合わない方は、7時半からの財務省上にお越しください。

日程・場所
 12月21日(金)午後5時~7時すぎ 文科省前 地図(青文字で表示)
         午後7時半~9時 財務省上 地図(赤文字のコーナー)

ネット中継:18時~ USTREAM配信  IWJ・未定 (※IWJの中継チャンネルは、毎週木曜日の夜、ここで分かります)

抗議内容
  ・かんしょ踊り:かつて文明化推進の明治中央政府から「野暮で後進的」という理由で撲滅・禁止され、生き延びたたと言われる福島県会津の踊りを、今、原発推進の平成中央政府から抑圧・迫害されている福島県の子どもたちの集団避難を求める市民が「抵抗の踊り」として踊ります。

 ・紙芝居(寸劇) :マスコミが伝えない福島の現実を、1枚の紙と語りで伝える。

国内遠方・海外からの参加
  国内遠方の皆さん、海外の皆さんからも、この抗議行動に参加ください。このブログの以下のコメント欄で、またはメール(→sokai*song- deborah.com【*を@に差し替えて送信ください】)で抗議の声を表明して下さい(ブログで紹介させていただきます)。

主催 ふくしま集団疎開裁判の会
 連絡先
ふくしま集団疎開裁判の会代表/井上利男  
電話 024-954-7478
メール sokai*song-deborah.com
    (メールは*を@に差し替えて送信ください) 

過去の抗議行動の動画
 7.27(->動画
 8.3 (->動画) 
 8.10(->動画
 8.17(->動画
 8.24(->動画 紙芝居 井戸謙一さんのスピーチ
 8.31(->動画
 9.7 (->動画
 9.14(->動画 文科省前 財務省上
 9.21 (->動画 文科省前 財務省上
 9.28(->動画 文科省前 財務省上
 10.5 (->動画 文科省前 財務省上
 10.12 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上
 10.19(->動画 文科省前 財務省上
 10.26 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上

2012年12月15日土曜日

【声明】日本政府とIAEAの福島閣僚会議に対する抗議声明



2001年、IAEAとWHOが主催したキエフ国際会議におけるIAEA代表(A.ゴンザレス)の発言(ドキュメンタリー「真実はどこに?―WHOとIAEA 放射能汚染をめぐって」から)
我々は現在何を知っているのか?
実は新たな情報など何も無いのです

こで賞金100万ドル級の難問を一つ
予想できない影響は測定もできないのに、本当にあると言えるのか

よくある質問です

私の回答はこうです
これは解決不能な科学認識論の問題で、直接理解する術はない
私達は知らないのです

  ******************************

                                      2012年12月14日
玄葉光一郎 外務大臣 
                                 「ふくしま集団疎開裁判」の会
                                         代表 井上利男

日本政府とIAEAの福島閣僚会議に対する抗議声明

IAEAはもともと「原子力の平和利用を推進」つまり、原子力発電所を推進する目的で設立されたものです。
ところで、原子力発電所の推進をめざす側にとって、原発事故とりわけチェルノブイリ事故や福島原発事故のような未曾有の人災事故は己の政策の致命的な失敗、破綻を意味します。彼らは原発事故を冷静中立に眺める立場にいないのです。彼らは、否応なしに「原発事故は出来る限り小さい」と願わずにおれいないのです。従って、このような立場にいる者が、原発事故の正確な検証、とりわけ事故による住民や地球環境の甚大な被害を正確に検証することは極めて困難であり、本来できる筈がありません。住民や地球環境の甚大な被害を正確に検証するためには、「原子力発電所の推進」という利害関係を持たない、真に中立公正な立場の者が実施すべきです。それは断じてIAEAではありません。

その最も雄弁な証拠がチェルノブイリ事故で果したIAEAの役割です。IAEAは、チェルノブイリ事故において、「事故を極力小さく見せる」ために、ソ連政府と緊密に連携して、一方で、事故の原因を、原子炉の構造的な欠陥であることを隠すために、運転員の操作ミスという冤罪をねつ造し、運転員たちにいわれのない罪と不名誉を負わせました。他方で、事故の被害である住民の深刻な健康被害について、2001年、IAEAとWHOが主催したキエフ国際会議におけるIAEA代表(A.ゴンザレス)の以下の発言()でも明らかな通り、原発事故との因果関係を徹底的に否定し、その結果、膨大な数の住民とりわけ子どもたちが苦しみの中で救いの手を差し伸べられないまま放置され、亡くなりました。このソ連政府とIAEAの取組みは多くの市民に対し「身体又は心身の健康に対して故意に重い苦痛を与え、又は重大な傷害を加えるもの」であって、「国家もしくは集団によって一般の国民に対してなされた謀殺、絶滅を目的とした大量殺人、奴隷化、追放その他の非人道的行為」である人道に対する罪に該当する集団人権侵害行為で、国際刑事裁判所で厳正に裁かれるべき重大犯罪です。
ところが、IAEAは、今なお、チェルノブイリ事故で犯したこの犯罪について正式に認め、謝罪していません。ということは、福島原発事故でも、チェルノブイリ事故で果した役割をくり返す積りであることは明白です。しかし、私たちはチェルノブイリの真実がどこにあるか知っています。私たちは、二度と、決して、チェルノブイリ事故で犯したIAEAの犯罪をくり返させることはしません。

IAEAを福島県郡山市に招待した日本政府と外務省が今行なうべきことは、チェルノブイリ事故で犯したIAEAの犯罪を福島でくり返させないために、IAEAに改悛と謝罪を迫るべきである。それができないようなら、この会議を中止すべきである。さもなければ、チェルノブイリ事故で犯したIAEAの犯罪を福島でもくり返すことになり、日本政府と外務省は自らも「人道に対する罪」の犯罪者として国際刑事裁判所で裁かれるべき被告人の席につくことを覚悟すべきである。

2001年、IAEAとWHOが主催したキエフ国際会議におけるIAEA代表(A.ゴンザレス)の発言(ドキュメンタリー「真実はどこに?」から)

我々は現在何を知っているのか?
実は新たな情報など何も無いのです

こで賞金100万ドル級の難問を一つ
予想できない影響は測定もできないのに、本当にあると言えるのか

よくある質問です

私の回答はこうです
これは解決不能な科学認識論の問題で、直接理解する術はない
私達は知らないのです

【お知らせ】子どもたちを核戦争から守れ! 12.15「Nuclear Free Now さようなら原発世界大集会」スピーチ&ワークショップ

12月15日、IAEAの郡山での閣僚会議に対抗して、東京・日比谷と郡山で同時参加型アクション「Nuclear Free Now」が行われます。

東京・日比谷野外音楽堂で企画される以下の集会で、疎開裁判の会はスピーチとブースでワークショップ(寸劇・裁判報告など)を行ないます。

1、スピーチ
■日時:12月15日(土)13:00~ 
■会場:東京・日比谷野外音楽堂 ->市民広場 に訂正
    (地下鉄「霞ヶ関駅」「日比谷駅」)
■プログラム
13:00~
  弁護団 柳原敏夫

2、 ブースでワークショップ
■日時:12月15日(土)14:00~14:50
■会場:東京・日比谷公園 第二花壇のワークショップテント
 地図 赤い矢印のテント
クリックで拡大

■プログラム
・寸劇(IAEAって何?の新作)  演劇班
・各政党・立候補者宛てのアンケート報告と識者のコメント
・IAEAに関する解説        田島直樹さん
・福島と疎開裁判の近況報告  弁護団 光前幸一

2012年12月14日金曜日

【IAEAについて学ぶ】【論考】IAEAと福島 〔その1~3〕 (12/12)

南相馬市在住のルポライター奥村岳志さんが、彼のブログ「福島 フクシマ FUKUSHIMA--津波被害と原発震災に立ち向かう人々とともに--」に、IAEAについて興味深いレポートを書いておられるので、紹介します。

【中間報告1】12.4衆議院議員候補者に宛てた史上最悪の人災から「子どもたちの命を守る」と公約するかどうかについての質問状の回答(東京8区山本太郎候補)

【速報】12.4各政党と候補者に宛てた質問状:史上最悪の人災から「子どもたちの命を守る」と公約するかどうか
に対して、 12月14日、東京8区 山本太郎候補から以下の回答がありましたので、紹介します。

今回の総選挙の候補者の中で、初めて、子どもの避難の肯定を正面から公約として掲げました。


1、年間5msv以上の地域の疎開

はい


2、年間1mSv以上の地域の疎開

はい

コメント

子どもの疎開は当然である。
世界中どこを探しても原発事故で汚染された地域に子どもを「安全」と住まわせる狂人国家があると言うのか。
ウクライナでは年一ミリの地域に住む子どもたちにも健康被害が生まれている。
食品による内部被曝だ。
食品の安全基準値も大幅に見直さなければ大変な事になる。
福島に限らず、東日本の数値の高い場所に住む子どもたちの移動を急がねばならない。
子どもを守れぬ国に未来はない。

【ふり返り】ふくしま疎開裁判の歩み(2011.4~2013.1)(12.25追加)

 ふくしま集団疎開裁判を理解するために、その歩みを知りたいという声をたくさんの方から寄せられました。まだ不十分ですが、とりあえず、以下を作成しました。


ふくしま疎開裁判の歩み(2011.42013.1)    2012.12.25現在

月日
出来事
2000年
講演チェルノブイリ原発事故後の健康問題」(演者山下俊一)
 原発から150キロ離れたベラルーシ「ゴメリ」地区の小児甲状腺ガンは、チェルノブイリ事故の翌年に4倍に増加したデータを紹介。
クリックで拡大
2005年
斑目春樹(2011年当時、原子力安全委員会委員長)インタビュー
「原子力発電所‥‥安心なんかできるわけないじゃないですか、あんな不気味なもの‥‥」
映像
2009年
論文「放射線の光と影:世界保健機関の戦略」(著者山下俊一)
チェルノブイリ事故直後、ソ連では安定ヨウ素剤は配布されず、そのため多くの子どもたちがのちに甲状腺がん等の病気になったが、隣国ポーランドでは直ちに安定ヨウ素剤を配布したため、子どもの甲状腺がんの発生はゼロだった事実を指摘。
2011
3.11
福島第一原発事故
3.21
ICRPの日本への異例の勧告(緊急時被ばく状況、現存被ばく状況の名の下に年20100 mCv120mCvの大量被曝を容認した2007年勧告を実施するように勧告)
3.24
山下俊一日本甲状腺学会理事長、学会会員宛てに、福島原発事故で被ばくした福島県の子どもたちに安定ヨウ素剤の配布は必要ないという文書を出す。
しかし、チェルノブイリ事故直後、ソ連では安定ヨウ素剤は配布されず、そのため多くの子どもたちがのちに甲状腺がん等の病気になったのに対し、隣国ポーランドでは直ちに安定ヨウ素剤を配布したため、子どもの甲状腺がんの発生はゼロだった事実を指摘したのは山下俊一氏その人である(論文「放射線の光と影:世界保健機関の戦略」2009年3月。537頁左段1行目以下)
4.19
文科省、ICRP勧告を大義名分にして、暫定的に福島県内の小中学校等の安全基準として年20mSvを適用する
5.17
弁護団、矢ヶ崎克馬氏の郡山講演会(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク主催)
内部被曝を避けるために――怒りを胸に、楽天性を保って、最大防御を
を聞きに初めて郡山入り。目に映る光景がそれまでの日常と全く変わらないことにショック受ける。後に疎開裁判の最大の協力者となる矢ヶ崎氏との最初の出会い。
映像
5.22
文科省通知を撤回させるための裁判に向け、郡山で開催の「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」で原告の親と弁護団、支援者の最初の出会い。
5.23
福島の親たち、文科省で20mSv基準を撤回するように厳重抗議。
映像
5.27
文科省、暫定措置のさらに暫定措置として、通知を事実上、撤回する声明
 
6.24
郡山市の小中学生14名が郡山市に対し、年1mSv以下の場所での教育を求めて、福島地裁郡山支部に仮処分を申立てる(3.118.31の空間線量の積算値7.8~17.2mSv)
映像
7.5
第1回裁判。裁判所、形式的な理由で門前払いせず、被曝の危険性という本論に入る態度表明
映像
7.1721
ECRR(欧州放射線リスク委員会)のクリス・バズビー科学事務局長、来日講演(東京、会津若松、松戸)
講演映像  会見映像  インタビュー映像 
 
7.19
第2回裁判。郡山市「集団避難を求める裁判は不適法。市の措置は十分で避難の必要なし」と答弁。原告は集団避難を求めるものではないと説明し、郡山市了承、改めて反論を準備。裁判所、①和解による解決ができないか、双方に検討を要請、②あと2回で審理終結を宣言。
映像
 
8.26
第3回裁判。郡山市、従来の主張に、自主避難(転校)の自由論「転校の自由があるのだから危険だと思えば自分の判断で引っ越せばよい」を追加。裁判所、「和解の検討」を撤回。
8.30
文科省、初めて、セシウムの土壌汚染データを公表。これにより、健康被害についてチェルノブイリ事故との具体的な対比が初めて可能となる。9.9裁判に提出。
9.9
第4回裁判。原告の最終の主張(最終準備書面証拠説明書4)。これに対し、裁判所、異例の審理延長を表明。①郡山市に、健康被害について初めてチェルノブイリ事故との具体的な対比(甲状腺疾病)を行なった矢ヶ崎意見書汚染マップ等に反論を要請。②原告の求めに応じ、原告にファイナルアンサーの機会を与える。
9.19
明治公園「さようなら脱原発集会」6万人デモ。福島から大勢の参加者とアピール
 「福島からあなたへ」(武藤類子さん)
 

10.7
郡山市の反論の締め切り。従来の主張のくり返しにとどまる。チェルノブイリ事故との対比について(矢ヶ崎意見書等)は「不知」と答えるのみ(最終準備書面。「無気力、無関心・無責任」の態度がありあり)
10.15
郡山で集会&デモ。疎開裁判に勝つためには、担当の裁判官らの力だけでは不可能、裁判官たちによる世直しを支持する多くの市民の力が必要と訴える(裁判報告)。
映像  山本太郎さんも応援→映像  ブログの報告
  
10.31
原告の再反論の締め切り。甲状腺疾病以外の健康被害につきチェルノブイリ事故との具体的な対比を行なった松井意見書パンダジェフスキー論文による心臓病の発症を警告するバズビー論文、プルトニウムの危険性を警鐘した矢ヶ崎意見書(2)等を提出(最終準備書面の補充書2 証拠説明書6)。
11.23
判決前夜アクション:郡山で講演会(松井英介医師)&リレートーク。
Ustream映像  ブログの記事
12.2
原告、再反論を補充。チェルノブイリ避難基準を適用した新しい汚染マップ等を提出(最終準備書面の補充書3 証拠説明書8)。
12.16
福島地裁郡山支部、野田総理「収束宣言」に合わせ、原告の申立てを斥ける却下決定を出す。→会見映像 ブログの報告 コメント1 コメント2 コメント3
 
12.23
判決不服従アクション:郡山で講演会(広河隆一さん)&裁判報告会(スカイプで中継)→Ustream映像 ブログの記事
12.27
判決に対し異議申立する(二審は仙台高裁)&判決不服従アクション:判決勉強会 →Ustream映像 ブログの記事
2012
1.12
世界からの声:米国の思想家のノーム・チョムスキーから裁判支援のメッセージ届く。
「‥‥社会が道徳的に健全であるかどうかをはかる基準として、社会の最も弱い立場の人たちのことを社会がどう取り扱うかという基準に勝るものはなく、
許し難い行為の犠牲者となっている子どもたち以上に傷つきやすい存在、大切な存在はありません。
日本にとって、そして世界中の私たち全員にとって、この法廷は失敗が許されないテスト(試練)なのです。

1.16
山下俊一福島県立医大副学長ら、日本甲状腺学会会員宛てに、甲状腺検査を受けた福島県の子どもたちのうち5mm以下の結節や20mm以下ののう胞が見っかった者の親子たちが、セカンドオピニオンを求めに来ても応じないように、と求める文書を出す。

1.25
下俊一氏を座長とする福島県「県民健康管理調査」検討委員会、原発周辺の子どもを対象にした第1回目の甲状腺検査を公表。29・7%の子に、5ミリ以下のしこりか、20ミリ以下の嚢胞。
この結果について、鈴木真一・県立医科大教授「甲状腺の腫瘍はゆっくり進行するので、今後も慎重に診ていく必要があるが、しこりは良性と思われ、安心している」
 のちに、多数の小児甲状腺がんが判明したら、「(甲状腺の腫瘍が多いのは)スクリーニング効果(大規模かつ精度の高い調査)のせいだ」と言い換えた。
2.19
神戸大学大学院教授の山内知也さん(放射線計測学)、郡山市内の2つの小学校の152箇所で空間線量を測定→環境省によって除染の基準とされている0.23 µSv/hを下回ったのは9カ所(5.9%)。 いずれも数値が最大40%ちがう2台のモニタリングポストが並ぶ(同様のものが約480台、福島県内に設置)。→山内意見書

意見書作成のため郡山市の小学校で測定する山内知也さん(クリックで拡大)

2.27
市民が陪審員となり裁く回世界市民法廷、日比谷で開催(英語の同時通訳で全世界に発信)ブログの報告
記者会見(2.17)の動画(武藤類子さん)


大江健三郎さんのメッセージ記者会見映像

前半 法廷再現+陪審劇
    ふくしまの子どもの声
 
後半  ゲスト

2.29
二審の争点は「チェルノブイリは警告する」から「ふくしまは警告する」へ。
原告、仙台高裁に第1回甲状腺検査結果の危険な事態を解明した矢ヶ崎意見書(4)と郡山の小学校の空間線量を詳細に測定した山内意見書等を提出(抗告理由書 証拠説明書9)。
3.17
市民が陪審員となり裁く第2回世界市民法廷、郡山で開催(英語の同時通訳で全世界に発信)。ブログの報告
前半 法廷再現+陪審劇
 
後半 ゲスト 
 Ustreamの映像
4.17
郡山市の反論。初めて、100mSv問題やチェルノブイリ事故など科学論争に足を踏み入れる(答弁書)。ブログの解説(1度目のドンデン返し
5.6
緊急記者会見。郡山市教育委員会が、1月23日から、ひそかに市内小中学校でホットスポットの測定を週1回のペースで実施していた。市民の情報開示手続により入手したホットスポットのデータを公表。UPI通信の報道(英文)
ブログの記事
5.20
原告の再反論。第2回甲状腺検査結果の危険な事態を詳細に解明した松崎意見書や除染、ホットスポットの現状を報告した武本報告書等提出(抗告人準備書面1と証拠28点。証拠説明書10)。ブログの解説(松崎意見書 武本報告書)
これに対し、郡山市、反論のため、2ヶ月半という異例の長期の猶予を求める。
ブログの解説(2度目のドンデン返し
7.16
7.19
米国のニュースサイト「Business Insider」に、ふくしまの子どもたちの甲状腺検査結果について「危ない」と欧米の専門家が警鐘を鳴らす記事が連続して掲載され、話題となる。
1回目の記事(7.16)  2回目の記事7.19

7.27
街頭に出るアクション:官邸前抗議行動で疎開裁判のスピーチ。以後、毎週金曜日に文科省前~財務省上抗議行動を継続(21週連続)。福島からの声、遠方からの声、寸劇、かんしょ踊り。
 7.27(->動画) 8.3 (->動画) 8.10(->動画) 8.17(->動画
 8.24(->動画 紙芝居 井戸謙一さんのスピーチ) 8.31(->動画
 9.7 (->動画) 9.14(->動画 文科省前 財務省上
 9.21 (->動画 文科省前 財務省上) 9.28(->動画 文科省前 財務省上
 10.5 (->動画 文科省前 財務省上
 10.12 (->動画 文科省前前半 文科省全部 財務省上) 

7.28
松崎意見書、在米医師により英訳され(英文)、話題となる→ブログの解説
 
8.2
郡山市から再反論(第1準備書面 証拠説明書)。サッカーの試合で言えば、延長戦後半を終了、ロスタイム入り。→ブロクの解説
 
8.3
仙台高裁、審尋期日を設けると連絡。仮処分として異例の裁判(審尋=非公開の審理)が開かれることに。→ブログの解説
 
8.22
野田首相に、首都圏反原発連合を通じて、「ふくしまの子どもたちの集団避難の即時実現」の申入書を手渡す。 
 
9.11
県民健康管理調査、甲状腺検査結果について最悪の被害の発表「6~10歳女子の54.1%、11~15歳女子の55.3%に『のう胞』か『結節』発見。
38人の中から1人小児甲状腺ガン発見」→ブログの解説
 山下俊一座長、「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」等を理由にして原発事故との因果関係を否定。
しかし、原発から150キロ離れたベラルーシ「ゴメリ」地区の小児甲状腺ガンは、チェルノブイリ事故の翌年に4倍に増加した事実を指摘したのは山下俊一氏その人である(チェルノブイリ原発事故後の健康問題」(2000年)表2)
9.28
ブックレット『いま 子どもがあぶない--福島原発事故から子どもを守る「集団疎開裁判」--緊急出版→ブログの解説
 
クリックで拡大
9.28
山下俊一氏の証人調べを求める申入書を仙台高裁に提出 →ブログの解説
 
10.1
二審第回裁判。仙台アクション:集会&デモ 矢ヶ崎克馬氏、松崎道幸医師、参加。
集会の動画


 講演会

10.1
全国会議員に、国政の最大課題「子ども達の集団避難の即時実現」について質問状を出す。→ブログの解説  回答一覧表(11.16現在回答率2.2%)

10.3~
毎日新聞、県民健康管理調査の検討委員会を巡り、県が委員らを事前に集め秘密裏に「準備会」を開いていたこと、準備会では調査結果に対する見解をすり合わせ「がん発生と原発事故に因果関係はない」ことなどを共通認識とした上で、本会合の検討委でのやりとりを事前に打ち合わせていたこと、委員が発言する内容について県が予めシナリオ(議事進行表)を作成し、委員に送付していたこと、出席者には準備会の存在を外部に漏らさぬよう口止めもしていたことなどをスクープ。→記事1 記事2
10.5
市民と科学者の内部被曝問題研究会」のモニタリングポスト検証チーム矢ヶ﨑克馬さんら)、文科省が設置したモニタリングポストの実態調査結果(結論部分「住民の曝されている放射線量に対してモニタリングポスト値は約半分」しかない)を発表 →会見資料 →ブログの解説

10.30
世界に出るアクション:ジュネーブ国連人権理事会で日本の人権侵害を審査する作業部会に情報提供する説明会で、福島の惨状と子どもたちの救済をアピール。同行:井戸川双葉町町長(彼の立場は世界標準であるチェルノブイリ住民避難基準=年1mSv以下を採用すべき→その動画)。
Ustream映像
 翌日、WHOの前で毎日無言の抗議行動をするIndependentWHO訪問の映像
 翌日、UPR日本審査を受けて、NGO合同記者会見の映像30分30秒~) 
 
11.2
国連の人権理事会(作業部会)、日本政府に対し「福島住民の健康の権利守れ」 という報告書を採択。 朝日新聞の記事
 
11.17
国連人権理事会から派遣され来日した特別報告者アナンド・グローバー氏に、疎開裁判の報告と裁判資料を手渡す。
11.26 日本政府と福島県を厳しく批判する東京新聞の記事
 と会見映像
 
11.26
二審第2回裁判。仙台アクション:集会&デモ
映像
 
12.4
全政党に、史上最悪の人災から「子どもたちの命を守る」と公約するかどうかについて質問状を出す。→ブログの解説  回答一覧表12.13現在) 
 
12.14
日本政府とIAEAの福島閣僚会議に対する抗議声明を出す。→ブログの解説 
 
2013
1.21
二審第3回裁判(予定)。