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2012年12月3日月曜日

【報告】12.3記者会見:子どもの命を守るかどうかが政党・候補者の「リトマス試験紙」

本日(12月3日)、参議院議員会館で、以下の記者会見が開かれ、疎開裁判の会も参加。
争点になっている「福島の復興」「脱原発」も、その真の緊急・最優先課題とは「いのちの復興」「脱被ばくによりいのちを守ること」であり、言い換えれば「子どもたちの集団疎開の即時実現」にほかならず、これを公約できるかどうかが、信頼できる誠実な政党・候補者であるかどうかの「リトマス試験紙」であると訴えました。

「官邸前・経産省前 抗議行動」主催者による緊急・連続記者会見
  原発・TPP・消費税・オスプレイを争点に、
  市民の目で議員・政党を選ぼう!

以下、本日のスピーチ(弁護団の柳原敏夫)です。

1、昨年3.11の原発事故以来、ふくしまの子どもたちは前代未聞の危険な状態に中に置かれています。この汚染マップをご覧下さい。

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昨年9月の郡山市の放射能汚染状況は、チェルノブイリ住民避難基準に当てはめると、殆どが、この地図の赤丸つまり住民はここに住んでいてはいけないという強制移住地域に相当します。
このような桁違いに危険な場所で、子どもたちは今なお教育を受けているのです。

次に、この写真をご覧下さい。

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この写真のように、福島県の小中学校、公園500ヶ所で放射線量を測定する線量計が2台並んでいます。一方は他方より4割も値が低いという異常な光景です。
今、ふくしまは、3.11以後、新たな「安全・安心」神話作りのまっただ中にあり、その虚構のふくしまのもとで「復興」が進められています。その最大の被害者は子どもたちです。
それは、最新の甲状腺検査結果で、6~15歳の女子の半分以上に甲状腺の異変が発見されたというひとことからして明らかです。
しかし、国と福島県は何ら対策を取ろうとしません。
これは、国・県による児童虐待です。
文科省による我が国最大のいじめです。

2、しかし、この未曾有の人権侵害に、世界から声があがりました。
 先月2日、ジュネーブの国連人権理事会で、日本政府の人権侵害を審査するUPRという場で、初めて、日本政府に対し「福島の住民の健康の権利を守れ」と勧告する報告書が採択されました。
 また、福島の住民の健康に関する人権侵害を調査するため、 先月、国連人権理事会から独立した専門家が派遣され、ふくしまで調査し、26日の記者会見で、国と福島県を痛烈に批判する見解を発表しました。それを報じたのがこの東京新聞の記事です。

 世界はいま、福島の住民とりわけ社会的弱者である子どもたちの健康被害の行方を憂慮し、注目しています。

3、そこで,総選挙を前にして、主権者の市民の皆さんにお伝えしたいことが2つあります。
 
(1)、「復興事業」
 福島の「復興事業」をめぐってあれこれ論議されています。しかし、この「復興事業」で最優先に取り組むべき最重要課題とは「いのちの復興」です。すなわち、今すぐ子どもたちを安全な場所に集団避難させること(子どもたちの集団疎開)です。まずこれをやってこそ、初めて除染などの次の「復興事業」の意味があり、これ抜きの「復興事業」では子どもたちを慢性疾患を抱えた病気の人々にする結果となることはチェルノブイリの経験が証明しています。
そのことを胆に命じて、候補者・政党の真価を見抜いていただきたいと思います。

(2)、「脱原発」
「脱原発」をめぐってもあれこれ論議されています。しかし「脱原発」の目の前の今すぐ解決すべき最重要課題とは「脱被ばく(被ばくから逃すこと)」です。今なお大量の被ばくをし続けているふくしまの子どもたちを今すぐ被ばくから逃がすこと(子どもたちの集団疎開)です。
「脱原発」を願う人々が「脱原発」で守ろうとする究極の価値は「命」です。だとすれば、今、原発事故で命の危険にさらされているふくしまの子どもたちを救うことは「脱原発」を願う人々が直面する最も重要な課題の筈です。

3.11原発事故は日本史上、最大の人災です。その最大の犠牲者がふくしまの子どもたちです。のみならず、事故後も人災を引き起こした加害者としての自覚が全くない政府の「事故を小さく見せる」という政策の最大の犠牲にされたのもふくしまの子どもたちです。 
 日本史上、これ以上の不正義があったでしょうか。
子どもの命を守るというのは国政の政策レベルの問題ではありません。国の最低限の道徳的責務です。従って、この政治の根本問題を解決する能力も意思もない候補者・政党に、そもそも政治を担当する資格などありません。

いま、危機に瀕しているふくしまの子どもの命を救うのか見殺しにするのか--これがいま、日本の政治が問われている最大でかつ最低限の課題です。
 主権者である市民の皆さん、「子どもたちの集団疎開」に注目ください。総選挙の立候補者・政党が真に我々主権者の付託に応えるだけの誠実な人物であるかどうかは、政治の最低限の道徳的責務である「子どもたちの集団疎開」と取り組む意思と情熱があるかどうかではっきり分かるからです。
どうか、「子どもたちの集団疎開」を鏡(リトマス試験紙)にして、立候補者・政党の真価を判断して下さるようお願いいたします。

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