以下は、本日の仙台高裁の判決(決定)に対する弁護団の柳原敏夫の率直な感想です。
まもなく、判決の公開版と解説をアップします-->こちら
皆さんも、 是非、日本の子どもたちの命と未来を奪うこの重要な判決をただすために、これに対する皆さんの声を、判決直後アクションとしてあげてください。->こちら
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柳原 敏夫
ふくしま集団疎開裁判は科学裁判です。科学裁判で最も重要なのは事実です。危険かどうか。危険だったらそれを回避する、それが科学裁判の大原則。
その事実の判断で、本日、仙台高裁は、郡山市に住む原告は低線量の放射線に間断なく晒されており、低線量の放射線に長期間にわたり継続的に晒されることによって、その生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧されるとし、チェルノブイリ事故後に児童に発症した被害状況と対比したとき、郡山市のような地域に住む人々とりわけ児童生徒の生命・身体・健康について由々しい事態の進行が懸念されると、つまり郡山市の子どもは危ないと明言しました。これは画期的な事実認定です。だとしたら、子どもを危険から救済する判断を下すのが当然です。
だが、仙台高裁はそうしなかった。郡山市の子どもは危ない、にもかかわらず郡山市の子どもはそのままで結構だ、と。こんなアクロバットみたいな結論がどうやって導かれたのか。その究極のロジックは「危険だと思う子どもは自主避難すればよい」です。リスクは子どもが取れ、国も郡山市は何もする必要はない、と。冗談じゃない。全くあべこべだ。リスクは原発事故を起こした加害者の国が負え、国と共同で子どもを安全な環境で教育する憲法上の義務を負う自治体(郡山市)が負え。原発事故に100%責任のない純粋の被害者である子どもがリスクを取る必要は何一つない。それが本来の姿です。
こんな正が邪になり、悪が善になるようなあべこべのロジックを使って、最終的に、危険な中にいる子どもを危険から救済する判断を下さなかった、これ以上欺瞞的で、これ以上残酷な判決はいまだかつてなかったのではないでしょうか。
今ここで、何度でも、一緒に声をあげましょう!
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