【アクション告知】

■ 霞ヶ関アクション(原則毎月19日に開催) 今回変更あり
   日時:5
月18日(木)に変更 19時30分~20時15分
   場所:首相
官邸前(共謀罪廃案を求める全国行動後)
    ※衆議院議員会館前にて18時半からチラシ配布

■ 日曜アクション (第2、4の日曜日開催) 
   日時: 5月28日 16時~17時
   場所: 新宿東口 アルタ前広場
   内容: 街頭宣伝


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2013年2月25日月曜日

【裁判速報】ロスタイムに入った裁判所に、緊急書面の提出(3)「福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。」松崎意見書(5)提出

2月20日、北海道深川市立病院内科の松崎道幸医師作成の意見書()(甲163)を提出しました。
これは、本年2月13日に、福島県の県民健康管理調査の検討委員会(座長・山下俊一福島県立医大副学長)が公表した結果をどう評価すべきかについて、検討委員会の座長である山下俊一氏が事故後5年目から検診したチェルノブイリ事故による甲状腺がんの発生データと対比して明らかにしたものです。つまり、3.11以前の山下氏を鏡にして、3.11以後の山下氏のデータ・見解を検証したものです。
その結論は、次の通りです。もはや、一刻の猶予もなりません。


1. 現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2. 甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3. 福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。 
4. 福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。

 以下、その全文です。

   *********************
意見書 (5)
――今、福島のこども達に発生している甲状腺がんについて――
 
松崎 道幸

(深川市立病院内科・医学博士)

2013年2月19日


目 次
第1.略歴
第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある
 
第1.略歴
甲131号証の記載の通り。

第2.福島の小児甲状腺がんの発生率はチェルノブイリと同じかそれ以上のおそれがある

1. 福島と同じ方法で実施された子どもの甲状腺検診データがチェルノブイリにある

2013年2月13日、福島県県民健康管理調査検討委員会において、甲状腺検診を受けた18才以下の子どもたち3万8千人から3名の甲状腺がんが発見されたことが報道されました。
しかもこのほかに甲状腺がんの疑いのある子どもさんが7名おられるということです。したがって、原発事故から2年も経たないうちに、3万8千人の子どもたちから最大10名の甲状腺がんの発生が予測されるという事態になりました。

この福島の数字が多いのか少ないのかを判断する上で、参考にできる調査があります。
それは、チェルノブイリの原発事故の5年後から開始された日本の医学者による被災地周辺の子どもたちの甲状腺検診結果です。
この検診の最初の詳しい報告は、1995年に山下俊一氏(現長崎大大学院医歯薬学総合研究科教授・福島県立医科大学副学長)、長瀧重信氏(長崎大学名誉教授)らが共同著者となった論文(以下「山下チーム論文」と記す)としてThyroidという医学雑誌に発表されています(【論文名】チェルノブイリ周辺の子どもの甲状腺の病気 【著者】Ito M, Yamashita S(山下俊一), Ashizawa K, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, Sekine I, Nagataki S(長瀧重信) 【掲載誌】『Thyroid(甲状腺)』第5巻第5号、365~8ページ、1995年)。

これは、事故時10才以下だったチェルノブイリ周辺の約5万人の子どもたちを対象に、事故から5~7年後に初めて甲状腺超音波検査を行った結果を報告したものです。
このチェルノブイリ検診が、今回の福島の検診結果を解釈する上で参考になるのは、次の共通点があるからです。

① 原則として調査地域のすべての子どもを検診対象とした
② 超音波検査で直径5ミリ以上の結節性病変のある者を穿刺細胞診の対象者として選択した。

下表にチェルノブイリと福島の小児甲状腺検診の概要および結果を示します。

* Ito M, Yamashita S, Ashizawa K, Hara T, Namba H, Hoshi M, Shibata Y, Sekine I, Kotova L, Panasyuk G, Demidchick EP, Nagataki S. Histopathological characteristics of childhood thyroid cancer in Gomel, Belarus. Int J Cancer. 1996 Jan 3;65(1):29-33.[1]
**(福島民報)「新たに2人甲状腺がん 県民健康管理調査」[2]

2. 福島の甲状腺がん頻度はチェルノブイリ周辺の高汚染地域と同じだった

チェルノブイリの検診では、径5ミリ超の甲状腺病変を超音波検査で検出し、穿刺細胞診検査などで診断を行った結果、55,054名から4名(1万4千人に1人)の甲状腺がんが発見されました。
下の地図に山下チーム論文の調査地域と放射能汚染度を示します。同縮尺で、福島周辺の放射能汚染度も併置しました。

下表は、山下チーム論文の表1をもとに、地域別の超音波検診数と甲状腺がん発見数を示したものです。調査地区中最も放射能汚染の高度なゴメリ地区では8,949名中2名に甲状腺がんが発見されました。


3.福島調査では3名が甲状腺がんと確定。他の7名も甲状腺がんの可能性が極めて濃厚

一方、福島調査では、38,114名から3名の甲状腺がんが確認され、なお、7名の結節(平均直径15mm)が甲状腺がんの疑いが濃厚であるということで精査中です。
毎日新聞[3]は、最終診断が未確定の7名のこどもについて、「7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある」(アンダーラインは松崎によるもの)と報道しています。


 したがって、現在の時点で、福島では、1万3千人に1人が甲状腺がんを発病しており、もし、他の7名がすべて甲状腺がんと確定したなら、3千8百人から1人甲状腺がんが発生したことになります。
下図は、チェルノブイリ周辺と福島の検診人数を四角形で、確定甲状腺がん数を黒丸、甲状腺がん疑い数を灰色丸で表示したものです。



原発事故数年後にチェルノブイリの高汚染地域(ゴメリ地区)では4千5百人に1人が甲状腺がんと診断されました。しかし福島では原発事故後2年も経たないうちに、甲状腺がん確定例が1万3千人に1人、疑い例も含めると3千人に1人と、ゴメリ地区に匹敵する発生率になる恐れがあることが明らかになりました。(下図左はゴメリ地区だけを表示)


4. 事故の1年後でチェルノブイリの数年後とすでに同じ発生頻度なら、福島の甲状腺がんはこれから激増する恐れがある

福島の子どもたちの甲状腺がんが原発事故による放射線被ばくと関連するとすれば、5年後には、さらに多くの甲状腺がんが福島において、発生すると見なければなりません。
下図に明らかなように、チェルノブイリ調査は、子どもたちに甲状腺がんが急増した時期に実施されたのに対し、福島調査は、チェルノブイリでわずかに甲状腺がんの増加が見られ始めた時期に実施されたことになります。しかも、すでに、チェルノブイリ事故の高汚染地域に匹敵する頻度で甲状腺がんが発生しているのですから、福島の子どもたちにチェルノブイリを上回る頻度で甲状腺がんが発病する恐れがあるとする予測には十分な根拠があります。



5. 山下チーム論文は、初期被ばくだけでなく、慢性低線量被ばくも甲状腺がん増加の原因であろうと正しく指摘していた

山下チーム論文は、次頁に該当部分を引用しましたが、チェルノブイリの小児甲状腺がんが、急性の直接被ばく(事故初期のヨード被ばく)だけでなく、その後の持続的低線量被ばく(放射性降下物による地表汚染)によって発生増加していると述べています。私もこの結論に同意します。私たちが出来るのは、子どもたちにこれ以上の放射線被ばくをさせないことです。子どもたちを現状の放射線汚染地域に住まわせることを見直し、移住・疎開等を真剣に考慮すべきです。

結論

1.     現在の福島の子どもたちには、被ばくから数年後のチェルノブイリ高汚染地域の子どもに匹敵する頻度で甲状腺がんが発生している。
2.     甲状腺がんは今後激増する恐れがある。
3.     福島中通りとその周辺の放射線レベルの高い地域に居住を続けることは、医学的にまったく推奨できない。速やかかつ真摯に移住、避難等の抜本的対策を講ずるべきである。
4.     福島の事態は、放射線防護に関する「権威ある」国際機関および専門家が言い続けてきた「予測」をはるかに上回ることが日増しにあきらになっており、従来の言説にとらわれない先取的、予防的対策が重要であることを認識すべきである。
以 上



[1]http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/(SICI)1097-0215(19960103)65:1%3C29::AID-IJC6%3E3.0.CO;2-3/pdf
[2] http://www.minpo.jp/news/detail/201302146637
[3] http://mainichi.jp/select/news/20130214k0000m040061000c.html

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